洋上風力発電と漁業 海外と日本の経験

Offshore wind farms and fisheries
”洋上風力発電と民主主義”

洋上風力発電と漁業 海外の経験#23 米国 漁業への影響 包括的報告書が発表される

2023-04-02 23:05:52 | 日記

 

2023年04月02日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[洋上風力発電と漁業 海外の経験#23 米国 漁業への影響 包括的報告書が発表される]

日本での、先行する欧米の洋上風力発電の漁業分野との共栄、相乗効果等の成功体験は、ほとんどが開発事業者による切り抜き発信で、実際に漁業分野の情報にアクセスしていくと様々な問題が報告されている。

米国の漁業団体らで構成される“責任ある沖合開発連盟”(RODA)、米国海洋大気庁(NOAA)、そして米国内務省海洋エネルギー管理局(BOEM)は、洋上風力発電開発が漁業と海洋環境にもたらす影響について、これまでの情報等の包括的な報告をとりまとめた。

報告書では、特に商業漁業について、風力発電所の建設中と稼働中の漁業資源への影響への懸念を認識し、建設中の杭打ちによって発生する衝撃音が、海洋生物に最も影響を与え、現場近くの魚類が打撲で死んだり、建設が完了した後もしばらくの間、当該地域を避け続ける可能性があると言及している。

また、建設中の杭打ち衝撃音、稼働中のタービンの騒音が、タラの産卵行動中のコミュニケーションなど、生物学的に重要な手がかりをかき消す可能性があるとしている。

加えて、商業的に価値の高い様々な魚種が、送電施設 によって放出される磁場にさらされ、海洋生物が異なった誘導を受けることも報告されている。

更に、報告書で強くインパクトを与えるのは、BOEMと米国政府が風力発電プロジェクトを推進している一方で、データのギャップと、まだまだ多くの研究の必要性を言及していることにある。

米国漁業は、環境と経済への影響は独立したものではなく、漁業と生態系管理の実践と一致されるべきだと提案を続けている。

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