田園調布の山荘

「和を以て貴しとなす」・・ 日本人の気質はこの言葉[平和愛好]に象徴されていると思われる。この観点から現代を透視したい。

121217 総選挙の結果

2012年12月17日 08時08分58秒 | 時評

第一。総選挙とは名ばかりであった。今回の投票率は、前回に比べて10ポイントも低下したという。これでは国民が[政治を変えてくれ]という意志を持って参加した選挙とはとても言えない。
第二。3年前の選択がむなしいことを知り、国民が政治を決定的に信頼しなくなってきた。このことが劇的に投票率に表れている。3年前に熱狂的に支持した政権与党の正体が自公と同じものだということが露呈し、民主党は選挙政策が組めず爆破的な内部崩壊をした。
第三。これが最も基本的な理由だが、現憲法に明記された国民の基本的な利益を守る民主主義と基本的人権が政権党の基本理念でなくなり、生活と政治が対立的な関係になっていること。
第四。現実政治においては、安心、安全を託すべき行政がこの20年間に酷く劣化した。この間に少子高齢化、家族の崩壊、貧富格差拡大、地方産業(特に中小企業、農林漁業)の淘汰、エネルギー/食糧・環境の政策が不毛化、中国・韓国/北朝鮮、ロシアなどの近隣外交の主体性放棄、原発・沖縄・集団的自衛権等のおそろしい言葉が踊り、国の政治経済の根幹の方向性が見失われている。
第五。産・官・学・軍・マスコミの五つのセクター(ペンタゴン)が同盟を結びもたれ合ってそれぞれの利益をむさぼっていること。この五つのセクターが協力しあえるのは、民主主義と基本的人権を取り外すことだけである。そのことによって、共益が生まれている。
以上五つの面から今回の事象の特徴を浮き彫りしたが、これらはいずれも対立軸が、国民一般対ペンタゴンの関係において存在していることをうかがわせる。そして、今言えることは、国民一般の根本的な利益である民主主義と基本的人権の守り手である政治勢力が窒息状態にあるという事実である。

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