鍛冶ガ谷から鎌倉へ、あるいは白山道から天園を経て鎌倉に至る山中の古道は、いまはハイキングコースとされているようだ。
ハイキングコースとしてあまり知られていないのが、朝比奈と鍛冶ガ谷方面を結ぶ山道。
朝比奈の辺りは市民の森として管理されているようで、その中を古道が通っている。
そこに浄林寺がある。
とは言っても、辛うじて建物と墓地が遺されている程度。
だが、その周囲はかなり複雑な地形とされている。
侍従川の際が切岸状に切り立ち、その上が浄林寺。
細い沢があり、かつては庭園とされていたのではないだろうか。
奥には今でも梅林がある。
沢を越えて平場が形成されている。
それらが一体となっているようだ。
侍従川の前は旧道で、朝比奈切り通しへと続くが、切り通しの前であれば武家屋敷があったと思われる。
谷戸の写真を撮り始める以前、バスでこの辺りを通るたびに、奇妙な土地だと眺めていた記憶がある。
確かに興味深い空域である。
鎌倉の風景は逃げませんから、コロナが落ち着いてから散策してください。
とはいうものの、いつの間にか空地に家が建っていたり、ちいさな谷戸が宅地化されていることがあります。