洋上風力発電と漁業 海外と日本の経験

Offshore wind farms and fisheries
”洋上風力発電と民主主義”

洋上風力発電と漁業 日本の経験#75 長崎県 建設中の洋上風力発設置済み施設 浮体部耐力不足判明

2024-05-27 15:23:26 | 日記

2024年05月27日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[洋上風力発電と漁業 日本の経験#75 長崎県 建設中の洋上風力発設置済み施設 浮体部耐力不足判明]

新型コロナウイルスのパンデミックを発端とするサプライチェーンの混乱は、ウクライナ紛争で一段と深刻化しており、輸送コストや原材料費の高騰、金利の上昇、そして、インフレにより、洋上風力発電事業者の利益が圧迫され、内容が悪化、このような環境で、漁業分野を含め満足な補償等に対応がなされるのか、はなはだ疑問な状況が伝えられている。

地元にこれらの情報が伝わっているのか理解に苦しみ、日本の洋上風力発電プロジェクトのプロモーションは、国民負担の賦課金を最初からあてにした”確信的背景”を想像させるものとなってきている。

戸田建設が長崎県五島市の沖合に建設中の洋上風力発電施設で、設置済みの風車に「不具合が発見された」として陸揚げを進めていることについて、不具合はコンクリート構造の浮体部の耐力不足だと取材で明らかになったと、2024年5月27日、日経クロステック(佐藤斗夢様)がリポートした。

五島市沖の風力発電施設は、風車を海に浮かべる「浮体式」で、戸田建設が代表を務める五島フローティングウィンドファーム合同会社は2022年10月、2100kWの設備8基で構成する商業用大規模発電施設の建造に着手したが、戸田建設によると23年5月、基礎部に当たる浮体構造の不具合が判明した。

浮体構造には上部が鋼製、下部がプレキャストコンクリート製の「ハイブリッドスパー型」を採用した。

地上ヤードで製造したリング状のコンクリートブロックを、PC鋼棒によって連結して下部を構築。

上下部を結合して浮体部を完成させ、台船で設置海域まで運搬する。

この連結作業時に、2基のコンクリートリング部で不具合が発覚した。

不具合とは耐力不足だったことが日経クロステックの取材で分かった。

一部材料の品質面に問題があり「設計耐用期間を満足できないと判断」(戸田建設広報部)したとしている。

洋上風力発電において、先行する英国の再生可能エネルギー財団“Renewable Energy Foundation”は、2020年11月、レポート“風力発電の経済-レトリック(美辞麗句)と現実”を発表している。                                                

この中で、洋上風力発電プロジェクトのコストの予測は、押しなべて規模の拡大と経験効果によって、設置容量の増加にともない平均コストが低下すると説明されているが、現実には、容量が増加するたびに発電コストは上昇しており、その重要な要因の一つに、予想以上に早期に多発する故障にあると指摘している。 

 

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