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アメリカの医療保険制度

2013年04月24日 20時38分27秒 | 雑学

バラク・オバマ大統領が第一期(2009年)への大統領選では医療保険制度改革を主軸政策のひとつとして唱えていました。

マイケル・ムーア監督の映画「シッコ」2007年をご覧になった方は、アメリカの医療保険制度についてご存知だと思います。

ご覧になっていない方は、ある程度想像で医療保険制度がひどいのだろうと想像はされていると思います。

その酷い医療保険制度の結果を、2009年度のニュースからご紹介したいと思います。

Medical bills prompt more than 60 percent of U.S. bankruptcies(CNN)
http://edition.cnn.com/2009/HEALTH/06/05/bankruptcy.medical.bills/index.html?_s=PM:HEALTH

このニュースによると、以下の状況です。
● アメリカ人の破産の原因の62%が医療費に起因する
● この62%のケースでは80%が医療保険に入っていた

日本に住んで、健康保険に入っていると全く理解できないニュースだと思います。

それでは、その原因は何でしょうか?
[原因]
● アメリカには日本みたいに国民全員が入る医療保険はない
● 医療保険会社の保険に個人単位または会社単位で加入する
● 医療保険によって、上限、下限、免責(控除)、カバーする治療が異なる
● 医療の進歩により、新しい治療法は高額である。

等が挙げられます。

具体的例としては、シッコを診てもらうのもいいですけれど、ネットで探すこともできますので、いくつかご紹介したいと思います。

[具体例]
● 保険会社の支払い控除額が$5000(家族、または家族各人)という保険を買えば、控除額に達するまで自分のお金で医療費を支払うことになります
● 通常医療保険は、歯科や眼鏡作成を含まない。別の保険を買う必要がある。
● ホームドクター、専門医(麻酔師など)が‘どの保険に所属するか‘で費用がどこまでカバーされるので受診前に、調べる必要がある。
● カバー率100%のものもあれば、75%までのものもある。またその保険も、デンタル、眼科もカバーされるかどうか夫々。
● HMOという保険は、毎月約$1300。例えば耳鼻科の先生に診て貰いたい時は、主治医から紹介状(referral)を書いてもらう。耳鼻科には$15支払い、紹介状が無いと実費負担。(約$200~$300位?)
● HMO以外に、PPO,POSと言う種類の保険がある。これ等は紹介状なしで、専門医に診てもらえるがが、毎月の保険料はHMOより高い。
● 中耳炎になって、保険使って診療10分$200、薬代$100。
● 歯医者も、とれたかぶせ物治すだけで保険使っても$100以上。治療費は診察時に確定しないことも多く、何ヶ月もたってから請求書がくることもある。
● ある民間保険は平均一人$300~500/月、カップルだとその倍、子供がいると(子供の数にもよる)$2000近くかかる。

もちろん、ネガティブな例ばかりでなく、「アメリカ医療は素晴らしい、医療保険でほとんどカバーされる」という経験談もありました。ただし、これは会社が充実した医療保険に入っていて、かつ保険料を会社がほとんど負担してくれる場合のみのようです。

注)HMO、PPO、POSについては下記参照
http://www8.ocn.ne.jp/~medaka/data-hoken.html

オバマ大統領は2010年3月に公約である医療保険改革法案を成立させました。
その内容と結果については、調べきっていませんが、中低所得者救済を主とした内容です。

[医療保険改革法案概要]
● 低中所得者に、医療保険加入を義務づける
● 保険料負担に上限を設定する
● フルタイムの社員を50人以上雇用する企業には医療保険への加入を義務付ける
● 実施は2014年から
情報元
http://focus.allabout.co.jp/gm/gc/396124/?from=dailynews.yahoo.co.jp

ただし、アメリカの医療保険制度が酷い、日本の健康保険制度がいいと言っているわけではなく、上には上があるようです。

カナダ、英国、フランスでは医療費が無料だそうです。(全額国が払うという意味ではなく、国民保険(有料)が前提となっている国もあります)

[シッコ(ネタバレ)]
http://kajipon.sakura.ne.jp/cinema/sicko.html


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