・・・ほら、ここにいるんだよ
まあちゃん「経済学って究極は暮らし方の改善と幸せを指し示す学問ですね」
おじいちゃん「そう、経済学は本来、暮らしの土台の社会を維持発展させる研究をする学問だ」
まあちゃん「今就職難とか、働きすぎとか暮らしが大変だわ」
おじいちゃん「俗にいうだろう?“あなたは何でメシを食っていく?”そう、人は生きるために必死に働く」
まあちゃん「働くことで社会を支え、社会から支えてもらう関係ね?」
おじいちゃん「人間は衣食住を確保し続けなけりゃならぬ。毎日のご飯は欠かせない、衣も住も、それにもう一つエネルギーも。これは一人ではできない、社会の働く人の集合知の結果だ」
まあちゃん「おにぎり一つだって・・・」
おじいちゃん「そう、衣食住は社会からいただいているもの、そして社会とは具体的に一人一人の分業労働から成り立っている。写真の縄文時代の磨製石器(左)を見てごらん。つやつや光る石の斧だね。これは折れて捨てたもので田園調布で発掘したのものだが、当時の田園調布人はこれを作るのにどれだけ手間がかかったか、そしてこれがどんなにみんなにとって大きな財産であったか考えてごらん」
まあちゃん「粘り強い労働と技術が要るわね・・」
おじいちゃん「モノづくりで社会を進歩させていく、鋭い刃物の磨製石器でずいぶん生活が楽になっただろうね。それが富を生み、人々を幸福にしていった」
まあちゃん「縄文期は“働かざる者は食うべからず”という社会だったのかしら」
おじいちゃん「違うね。働いた結果がみんなの幸せを作る。人は多様な労働によって社会に参加している。でも、子どもや年寄り、そして病人は参加できないが排除されない。社会とは本来“あなたは独りじゃないよ”、“ほら、私はここにいるんだよ”と誰もがちゃんといえ、認め合う人間関係ね」
まあちゃん「育児や教育や介護も社会が支える。そのための余裕つまり富は技術を発展させて作り出す。そうすれば働くのも、今と違って喜びに変わる」
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