洋上風力発電と漁業 海外と日本の経験

Offshore wind farms and fisheries
”洋上風力発電と民主主義”

洋上風力発電と漁業 日本の経験#78 絶対に漁業に影響が出ないよう調査を求めた秋田と石狩の相違

2024-06-18 13:56:15 | 日記

 

2024年06月18日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[洋上風力発電と漁業 日本の経験#78 絶対に漁業に影響が出ないよう調査を求めた秋田と石狩の相違]

新型コロナウイルスのパンデミックを発端とするサプライチェーンの混乱は、ウクライナ紛争で一段と深刻化しており、輸送コストや原材料費の高騰、金利の上昇、そして、インフレにより、洋上風力発電事業者の利益が圧迫され、内容が悪化、このような環境で、漁業分野を含め満足な補償等に対応がなされるのか、はなはだ疑問な状況が伝えられている。

地元にこれらの情報が伝わっているのか理解に苦しみ、日本の洋上風力発電プロジェクトのプロモーションは、国民負担の賦課金を最初からあてにした”確信的背景”を想像させるものとなってきている。

2024年6月17日、秋田テレビ様は、洋上風力発電事業について秋田県内の漁業関係者から稚魚への影響や魚が遡上する際の影響を心配する声が上がったと伝えた。

 

男鹿市、潟上市及び秋田市沖の洋上風力発電事業について漁業への影響調査の検討委員会が同日開かれ、県の関係者や洋上風力発電事業者、漁業協同組合の関係者らが意見交換した。

男鹿市、潟上市及び秋田市沖の洋上風力発電事業は2028年6月に運転開始を目指し、21基の着床式洋上風力の建設が予定されている。

検討委員会では2025年4月に漁業影響調査を開始することを目指し、今後漁業関係者との個別協議や検討委員会での意見交換を踏まえて、影響調査を実施することが示された。

調査計画はすでに協議会で提案された調査手法をガイドラインとして立案していく方針で、これには漁船の制限や漁場環境など想定される漁業への影響が網羅されている。

漁業関係者からはサケやアユなど具体的な魚種や遡上の時期に触れながら、「絶対に漁業に影響が出ないよう調査をお願いしたい」と要望があった。

発電事業者は2024年12月に開かれる3回目の検討委員会で調査計画の承認を得たい考えで、漁業影響調査は洋上に風車を建設する2年前から少なくとも6年間行うことになっているが、漁業関係者からは建設後の調査も継続的に行うべきといった声も出たとしている。

一方、先に稼働が開始されている石狩湾でのプロジェクトについて、2023年11月13日、国土交通省港湾局海洋・環境課海洋利用調査センター(所長:榊原基生様)は、把握している限り、漁業影響調査に関する論議に至らなかったと語り、調べた限り漁業影響調査を行っていないと明らかにしている。

漁業への影響について、所謂“ベースライン調査”なしに当該商業運転がされていることになる。

 

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