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今はやりの万能細胞を知る

2008年06月30日 | 数学・サイエンス
 現在は博士受難の時代である。と言う記事が6月29日(日)の産経新聞にあった。前々から、博士をとっても厳しいというのである。大学も博士コースの定員を満たすのにたいへんで、定員を満たさないと、文科省から予算が出ないので、期限が過ぎた4月を過ぎても追加募集をしている大学が多いと聞く。まさに勉強に打ち込んできた博士は割り切れない状態にいるというのだ。これは日本の人的資源においても大変な損失になっている。
 博士に比べて修士は一部工学部や理学部に進む人たちには常識になっているが、博士は就職先を確保するのも大変らしいのだ。
 ポストドクターが1万五千人もいてそれらの人が研究職につけないままで職探しを余儀なくされている。かつての塾生の一人に、広島大学に行き、大学院まで進み現在は一部上場の化学系の会社で研究をしている人がいるが、大学院修士課程は研究職を目指すうえでは常識になっている。
 そういう中で、山中教授以下スタッフが世界に先駆けて万能細胞を見つけたことは、日本の中では久しぶりに基礎研究のレベルで世界をリードしたということで、日本人として痛快なニュースだった。
しかし安心はしていられない、アメリカもその先をいく応用実験を繰り返し、標準の応用研究を確立しようとしている。そういった話を理解するうえで、詳しく知りたいのだがなかなか読みやすい本が無かった。今日紹介する本はそういった胚性幹細胞(ES細胞)・iPS細胞・再生医療とはどういうものなのか、何を私たちが期待していいのかということが詳しく書かれている。著者は山口大学の先生で、紹介の文にはかわりものと紹介されていたが、大変すばらしくわかりやすい本になっている。文系のの人も理系の人にもぜひお薦めの一冊だ。

なにがスゴイか?万能細胞 ‐その技術で医療が変わる!‐ (知りたい!サイエンス)
中西 貴之
技術評論社

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