洋上風力発電と漁業 海外と日本の経験

Offshore wind farms and fisheries
”洋上風力発電と民主主義”

洋上風力発電と漁業 海外の経験#36 米国 会計検査院が漁業などへの影響の可能性を調査

2023-06-16 16:45:55 | 日記

 

2023年06月16日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[洋上風力発電と漁業 海外の経験#36 米国 会計検査院が漁業などへの影響の可能性を調査]

日本での先行する欧米の洋上風力発電の漁業分野との共栄、相乗効果等の成功体験は、ほとんどが開発事業者による切り抜き発信で、実際に漁業分野の情報にアクセスしていくと様々な問題が報告されている。

米国下院議員クリストファー・スミス(共和党:ニュージャージー州第4選挙区)は、2023年6月15日、米国会計検査院(GAO)がニュージャージー州沖の洋上風力発電プロジェクトについて、漁業、環境、軍事などに影響を及ぼす可能性に関する調査を開始することになったと発表した。

かつてニュージャージー州では、洋上風力発電への取り組みが超党派で支持されていたが、プロジェクトの規模拡大計画と関係者の拙速な取り組みにより、現在、反対グループが台頭してきている。

これに、昨年2022年12月から今年2023年3月にかけて、死んだザトウクジラの座礁の急増が確認されたことがインセンティヴを与えることになった。

現在も民主党所属のニュージャージー州知事フィル・マーフィーが、風力を主要な動力源にすることに全力を尽くしているが、地元の共和党議員は強力に反対しており、バイデン政権が推進する洋上風力発電プロジェクトを阻止、モラトリアムへ追い込むべく行動を活発化している。

クリストファー・スミスは、我が国の沿岸沖合における前例のない洋上風力発電の開発を前のめりに進める中で、バイデン政権と知事マーフィーが無視し続けている広範な疑問や懸念に対処するためにGAOの調査は貢献することになると述べた。

クリストファー・スミスら共和党議員のグループはGAOに対して次の懸念事項を調査するよう要請したことを明らかにしている。

①漁業分野

・水棲生物資源への影響調査と関連管理計画

・大陸棚の外の海域での漁業への影響

・漁業分野の経済的影響を含む商業漁業活動への影響

②環境分野

・クジラやイルカ、絶滅危惧種やこれを含む海洋環境と生態系への影響

③軍事/安全交通分野

・大西洋岸沖での軍事訓練任務を含む航空交通への影響

・レーダーシステムの運用を含む航空および海上の安全

・大西洋岸沖のハリケーンやその他の異常気象に対する洋上風力インフラの回復能力

 

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