つれづれ日記(或いは日々雑感)

40代前半、人と少し違った道を行く筆者の、日常の雑感を綴ります

この春のドラマ (Part 1)

2008-05-11 21:38:17 | 芸能
えっと、裁判話題の宿題を置いといて、またやわらかい話題。
(ドイツの知人に軽蔑されそうだな(・・; )

このブログで結構ドラマ話題をしてきた(NHKが多いが)ので、
なんか信じて貰えないかもしれないが、私は昔はあまりドラマを見ない方だった。
自分を芸能好きのミーハーでないと思っている。
(最近は少し変わったかもしれないが。)
だから、毎期ドラマをチェックするようなことも少ない。
(いわゆるトレンディドラマはあまり見ない方だった、と思う。)

でも今期は、3つ4つ録画したりしている。
といっても、全部諸手を挙げていいと思っている訳でもない。
1つは、撮ってるだけで、ニュースの裏なので、見てもいない。
そのうちの2つについて、文句とちょっと褒め言葉を言おうと思う。

「文句」は、TBS金曜10時の“Around40”について。
これについては、当初から(というか、初回前日の広告で知ったんだが)見ようと
思っていた。
何故なら、「40代付近、男女機会均等法世代、バブル期に青春を過ごした世代の今」
という主題で、かつ主演が天海祐希だからだ。
(ヒロインの相手役の藤木直人は嫌いなのだけど。顔だけ、個性のないアイドルタイプの
 優男ってだけの感じのタレントだから。)

だが、これが、大はずれ、って程でもないが、なんかな、と言う感じなのだ。
私もまさに(?)この世代で、だからどう描くのかな、と思っていたが、
どうも出来がね。余り良くない。
多分これ、当のAround40(アラフォーというらしい)世代が作ってるんじゃないと
思う。少なくとも、そうだとしたら、下手だしミソが判ってない。幻滅する。
なんかね、この世代を好意的に描いてないというか、否定的な感じなんですよ。
本質的な特徴(それも一番大事な点)を掴んでないんじゃないか、というか。

これに関する何かの他の記事でも、こう書かれていた。
“登場人物のセリフが類型的というか、いかにもありそうな典型で、よく
考えられてない”

どういうことかというと。
この世代、“バブルの頃に青春期を過ごし、仕事に遊びに、何事も全てを手に入れ、
頑張ってきた世代”。40代という、その人生の転機を描く、というのが
テーマのはずなのだが。
その生態というか、典型的な様子の描写はまあ、出来てはいるのだが。
例えば、主人公の聡子の趣味は、
“仕事で疲れた時などは、一人で伊豆の高級温泉旅館のリッチな部屋に一人で泊まり、
 温泉と美味しい料理と、往年の“8時だよ!全員集合!”のDVD鑑賞を楽しむ”
“お笑いライブが好き”
“時には、腕の確かなコックの同窓生のやっている(但し流行っていない)店で
 美味しい料理に(一人で)舌鼓を打つ”
それはまあ、いい。共感出来る点は多い。描き方もまあいい。
何より、役者さん達(天海祐希を始め)の演技力は確かだし。

ただ、その他がいけないのだ。
なんか、当のアラフォー世代を否定的に見てると言うか、表面だけ捉えてる感じが
するんだよね。
この世代の(結構いいクラスの階層(というか)の)本質は、何に関しても真面目に
理由を考えたり、よく考えたりするってところだと思うんだよね。
そういう点を全く描いていない。まるで何世代か前のトレンディドラマのように、
みなその場の感情と衝動で、理由もなく(典型的なパターンの)行動をする
ように描かれているような気がする。

例えば、聡子の友達(同窓生)の、既婚の瑞恵(松下由樹)。
この人は、要するに専業主婦でずっと来て(結婚前は事務職だったらしいが)、
マイホームも手にいれ子供も一応名門中学に入学させたが、家の中では余り
尊重されず、社会と隔絶しているとして焦っている、と言う役。
まあ、この人の雰囲気に合ってるとは思うが、なんかそういう人を馬鹿にしている
というか、そういう描き方のような気がするのだ。
そして、何より、“この世代は、そんなにぎゃーぎゃー騒ぐような情けない奴らじゃ
ないぞ!”と言いたくなるのだ。
大体、夫や子供に軽んじられている、仲が余り良くない、というのだが、
まあ雰囲気から察せよというのかと思うのだが、理由付けを全然ちゃんと描いてない。
この瑞恵は、いろいろなんだかんだと考えなしに、軽佻浮薄に騒いでいるような様子に
描いてあるので、そのせいだ、と言いたいのだろうが、なんかそれって、
アラフォーを馬鹿にしてないか?
アラフォーが、時流にだけ乗って、運がいいから目立っていい仕事をしてきたと
言うような描き方のような気がするのだ。
そうではなく、それなりの努力も苦労もしているんだと思う(というか、そう
言いたい)んだけどね。

もう一人の友人、奈央(大塚寧々)もそう。
女性雑誌編集者、新しい雑誌の編集長を狙ってる、という設定で、新しい雑誌の
編集長を年下の女性に取られたので、それまで考えてなかった、有名な横文字
職業の男性(ライフ・スタイル・コーディネーターとか)の恋人と電撃結婚して
その立場から、そういう“全てを手に入れた女性の為の雑誌”を提案する。
だが、(おそらく昔、無理なダイエットをしたとかそういうせいということなのだろうが)
子供が欲しいのに出来にくい質であることが判り、夫婦仲が悪くなって離婚、
とかいう設定になるようだ。
これもね~。
エリートな女性雑誌編集者、なら、出来ればそれっぽく描いて欲しいのだが、
“何でこいつがそうなった?”というか、ふわふわしてるんだよね。
つまり、“いかにもありそうな、イメージしやすい典型的な設定”って感じで。
不妊治療とかもそう。中身あるの? って感じで。

で、肝心の聡子。
エコに異常なこだわりを示す心理士・岡村(藤木直人)と、“笑いのツボ”が
合ってたりしていい雰囲気になって行ったり、そこでかつての恋人の、アフガンに
行ってしまったカメラマンの恋人(金杉)が、PTSD抱えて帰ってきて結婚の申し込みを
したりする。
聡子はと言えば、エコ心理士に惹かれ、かつての恋人が帰ってくればそれに心動かされ、
でも結局、恋人が立ち直って再びアフガンに旅立っていくと同時に“私はかつての
私じゃない”みたいなことを言って(つまり彼とは結婚しないということ)送り出す。
・・・なんか、“典型的な要素”を寄せ集めてるって感じじゃないですか?
“エコ”、“アフガン”、“カメラマン”、“PTSD”。
おまけに元彼は野性的なハンサム、加藤雅也、聡子は精神科の医師だ。

で、いろいろなものの理由づけとかは一切ない。
岡村が何故エコにこだわるのか。
聡子がどうして金杉と会ったのか。何故惹かれたのか。
で、戻ってきてプロポーズした癖に、PTSDが治ったら、“やっぱり本当は
写真を撮って行きたい”って言ってさっさとアフガンに戻って行ったりして。
なんて奴、って感じでしょ。全く。でも全然、否定的に扱われてない。
(まあ、病気が治ったのはいいんだろうけどね。)

要は、何となく何となく、理由もなく話が、進みそう~な方向に進んで行く。
アラフォーって、そんなに安直な、安手のトレンディドラマの主人公みたいな
奴らなのか、そう思っているのか、って言いたくなるんですよ。
(まあこれも、所詮ドラマなんだけどね。)
そりゃ理由をつらつら描いてたら、時間が足りないし、よほど上手くやらないと
ダサくなるってのは判る。敢えてそれを避ける手で行ってるのかもしれない。
でもさ。
私が思うに、私的基準かもしれないが、アラフォーの特徴って、
どろどろの泥臭い努力(無駄になっても頑張る)とか、みっともない失敗も
して、やなことも経験して、それでも立ち直って頑張ってるところがあるんだ
と思うんだよね。派手な世界も体験してるけど。
みっともなくあがきながら、“考えすぎじゃん”“頭でっかち”と思いながらも
その性癖を捨てきれず、みっともないの承知で頑張ってる。そういう世代。
私より真面目な、元の会社の友達(同世代)なんかは、立派に会社や家庭を
支えているよ。そういう世代だと思っている。

それをさ。
表面だけの典型的な特徴だけ捉えて、後は安手のトレンディドラマみたいな
安直な筋立てで話運ぶんだもん。
そりゃ、天海祐希の演技力とネームバリューと、元々のキャラに嵌ったキャラを
演じているってこととか、他のキャストも揃ってるから、よほどのへましなきゃ
そこそこの視聴率は取れるよ。
でも、それでいいの?
肝心のアラフォーを馬鹿にしてないか?
視聴率さえ取れればいいのか? (多分そうだろうけど。)

・・・って思っている次第です。
(でも最後まで見るだろうけど。文句たれながら、かもしれない。
 出来れば、私に文句を垂れさせないような風に、この先作って欲しい。)

もう一つの“褒め”の方は、この記事が(いつも通り)長くなっちゃったので別項で
(後日?)。

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