昨日の春の嵐から一夜明けて、今日の神田川の桜は五分咲き。今は亡き巣鴨のMさんがむかし「オレは桜は好かんね、凡庸な花や」と言うから、じゃあ何の花が好き?と聞くと「うむ、梅の花やな」となかなか渋い。
たしかにMさんが言うように、染井吉野は凡庸と言えば凡庸。梅の方が趣きがある。ただ西行法師や王朝歌人が愛した桜は山桜。江戸時代後期に作られた新参者の染井吉野とはレベルが違う(笑)。
それでも今日のように青空と白雲を背景に、染井吉野のキッチュな絵葉書的情緒も捨てがたい。フジヤマを取り合わせるとなおさら。