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【杉並からの情報発信です】【YYNews】【YYNewsLive】を主宰する市民革命派ネットジャーナリスト&社会政治運動家の山崎康彦です。
昨日火曜日(2020.04.14)夜に放送しました【YYNewsLiveNo.2972】のメインテーマを加筆訂正して【今日のブログ記事】にまとめました。
【放送録画】75分35秒
https://ssl.twitcasting.tv/chateaux1000/movie/606376007
【放送録画】
【今日のブログ記事No.3380】
■なぜ台湾(人口2378万人)は『新型コロナウイルス感染』で『感染者393人、死者5人(2020.04.14時点)』と『世界で唯一完全封じ込み』に成功しているのか?
現在の蔡(さい)英文台湾政府は『台湾独立派』政権のため中国から敵視され、WHO(世界保健機関)への加盟を拒否されているため『新型コロナウイルス感染』の『完全封じ込み』に成功している『世界で唯一の国』である事実が隠されている。
▲以下は台湾の『完全封じ込み』がはっきりわかる本日(2020.04014)時点でのデーターです。
【画像】図表エクセル:作成山崎康彦)
情報ソース:ジョンズ・ホプキンス大学コロナウイルス・リサーチセンター サイト
https://coronavirus.jhu.edu/map.html
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国 感染者数 死者数 致死率(%)
1 台湾 393 5 1.27
2 米国 582,594 20,362 3.50
3 スペイン 170,099 18,086 10.63
4 イタリア 159,516 20,465 12.83
5 フランス 137,877 14,967 10.86
6 ドイツ 130,072 3,194 2.46
7 中国 87,303 3,221 3.69
8 イラン 73,303 4,585 6.25
9 韓国 10,564 222 2.10
10 日本 7,645 143 1.87
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▲以下に転載する藤重太氏が書かれた二つの『PRESIDENT Online』の記事は、台湾が『完全封じ込み』に成功している理由を的確に指摘している。
その理由を端的に言うと、藤重太氏が指摘しているように『台湾のコロナ対策が爆速である根本理由は閣僚に素人がいない、ポストを実力本位で振り分けているから』からである。
すなわち、現在の台湾政府の政治家と行政官僚は『国民に奉仕するその道のプロの』であるため国家の緊急事態に迅速かつ的確に対応できて国民を危機から救えるのある。
台湾政府の真逆にあるのが今の安倍自公政権と歴代自民党政権です。
彼ら『安倍政権』と『歴代自民党政権』の政治家と官僚は『国民ではなく米国と経団連大企業と金持ちに奉仕する素人』なのです。
『日本国民が置かれている今の惨状』の根本原因は『大企業と国家官僚と金持ちと米国支配階級の利益代表である傀儡政党・自民党』が、戦後日本の政治と行政と経済と社会すべてを70年以上にわたって『独裁支配』してきたことなのだ。
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【関連記事1】
▲台湾の新型コロナウイルス感染者、10人増えて累計373人に
2020/04/07 Taiwan Today
https://bit.ly/2yTUvxW
中央感染症指揮センターは6日、台湾の新型コロナウイルス感染者が対前日比10人増えて累計373人となったことを明らかにした。これまでの検体採取者は39,011人、うち34,022人が陰性、373人が陽性。新型コロナウイルス感染による死者は5人、隔離解除(退院)は57人となっている。(衛生福利部疾病管制署サイトより)
中央感染症指揮センター(新型肺炎対策本部に相当。中国語の正式名称は中央流行疫情指揮中心)は6日、台湾の新型コロナウイルス感染者が対前日比10人増えて累計373人となったことを明らかにした。( )内は累計感染者の通し番号。
新規感染者のうち9人は海外感染者、1人は国内感染者。国内感染者の1人は5歳未満の男児(365)で、すでに感染が確認されている(343)、(356)の同居家族。3月25日に発熱があり、4月2日に(343)の感染が確認されたことから、その濃厚接触者として衛生当局が検体を採取したところ、6日になって感染が確認された。
海外感染者9人の内訳は20代から40代までの男性5人、女性4人。いずれも3月21日から4月4日にかけて入国し、3月10日から4月4日にかけて発症している。発症前の渡航先は米国、英国、アイスランド、インドネシア。
そのうち(364)は米国で働いており、3月10日から症状が見られた。3月30日の帰国時、空港の検疫所で症状があることを申し出たため、検体を採取したが結果は陰性だった。帰宅後は「居家検疫(=在宅検疫)」を行っていたが、同じ便で帰国した旅客の感染が明らかになったため、濃厚接触者に認定され、「居家隔離(=在宅隔離)」の対象となった。体調不良の症状が継続していたため、4月3日に衛生当局の手配で医療機関を受診して検体を採取したところ、6日になって感染が確認された。
(366)と(367)は英国で同じ学校に在籍しており、4月2日に一緒に帰国した。帰国後は「居家検疫」を行っていたが、それぞれ4月2日と4日に発症。衛生当局の手配により医療機関を受診して検体を採取したところ、感染が確認された。
(370)と(371)は家族。2人はそれぞれ米国で就学、就労していたが、3月30日に帰国。その後、「居家検疫」を行っていたところ、同じ便で帰国した旅客(364と同じ便)の感染が明らかになったため、濃厚接触者に認定され、「居家隔離」の対象となっていた。2人は4月2日と4日にそれぞれ発症し、衛生当局の手配で医療機関を受診、検体を採取していた。
(372)と(373)は家族で、3月6日から21日まで一緒に英国やアイスランドを旅行していた。帰国後は「居家検疫」を行っていたが、4月1日と3日にそれぞれ発症。衛生当局の手配により医療機関を受診して検体を採取したところ、6日になって感染が確認された。
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【関連記事2】
▲「日本とは大違い」台湾の新型コロナ対応が爆速である理由 中国との人的往来が多いのに
藤 重太アジア市場開発・富吉国際企業顧問有限公司 代表
2020/02/29 PRESIDENT Online
https://bit.ly/2V83ODm
世界中に感染が拡大しつつある新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)。内外から「後手後手の対応」を批判される日本とは対照的なのが台湾だ。昨年12月31日には早くも国民に注意喚起を行い、その後も検疫強化や専門家チームの発足などの措置を迅速に打ち出してきた。なぜそのような対応が可能だったのか??。
独自に情報を集め、迅速に判断して必要な手を次々と打つ――新形コロナウイルス関連の記者会見で、台湾の現状を報告する蔡英文総統(中央)と陳時中・衛生福利部長(その右)=2019年2月7日
昨年暮れには早くも検疫強化を実施
昨年末の12月31日、中国・武漢市衛生健康委員会は、「原因不明の肺炎が27例、うち重症7例が確認された」との発表を行った。この報告を受け、台湾政府の衛生福利部(日本の厚生労働省に相当)は、即日最初の注意喚起を行った。同時に、武漢からの帰国便に対する検疫官の機内立ち入り検査、空港等での入国時の検疫強化を指示し、即実行している。
ちなみに、大みそかで休みだった日本の厚労省が最初の注意喚起を行ったのは、6日後の1月6日だった。台湾の衛生福利部は中国の意向でWHO(世界保健機構)への加盟を認められていないが、今回の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)危機では独自に情報を収集し、必要と思われる措置を果敢に打ちながら、国民に対し毎日のように関連情報を提供した。経済や観光など、中国との人的往来の多い台湾が、どのようにこの危機に対応してきたかを、時系列で追ってみたい。
専門家会議も迅速に招集
1月2日、専門家などによる「台湾衛生福利部 伝染病予防治療諮問会」の「旧正月春節インフルエンザ対応整備会議」において、武漢の肺炎についての対策を討論。医師の診察時のN95マスク装着の徹底、入国検疫の再強化と帰国後10日間の経過観察、旅行経歴の告知の徹底などが話し合われ、即日実行に移された。
1月5日には、「中国原因不明肺炎 疫病情報専門家諮問会議」が陳時中(Chen Shih-chung)衛生福利部長(日本の厚生労働大臣に相当)の召集で行われ、経過観察を10日から14日に延長することなどが話し合われた。翌6日には、台湾行政院(内閣)が中国での正確な情報を把握するための調査体制強化を指示(繰り返しになるが、日本の厚労省はここでようやく最初の注意喚起を行った)。7日には武漢地区の危険レベルを早々とレベル1「注意/Watch(一般的予防措置の遵守)」に上げている。
フェイク情報には即座に対処、罰則も
1月8日には、すべての国際線と中国・厦門、泉州、福州などの船舶の往来についても警戒レベルを上げる決定を行った。また、2019年12月31日から1月8日までの武漢地区からの帰国便数(13便)、帰国者についての検査人数(1193人)、疑義のある案件数やその症状(8日時点で感染者なし)も明確に国民に報告し、管理体制が整っていることを積極的に国民に開示。その後も、台湾での検査状況と武漢・中国での伝染病情報は、毎日アップデートされている。
1月11日、会員制交流サイト(SNS)で「台湾ですでに武漢コロナウイルスに感染した症例が見つかった」というデマ情報が流れたが、台湾政府はすぐに当該情報が虚偽であると発表。ウソ情報、虚偽報告などのデマを流した者は「社会秩序維持保護法」あるいは「伝染病予防治療法」で罰せられると警告し、国民の不安を取り除く努力をしている。
1月14日には、タイで武漢から来た中国女性が陽性反応で隔離されたことを衛生福利部が確認。タイからの入国者や帰国者への特別検疫体制を検討したが、14日時点では見送ったとも発表された。このように、台湾当局は細心の注意を払いながら、情報を独自に収集し判断を下していることがわかる。
証拠がないから対応しない日本、危険性があるから対応する台湾
1月16日には、武漢から1月6日に帰国した神奈川県在住の中国人男性が10日に発病、16日に陽性と確定されたことが日本でも報道され、衛生福利部でも検討の対象とされた。
しかし日本では、この時点でも厚労省のコメントとして「ヒトからヒトへの感染リスクは比較的低い」とテレビなどで報道され、厚労省のホームページ(HP)でも「WHOなどのリスク評価では、持続的なヒトからヒトへの感染の明らかな証拠はない」と表記。一方の衛生福利部は、タイと日本の例を分析し、ヒトからヒトへの感染は排除できないとして、さらに武漢地区への危険レベルをレベル2の「警示/Alert」(防護措置の強化)まで上げた。
証拠がないから警戒しない日本と、可能性がゼロではないから警戒を強めた台湾。両者の危機管理に対する姿勢の違いが、はっきり表れた事象だ。
(以下有料記事)
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【関連記事3】
▲台湾のコロナ対策が爆速である根本理由「閣僚に素人がいない」 ポストを実力本位で振り分けている
藤 重太アジア市場開発・富吉国際企業顧問有限公司 代表
2020/04/04 PRESIDENT Online
https://president.jp/articles/-/34226
新型コロナウイルスへの対応の速さで、台湾政府は世界的に評価を高めている。なぜそこまでスピーディなのか。台湾の政府系シンクタンクで長年顧問を勤めていた藤重太氏は、「日本は論功行賞などで素人でも大臣になってしまうが、台湾はその分野のプロでなければ大臣にはならない。この政治システムが最大の理由だ」と指摘する??。
「パソコンに触ったことのないIT担当大臣」など、台湾ではありえない――。台湾政治の中心、台北の台湾総統府。
「国民を守れる国」は何が違うのか
事態の悪化に先んじる迅速な決定、次々と打ち出される合理的できめ細やかな措置。厳格な防疫態勢、マスクの配給システムや国民への積極的な情報公開、さらに中小企業やアーティストへの支援策まで、台湾の新型コロナウイルス禍への対応は今や世界的に評価されている。
それは単に台湾の人口が少なかったり、国土が小さかったり、たまたますごい人物が政権の中枢にいたからではない。「強い政府、機能する行政、国民を守れる国」の秘密は、台湾という国家の仕組みそれ自体にあった。日本とはどこが違うのか。今回の記事では、その本質に迫りたい。
「たまたま優れた人材がいたから」ではない
今回の対コロナ対応で、台湾が迅速に決定を下し、行政が有効に行動できたのは、もちろん蔡英文総統、陳建仁副総統、蘇貞昌行政院長(首相)、陳時中衛生福利部長(厚労大臣)、唐鳳IT担当大臣など、素晴らしい人材の存在があったことは間違いない。また、2003年に重症急性呼吸器症候群(SARS)危機を経験した結果、必要な法整備がすでに整えられていたことも、あっぱれと言うほかない。
しかし、こうしたリーダーや法律があったから、台湾は今回の新型コロナウイルス禍に効果的に対応できたのだろうか。あるいは、中国と敵対していたから厳重な姿勢で取り組めたのだろうか。否、日本では誰も着目しない台湾の政治システムにこそ、強さの秘密があるのではないかと筆者は考える。
台湾では国民の直接選挙で選ばれる総統が行政院長(首相に相当)を決め、その行政院長が中心となって閣僚を任命する。最大の特徴は、「大臣」に相当する人々が誰ひとり「国会議員」ではないという事実だ。行政院長や部長・政務委員(大臣)は、立法委員(国会議員)ではないのだ。
「立法府の人間が行政府を兼任? それで監督できるのか」
日本では、組閣の際にはどの国会議員が入閣するのかが話題になる。大臣の過半数を国会議員から選ぶことが、憲法で定められているからだ。民間人から登用されることは、特殊なケースと言っていい。任命の決め手は政権与党の派閥力学や論功行賞。そんな慣習を、日本人の誰もが当たり前と思い、慣れっこになっている。
しかし、この事実を台湾の政治に詳しい友人に聞いてみたところ、「立法府の人間が行政府を兼任して、どうして正しい監督監査ができるのか」と逆に質問されてしまった。日本の議院内閣制と、台湾の半大統領制(総統内閣制)をそのまま比較することには無理がある。しかし、日本で当たり前だと思っていたことが、根底から覆されるひと言だった。「井の中の蛙、大海を知らず」「夏の虫、氷を笑う」とはまさにこのことだ。
日本の内閣府に相当する台湾行政院。現在の大臣相当ポスト21人のうち、立法委員(国会議員)経験者は3人しかいない。
行政府(内閣)は、言うまでもなく国家の行政運営をつかさどるところ。行政府の中に省庁があり、地方行政との連携も含まれる。今回の新型コロナウイルス禍のような危機の際には、国民の安全と権利を守り、場合によっては国民に果たすべき義務の遂行を求めるといった、あらゆる「行政活動」の主体となる。
一方の立法府(国会)は、国家管理に必要な法律の制定と、行政院がつくる予算の審議、そして行政活動の監督と会計監査をするところだ。予算が立法院で通過すれば、行政機関は予算を計画通り遂行する。もし結果が悪ければ、立法院(国会)で厳しく質問監査され、行政責任が追及される。教科書にも乗っている、当たり前のことだ。
建前上は、日本もそうである。しかし、今回のコロナ“有事”に対する日本の対応をみると、その当たり前が出来ていただろうか。最も重要な初動の水際対策などでは、少なくとも台湾と大きな差があったことに異論はなかろう。台湾にある国家システムは、行政府が有事においても、そうした当たり前の事を当たり前に行える仕組みが完成されていたのだ。
台湾の「防疫ヒーロー」たちはどこから来たのか
では、今回活躍した台湾の優秀な閣僚たちは、どこから来たのだろうか。
対コロナ対応で獅子奮迅の活躍をした台湾の高官の筆頭が、衛生福利部部長(厚労大臣に相当)であり中央伝染病指揮センターの指揮官でもある、陳時中氏(67)だ。彼は立法委員ではなく、本来の職業は歯科医師である。41歳の時に歯科医師会全国連合会の理事長になり、台湾の歯科治療の保険制度推進などに尽力。その後、行政院衛生署副署長、総統府国策顧問などを経て、2017年2月に64歳で衛生福利部(厚生労働省)の部長(大臣)に就任している。民間での活動で能力が認められ、行政府に引き上げられた人材だと言っていい。
台湾を「マスク生産大国」にした男
一方、マスクの輸出禁止や増産体制などを整え、マスク不足問題の解決に活躍したのが、沈栄津経済部部長(経産大臣に相当)だ。彼は台湾国内におけるマスクの増産体制を作り上げるため、全国の工作機械組合、精密機械センター、マスク生産業者、紡績所、その他研究団体など30以上の企業と国家組織をまとめて、構築に3カ月から半年かかるといわれた60本のマスク製造ラインを、わずか1カ月で完成させた。
現在、台湾は1日1300万枚の生産量を持つ、世界第2位のマスク生産大国になっている。 先日、蔡英文総統はそのマスクを米国に200万枚、イタリア・スペインなどヨーロッパに700万枚、国交のある国々に100万枚送ると発表している。
この沈経済部部長も、立法委員ではない。電気工学やオートメーション化技術を学び、経済部に入省した官僚出身者だ。経済・産業行政を担当する官僚として地道にキャリアを積み上げ、科長、組長、局長、次長などを経て、大臣にあたる部長にまで登り詰めた。経済官僚として培ってきた人脈と経験が、今回のプロジェクトの成功に大いに役にたったことは間違いない。
ワールドクラスの逸材がごろごろ
全国のマスクの在庫一覧システムを作るための情報を民間IT企業に公開し、政府の情報を国民に効率よく伝えるために活躍したのが、唐鳳政務委員(無任所大臣、IT担当大臣)だ。8歳からコンピュータープログラミングに興味を持ち、ずば抜けて知能が高く、逆に既存の学校教育になじめずに14歳で中学校を中退。高校にも大学にも進学しなかったが、独学でプログラミングを学び、16歳で液晶ディスプレイやプロジェクターの世界的大手、台湾明基公司(BenQ)の顧問になるなど、IT関連企業の要職を経験。33歳のときに一度アーリーリタイアを宣言している。
その後、行政院国家発展委員会のバーチャルワールド発展法規調整計画の顧問に就任し、デジタル社会での国家の役割や可能性などについてアドバイスをしている。その1年数カ月後の35歳の時に、行政院政務委員(内閣無任所大臣)に任命された。台湾のIT・デジタル社会構築政策を担うにふさわしい、余人をもって代えがたい才能の持ち主だと、国家(任命したのは行政院長)が判断したからだ。
さらに副総統の陳建仁氏も、公衆衛生学の分野では世界トップの米ジョンズ・ホプキンズ大学公衆衛生大学院で博士号を取得した人物であり、2002~2003年のSARS危機の際には、行政院衛生署長として大活躍した。この陳副総統も、前述の唐鳳氏も、立法委員ではない。
「パソコンに触ったことがないIT大臣」なんてありえない
これまで挙げた4氏は、立法委員の経験などないが、担当分野については完全なプロフェッショナルだ。その十分な実務経験と実力者同士のネットワークがあってこそ、今回の新型コロナウイルス禍における迅速かつ有効な決断と行動が可能となり、この素晴らしい対応が生まれたのだろう。有能で実力のある人材であれば、学歴も性別も経歴も政治家としての経験も関係なく登用するのが、蔡英文政権の、そして台湾の柔軟性だ。
現在の第2次蘇貞昌内閣には、行政院長(首相)を除くと大臣クラスの閣僚が21名(部長12名、政務委員9名)いるが、その中で立法委員経験者は3名だけである。それ以外は、官僚及び地方公務員から9名、学者専門家から6名、弁護士出身1名、医師出身1名、そして中学中退の天才プログラマー1名(唐鳳IT担当大臣)である。閣僚全員が担当分野の専門知識を有しており、十分に能力と実力を吟味された上で「大臣」のポストに就任する。そうした仕組みが、台湾ではできている。
パソコンを触ったことのないIT担当大臣が、台湾で生まれることは絶対にない。「末は博士か大臣か」の言葉通り、官僚や学者・専門家が大臣になる道が開けているのが台湾だ。優秀で志があり、国家の行政を守るために日夜激務をこなしながら、いつまでも国会議員にアゴで使われて、印象操作で悪者にされ、出世にも限界がある、どこかの国の官僚諸氏が気の毒になる。
「縦割り行政」の害を減らす2種類の大臣ポスト
各省庁の大臣に相当する部長と、いわゆる無任所大臣にあたる政務委員の2種類のポストがある制度にも、台湾政治の強さの秘密が隠れている。日本では、無任所大臣より大臣の方が格上という印象があるが、筆者は台湾行政では逆だと感じている。実際、行政院のウェブサイトでも、政務委員の紹介欄は部長の紹介欄より上に置かれている。日本では台湾の政務委員を「無任所大臣」と訳しているが、実は日本にはないシステムの「特殊大臣」なのだ。唐鳳政務委員がIT担当大臣として活躍できる仕組みが、ここにある。
台湾には、内政部、外交部、国防部、財政部、教育部、法務部、経済部、交通部、文化部、衛生福利部、労働部、科技部の12部(省に相当)が存在する。部長(大臣)は各部(省)・各行政部門の長として、担当行政の運営を指揮監督する立場にあり、そのことに専念する。それに対し政務委員は、国家の運営をより良く発展・改善させていくために委員会などを主宰し、各省庁を調整したり、横断的につなげていく役割を持つ。部長が行政府の縦糸だとすれば、政務委員は横糸の役割を果たすのである。
有事にグダグダになるのも当然の日本型「素人内閣」
日本では縦割り行政の弊害が常に議論の的だが、台湾では全省庁が行政府の一員として、互いに連携・協力する体制と意識が出来上がっている。これも、今回のコロナ対応が当初から有効に機能した要因のひとつであることは間違いない。
台湾の国会議事堂にあたる台湾立法院
議院内閣制の日本は、いつの間にか国会(立法府)の「上がり」の席が大臣(行政府)のポストになってはいないだろうか。当選回数や派閥の力関係で決まってしまう閣僚。能力や経験、実力無視の、素人お気楽大臣。大臣と各省庁の官僚の間にも、多くの齟齬や軋轢があるように思えるし、縦割り行政も相変わらずだ。責任のなすりつけあい、責任回避のための「しない」決断や先延ばしもしょっちゅうで、今回の新型コロナウイルス禍のような非常時に機能不全に陥るのは納得できる。
また、担当省庁における指揮監督が本務であるはずの大臣が、必要以上に国会への出席や答弁に縛られているのもおかしな話だ。しかも、国会議員が大臣に質問する内容は、スキャンダルやゴシップなどの揚げ足取りばかりで、行政運営(国家)をお互いに良くしていこうとする姿勢が見えない。三権分立としての、行政府と立法府の独立は守られているのか。このような茶番が国会で続けば、最後にツケを払い困窮するのは国民だ。
コロナ禍を機に日本の政治制度を見直せ
日本は今回の新型コロナウイルスへの対応を反省し、現行の政治運営のあり方や、「制度疲労」あるいは「制度崩壊」とさえ言いたくなる今の政治制度の限界を、今こそ冷静に見つめ直すべきではないだろうか。台湾が完璧でベストだとは、筆者も主張しない。世界にはまだ他にも学ぶべき制度や仕組みが存在しているはずだ。完璧な制度や法律など存在しないし、日本を取り巻く環境も、政治が取り組むべき課題も、時々刻々と変化している。
明治維新から150年、敗戦から75年。戦後復興で一途に走り続けた日本の制度は、まだ通用するのか。憲法施行から73年、今回の新型コロナ対応での教訓を活かすためにも、憲法第9条の改正論議よりも先に、日本の政治制度そのものについて根本的に考え直す時期が来ているのではないだろうか。
コロナ禍という災いを転じて福に変えられるか、これまでのように喉元過ぎれば熱さを忘れ、何となく窮屈で嫌な社会とこの不安を、このまま子孫に残すのか。「世界に誇れる日本」を取り戻せるかどうかは、われわれの決断と行動次第ではないだろうか。
(記事おわり)
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▲またドイツ(人口8302万人)の感染者数は約13万人ですが、死者数が3194人、致死率2.36%とEU諸国では突出して『感染予防』に成功しています!
以下にその理由を説明する日経新聞の記事を転載しますが、成功のカギは『ドイツの1日当たりの検査数は5万件程度で1日2千件程度の日本の25倍に達する』
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【関連記事2】
▲ ドイツ、1月6日の初動カギ コロナ大量検査可能に
2020/4/5 日経新聞電子版
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57811410Y0A400C2I10000/
国内の研究所が総出で検査にあたっている(3月26日、ベルリン)=ロイター
【ベルリン=石川潤】新型コロナウイルスの感染が広がる欧州で、ドイツの低い死亡率の要因とされる大規模検査に注目が集まっている。その背景には驚くほどの初動の早さと、平時からインフルエンザなどの感染症に備えていた数百の民間の研究機関との連携がある。ドライブスルー式や自宅への訪問による検査など様々な方法を導入し、大量に検査をしても医療現場に混乱が生じないよう工夫を凝らしている。
3月上旬のある深夜。ベルリンで暮らす50代の男性のもとに防護服とマスク姿の医師が現れた。職場の同僚が新型コロナに感染したためで、訪問は事前に告げられていた。男性と妻、2人の子供に対してその場で手際よく検査を実施。男性が自己隔離に入ると、2日後には「陽性」の結果が伝えられた。
現在、ドイツの1日当たりの検査数は5万件程度で、1日2千件程度の日本の25倍に達する。日本の医療関係者からは大規模な検査をすれば医療関係者の負担が急増するとの懸念が出ている。検査を増やすにつれ、ドイツでも医療関係者の感染が増えつつある。
ただ、院内感染の抑止に向け、一般患者の治療の場から検査場所を切り離すための多くの工夫をこらしている。患者を病院に呼び出さず、医師が自宅に訪問して検査する例も少なくない。ハンブルクの民間研究所は、自宅で検査キットを使って検体を施設に送る郵送検査の取り組みも始めた。
病院外のドライブスルー式の検査も急増している。感染が疑われる患者は主治医と電話で相談して検査の予約を取り、車で病院の駐車場や公共施設の一角などに設けられた検査場を訪れる。運転席の窓を開けて顔を向けると、防護服の医療スタッフが口から検体を素早く採取。検査は5分ほどで終わり、2日以内に結果が届く仕組みだ。感染者が多いドイツ西部のニーダーザクセン州だけでもこうした院外の検査センターは30を超える。
感染リスクがどれだけ高いかを診断するインターネットのサイトやスマートフォンのアプリも登場した。設問に答えて感染の可能性を判定し、必要に応じてテレビ電話での相談予約や臨時の検査場への訪問などを勧める。ドイツでは検査で陽性と判定されても、軽症なら自宅での自己隔離が可能で、医療現場に過度な負担がかからないようにしている。
ドイツで医療崩壊を防ぎながら大規模な検査が実施できているのは、専門家の初動が早かったことも背景にある。独政府の感染症対策の専門機関であるロベルト・コッホ研究所は中国での新型コロナウイルスの検出が伝わったばかりの1月6日に内部で作業グループを設置した。
ドイツ初の感染者が見つかった1月末には2交代制に移行。ほどなく新型コロナは従来型インフルエンザよりも約10倍危険だと結論づけた。これを受け、感染が広がった場合の対応策を策定。専門医と学者、医療技術者が交代で週末も検査できる態勢を即時に立ち上げられるようにした。「早い時期に警戒態勢に入ったことで検査能力を高める時間を稼ぐことができた」(ウィーラー所長)
国の機関だけでなくドイツ全土の民間研究機関を総動員できたことも大きい。日本では検査は公的機関が中心となって担っているが、ドイツでは数百の民間機関も従事。普段はインフルエンザ検査などに使っている設備を24時間稼働できる態勢にし、検査スピードを飛躍的に高めた。処理能力が1日4千件を超える研究機関もある。
ただ、大規模検査は必要な材料や設備、スタッフの不足といった問題にも直面している。死亡率は低いが、感染者は今なお増え続けている。メルケル首相は1日「我々の目指すところからはまだかなり遠い」と語った。
(記事おわり)
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(おわり)
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【杉並からの情報発信です】【YYNews】【YYNewsLive】
情報発信者 山崎康彦
メール:yampr7@mx3.alpha-web.ne.jp
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昨日火曜日(2020.04.14)夜に放送しました【YYNewsLiveNo.2972】のメインテーマを加筆訂正して【今日のブログ記事】にまとめました。
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【放送録画】
【今日のブログ記事No.3380】
■なぜ台湾(人口2378万人)は『新型コロナウイルス感染』で『感染者393人、死者5人(2020.04.14時点)』と『世界で唯一完全封じ込み』に成功しているのか?
現在の蔡(さい)英文台湾政府は『台湾独立派』政権のため中国から敵視され、WHO(世界保健機関)への加盟を拒否されているため『新型コロナウイルス感染』の『完全封じ込み』に成功している『世界で唯一の国』である事実が隠されている。
▲以下は台湾の『完全封じ込み』がはっきりわかる本日(2020.04014)時点でのデーターです。
【画像】図表エクセル:作成山崎康彦)
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国 感染者数 死者数 致死率(%)
1 台湾 393 5 1.27
2 米国 582,594 20,362 3.50
3 スペイン 170,099 18,086 10.63
4 イタリア 159,516 20,465 12.83
5 フランス 137,877 14,967 10.86
6 ドイツ 130,072 3,194 2.46
7 中国 87,303 3,221 3.69
8 イラン 73,303 4,585 6.25
9 韓国 10,564 222 2.10
10 日本 7,645 143 1.87
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▲以下に転載する藤重太氏が書かれた二つの『PRESIDENT Online』の記事は、台湾が『完全封じ込み』に成功している理由を的確に指摘している。
その理由を端的に言うと、藤重太氏が指摘しているように『台湾のコロナ対策が爆速である根本理由は閣僚に素人がいない、ポストを実力本位で振り分けているから』からである。
すなわち、現在の台湾政府の政治家と行政官僚は『国民に奉仕するその道のプロの』であるため国家の緊急事態に迅速かつ的確に対応できて国民を危機から救えるのある。
台湾政府の真逆にあるのが今の安倍自公政権と歴代自民党政権です。
彼ら『安倍政権』と『歴代自民党政権』の政治家と官僚は『国民ではなく米国と経団連大企業と金持ちに奉仕する素人』なのです。
『日本国民が置かれている今の惨状』の根本原因は『大企業と国家官僚と金持ちと米国支配階級の利益代表である傀儡政党・自民党』が、戦後日本の政治と行政と経済と社会すべてを70年以上にわたって『独裁支配』してきたことなのだ。
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【関連記事1】
▲台湾の新型コロナウイルス感染者、10人増えて累計373人に
2020/04/07 Taiwan Today
https://bit.ly/2yTUvxW
中央感染症指揮センターは6日、台湾の新型コロナウイルス感染者が対前日比10人増えて累計373人となったことを明らかにした。これまでの検体採取者は39,011人、うち34,022人が陰性、373人が陽性。新型コロナウイルス感染による死者は5人、隔離解除(退院)は57人となっている。(衛生福利部疾病管制署サイトより)
中央感染症指揮センター(新型肺炎対策本部に相当。中国語の正式名称は中央流行疫情指揮中心)は6日、台湾の新型コロナウイルス感染者が対前日比10人増えて累計373人となったことを明らかにした。( )内は累計感染者の通し番号。
新規感染者のうち9人は海外感染者、1人は国内感染者。国内感染者の1人は5歳未満の男児(365)で、すでに感染が確認されている(343)、(356)の同居家族。3月25日に発熱があり、4月2日に(343)の感染が確認されたことから、その濃厚接触者として衛生当局が検体を採取したところ、6日になって感染が確認された。
海外感染者9人の内訳は20代から40代までの男性5人、女性4人。いずれも3月21日から4月4日にかけて入国し、3月10日から4月4日にかけて発症している。発症前の渡航先は米国、英国、アイスランド、インドネシア。
そのうち(364)は米国で働いており、3月10日から症状が見られた。3月30日の帰国時、空港の検疫所で症状があることを申し出たため、検体を採取したが結果は陰性だった。帰宅後は「居家検疫(=在宅検疫)」を行っていたが、同じ便で帰国した旅客の感染が明らかになったため、濃厚接触者に認定され、「居家隔離(=在宅隔離)」の対象となった。体調不良の症状が継続していたため、4月3日に衛生当局の手配で医療機関を受診して検体を採取したところ、6日になって感染が確認された。
(366)と(367)は英国で同じ学校に在籍しており、4月2日に一緒に帰国した。帰国後は「居家検疫」を行っていたが、それぞれ4月2日と4日に発症。衛生当局の手配により医療機関を受診して検体を採取したところ、感染が確認された。
(370)と(371)は家族。2人はそれぞれ米国で就学、就労していたが、3月30日に帰国。その後、「居家検疫」を行っていたところ、同じ便で帰国した旅客(364と同じ便)の感染が明らかになったため、濃厚接触者に認定され、「居家隔離」の対象となっていた。2人は4月2日と4日にそれぞれ発症し、衛生当局の手配で医療機関を受診、検体を採取していた。
(372)と(373)は家族で、3月6日から21日まで一緒に英国やアイスランドを旅行していた。帰国後は「居家検疫」を行っていたが、4月1日と3日にそれぞれ発症。衛生当局の手配により医療機関を受診して検体を採取したところ、6日になって感染が確認された。
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【関連記事2】
▲「日本とは大違い」台湾の新型コロナ対応が爆速である理由 中国との人的往来が多いのに
藤 重太アジア市場開発・富吉国際企業顧問有限公司 代表
2020/02/29 PRESIDENT Online
https://bit.ly/2V83ODm
世界中に感染が拡大しつつある新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)。内外から「後手後手の対応」を批判される日本とは対照的なのが台湾だ。昨年12月31日には早くも国民に注意喚起を行い、その後も検疫強化や専門家チームの発足などの措置を迅速に打ち出してきた。なぜそのような対応が可能だったのか??。
独自に情報を集め、迅速に判断して必要な手を次々と打つ――新形コロナウイルス関連の記者会見で、台湾の現状を報告する蔡英文総統(中央)と陳時中・衛生福利部長(その右)=2019年2月7日
昨年暮れには早くも検疫強化を実施
昨年末の12月31日、中国・武漢市衛生健康委員会は、「原因不明の肺炎が27例、うち重症7例が確認された」との発表を行った。この報告を受け、台湾政府の衛生福利部(日本の厚生労働省に相当)は、即日最初の注意喚起を行った。同時に、武漢からの帰国便に対する検疫官の機内立ち入り検査、空港等での入国時の検疫強化を指示し、即実行している。
ちなみに、大みそかで休みだった日本の厚労省が最初の注意喚起を行ったのは、6日後の1月6日だった。台湾の衛生福利部は中国の意向でWHO(世界保健機構)への加盟を認められていないが、今回の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)危機では独自に情報を収集し、必要と思われる措置を果敢に打ちながら、国民に対し毎日のように関連情報を提供した。経済や観光など、中国との人的往来の多い台湾が、どのようにこの危機に対応してきたかを、時系列で追ってみたい。
専門家会議も迅速に招集
1月2日、専門家などによる「台湾衛生福利部 伝染病予防治療諮問会」の「旧正月春節インフルエンザ対応整備会議」において、武漢の肺炎についての対策を討論。医師の診察時のN95マスク装着の徹底、入国検疫の再強化と帰国後10日間の経過観察、旅行経歴の告知の徹底などが話し合われ、即日実行に移された。
1月5日には、「中国原因不明肺炎 疫病情報専門家諮問会議」が陳時中(Chen Shih-chung)衛生福利部長(日本の厚生労働大臣に相当)の召集で行われ、経過観察を10日から14日に延長することなどが話し合われた。翌6日には、台湾行政院(内閣)が中国での正確な情報を把握するための調査体制強化を指示(繰り返しになるが、日本の厚労省はここでようやく最初の注意喚起を行った)。7日には武漢地区の危険レベルを早々とレベル1「注意/Watch(一般的予防措置の遵守)」に上げている。
フェイク情報には即座に対処、罰則も
1月8日には、すべての国際線と中国・厦門、泉州、福州などの船舶の往来についても警戒レベルを上げる決定を行った。また、2019年12月31日から1月8日までの武漢地区からの帰国便数(13便)、帰国者についての検査人数(1193人)、疑義のある案件数やその症状(8日時点で感染者なし)も明確に国民に報告し、管理体制が整っていることを積極的に国民に開示。その後も、台湾での検査状況と武漢・中国での伝染病情報は、毎日アップデートされている。
1月11日、会員制交流サイト(SNS)で「台湾ですでに武漢コロナウイルスに感染した症例が見つかった」というデマ情報が流れたが、台湾政府はすぐに当該情報が虚偽であると発表。ウソ情報、虚偽報告などのデマを流した者は「社会秩序維持保護法」あるいは「伝染病予防治療法」で罰せられると警告し、国民の不安を取り除く努力をしている。
1月14日には、タイで武漢から来た中国女性が陽性反応で隔離されたことを衛生福利部が確認。タイからの入国者や帰国者への特別検疫体制を検討したが、14日時点では見送ったとも発表された。このように、台湾当局は細心の注意を払いながら、情報を独自に収集し判断を下していることがわかる。
証拠がないから対応しない日本、危険性があるから対応する台湾
1月16日には、武漢から1月6日に帰国した神奈川県在住の中国人男性が10日に発病、16日に陽性と確定されたことが日本でも報道され、衛生福利部でも検討の対象とされた。
しかし日本では、この時点でも厚労省のコメントとして「ヒトからヒトへの感染リスクは比較的低い」とテレビなどで報道され、厚労省のホームページ(HP)でも「WHOなどのリスク評価では、持続的なヒトからヒトへの感染の明らかな証拠はない」と表記。一方の衛生福利部は、タイと日本の例を分析し、ヒトからヒトへの感染は排除できないとして、さらに武漢地区への危険レベルをレベル2の「警示/Alert」(防護措置の強化)まで上げた。
証拠がないから警戒しない日本と、可能性がゼロではないから警戒を強めた台湾。両者の危機管理に対する姿勢の違いが、はっきり表れた事象だ。
(以下有料記事)
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【関連記事3】
▲台湾のコロナ対策が爆速である根本理由「閣僚に素人がいない」 ポストを実力本位で振り分けている
藤 重太アジア市場開発・富吉国際企業顧問有限公司 代表
2020/04/04 PRESIDENT Online
https://president.jp/articles/-/34226
新型コロナウイルスへの対応の速さで、台湾政府は世界的に評価を高めている。なぜそこまでスピーディなのか。台湾の政府系シンクタンクで長年顧問を勤めていた藤重太氏は、「日本は論功行賞などで素人でも大臣になってしまうが、台湾はその分野のプロでなければ大臣にはならない。この政治システムが最大の理由だ」と指摘する??。
「パソコンに触ったことのないIT担当大臣」など、台湾ではありえない――。台湾政治の中心、台北の台湾総統府。
「国民を守れる国」は何が違うのか
事態の悪化に先んじる迅速な決定、次々と打ち出される合理的できめ細やかな措置。厳格な防疫態勢、マスクの配給システムや国民への積極的な情報公開、さらに中小企業やアーティストへの支援策まで、台湾の新型コロナウイルス禍への対応は今や世界的に評価されている。
それは単に台湾の人口が少なかったり、国土が小さかったり、たまたますごい人物が政権の中枢にいたからではない。「強い政府、機能する行政、国民を守れる国」の秘密は、台湾という国家の仕組みそれ自体にあった。日本とはどこが違うのか。今回の記事では、その本質に迫りたい。
「たまたま優れた人材がいたから」ではない
今回の対コロナ対応で、台湾が迅速に決定を下し、行政が有効に行動できたのは、もちろん蔡英文総統、陳建仁副総統、蘇貞昌行政院長(首相)、陳時中衛生福利部長(厚労大臣)、唐鳳IT担当大臣など、素晴らしい人材の存在があったことは間違いない。また、2003年に重症急性呼吸器症候群(SARS)危機を経験した結果、必要な法整備がすでに整えられていたことも、あっぱれと言うほかない。
しかし、こうしたリーダーや法律があったから、台湾は今回の新型コロナウイルス禍に効果的に対応できたのだろうか。あるいは、中国と敵対していたから厳重な姿勢で取り組めたのだろうか。否、日本では誰も着目しない台湾の政治システムにこそ、強さの秘密があるのではないかと筆者は考える。
台湾では国民の直接選挙で選ばれる総統が行政院長(首相に相当)を決め、その行政院長が中心となって閣僚を任命する。最大の特徴は、「大臣」に相当する人々が誰ひとり「国会議員」ではないという事実だ。行政院長や部長・政務委員(大臣)は、立法委員(国会議員)ではないのだ。
「立法府の人間が行政府を兼任? それで監督できるのか」
日本では、組閣の際にはどの国会議員が入閣するのかが話題になる。大臣の過半数を国会議員から選ぶことが、憲法で定められているからだ。民間人から登用されることは、特殊なケースと言っていい。任命の決め手は政権与党の派閥力学や論功行賞。そんな慣習を、日本人の誰もが当たり前と思い、慣れっこになっている。
しかし、この事実を台湾の政治に詳しい友人に聞いてみたところ、「立法府の人間が行政府を兼任して、どうして正しい監督監査ができるのか」と逆に質問されてしまった。日本の議院内閣制と、台湾の半大統領制(総統内閣制)をそのまま比較することには無理がある。しかし、日本で当たり前だと思っていたことが、根底から覆されるひと言だった。「井の中の蛙、大海を知らず」「夏の虫、氷を笑う」とはまさにこのことだ。
日本の内閣府に相当する台湾行政院。現在の大臣相当ポスト21人のうち、立法委員(国会議員)経験者は3人しかいない。
行政府(内閣)は、言うまでもなく国家の行政運営をつかさどるところ。行政府の中に省庁があり、地方行政との連携も含まれる。今回の新型コロナウイルス禍のような危機の際には、国民の安全と権利を守り、場合によっては国民に果たすべき義務の遂行を求めるといった、あらゆる「行政活動」の主体となる。
一方の立法府(国会)は、国家管理に必要な法律の制定と、行政院がつくる予算の審議、そして行政活動の監督と会計監査をするところだ。予算が立法院で通過すれば、行政機関は予算を計画通り遂行する。もし結果が悪ければ、立法院(国会)で厳しく質問監査され、行政責任が追及される。教科書にも乗っている、当たり前のことだ。
建前上は、日本もそうである。しかし、今回のコロナ“有事”に対する日本の対応をみると、その当たり前が出来ていただろうか。最も重要な初動の水際対策などでは、少なくとも台湾と大きな差があったことに異論はなかろう。台湾にある国家システムは、行政府が有事においても、そうした当たり前の事を当たり前に行える仕組みが完成されていたのだ。
台湾の「防疫ヒーロー」たちはどこから来たのか
では、今回活躍した台湾の優秀な閣僚たちは、どこから来たのだろうか。
対コロナ対応で獅子奮迅の活躍をした台湾の高官の筆頭が、衛生福利部部長(厚労大臣に相当)であり中央伝染病指揮センターの指揮官でもある、陳時中氏(67)だ。彼は立法委員ではなく、本来の職業は歯科医師である。41歳の時に歯科医師会全国連合会の理事長になり、台湾の歯科治療の保険制度推進などに尽力。その後、行政院衛生署副署長、総統府国策顧問などを経て、2017年2月に64歳で衛生福利部(厚生労働省)の部長(大臣)に就任している。民間での活動で能力が認められ、行政府に引き上げられた人材だと言っていい。
台湾を「マスク生産大国」にした男
一方、マスクの輸出禁止や増産体制などを整え、マスク不足問題の解決に活躍したのが、沈栄津経済部部長(経産大臣に相当)だ。彼は台湾国内におけるマスクの増産体制を作り上げるため、全国の工作機械組合、精密機械センター、マスク生産業者、紡績所、その他研究団体など30以上の企業と国家組織をまとめて、構築に3カ月から半年かかるといわれた60本のマスク製造ラインを、わずか1カ月で完成させた。
現在、台湾は1日1300万枚の生産量を持つ、世界第2位のマスク生産大国になっている。 先日、蔡英文総統はそのマスクを米国に200万枚、イタリア・スペインなどヨーロッパに700万枚、国交のある国々に100万枚送ると発表している。
この沈経済部部長も、立法委員ではない。電気工学やオートメーション化技術を学び、経済部に入省した官僚出身者だ。経済・産業行政を担当する官僚として地道にキャリアを積み上げ、科長、組長、局長、次長などを経て、大臣にあたる部長にまで登り詰めた。経済官僚として培ってきた人脈と経験が、今回のプロジェクトの成功に大いに役にたったことは間違いない。
ワールドクラスの逸材がごろごろ
全国のマスクの在庫一覧システムを作るための情報を民間IT企業に公開し、政府の情報を国民に効率よく伝えるために活躍したのが、唐鳳政務委員(無任所大臣、IT担当大臣)だ。8歳からコンピュータープログラミングに興味を持ち、ずば抜けて知能が高く、逆に既存の学校教育になじめずに14歳で中学校を中退。高校にも大学にも進学しなかったが、独学でプログラミングを学び、16歳で液晶ディスプレイやプロジェクターの世界的大手、台湾明基公司(BenQ)の顧問になるなど、IT関連企業の要職を経験。33歳のときに一度アーリーリタイアを宣言している。
その後、行政院国家発展委員会のバーチャルワールド発展法規調整計画の顧問に就任し、デジタル社会での国家の役割や可能性などについてアドバイスをしている。その1年数カ月後の35歳の時に、行政院政務委員(内閣無任所大臣)に任命された。台湾のIT・デジタル社会構築政策を担うにふさわしい、余人をもって代えがたい才能の持ち主だと、国家(任命したのは行政院長)が判断したからだ。
さらに副総統の陳建仁氏も、公衆衛生学の分野では世界トップの米ジョンズ・ホプキンズ大学公衆衛生大学院で博士号を取得した人物であり、2002~2003年のSARS危機の際には、行政院衛生署長として大活躍した。この陳副総統も、前述の唐鳳氏も、立法委員ではない。
「パソコンに触ったことがないIT大臣」なんてありえない
これまで挙げた4氏は、立法委員の経験などないが、担当分野については完全なプロフェッショナルだ。その十分な実務経験と実力者同士のネットワークがあってこそ、今回の新型コロナウイルス禍における迅速かつ有効な決断と行動が可能となり、この素晴らしい対応が生まれたのだろう。有能で実力のある人材であれば、学歴も性別も経歴も政治家としての経験も関係なく登用するのが、蔡英文政権の、そして台湾の柔軟性だ。
現在の第2次蘇貞昌内閣には、行政院長(首相)を除くと大臣クラスの閣僚が21名(部長12名、政務委員9名)いるが、その中で立法委員経験者は3名だけである。それ以外は、官僚及び地方公務員から9名、学者専門家から6名、弁護士出身1名、医師出身1名、そして中学中退の天才プログラマー1名(唐鳳IT担当大臣)である。閣僚全員が担当分野の専門知識を有しており、十分に能力と実力を吟味された上で「大臣」のポストに就任する。そうした仕組みが、台湾ではできている。
パソコンを触ったことのないIT担当大臣が、台湾で生まれることは絶対にない。「末は博士か大臣か」の言葉通り、官僚や学者・専門家が大臣になる道が開けているのが台湾だ。優秀で志があり、国家の行政を守るために日夜激務をこなしながら、いつまでも国会議員にアゴで使われて、印象操作で悪者にされ、出世にも限界がある、どこかの国の官僚諸氏が気の毒になる。
「縦割り行政」の害を減らす2種類の大臣ポスト
各省庁の大臣に相当する部長と、いわゆる無任所大臣にあたる政務委員の2種類のポストがある制度にも、台湾政治の強さの秘密が隠れている。日本では、無任所大臣より大臣の方が格上という印象があるが、筆者は台湾行政では逆だと感じている。実際、行政院のウェブサイトでも、政務委員の紹介欄は部長の紹介欄より上に置かれている。日本では台湾の政務委員を「無任所大臣」と訳しているが、実は日本にはないシステムの「特殊大臣」なのだ。唐鳳政務委員がIT担当大臣として活躍できる仕組みが、ここにある。
台湾には、内政部、外交部、国防部、財政部、教育部、法務部、経済部、交通部、文化部、衛生福利部、労働部、科技部の12部(省に相当)が存在する。部長(大臣)は各部(省)・各行政部門の長として、担当行政の運営を指揮監督する立場にあり、そのことに専念する。それに対し政務委員は、国家の運営をより良く発展・改善させていくために委員会などを主宰し、各省庁を調整したり、横断的につなげていく役割を持つ。部長が行政府の縦糸だとすれば、政務委員は横糸の役割を果たすのである。
有事にグダグダになるのも当然の日本型「素人内閣」
日本では縦割り行政の弊害が常に議論の的だが、台湾では全省庁が行政府の一員として、互いに連携・協力する体制と意識が出来上がっている。これも、今回のコロナ対応が当初から有効に機能した要因のひとつであることは間違いない。
台湾の国会議事堂にあたる台湾立法院
議院内閣制の日本は、いつの間にか国会(立法府)の「上がり」の席が大臣(行政府)のポストになってはいないだろうか。当選回数や派閥の力関係で決まってしまう閣僚。能力や経験、実力無視の、素人お気楽大臣。大臣と各省庁の官僚の間にも、多くの齟齬や軋轢があるように思えるし、縦割り行政も相変わらずだ。責任のなすりつけあい、責任回避のための「しない」決断や先延ばしもしょっちゅうで、今回の新型コロナウイルス禍のような非常時に機能不全に陥るのは納得できる。
また、担当省庁における指揮監督が本務であるはずの大臣が、必要以上に国会への出席や答弁に縛られているのもおかしな話だ。しかも、国会議員が大臣に質問する内容は、スキャンダルやゴシップなどの揚げ足取りばかりで、行政運営(国家)をお互いに良くしていこうとする姿勢が見えない。三権分立としての、行政府と立法府の独立は守られているのか。このような茶番が国会で続けば、最後にツケを払い困窮するのは国民だ。
コロナ禍を機に日本の政治制度を見直せ
日本は今回の新型コロナウイルスへの対応を反省し、現行の政治運営のあり方や、「制度疲労」あるいは「制度崩壊」とさえ言いたくなる今の政治制度の限界を、今こそ冷静に見つめ直すべきではないだろうか。台湾が完璧でベストだとは、筆者も主張しない。世界にはまだ他にも学ぶべき制度や仕組みが存在しているはずだ。完璧な制度や法律など存在しないし、日本を取り巻く環境も、政治が取り組むべき課題も、時々刻々と変化している。
明治維新から150年、敗戦から75年。戦後復興で一途に走り続けた日本の制度は、まだ通用するのか。憲法施行から73年、今回の新型コロナ対応での教訓を活かすためにも、憲法第9条の改正論議よりも先に、日本の政治制度そのものについて根本的に考え直す時期が来ているのではないだろうか。
コロナ禍という災いを転じて福に変えられるか、これまでのように喉元過ぎれば熱さを忘れ、何となく窮屈で嫌な社会とこの不安を、このまま子孫に残すのか。「世界に誇れる日本」を取り戻せるかどうかは、われわれの決断と行動次第ではないだろうか。
(記事おわり)
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▲またドイツ(人口8302万人)の感染者数は約13万人ですが、死者数が3194人、致死率2.36%とEU諸国では突出して『感染予防』に成功しています!
以下にその理由を説明する日経新聞の記事を転載しますが、成功のカギは『ドイツの1日当たりの検査数は5万件程度で1日2千件程度の日本の25倍に達する』
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【関連記事2】
▲ ドイツ、1月6日の初動カギ コロナ大量検査可能に
2020/4/5 日経新聞電子版
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57811410Y0A400C2I10000/
国内の研究所が総出で検査にあたっている(3月26日、ベルリン)=ロイター
【ベルリン=石川潤】新型コロナウイルスの感染が広がる欧州で、ドイツの低い死亡率の要因とされる大規模検査に注目が集まっている。その背景には驚くほどの初動の早さと、平時からインフルエンザなどの感染症に備えていた数百の民間の研究機関との連携がある。ドライブスルー式や自宅への訪問による検査など様々な方法を導入し、大量に検査をしても医療現場に混乱が生じないよう工夫を凝らしている。
3月上旬のある深夜。ベルリンで暮らす50代の男性のもとに防護服とマスク姿の医師が現れた。職場の同僚が新型コロナに感染したためで、訪問は事前に告げられていた。男性と妻、2人の子供に対してその場で手際よく検査を実施。男性が自己隔離に入ると、2日後には「陽性」の結果が伝えられた。
現在、ドイツの1日当たりの検査数は5万件程度で、1日2千件程度の日本の25倍に達する。日本の医療関係者からは大規模な検査をすれば医療関係者の負担が急増するとの懸念が出ている。検査を増やすにつれ、ドイツでも医療関係者の感染が増えつつある。
ただ、院内感染の抑止に向け、一般患者の治療の場から検査場所を切り離すための多くの工夫をこらしている。患者を病院に呼び出さず、医師が自宅に訪問して検査する例も少なくない。ハンブルクの民間研究所は、自宅で検査キットを使って検体を施設に送る郵送検査の取り組みも始めた。
病院外のドライブスルー式の検査も急増している。感染が疑われる患者は主治医と電話で相談して検査の予約を取り、車で病院の駐車場や公共施設の一角などに設けられた検査場を訪れる。運転席の窓を開けて顔を向けると、防護服の医療スタッフが口から検体を素早く採取。検査は5分ほどで終わり、2日以内に結果が届く仕組みだ。感染者が多いドイツ西部のニーダーザクセン州だけでもこうした院外の検査センターは30を超える。
感染リスクがどれだけ高いかを診断するインターネットのサイトやスマートフォンのアプリも登場した。設問に答えて感染の可能性を判定し、必要に応じてテレビ電話での相談予約や臨時の検査場への訪問などを勧める。ドイツでは検査で陽性と判定されても、軽症なら自宅での自己隔離が可能で、医療現場に過度な負担がかからないようにしている。
ドイツで医療崩壊を防ぎながら大規模な検査が実施できているのは、専門家の初動が早かったことも背景にある。独政府の感染症対策の専門機関であるロベルト・コッホ研究所は中国での新型コロナウイルスの検出が伝わったばかりの1月6日に内部で作業グループを設置した。
ドイツ初の感染者が見つかった1月末には2交代制に移行。ほどなく新型コロナは従来型インフルエンザよりも約10倍危険だと結論づけた。これを受け、感染が広がった場合の対応策を策定。専門医と学者、医療技術者が交代で週末も検査できる態勢を即時に立ち上げられるようにした。「早い時期に警戒態勢に入ったことで検査能力を高める時間を稼ぐことができた」(ウィーラー所長)
国の機関だけでなくドイツ全土の民間研究機関を総動員できたことも大きい。日本では検査は公的機関が中心となって担っているが、ドイツでは数百の民間機関も従事。普段はインフルエンザ検査などに使っている設備を24時間稼働できる態勢にし、検査スピードを飛躍的に高めた。処理能力が1日4千件を超える研究機関もある。
ただ、大規模検査は必要な材料や設備、スタッフの不足といった問題にも直面している。死亡率は低いが、感染者は今なお増え続けている。メルケル首相は1日「我々の目指すところからはまだかなり遠い」と語った。
(記事おわり)
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(おわり)
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情報発信者 山崎康彦
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