▼ 学校の説明をそのまま鵜呑みにはできない
郡山市立橘小学校が空気中の放射線量を自主的に測定して学校のHPに公表していたのを突然公表中止した件は、
文科省や県が圧力をかけた「言論封殺」「情報統制」ではないかとの憶測を呼びおこしました。
ある方が橘小学校に直接電話して放射線量を測定した教員から「どこからも通知は来ていない、表現が誤解を招いた」
校長先生の「そんなことしたらタイヘンなんじゃないですか。それはないですよ」とのコメントを聞き掲示板で紹介しました。
彼らの説明をそのまま受け取り「文科省や県が学校が圧力をかけたことはなく学校が自主的に決めて中止したのだ」と結論付けた方が
多くおられました。
私は昨日のブログ記事「文科省や県は本当に圧力をかけていないのか?」で次のように主張しました。
文科省や県は本当に圧力をかけていないのか?」
<<私は文科省と県の圧力が一切なく橘小学校の校長先生と先生方が自主的に中止したとは到底思えません。
自主的に中止する理由が何もないのです。何らかの圧力が校長先生にあったからこそ中止したのだと思います。
文科省や県が直接指示を出さなくても郡山市の教育委員会が校長先生に指示または柔らかな助言をすることは大いにあり得ることです>>
▼ 橘小学校の放射線量測定値 の公表を中止させたのは郡山教育委員会だった!
フリーライターの和田静子氏は昨日付けのブログ「エネルギーシフトと子どもの未来のために」に橘小学校、文科省、郡山市教育委員会それぞれに
電話取材した内容をアップされています。
結論から言いますと、郡山市教育委員会が橘小学校に対して「公表しないように指示を出した」のです。
問題は二つあります。
一つは、福島第一原発から大量の放射線物質が毎日放出されている最中に、郡山市教育委員会が学校が自主的に放射線量を測定してHPに公表する活動 を
「安易に計測値をホームページで公開することは、かえって混乱を招くことになる」と判断して「ホームページでアップしないでほしいということを (橘小学校)
に伝えた」事はまさに「言論封殺」「情報統制」であり憲法違反の違法行為なのです。
二つ目の問題は、郡山市教育委員会からの公表中止の指示があったにもかかわらず、橘小学校の校長先や担当の先生が「外からの通知や圧力はなかっ た。
あくまでも学校が自主的に判断して中止した」と嘘のコメントをしていることです。
彼らのコメントだけを聞けば「外からの圧力はなかった」と結論付けてしまうところでした。
日頃生徒たちに「嘘をついてはいけない」「正直が一番だ」などと教えている先生達が、市の教育委員会による不当な「言論封殺」「情報統制」に
やすやすと屈服して平気で嘘をついて取り繕う様は見ていて醜いの一言です。
こんな先生達は、文科省が大人の年間被曝線許容最大量20ミリシーベルトをそのまま子供達に適用して福島の子供たちが毎日被曝している現実に対し て
何もできないでしょう。
原子力安全員会はそれまでの基準である大人の年間被曝線許容量1ミリシーベルトを何の説明もなく突然20倍の20ミリシーベルトに引き上げています。
▼ 米国では年間被曝線許容最大量20ミリシーベルトは原子力関連施設で働く人の1年間の許容量の上限
以下のテレ朝Newsの映像を是非ご覧ください。
記者会見でヘルファンド博士は「子供の場合がんになるリスクが成人よりも2倍から3倍高くなる」と指摘して許容される被ばく線量の基準を引き下げ る
よう求めています。
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【原発】「子供の許容被ばく線量高すぎる」と疑問
2011.04.27 テレ朝News
「子供の許容被ばく線量高すぎる」と疑問
ノーベル賞も受賞した国際的な医師の団体がワシントンで会見し、文部科学省が子供の1年間の許容被ばく線量の目安を「20ミリシーベルト」に
設定したことに疑問を呈しました。アイラ・ヘルファンド医学博士:「衝撃的だったのは、日本政府が福島の子供たちの許容被ばく線量の基準を高く
設定したことだ」ヘルファンド博士は、「子供の場合、がんになるリスクが成人よりも2倍から3倍高くなる」と指摘して、許容される被ばく線量の
基準を引き下げるよう求めました。アメリカでは、原子力関連施設で働く人の1年間の許容量の平均的な上限が年間20ミリシーベルトとされていま す。
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▼ 権力に屈服する教師たち
すべての先生がこのように権力に簡単に屈服しているとは思えません。
しかし権力に屈服した先生は戦前の教師のように教え子を「お国のために」と騙して侵略戦争に駆り立てた暗い歴史を再び繰り返しているのだと思いま す。
国や県や市の役人たちや学校の先生たちがこのような状況ですので子供たちの命を守れるのは保護者しかいません。
もはや国や県には頼れませんんで保護者の皆さんは早いところ子供たちを遠方に疎開させてください。
そして国や県に国策としての「児童疎開」を早急に実施するよう声を上げ行動してださい。
以下に和田静子氏の電話取材の部分を転載しますので是非お読みください。
▼ 橘小学校がHPで放射線の測定値アップを中止して、そして再開した件について
2011.04.28 ブログ「エネルギーシフトと子どもの未来のために」和田静子氏
橘小学校がHPで放射線の測定値アップを中止して、そして再開した件について
【橘小学校】
Q ホームページ上で放射線値を公表しなくなったのは、文科省からの指示があったからですか?
A いろいろ誤解を生んでしまったんですが、違うんですよ。指示はありません。HPでうまく説明が伝わらなかったようで、たくさんお問い合わせを
いただいているのですが、これはあくまで橘小学校独自の判断です。と言いますのは、私たち教員も、忙しい中、「決まった時間」「決まった場所」
「決まった高さ」で、なるべく計測しようとしているのですが、計測値が正確かどうか分からないものですから、数字だけが一人歩きしてもまずいなと
思ったんです。最近では、文科省からも線量マップが発表されていますし、私どもと違いまして(文科省では)正確な数値をおはかりになっていると思 うんです。
だから、いったん公表するのは辞めようということになりました。
もともと保護者に伝えたくて始めたのですが、ホームページを開く保護者が少なくて、文書で配ってくれないと分からないという声もあったものですか ら、
ホームページでの公表はやめて文書のみで配布することにしたんです。しかし近隣の方からも、「ぜひ公開してほしい」という声をいただいたので、
毎日は無理ですが、保護者にお渡しする文書をPDFファイルにしてアップしようということになりました。もちろん、日々計測はしていますので、
万が一値が大きく変わるようなことがあれば、すぐにお知らせしたいと思っています。
【文科省】
Q 郡山市の橘小学校が、ホームページ上で放射線値を公表しなくなったのは、文科省の指示ですか?
A いえ、本日はそういうお問い合わせが多いのですが、文科省からそのような指示を出したということはありません。学校の判断でアップを中止した ようです。
言い方は悪いですが、文科省が圧力をかけた、といったことはありません。私も橘小学校のホームページを確認したのですが、今後は保護者向けに文書 を
持って伝えるということが書かれていました。
Q 分かりました。ついでにお聞きしたいのですが、現在、郡山市では、一部の学校でグラウンドの除染作業を行うことになっているようですが、
これを福島県全域で行うようなことは考えていないでしょうか?
A まだ福島県全域での除染作業がどうなるかについては、私のほうでは把握していません。ただ、国のほうでも「やらなくちゃいけない」と判断した 場合には、
国費を使ってといいますか、福島県の子どものためにやっていかなければならないことだと思っています。
Q その判断はいつ頃までにする予定ですか?
A それは、ここではすぐに言えませんが、いろんなところで判断していかなくてはならないので。しかし、何ヶ月も後ということでは遅いので、
早急にということで対応したいと思っています。
【郡山市教育委員会】
Q 橘小学校がホームページ上で放射線値を公表しなくなったのは、郡山市教育委員会の指示ですか?
A ええ、そうなんです。いっさい明かしたくないというわけではないのですが、放射線の値については、日本はもちろん世界的にシビアな見方をして いる方が
多く、非常に関心を集めているんです。それで、各学校で測定はしているんですが、測定のプロではなくて学校の先生方が計っているので、
必ずしも正確な値とは限りません。それを世界中の方々がご覧になり、さまざまな反響が寄せられています。たとえば、「この数値では危険だ」とか、
逆に「これくらいなのに、なぜ活動させないのだ」と、いった意見です。それで、安易に計測値をホームページで公開することは、かえって混乱を招く ことに
なると判断し、ホームページでアップしないでほしいということを(橘小学校)に伝えました。しかし、もし問い合わせがあった場合には、
「先生方が計った値なので…(正確ではないかもしれませんが)」ということで、お伝え下さいということは言っています。
Q では文科省から指示があったわけではなく、市の教育委員会さんのご判断ということですね。
Aはい、そうです。心配している親御さんが多いので、各学校に計測器を配布して計測しています。だんだん線量は減ってきているものの、まだ安心で きる
状態ではありませんので、随時計測しながら保護者にはお知らせしています。ただ、ホームページへアップする場合は、保護者だけでなく他の方も
ご覧になるので、専門家が計ったデータではありませんし、安易にアップすることはどうかな、ということで判断を致しました。先生方には、
計測を続けていただいて、数値が急に上がったなどの場合はすぐに連絡をもらうことになっています。学校の中でも、数値の低い場所や高い場所がある ので、
高い場所には子どもたちを近づけないようにしてもらっています。
(終わり)