Marco blog

Que Sera, Sera / marco library / 北の旅人

太宰治・人間失格

2011年12月06日 | Marco library 『太宰治』
(火)|仏滅|札幌時々|最高気温/2

今朝のサッポロ、曇り空。
  

太宰 治著人間失格新潮文庫286円(税別)

人間失格は再読になります。
二三度、本を処分してますので、今回は全て新しく購入です。
以前読んだときの記憶に残っていた文章が
人間は、こぶしを握り締めながら笑え無い」でした。
他は、あらかた失念でしたが、、、。
“はしがき”を読み始めてすぐその箇所に遭遇です。
かなりインパクトが強かったんですね。

解説(1972年九月 文芸評論家、奥野建男氏)には、こう書かれております。
 しかしそれにもかかわらず、太宰治の文学的評価、文学的位置ずけは未だ確定していない。太宰文学を全否定し認めようとしない文学者、大嫌いだという読者も少なくない。太宰に対して全肯定か全否定しか許されない。そういう意味でも太宰治は、日本では稀な特別の存在と言わねばならぬ。太宰治は好きにしろ嫌いにしろ、肯定するにせよ、否定するにせよ、これから後もながく読む者の魂に、不思議な魔力をもってなまなましくのっぴきならず迫ってくる文学者なのである。と。
1972年に書かれてますので、39年前の昭和47年ですね。

これまでに読んだ、
太宰作品についてですが
プラス思考を期待して読みますと
結構しっぺ返しを喰らいます。
好き嫌いでいいますと“不気味”でしょうか!

〔次回作の予定は、走れメロスです。〕
つづく。
ところで、メロスって何?




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ジュンク堂書店

太宰治『津軽』

2011年11月29日 | Marco library 『太宰治』
(火)|先負|札幌のち|最高気温/7

今朝のサッポロ、
小ぬか雨です。

岩木山

太宰治著津軽新潮文庫 400円(税別)

評論家の亀井勝一郎氏が(昭和二十六年八月)解説を記してます。
冒頭部分から
『津軽』は、昭和十九年(作者三十六歳)の作である。小山商店の委嘱をうけて、この年の五月、津軽風土記をかくため久しぶりで帰郷したが、彼の生涯の中でもおそらく最も思い出多い旅であったろう。

『津軽』は楽しみにしておりました。
まだ見ぬ我が家の故郷をじっくり読ませて頂きました。
不思議なもので、
太宰と一緒に津軽の旅をしてる気持ちになるんです。
写真の口絵は著者直筆で津軽の地図です。
の上から「今別」「金木」「五所川原」
太宰は青森県金木村(現・五所川原市金木町)生れ、でした。
「今別」は私の父母の古里でありました。
もちろん太宰も訪れております。

「津軽」最後の一節より
 さて、古聖人の獲麟を気取るわけでもないけれど、聖戦下の新津軽風土記も、作者のこの獲友の告白を以て、ひとまずペンをとどめて大過ないかと思われる。まだまだ書きたい事が、あれこれとあったのだが、津軽の生きている雰囲気は、以上でだいたい語り尽くしたようにも思われる。私は虚飾を行わなかった。読者をだましはしなかった。さらば読者よ。命あらばまた他日。元気で行こう。絶望するな。では、失敬。

いつになりますか、津軽めぐりの旅。

〔次回作の予定はいよいよ、人間失格(再読)です。〕つづく。
<1999年1月1日 - 太宰治の著作権は消滅しております。>





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疲労感。

2011年11月07日 | Marco library 『太宰治』
(月)|先負|札幌|最高気温/10

今朝のサッポロ、曇り空。


ダリアの花(もう少しあります

クライマックス ファイナルシリーズ 
中日:ヤクルト戦の天王山。
エース対決、
ヤクルト館山投手、あれだけ牽制したら疲れてしまう、、、。
中日ファンは盛り上がってますね。
週末から日本シリーズ、第七戦まで期待してます。


百合が原公園 9/21撮影。

3

太宰 治著ヴィヨンの妻新潮文庫362円(税別)

晩年(昭和21年ー23年)の短編集。
「家庭の幸福」の一遍は死後の発表と、なっております。
死に向かっての私小説の感有り、
「家庭の幸福」においては“津島修治”
(太宰の本名)を登場させております。

誰かに薦められたとかでもないが、
太宰を読み始めて、三冊目…。
読み手として徐徐に憂鬱の虫が這い出してきた。
理由を探すと、彼是思いあたります。
しかし、軽々には書けません。
太宰治、明治生まれの作家が命と引き換えに
綴った遺書と言っていい作品群。
すべてを読み終わってからに、いたしましょう。

〔次回作の予定は、津軽です。〕
つづく。





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爵位。

2011年10月25日 | Marco library 『太宰治』
(火)|先勝|札幌|最高気温/16


サトイモ科アンスリューム

〔2〕

太宰治著斜陽新潮文庫324円(税別)

明治憲法下(明治~昭和22年)の日本においては、
公・侯・伯・子・男の爵位(五階級)がありました。
斜陽は貴族の没落物語。
斜陽族という流行語を生んだ
太宰文学の代表作と言われております。

「娘、かず子が上原と過ごした夜の朝、弟の直治は自殺していた。
最終章の一つ前の章が〔直治の遺書。〕で、直治の独白です。」


〔次回作の予定はヴィヨンの妻〕つづく。

男爵いもの名前の由来は、
高知県出身の男爵・川田龍吉が北海道で
アイリッシュ・コブラーという品種の
芋を試験栽培し、普及させたそうです。
本編とは関係ございません。




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“つがる”

2011年10月11日 | Marco library 『太宰治』
(火)|大安|札幌のち|最高気温/16

午後のサッポロ、
多少風が出てますが晴れです。


ダリアの花、9/21撮影。

名曲♪


太宰治著「晩年」新潮文庫 514円(税別)

太宰のペンネームを変換すると先ず「堕罪」が現れます。
治の子(はるこ)と娘につけました。
(1909-1948)明治42年ー昭和23年です。
私の父が明治40年、母が明治43年生まれで同時代。
おなじ青森県生まれ。
太宰治は青森県金木村がルーツでマルコの両親は今別町。
ネットマップで見ますと、そこそこ近い。
残念ながら両親は鬼籍に入りたずねることは出来ません。
ここまで書いて思い出した。
両親は長女を連れて樺太に渡り、
終戦の引き揚げでは函館にあがり青森には戻らず北海道にとどまった。
太宰が昭和23年没ですから、話題にも上がらない訳です。
作品の中で数冊は読んでいると思いますが「人間失格」以外は失念。
秋に差し掛かり、ここらで太宰作品をすべて読み終えるべく大胆行動に、先ず最初に手にしたのが「晩年」です。
最初の短編集が晩年とは!
一般的に表題の作品があるんですが、こちらは存在しません。
作品を入れた紙袋に「晩年」と書かれていたそうです。
生誕100年が二年前ですか、その時期かなり話題になりましたね。
またまた、新しいカテゴリー【マルコP文庫『太宰治』】読書備忘録です。
太宰作品を読破するまでブログが続いているか、どうか?
はたまた、なりあいは‥‥‥。
ひと月に、一冊で何年かかる。

「晩年」ー短編集ー
〔葉〕の書き出しが「死のうと思っていた。」です。
〔猿面冠者〕で「書き出しの一行で、もはやその作品の全部の運命が決するものだと信じていた。」と。
〔魚服記〕は悪漢、〔猿ヶ島〕は、まんまとだまされかけた。
〔思い出〕の一節
「それはいつか学校の国語の教師が時業中に生徒へ語って聞かせたことであって、私たちの右足の小指に眼に見えぬ赤い糸がむすばれていて、それがするすると長く伸びて一方の端がきっと或る女の子の同じ足指にむすびつけられているのである、ふたりがどんなに離れていてもその糸は切れない、どんなに近づいても、たとい往来で逢っても、その糸はこんぐらかることがない、そうして私たちはその女の子を嫁にもらうことがきまっているのである。」
手ではなく、足の小指だったの!?

〔次回作の予定は斜陽
つづく。





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