さらば旅人たち

旅行をしていると、いろいろな旅人たちと出会う。
話していて、目的地が同じだったり、向かう方向が一緒だったりして、
お互いに気が合えば一緒に移動して宿をシェアして飯を食って…ということが多々ある。

去年の年末に会社を辞め、今年の１月に沖縄を振り出しにスタートした、僕の旅。
これまでに数多く、本当に数え切れないほどの人たちと出会ったけれど、
そのなかで５人もの人と、別々に１か月くらいずつ旅をともにした。

中国の上海へ向かう船の中で会い、客家円楼と香港、広州を旅したＨさん（女性）。
ベトナムのフエのゲストハウスで出会い、ベトナム南部、カンボジア、タイの水掛祭りと旅したＨさん（男性）。
中国西安で監獄のようなユースホステルのドミで知り合い、僕の口車に乗って勢いでチベットまできてしまったＭくん。
チベットからランクルチャーターしネパールに入り、お互い沈没し、その後インド・バラナシまで一緒だったＹさん、Ｍさん。
チベット・ラサで知り合い、カトマンドゥで話したくらいだったけれど、バラナシ以降、ダージリン、ブータン、カルカッタ、プリーと、これも僕の口車に乗ってしまい、ルート変更をしてくれたＩさん。

今日、その５人目のＩさんと離れた。
ここプリーで正月を迎える僕。Ｉさんは最南端の岬で正月を迎えるという。

出会いがあれば別れもある。
当たり前の話だが、いざそのときになると、すごく緊張してしまう。
出会うまではお互い一人旅だったのだから、ただ単純に元に戻るだけなのだが、いままで一緒にインド人にキレたりなど、苦労してきた思い出とともに、どこか遠くの方へ行ってしまうようで、少しだけせつなくなってくる。

でも、それを選んだのも僕だし、そういう旅のスタイルを選んでいるのも僕なのだから。


また明日から、一人旅がはじまる。