放浪日記

刮目せよ、我等が愚行を。

便所の落書き

2006年05月26日 | 半死的世界旅行
日本人がよく集まる安宿には、情報ノートなるものが置いてあることが多い。
まだインターネットが今ほど普及する前に世界を旅行していた旅人達は、ガイドブックには載っていない「生」の情報を得ることが難しかった。
口コミで知った宿などに行き、そこで出会った旅行者同士の会話には、これから行く先の安宿のありかやみどころはどこなのか、安全上の注意事項やマル秘スポットなどの「生きた」情報を経験者から聞き、その代償に自分たちが旅してきた土地の情報を提供することが多かった。
これらは、経験者の旅人と直接会わない限り得られない情報だった。
しかし、外国語が上手くなく他の国(おもに欧米人)の旅行者からの情報が得にくい日本人旅行者がよく集まる宿やレストランには、情報ノートなるものが置かれていて、そこに来た日本人たちが自分たちが旅してきた国や地域のこと、感じた出来事、リコメンドするスポットなどを書き連ねていた。
そのノートさえ読めば、これから行くであろう土地のことが、ガイドブックよりも詳しく、ときには載っていない情報まで詳細に書かれており、旅人にとってはガイドブックよりも「使える」ツールのひとつだった。

(現在はインターネットの普及により、いつでもどこでもネット環境にありさえすれば調べられることが多すぎて、情報ノート文化は縮小の方向に向かっていると思う)

ところが、この情報ノート、情報が載っていることが多いのだが、なかにはわけのわからないことが書かれていることが多い。

現在宿泊しているブルガリアの宿にも、情報ノートが置いてあるのだが、そこにも以下のような書き込みがあった。
あくまでも他人が書いたものなので、これを掲載することに賛否両論はあると思うが、個人的に載せたかったので載せることにした、原文ママで。
以下、A4版ノート2ページにわたって書かれた書き込みである。





旅の情報を集める前にこれを読め
貴様達は日本人か宇宙人か?
俺は貴様達を見てどうしてもこういう言葉又は昔読んだ本のタイトルが浮かんでしまう
「日本人よどこへ行く」「無知製造業日本株式会社」「日本沈没」
……
とにかく非常に悲しい(俺は)
男は何故女のような話し方をするのだ、すごく気味悪い、もう少し男らしく堂々と意見を言え(せめて)本当に去勢されてしまっている
女は男の話し方だ、どうなっている?
俺は何も大和撫し子になれと言っているのではなく嫁に行ける最低丈は揃えておけと言っているのだ(一生、嫁に行けんぞ)
もう一度英語等を習う前に日本語をしっかり勉強しろ、気味悪い日本語を話すな
あといつもトイレに入る前はドアノブをガチャガチャやるのではなくノックが先だ(これぞ国際人のマナーだ)とにかく一からやり直せ、お前達はまだ若いがいずれ必ず年をとり死んで行く、先輩、年輩者をもう少したてろ、そのうち自分より小僧、小娘にバカにされるぞ
これはある一人の男に対してだが「お兄さん」という言葉は年輩者が若い者に対して使う言葉だ人をバカにした言葉は使うな
俺は今回の旅でよく日本人に会うが
時代がどうのこうのというが日本人はいつまでたっても日本人だ外国人(日本人から見たら彼らは今でも日本人はキモノを着て男は刀をさしていると思ってい(日本に来た事ない連中)
以前に気合を入れてやったら女みたくすぐ謝ってきたのを、気合が入り過ぎて
前歯が3本づつ飛んだ奴が居たが(軽く冗談で遊んであげた丈なのに、病院送りよしマシだが)
少しは気骨のある日本人は居ないのか?
俺はいつも日本人を見てそう願っている
もし、文句の一つでも言いたいと思っている者が居たらいつでも来い(その代り気合丈は入れて来いよ)
            押忍
  ■■■流日本空手協会総本部
  ■■
  ■■■■■■■■■■@hotmail.com




そして、以上の文章を読んだ読者が、同ページに自分の意見を書いている。
以下がそれだ。



あれこれと意見をするのも良いですが、もう少し読みやすく書けませんか? それもマナーですよ。

書いてある事は正しいと思います。誰も言わない本当の事を言っていると思います。経済が発達して男は弱くなった。絶対という物は何いと思いますが…。

言葉は生き物です。いつも変化してゆきますよ。





こうしたものをいちいち、公共のものである情報ノートに、情報以外のことを書く人間の神経がわからない。
まあ、2ちゃんとかも、こうした野郎が書いてるから繁盛してるんだろうが。

いくら旅をしているからといって、すべての人間が品行方正な「良い人」ではなく、むしろ、日本社会から逸脱してフラフラと海外を旅してるような連中なので、日本で日常生活を過ごしているよりかは「イカれたヤツ」に出会う確立も高いと、個人的に思う。
もちろん、自分もそのなかにドップリ浸かっていることは否定しない。



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