2023年03月12日
北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[洋上風力発電と漁業 海外の経験#16 米国 西部業界 計画の完全リセットを求める]
米国西部の太平洋漁業管理評議会(Pacific Fishery Management Council:PFMC)は、2023年3月9日、シアトルでの会議において、オレゴン州沿岸沖合で提案されている洋上風力発電プロジェクトについて話し合いを行い、漁業と水棲生物資源への影響を最小限に抑えるために、海域の指定プロセスの完全なリセットを、同国内務省海洋エネルギー管理局(BOEM)に求める決議を行った。
PFMCはBOEMに対し、水深1,300m以深を超えるエリアを含め、距岸12マイル以遠の全ての海域を対象に調査検討を行うこと、そして、これより先に提案があった、ブルッキングズとクースベイの沿岸沖合での計画を撤回するよう求めることとした。
この沿岸沖合は主要漁場であり、風力発電所の設置は、オレゴン州の漁業、加工業ばかりでなく、食料安全保障さえ脅かしかねないとして、業界は激しい抵抗をしている。
沖合トロール協同組合(Midwater Trawlers Cooperative)と西海岸水産物加工協会(West Coast Seafood Processors Association)は、カリフォルニア海流が、世界で最も生産的な生態系の一つであり、これを正しく理解する必要があると指摘、漁業分野の科学的影響調査を求めている。
太平洋漁業管理評議会の動議はオレゴン州、ワシントン州、カリフォルニア州の代表と、国立海洋漁業局(NMFS)によって4票の棄権票が投じられた上で、満場一致で可決された。
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