つれづれ日記(或いは日々雑感)

40代前半、人と少し違った道を行く筆者の、日常の雑感を綴ります

風林火山 第41話

2007-10-20 20:44:15 | 芸能
先週の風林火山の話です。(飽きもせず。)

亡くなりました。

脱力です。

死に様、というか描写はほぼ期待通りの高水準(私にとっては)。

ただ困るのは、次回(もう明日ですが)以降、見る気力がかなり落ちたことです。
まあいいんだけどね。別に。
次回なんか、出奔した景虎と勘助が、直接切り合うシーンがあったりして、
いかにも視聴率狙いみたいな気がしますが。
でも、景虎は出てくりゃ自分的に盛り上がる(というか、これまでは盛り上がってた)が、
何か空しくて。もう由布姫が見れない。

結構涙流しましたが、意外だったのは、最も心動かされたのが臨終の場面ではなく、
勘助が木曾との戦に向かうために姫の元を辞する時に、嫁を貰うよう約束させられた
シーンでした。
癇性というか、一種高飛車ながら気高く胆の座った由布姫のキャラがよく出て。
両者とも、涙を浮かべつつ。
勘助を送り出して障子を閉じて下がったところで、大粒の涙を頬に伝わらせてました。

でも、今回も結構感じたのは。
由布姫が出てくるシーン(というか由布姫のセリフ)は特に、舞台劇めいたセリフ
回しが多いような気がします。
“いえ、(生まれ変わるなら)男も女もいや。あの水鳥のようになりたい。
 鳥になれば、自由に空を飛んでどこにでも行けるものを。”
なんか、シェイクスピア劇、というのは極端ですが、西洋風の舞台で使うような
セリフ回しのような。まあ、柴本幸に合ってるんだけどね。

臨終の場面も、なかなか感涙ものでしたが、
“志摩の泣き声が聞こえる。私はもう、死んだのですか。
 でも、まだ諏訪湖は見えぬ。”(←鳥になったはずなのに、ということ)
が、末期のセリフ。泣かせますねぇ。
でも、やっぱ舞台劇風なセリフ回しかなと。

他にも、うるうるなセリフ回しが。
 “そなたを困らせるのは、私の癖なのです”(←勘助に)
 “女の私には、戦は出来ぬ。すぐに敵を愛してしまうから。”(やや自嘲気味に)

勘助に嫁取りを約束させた後
 “勘助、礼を言います”
 “山本家の繁栄を、祈りまする”
 “武運を、祈りまする”
で、軽くですがきちんと頭を下げ(この場面では由布姫は縁側、勘助は庭でひざま
づいてるのですが)、奥へと下がっていく。

臨終の場面で、晴信にかかえ起こされ、四郎の元服名(勝頼、諏訪家の通字の頼が
入っている)を知らされ、四郎に、
 “良い名です。その名に恥じぬよう生きるのですよ”と。

私の結論としては、もう皆様判っていると思うが。
柴本幸、よくやった、と言う感じです。
キャラが嵌っているし、演技もなかなか高レベル。さすが。
yahooのテレビのページの検索ワードランキング(ブログの?)みたいのでは、
柴本幸に関しては、“嫌い”というのが多いらしいですが。
それはあの、お高く止まった感じ、演劇一家のサラブレッドぶりからでしょう。
松たか子があまり好かれない(? おそらく)のと同じ理由かと。
その雰囲気が、今回の由布姫(諏訪御寮人)には合ってると思う。

かなり前の、大河の“武田信玄”(新田次郎原作)では、諏訪御寮人(湖衣姫)が
当時アイドルだった南野陽子、三条夫人が紺野美沙子で、キャラが正反対だった。
でもそのときの南野陽子は、
“私の役目は、甲斐と諏訪との橋渡し”
とか言って、可憐はかなげキャラで、まあそれなりではあったが、
やっぱり今回の設定と由布姫の方が面白いし惹かれるものがある。
柴本幸の迫力ある由布姫を見てしまうと、南野陽子の湖衣姫が、薄っぺらく見えて
しまう。

なんて思っちゃいました。

ついでに。
武田の家の女性たちは、やっぱ時代背景から政略結婚めいたのが多いけど、
驚くのが、“負けた家の娘を嫁・側室にする”のが多いってのなんだよね。
由布姫は勿論だし(父親殺されてる)、晴信の母の大井夫人も、負けた家の娘。
(父は出家し駿河に追放。)
そして、2番目の側室の於琴姫(油川夫人)も、劇中でも言っていたが、
武田の流れだが、先々代位で本家武田家に敗れている。
“私も、諏訪御寮人様と似たような境遇じゃ”と言っていた。
これって、負けた方の娘(女)を勝者がものにするという古来からある蛮習か、
はたまた統治を行っていくうえでの知恵か、どっちだろう。
そういえば、古代に広域の統一を行ったマケドニアのアレクサンドロス大王も、
征服した土地との融合を果たす為に、自ら征服した土地の王女を妻に迎えた、
という話があったような気がする。
ならいいんだけどね。当の女性にとっては、いずれにせよ大変(多くは、
たまったものじゃないと思うだろう)だが。

あと。題について。
今回の「風林火山」では、重厚さを狙ってか、題は4文字(多くは漢字)の場合が多い。
(まあ例外も多いが。)
だが今回は、題が「姫の死」。3文字の例外。

これで思い出したのが、3年前の“新撰組!”で、多くの女性の紅涙を絞り、
年末にその回だけが再放送されたと言う伝説の(?)、山南敬助(演:堺雅人)が
切腹する回。
題が、「友の死」なんだよね。
似てるね。シンプルイズベストというか。それ以外言いようがないというか。

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