にいやです。
帰国、しました。
北京の首都国際空港を定刻(より一時間後)に飛び立ち、機内で配られたのはネスレの300mlのミネラルウォーターだけという国内線で青島に着いた後、飛行機のタラップを降りたところに待ち構えていた係員の誘導によって、空港内を1キロ近く歩かされた挙句、免税品を買う時間も与えられないままに、名古屋行きの飛行機に乗せられて、着きました。
定刻20時50分でした。
飛行機の窓から眺める日本の夜空は、宝石のように輝いていて、きれいでした。
日本に戻ってきたという感覚が、夜景を見たことでふつふつと自分の中に沸き起こってきました。
で、みなさんご期待の、空港内での話。
飛行機を降りた僕は、「お疲れ様でした」といってくれた空港職員の一言にひどく感動し、イミグレのほうに歩いていった。
出国して二年半。今使っているパスポートには日本の出国スタンプが押されていないくらい長い間の旅をしてきた僕は、もうイミグレや税関などを無事通過できるとは夢にも思っていなかった。
帰国直前に井上陽水の「夢のなかへ」の歌詞でも書いた紙をバックパックのなかに入れておこうかなと思ったほどだった。
♪探し物は何ですか
見つけにくいものですか
鞄の中も 机の中も探したけれど見つからないのに
まだまだ探す気ですか
それより僕と踊りませんか
夢の中へ
夢の中へ
行ってみたいと思いませんか
フフッフゥー♪
なんて歌詞が書いた紙が、次々順番にバックパックの中から出てくるとおもしろいとおもったわけなんだけど、さすがに帰国直前につくるのがめんどくさいし、そんあ挑発的なことして目をつけられて、荷物はもちろん、体のなか、お尻のなかまで調べられたりなんかしたら…
あ、
尻で思い出した。
報告が遅れました。
えー、以前にブログに登場した寄生虫クン(inにいやの腸)ですが、無事転出をされたかと思いきや、じつはまだおりまして。
30目前の男が、寄生虫を数ヶ月のあいだずっと飼っているのってどうだろうなんて思いまして。
そんなわけで、ブログ上では、もういなくなったっぽい感じで振舞っていたのですが、帰国しちゃうよなんてメールを書いているその瞬間にも、寄生虫クンは僕の中にいたのですね。
税関で肛門を調べられて、大麻が出てくればまだマシで、寄生虫が出てきた日にゃあ、そりゃあんた、末代までの恥ですわいな。
ってなわけで、なんとしても肛門チェックだけは避けたいがために、陽水はあきらめることにした。
で、徐々に近づいてくるイミグレ。
果たして無事に入国スタンプは押してもらえるのだろうか。
不安が頭をよぎる。
と、その直前に健康診断コーナーがあった。
アナウンスでは「べトナムに滞在されたことのある方は、問診表にご記入をお願いいたします」と言っている。
べトナムには、行っている。
だから、ほかの乗客が素通りしていく横で素直に問診表に記入し窓口に持っていった。
「ベトナムに行ってきました」
「いつごろですか?」
「今年の五月です」
「下痢や腹痛などの症状はありますか?」
「いえ、ないですが、」
「が?」
「その前にアフリカに行ってまして」
「あ…フリカですか」
「アフリカです」
「どれくらい?」
「去年の年末くらいから今年の3月ごろまでなんですが」
「ご旅行で?」
「ええ。大丈夫ですかね?」
「えぇと、」
と、ここで係員が席をはずし、ほかの職員一名をつれてきた。
「アフリカに行かれていたと…」と、新職員。
「ええ、で、そこでですね」
「なにか伝染病とかを発症?」
「ではなくて…」
「?」
「腹の中に、寄生虫を飼ってしまいまして…」
「ほほう」と係員、身を乗り出して聞いてくる。
「で、どんな症状?」
「いや、あの症状はなんにもないんですが…」
「が?」
「便の中に出てきます」
「どんなのが?」
「●●●●で、●●●●●●なものが出てきます」(自主規制中)
「で?」
「●●●●●●と●●●●●●●●な感じです」
「いつも?」
「●●●●●●●」
「んー」
「大丈夫ですかね?」
「症状はないんだね?」
「ないですね」
「んー、難しい判断だけど、今ここでどうということはできないんですよ。とりあえずどういう寄生虫なのかを判断してみないことには、薬も違ってくるだろうしね。とりあえず早いうちに医者に行くのをオススメします」
「ここで薬とかはもらえない、と」
「ですね。とりあえず内科にかかってください」
「わかりました」
と、こんな感じのやりとりを交わして、健康診断をぬけた。
ベトナムに行ったということはいつのまにかうやむやになってしまっていたが、まぁ行っていいっていわれたんだからいいじゃないか。
そして次に待っていたのはイミグレ。
パスポートを差し出す。
係員がページをめくりチェックをしている。出国スタンプを探しているようだったので、
「あの…、そのパスポートには出国スタンプないです」
「あ、そうですか」
「古いのも持っているんですが…」
「あ、結構です。じゃあ、ここらへんに押しときましょうかね…」
ポン!
で、あっさりクリア。
そして、いよいよ最大の山場、税関を迎えた。
ターンテーブルが回っている。北京発の僕の飛行機番号が液晶画面に映し出されている。
そういえば、エジプトで購入した僕のバックパック、無事に出てきたことないんだよな、と頭をよぎる。
今まで二回飛行機に乗って、二回ともロストバゲッジ…。
でも、今回は大丈夫だろう。だって、ここは日本なんだし、
「すみませーん。北京発の飛行機に乗られたお客様に申し上げます」と係員がとんできた。
「あいにく機械の都合で荷物はこちらではなく、あちらの方での受け渡しになっておりますー」
と係員が指差したのは、建物の隅っこ。
しかたなく、なんとなく悪い予感を抱きながら歩いていくと、
無造作に、床に僕のバックパックが置いてありました…。
僕の荷物、最後までターンテーブルに乗ることはありませんでした…。
で、その荷物を持って税関のカウンターへ。
いよいよ山場です。
けして素行のいいバックパッカーではなかったので、ひょっとして欠片でもコロリなんてことになったら、シャレにもなりません。まぁそんなことはないように、北京で荷物をひっくり返して調べてきましたが。
「お疲れ様でした」と係官。まじめそうな男性。
「あ、どーも」と僕。
「パスポートを拝見させてください」
「あ、どーぞ」
係員は僕のパスポートをパラパラめくる。
「いろいろな国に行かれてたんですね」
「そうですね。だいたい二年半かけて世界一周してきました。いあや厳密に言うと一周はしてないんですけど。アジア、ヨーロッパ、中東、アフリカに行ってきました」
「なるほど。ありがとうございました」と係員は僕にパスポートを返した。
で、ここで別室へ、とくるわけか…。
「ありがとうございました」
「えっ?」
「ご苦労さまでした」
「荷物、OKですか」
「ええ」
「行っていいですか?」
「もちろん。ご苦労様でした」
「あ、どーも」
なんてことなく、無事通過。
というわけで、なんにも起こらないまま、しゅーりょー。
無事に実家に着きまして、とりあえず小腹がすいたので蕎麦を食いましたとさ。
半死的世界旅行
2005年2月1日~2007年8月9日
なんのオチのないまま、終了。チャンチャン。
帰国、しました。
北京の首都国際空港を定刻(より一時間後)に飛び立ち、機内で配られたのはネスレの300mlのミネラルウォーターだけという国内線で青島に着いた後、飛行機のタラップを降りたところに待ち構えていた係員の誘導によって、空港内を1キロ近く歩かされた挙句、免税品を買う時間も与えられないままに、名古屋行きの飛行機に乗せられて、着きました。
定刻20時50分でした。
飛行機の窓から眺める日本の夜空は、宝石のように輝いていて、きれいでした。
日本に戻ってきたという感覚が、夜景を見たことでふつふつと自分の中に沸き起こってきました。
で、みなさんご期待の、空港内での話。
飛行機を降りた僕は、「お疲れ様でした」といってくれた空港職員の一言にひどく感動し、イミグレのほうに歩いていった。
出国して二年半。今使っているパスポートには日本の出国スタンプが押されていないくらい長い間の旅をしてきた僕は、もうイミグレや税関などを無事通過できるとは夢にも思っていなかった。
帰国直前に井上陽水の「夢のなかへ」の歌詞でも書いた紙をバックパックのなかに入れておこうかなと思ったほどだった。
♪探し物は何ですか
見つけにくいものですか
鞄の中も 机の中も探したけれど見つからないのに
まだまだ探す気ですか
それより僕と踊りませんか
夢の中へ
夢の中へ
行ってみたいと思いませんか
フフッフゥー♪
なんて歌詞が書いた紙が、次々順番にバックパックの中から出てくるとおもしろいとおもったわけなんだけど、さすがに帰国直前につくるのがめんどくさいし、そんあ挑発的なことして目をつけられて、荷物はもちろん、体のなか、お尻のなかまで調べられたりなんかしたら…
あ、
尻で思い出した。
報告が遅れました。
えー、以前にブログに登場した寄生虫クン(inにいやの腸)ですが、無事転出をされたかと思いきや、じつはまだおりまして。
30目前の男が、寄生虫を数ヶ月のあいだずっと飼っているのってどうだろうなんて思いまして。
そんなわけで、ブログ上では、もういなくなったっぽい感じで振舞っていたのですが、帰国しちゃうよなんてメールを書いているその瞬間にも、寄生虫クンは僕の中にいたのですね。
税関で肛門を調べられて、大麻が出てくればまだマシで、寄生虫が出てきた日にゃあ、そりゃあんた、末代までの恥ですわいな。
ってなわけで、なんとしても肛門チェックだけは避けたいがために、陽水はあきらめることにした。
で、徐々に近づいてくるイミグレ。
果たして無事に入国スタンプは押してもらえるのだろうか。
不安が頭をよぎる。
と、その直前に健康診断コーナーがあった。
アナウンスでは「べトナムに滞在されたことのある方は、問診表にご記入をお願いいたします」と言っている。
べトナムには、行っている。
だから、ほかの乗客が素通りしていく横で素直に問診表に記入し窓口に持っていった。
「ベトナムに行ってきました」
「いつごろですか?」
「今年の五月です」
「下痢や腹痛などの症状はありますか?」
「いえ、ないですが、」
「が?」
「その前にアフリカに行ってまして」
「あ…フリカですか」
「アフリカです」
「どれくらい?」
「去年の年末くらいから今年の3月ごろまでなんですが」
「ご旅行で?」
「ええ。大丈夫ですかね?」
「えぇと、」
と、ここで係員が席をはずし、ほかの職員一名をつれてきた。
「アフリカに行かれていたと…」と、新職員。
「ええ、で、そこでですね」
「なにか伝染病とかを発症?」
「ではなくて…」
「?」
「腹の中に、寄生虫を飼ってしまいまして…」
「ほほう」と係員、身を乗り出して聞いてくる。
「で、どんな症状?」
「いや、あの症状はなんにもないんですが…」
「が?」
「便の中に出てきます」
「どんなのが?」
「●●●●で、●●●●●●なものが出てきます」(自主規制中)
「で?」
「●●●●●●と●●●●●●●●な感じです」
「いつも?」
「●●●●●●●」
「んー」
「大丈夫ですかね?」
「症状はないんだね?」
「ないですね」
「んー、難しい判断だけど、今ここでどうということはできないんですよ。とりあえずどういう寄生虫なのかを判断してみないことには、薬も違ってくるだろうしね。とりあえず早いうちに医者に行くのをオススメします」
「ここで薬とかはもらえない、と」
「ですね。とりあえず内科にかかってください」
「わかりました」
と、こんな感じのやりとりを交わして、健康診断をぬけた。
ベトナムに行ったということはいつのまにかうやむやになってしまっていたが、まぁ行っていいっていわれたんだからいいじゃないか。
そして次に待っていたのはイミグレ。
パスポートを差し出す。
係員がページをめくりチェックをしている。出国スタンプを探しているようだったので、
「あの…、そのパスポートには出国スタンプないです」
「あ、そうですか」
「古いのも持っているんですが…」
「あ、結構です。じゃあ、ここらへんに押しときましょうかね…」
ポン!
で、あっさりクリア。
そして、いよいよ最大の山場、税関を迎えた。
ターンテーブルが回っている。北京発の僕の飛行機番号が液晶画面に映し出されている。
そういえば、エジプトで購入した僕のバックパック、無事に出てきたことないんだよな、と頭をよぎる。
今まで二回飛行機に乗って、二回ともロストバゲッジ…。
でも、今回は大丈夫だろう。だって、ここは日本なんだし、
「すみませーん。北京発の飛行機に乗られたお客様に申し上げます」と係員がとんできた。
「あいにく機械の都合で荷物はこちらではなく、あちらの方での受け渡しになっておりますー」
と係員が指差したのは、建物の隅っこ。
しかたなく、なんとなく悪い予感を抱きながら歩いていくと、
無造作に、床に僕のバックパックが置いてありました…。
僕の荷物、最後までターンテーブルに乗ることはありませんでした…。
で、その荷物を持って税関のカウンターへ。
いよいよ山場です。
けして素行のいいバックパッカーではなかったので、ひょっとして欠片でもコロリなんてことになったら、シャレにもなりません。まぁそんなことはないように、北京で荷物をひっくり返して調べてきましたが。
「お疲れ様でした」と係官。まじめそうな男性。
「あ、どーも」と僕。
「パスポートを拝見させてください」
「あ、どーぞ」
係員は僕のパスポートをパラパラめくる。
「いろいろな国に行かれてたんですね」
「そうですね。だいたい二年半かけて世界一周してきました。いあや厳密に言うと一周はしてないんですけど。アジア、ヨーロッパ、中東、アフリカに行ってきました」
「なるほど。ありがとうございました」と係員は僕にパスポートを返した。
で、ここで別室へ、とくるわけか…。
「ありがとうございました」
「えっ?」
「ご苦労さまでした」
「荷物、OKですか」
「ええ」
「行っていいですか?」
「もちろん。ご苦労様でした」
「あ、どーも」
なんてことなく、無事通過。
というわけで、なんにも起こらないまま、しゅーりょー。
無事に実家に着きまして、とりあえず小腹がすいたので蕎麦を食いましたとさ。
半死的世界旅行
2005年2月1日~2007年8月9日
なんのオチのないまま、終了。チャンチャン。
遅ればせながら僕は明日中部国際です。
お帰りなさい。長い間お疲れ様でした。
この2年半この日本から出られることなく、だけど、不思議と旅をしている気分をおすそ分けして頂いてました。
沖縄で泳ぎまくっていたのが、つい最近のように思えますが(笑)
とりあえず無事で何より。虫くんの続報待ってます♪
無事、税関クリアでしたね。
そして日本での一食目は蕎麦。
さすが蕎麦部です。
これに限りますなw
にいやんの風貌が、「いかにもバックパッカー」「いかにもインド」的じゃなかったのが幸いしたのでしょうか。
ともかく、久々の日本、ゆっくりしてくださいー
私もなぜか長期の方が税関スムースです(^^)
お腹の子、お大事に。
もう、日本のビールをたらふく飲んでるんでしょうね。
是非神戸に遊びに来てください。
飲みましょう。
それにしても、税関スルーとは驚きです。
俺も2ヶ月の旅でしかも1人だったからバッグオープンかな?なんて思って、堂々とバッグを税関に差出し、パスポートを開いてみせたけど、あっさりOKだった。
お盆帰省ですね。
日本の夏、上海並みに暑いですね。
お互い名古屋の暑さを体験しましょう。
kokoさん>
ただいまです。
絵本、行った国のものがすべて買ってきましたよ。
東京に行った際にはお渡しします!
tabibitoさん>
今日も、蕎麦食いました。
天ぷらとろろ蕎麦。
yokoさん>
いまだに麻取の職員に尾行されてるんじゃないかと思って後ろを急に振り返ったりしちゃったり。
いや、あの、悪いものは持ち込んでませんので。
太田さん>
早く流産したいです。これだけは、マジで。
キングフィールドさん>
それがさー、なんかさー、日本のビールっていう期待値が高かったからかもしれないけどさー、飲んだんだけど、あんま美味しくないのよ。ガックシ。
これなんで?
ユウジさん>
そんなものですかね。
まぁ長期のヤツほど、そーゆーことはしないのかもしれないですね。海外でやりつくしちゃって。
無事帰国できてナニヨリですね。
ちゃんとオチてるじゃないですか。
寄生虫くんをまだ飼っていたこと(笑
ただいまー!
もっとすごいオチがよかったんだけど、まぁしかたないね。現実はそうなんだし。
虫の件は、続報書きます。