田園調布の山荘

「和を以て貴しとなす」・・ 日本人の気質はこの言葉[平和愛好]に象徴されていると思われる。この観点から現代を透視したい。

昭和の寺子屋 経済って? 12

2021年10月07日 15時19分33秒 | 昭和の寺子屋、田園調布本町

・・人は毎日3㎏も食べるんです 

 

おじいちゃん「都会と田舎の違いは何かな?」

まあちゃん「えっ、それは・・いろいろ」

おじいちゃん「『あなた作る人、私食べる人』というCMがあったね」

まあちゃん「あったあった」

おじいちゃん「食料じゃ。農民は作る人。都会人は(食料を)作らなくて済む人じゃ」

まあちゃん「都会は食べる人?急に訊かれても」

おじいちゃん「すこし難問だったね。まず食い物がなければ都市は存在できないからね」

まあちゃん「そういえばそうね」

おじいちゃん「大昔ではね、食料を一人分獲得するのもたいへんだった。人々は衣食住のために集落で団結して衣食住のために働いていた」

まあちゃん「毎日の食事が特に大変だったのね」

おじいちゃん「時代が下って一人で5人分、10人分と食料を作れるようになった。これは農業を知ったからだ。これで生活の安定と余裕を生まれた。ついに食料を作らないでも別の仕事をできる人たちを生み、その人たちが集まり住むのが都市なんじゃ」

まあちゃん「食料を送ってもらえるからですね」

おじいちゃん「都市は二次、三次産業で便利なモノが手に入る場所だが、食料は別。農村が都市を支え続けなければどうにもならない」

まあちゃん「それは今でもそうね。そうかあ。私、農村や農業のことを何も知らなかった」

おじいちゃん「都会人だからね。でも少しは知っておこうね」

大介(15歳)「ボク食べる人、“食っちゃ寝、食っちゃ寝”の快適な毎日が楽しい」

おじいちゃん「それは赤ちゃんだけだよ。ところでまあちゃん、人は毎日何キロ食べている?」

まあちゃん「重さですか? 3キロぐらいですか・・」

おじいちゃん「300ℊのさつまいもに置き換えると?」

まあちゃん「年に3650本、重さでは1㌧強ね」

おじいちゃん「東京は1400万人いるが」

まあちゃん「毎日42万㌧、年1500万㌧か。日本の農村はすごい力を持っているのね」

おじいちゃん「農業が文明の土台だということがわかるね?農村が壊れれば都市も壊れるんだ」

まあちゃん「実感できないわ、でもわかる」


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