杉並からの情報発信です

政治、経済、金融、教育、社会問題、国際情勢など、日々変化する様々な問題を取り上げて発信したいと思います。

【YYNewsLive】これが保育所不足で提訴したドイツ人夫妻と日本の母親の行政訴訟に対するドイツと日本の裁判所の判決の違いだ!

2016年12月13日 21時56分28秒 | 政治・社会
いつもお世話様です。                          

【杉並からの情報発信です】【YYNews】【YYNewsLive】を主宰するネットジャー ナリスト&社会政治運動家の山崎康彦です。

本日火曜日(2016年12月13日)午後7時50分から放送しました【YYNewsLiveNo2132】の放送台本です!

【放送録画】69分39秒

http://twitcasting.tv/chateaux1000/movie/330205936

【放送録画】

☆今日の最新のお知らせ

①一昨日の曜日と昨日月曜日の放送を私事でお休みしました。今日から再開します。

②第40回【YYNewsネット調査】は明日水曜日午後1時から開始予定です!テーマは「トランプ米次期大統領」の評価についてです。

★【固定部分】

☆今日の呼びかけ

①一日も早く日本に【市民革命政権】を樹立するために【革命派市民】は全国津々浦々に【家族勉強会】と【草の根勉強会】を立ち上げよう!

そして以下のテーマを自主的に学ぼう!

1.日本銀行発行の千円札の謎

2.米国中央銀行FRB発行の1ドル札の謎

3.三つの【信用創造特権】とは?

4.明治維新と田布施マフィア

5.大日本帝国憲法の謎

6.昭和天皇の戦争犯罪

7.日本国憲法の謎

8.象徴天皇制と自民党の謎

9.ユダヤ教秘密経典【タルムード】と改宗ユダヤ・ロスチャイルド国際金融マフィアと秘密結社【イルミナティ】の謎

10.革命派市民とは?

11.世界各国での市民革命運動開始と市民革命政権樹立

②TVと全国紙を捨てよう!

1.TVは情報操作して国民を一定の方向に世論誘導する洗脳装置である!

2.TVは絶えず雑音・騒音を出すことで人間の思考能力を低下させる謀略装置である!

3.全国紙の世論調査は世論誘導調査であり数字はねつ造されている。

4.電通、共同通信、時事通信は、もともと戦前の帝国陸軍諜報・謀略機関の【満州帝国通信社】が起源であり戦後一貫して現在まで諜報・謀略機関として機能している。

5.NHKニュースを見ずに【YYNewsLive】を見よう!

http://twitcasting.tv/chateaux1000/show/

6..全国紙を読まずにブログ【杉並からの情報発信です】を読もう!

http://blog.goo.ne.jp/yampr7

③都会を捨てて田舎に住もう!

都会と田舎の一番の違い:田舎の首長にとって住民は一人一人の顔がわかるほど近い存在だが、都会の首長にとって住民は膨大なマスでしかない。(住民56万人の杉並区も住民6000人の山中湖村も首長は一人)

!☆今日のスローガン                            

全国民は【反ファシスト統一戦線】に結集し安倍晋三自公ファシスト政権と極右ファシストによる悪行を完全に粉砕し【市民革命政権】を樹立せよ!

主な悪行

①[憲法改正]の偽名の下での『日本国憲法の破棄・大日本帝国憲法への差し替え』策

②平和破壊と戦争誘導

③国民資産横領と貧困拡大

④社会的弱者切り捨てと棄民

⑤国民主権売り渡しと米国の完全植民地化

⑥民主主義・主権在民・個人の自由と基本的人権の破壊とファシズム独裁

⑦国民弾圧と虐殺

☆【YYNews】支援組織『ミル(1000)の会』(山崎康彦と愉快で情報通な仲間たち)のご案内です!

この世から、①貧困と自殺、②大格差社会と差別、③無差別テロと戦争、④核兵器と原発、⑤戦争兵器と小火器、⑥国家権力犯罪と民間権力犯罪、⑦全体主義と独裁を『本当になくすため』に1,000名の支援者と仲間を募集します!

http://goo.gl/xcg1wE

☆【YYNews】定期購読による財政支援をお願いいたします!

私の情報発信活動【YYNews】がより長く持続し、より広く拡散できますように【YYNews】の定期購読による財政支援をよろしくお願いいたします!

http://goo.gl/350JDE

★【固定部分終り】

☆今日のキーワード

☆今日のひとこと

(再掲)

①なぜ平均年収360万円の庶民が、年収5000万円+官房機密年間15億円+自民政党助成金年間170億円の安倍晋三首相を養わなければならないのか?

②なぜ平均年収360万円の庶民が、年収5000万円+機密費(最高裁裏金400億円)の寺田最高裁長官を養わなければならないのか?

③なぜ平均年収360万円の庶民が、年収4600万円+大臣交際費の大臣を養わなければならないのか?

④なぜ平均年収360万円の庶民が、年収4400万円+議員特権の国会議員717人を養わなければならないのか?

⑤なぜ平均年収360万円の庶民が、年収3100万円のNHK会長+交際費を養わなければならないのか?

⑥なぜ平均年収360万円の庶民が、平均年収1790万円のNHK正規職員を養わなければならないのか?

⑦なぜ平均年収360万円の庶民が、平均年収790万円+公務員特権の正規公務員460万人を養わなければならないのか?

(終り)

(1)今日のメインテーマ

■これが保育所不足で提訴したドイツ人夫妻と日本人の母親の行政訴訟に対するドイツと日本の裁判所の判決の違いだ!

ドイツ最高裁(連邦通常裁判所)は今年10月20日、保育所不足で復職できない親の所得を行政は補償する義務があるとの判決を出した!

【該当記事】

▲保育所不足で復職できない親の所得、行政に補償義務 ドイツ連邦裁

2016年10月21日 AFP日本語版

http://www.afpbb.com/articles/-/3105223

【10月21日 AFP】ドイツの刑事・民事分野の最高裁に相当する連邦通常裁判所は20日、子どもを預ける保育所が見つからないため仕事に復帰できない夫婦に対し、行政が休職による所得喪失を補償しなければならないとする判決を下した。

ドイツでは低い出生率の改善を目指して手厚い政策が導入されており、子どもが1歳を迎えた親の全てに行政が託児先を保証する法律が2013年8月に制定された。

しかし、東部ライプチヒ(Leipzig)で子育て中の女性3人は、わが子の託児先が見つからなかったとして地元政府を提訴。保育所不足が原因で計1万5100ユーロ(約170万円)相当の所得を喪失したと主張した。

州裁判所は母親らの請求を棄却したが、このほど上告審で連邦通常裁が判決を覆した。

連邦通常裁は、地元行政が所得を補償する義務を免除されるのは、入念な計画に基づいて整備したにもかかわらず保育所不足が起きたと証明できた場合のみに限られると指摘。法律には、市当局が「十分な数の保育所を提供する義務を負う」と明記されているため、財政上の制約は保育所不足の正当な理由とはならないと判断した。

(該当記事おわり)

他方日本の裁判所(東京地裁立川支部)は、認可保育園 に落ちた母親が無認可の保育施設にかかった費用の一部60万円の賠償を求めた行政訴訟に対して、「市には最善を尽くす責務はあるが義務はない」と棄却したために現在東京高裁に控訴中である。

【該当記事】

▲認可保育園 落ちた母が提訴…「確保は三鷹市の責務」

2016年12月13日 毎日新聞

https://l.mainichi.jp/KHxDBd

子どもを認可保育園に入れられなかったのは自治体が責務を果たしていないためだとして、東京都三鷹市の女性(33)が市を相手取り、無認可の保育施設にかかった費用の一部60万円の賠償を求める訴訟を起こして争っている。夫婦共働きだが4人目の子どもは2年続けて選考に漏れ、入園はかなわない。弁護士に頼らない本人訴訟で、保育行政の不備を問うている。【五味香織】

弁護士頼らず裁判

女性によると、2015年春、第4子の三女が市内の認可保育園の入園選考に落ちた。第3子の長男は5年前に同じ園に入れたため「通知の文書を目にした時はがくぜんとした」。共働きなどの子育て世代が増え、競争が激化したとみられる。

各自治体は保護者の就労状況などから保育の必要度を点数化して入園者を選考する。女性の場合、フルタイムで働く夫は40点、非常勤講師とはいえ大学院博士課程に通う自身は学生と扱われて32点だった。応募した園に長男が通っていたため4点加算されたが、窓口の担当者に「夫婦ともフルタイムで80点はないと難しい」と説明された。

選考に漏れた後、慌てて三女の預け先を探した。無認可の施設が見つかったが、費用は認可園より高く、保育時間は短い。研究を家に持ち帰り、講師の授業日数も減らしてしのいできたが、今春も選考に漏れた。

都内では夫婦がフルタイムで働いていても子どもを保育園に入れられないケースが少なくない。「これでいいのか」との思いが募り、今年2月に提訴に踏み切った。「市は確実に保育を受けられるようにする児童福祉法の責務を果たすべきだ」と主張した。

1審・東京地裁立川支部は7月、「市には最善を尽くす責務はあるが、義務はない」と訴えを退けた。判決は保育定員を増やしてきたことを理由に「できる限りの責務を果たした」とも指摘したが、市内では定員増を上回る入園希望者増加がある。都の認証園などにも入れなかった人も含め、今春の待機児童は4年連続増の264人。認可園に入れたのは5年連続で6割台にとどまり、国の待機児童緊急対策対象自治体にもなっている。女性には、市が最善を尽くしているとは思えない。

今月、東京高裁で控訴審の第1回口頭弁論が開かれた。「保育園が足りなくても仕方がないという現状はおかしい」。閉廷後、女性はそう語った。訴訟を通じて問題提起を続けるつもりだ。

少ない待機児童巡る訴訟

待機児童問題を巡る訴訟は少ない。田村和之・広島大名誉教授(保育行政)は「保育園に通うのは就学するまでの数年間で、当事者が次々と入れ替わっていくため、継続的な問題になりにくい」と説明。「保育園が足りず、待機児童が出ているのが実情だが、そもそも児童福祉法は子どもが入園する権利を認めている」と指摘する。

また、「保育園を考える親の会」の普光院亜紀代表は「自治体に入園選考が認められているからといって、入園できない子どもがいてもよいわけではない。共働き社会が進む中、保育園は社会の基盤として整備されるべきだ」と話している。
                                  
【私のコメント】

毎日新聞五味香織記者は記事の最後に「少ない待機児童巡る訴訟 」と書いているが、この指摘は問題の一部のみをとらえているだけで、日本の裁判が抱えてる重大な問題を見事にスルーしている!

五味香織記者が書くべきことは、「日本の裁判では待機児童を巡る訴訟が少ない」ことではなく、「日本の裁判では待機児童巡る訴訟を含む行政訴訟の数が極端に少ないこと」であり「なぜこんなに少ないのか?」の原因を追及すべきなのだ。

そしてドイツと日本の行政訴訟の数の極端な差(14万7000件対2800件)は、ドイツにはあるが日本にはない憲法裁判所の存在の有無によって生まれていることを指摘すべきだったのだ!

以下は、私が12月2日の放送でメインテーマで取り上げ翌日のブログ記事にまとめたブログ記事ですが、五味香織記者が書くべきだったのはこのような記事なのだ!

■人口8000万人のドイツでの一年間の行政訴訟の数は14万7000件、人口1億2700万人の日本での行政訴訟の数は年間わすか2800件(2011年実績)!これは一体どういうことなのか?

2016.12.03 ブログ『杉並からの情報発信です』

https://goo.gl/qFVoXL

この数字を一目見れば誰でもわかることだが、日本では政府や行政機関や政治家や役人を国民が裁判に訴える行政訴訟が意図的に封殺され不可能にされていることを示している。

すなわち日本では、政府や行政機関や政治家や役人が憲法や法律を無視しようが、憲法や法律に違反しようが、憲法破壊を繰り返そうが、それを止める手立てが全くないということなのだ。

しかも日本では、行政訴訟で二審(高裁)判決に不服な原告(あるいは被告)が最高裁に上告しても、憲法第81条で唯一【法令審査権】を付与されている【憲法の番人】である最高裁は上告事件すべてを一年以内に棄却・破棄して門前払しているのだ。

日本が米国と同じく【無法国家】である元凶は、①独立した憲法裁判所が存在しないこと、②【憲法の番人】であるはずの日本の最高裁判所が全く機能せず歴代自民党政権による憲法無視、憲法違反、憲法破壊を黙認・容認し加担しているからである。!

以下は最高裁がウェッブサイトに公表している資料『最高裁判所における訴訟事件の概況(平成23年)』から、日本の最高裁が行政訴訟の上告事件を全て一年以内に棄却・却下している具体的な証拠を提示する。

【資料1画像】行政訴訟の上告理由別の最終結果表

最高裁判所における訴訟事件の概況(平成23年)より

http://www.courts.go.jp/vcms_lf/20509011.pdf

20161202行政訴訟上告理由別結果

この表を見ると、2011年の行政訴訟での憲法違反上告事件は全部で285件。内訳は判決・棄却が5件、判決・破棄が3件、決定・棄却が277件。すなわち上告事件285件のすべてが棄却・破棄されている。

【資料2画像】行政訴訟の上告理由別審理期間グラフ

最高裁判所における訴訟事件の概況(平成23年)より

http://www.courts.go.jp/vcms_lf/20509011.pdf

20161202行政訴訟上告理由別審理期間分布

このグラフを見ると、2011年の行政訴訟での憲法違反上告事件の61.8%が3カ月以内に、12.3%が3-6カ月に、14%が6カ月-1年以内に、すなわち全体の88.1の上告事件が1年以内の審理期間ですべてが棄却・破棄されていることを示しているのだ。

New!【資料3】

▲三行判決(みくだりはんけつ) (Wikipediaより抜粋)

*日本の最高裁は高裁判決を不服とする行政訴訟の上告をほとんどすべて一年以内に棄却する。その場合に使用する棄却判決のフォーマットが以下の三行判決(みくだりはんけつ)である!

https://goo.gl/EFAzKv

三行判決(さんぎょうはんけつ、みくだりはんけつ)とは、旧民事訴訟法下で最高裁判所が大量に出した判決をいう。三行判決でも、最高裁の判決としての意味を持つ。現在は、上告理由が制限されたため、三行決定が大量に出されている。

これらは、最高裁判所への上告事由が法律上限定されているのにもかかわらず、最高裁判所が終審裁判所としての地位を有していることで、下級審にて敗訴した当事者が最後まで争うとした場合には最高裁判所への上告がなされがちであることに由来する。

▲三行判決の例

判決

当事者の表示 別紙当事者目録のとおり

昭和yy年mm月dd日aa高等裁判所が判決を出した昭和yy年(ネ)第nn号損害賠償請求事件について上告人から上告があった。よって、当裁判所は次のとおり判決する。

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人**の上告理由について

所論の点に関する原審の認定判断は,原判決挙示の証拠関係に照らし,正当として是認することができ,その過程に所論の違法はない。所論は独自の見解から原判決を論難するか,専ら原審の裁量に属する事実認定を非難するものに過ぎず,採用することができない。

最高裁判所第n(n=1~3)小法廷

裁判長裁判官 以下5名

上告代理人**の上告理由

上告理由書掲載

▲結論

日本の最高裁判所は、表向きは【憲法の番人】を偽装しているがその正体は歴代自民党政権の政治家と霞が関官僚と銀行家と大企業によるありとあらゆる権力犯罪に加担してきた国家権力犯罪の主犯者なのだ!

(終り)

(2)今日のトッピックス

①名誉教授の安保徹氏、12月6日に突然死~検索すると新聞で死去のニュ―ス記事が見当らない!

2016-12-09 wantanのブログ より転載

http://ameblo.jp/64152966/entry-12226985539.html

訃報をお知らせします。
http://blog.goo.ne.jp/toru-abo/e/b19274ada06a4cedff99601fffea1c8b

突然のことですが、
本日12月6日、安保徹先生がご逝去されました。
お通夜、葬儀・告別式につきましては、詳細がわかり次第ご連絡させていただきます。
あまりに突然のことで、日本自律神経病研究会一同、正直驚きがかくせません。
故人のご冥福を心からお祈り申し上げます。
安保先生のこれまでのご偉業にあらためて感謝申し上げます。

日本自律神経病研究会事務局

<引用終わり>

管理人

新潟大学名誉教授で著名な安保徹先生の突然死。
免疫学を専門に講演をされていて、69歳で突然の急死。

詳細を知りたかったので、安保徹~で検索して見ました。
欲しかったのは、訃報を伝える新聞社の記事でした。
大抵、新聞社の記事が真っ先に出て来るはずなのですが、
ところが、どこにもまるで見当らない。

通常、有り得ないことが起こっています。
名誉教授で著名な医学者でもある人物の死去を
ニュ―ス記事にしないなんて、ほとんど考えられません。
少なくとも、検索欄には全く出て来ていません。
皆さんも、検索して確かめてみて下さい。

どう考えても、これはおかしいです。
陰謀論ではなく、常識の話をしています。

死亡日時も大変気になります。
12月6日に突然死ってことで、18の666ですから。
数日前に、精力的に講演を行っている訳ですから、
病魔に冒されて苦しんでいた様子は無かったと推測出来ます。

お亡くなりになられた安保徹先生ですが、
過去の講演の中で、以下のように話されていたようです。

「ここだけの話、皆さんだけに言っちゃうんだけっども、
わだす狙われてるんですわ。

研究室は何度も荒らされてるし
もし、突然死ぬようなことがあっだらば殺されたんだと思ってねー!」

と冗談半分(本気半分)に話し会場に笑いを振りまいてらしたそうです。

そこで、私は2014年の過去の記事を思い出していました。

どこのマスコミも報じない(報ステ・岩路記者の自殺)
を取り上げた「FLASH」の突然の発売中止!
http://ameblo.jp/64152966/entry-11922125310.html

安保徹先生と岩路記者に共通しているのは、
お二人とも、ある業界から極めて不都合な存在だったということです。

そして、いつの場合も病死か自殺扱いで終わってしまう。
死因が徹底検証されることは、絶対にありません。
警察、検察、鑑定医もみんな、カルトつながりのグルだという噂があります。
これでは、あの世に葬られた人は浮かばれません。

これが、今の日本の実像です。
知らないのは、一般市民だけってことになります。

安保徹先生の場合、特に、何がまずかったのでしょうか。
岩路記者と同様に、記事にならないように報道管制が敷かれている事実は、
どうしても、暗殺の2文字が頭から消えません。

日本という国はね、皆さん・・・
実は、ものすごく怖い国なんです。

平和ボケしている国民がほとんどを占めている間は、
この国が大きく変わることは、まず無いでしょう。

安保徹先生、どうか安らかにお眠り下さい。

合掌。。。

②辺野古訴訟、沖縄県の敗訴確定へ 弁論なし、最高裁20日判決

2016/12/12 共同通信

http://this.kiji.is/180931963790673401?c=39546741839462401

米軍普天間飛行場の移設を巡る訴訟で、最高裁判決の日時が指定されたことを記したメモに目を通す沖縄県の翁長雄志知事(手前左)=12日午後、沖縄県議会

沖縄県の米軍普天間飛行場の移設先とされる名護市辺野古沿岸部=6月

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設を巡り、県外移設を掲げる翁長雄志知事を国が相手取った訴訟で、最高裁第2小法廷(鬼丸裁判長)は12日、上告審判決を今月20日に言い渡すと決めた。国側全面勝訴の福岡高裁那覇支部判決を見直すのに必要な弁論を開かないため、県側敗訴が確定する見通し。

翁長知事は「最高裁で弁論が開かれないことは極めて残念だ」と述べた。判決確定後も別の手段で抵抗を続けるとみられ、移設計画がスムーズに進むかどうかはなお不透明だ。
移設先となる辺野古沿岸部の埋め立ては、翁長知事が15年10月、仲井真弘多前知事による承認を取り消した。

③米大統領選 「偽ニュース」批判高まる ネット上で拡散

2016年12月10日 毎日新聞

https://l.mainichi.jp/1bOV6L

【ニューヨーク田中義郎、ロサンゼルス長野宏美】米大統領選の間、虚偽の情報を記事化した「偽ニュース」(フェイク・ニュース)が大量に伝えられたことを問題視する声が、米国で高まっている。偽ニュースは民主党候補だったヒラリー・クリントン前国務長官を標的にしたものが多く、インターネット上で拡散した。米メディアからは「偽ニュースが大統領選の結果を左右した」との指摘も上がっている。


偽ニュースの具体例には▽クリントン氏が過激派組織「イスラム国」(IS)に武器を売った▽(米芸術家の)オノ・ヨーコさんが「私は1970年代にヒラリー・クリントン氏と性的関係を持った」と告白▽ローマ法王がドナルド・トランプ氏支持を表明。その声明がバチカン(ローマ法王庁)から発表された--など事実無根の内容で悪質だ。


偽ニュースが原因の銃撃事件も発生した。「クリントン氏らが首都ワシントンのピザ屋に拠点を置き、児童への性的虐待や児童売買に関与している」との偽ニュースが流れ、南部ノースカロライナ州在住の男が4日、ライフル銃を持って、ピザ屋で発砲した。負傷者はいなかったが、男は警察の調べに対し、「ニュースについて調べるつもりだった」と供述したという。


偽ニュースが大量に流された背景について、詳細は不明だ。ただ、ワシントン・ポスト紙は「ロシアが選挙前、インターネットを通じクリントン氏の健康不安説など偽ニュースを拡散させた」と伝えた。


クリントン氏は8日、連邦議会のイベントでの演説で「悪意のある偽ニュースやうそのプロパガンダ(政治宣伝)の流行がソーシャルメディアを通して氾濫している。そして、今、偽ニュースが現実世界に影響を与えている」と警鐘を鳴らした。


④アレッポ奪還作戦は「最終段階」 シリア政府軍、ほぼ全域を制圧

2016年12月13日 AFP日本語版

http://www.afpbb.com/articles/-/3111116?act=all

【12月13日
AFP】シリア北部で政府軍が進める反体制派からのアレッポ(Aleppo)奪還作戦は12日、「最終段階」に入った。現地の軍当局者がAFPに明らかにした。政府軍による新たな攻勢を受けた反体制派は、市内のわずかな孤立地帯へと撤退し、抗戦を続けている。

軍当局者と在英のNGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human
Rights)」によると、バッシャール・アサド(Bashar
al-Assad)政権軍は反体制派がかつて掌握していたアレッポ東部の9割以上を制圧し、同市全体の奪還も時間の問題とみられるという。

反体制派が死守しているごくわずかな地区では、激しい衝突の発生が報告されている。シリア人権監視団は12日、直近の24時間に反体制派の掌握地区からさらに1万人が避難したと発表。これまで政府軍側の制圧域などに避難した人数は計13万人に上っている。
 アレッポが陥落すれば、反体制派にとってシリア内戦が勃発した2011年以降で最大の敗北となるとともに、政府軍は同国の5主要都市全てを手中に収めることになる。i

⑤米CIAのカストロ暗殺計画、毒入り葉巻や貝殻爆弾など

2016年12月04日 AFP日本語版

http://www.afpbb.com/articles/-/3110130?act=all

【12月4日
AFP】暴漢、毒入り葉巻、貝殻爆弾、有毒物質で汚染させた潜水服──先月90歳で死去したキューバのフィデル・カストロ(Fidel
Castro)前国家評議会議長を標的とした暗殺の企てにおいて、当時の米中央情報局(CIA)は存分な想像力を発揮していた。

カストロ前議長は生前、自らが約600の暗殺計画の標的になったと述べていた。CIAの記録や、米上院のチャーチ委員会(Church
Committee)による1975年の報告書は、試案段階止まりのものを含めスパイたちによる暗殺計画の数々を暴露している。

■権威失墜狙った「ひげ脱毛」作戦

初期の計画の中にはカストロ氏殺害を企図しないばかりか、高校生のいたずらのようなものもある。チャーチ委員会の報告書によると、1960年の3~8月にかけて「CIAはカストロの演説を妨害することで、そのカリスマ性を損ねる計画を検討していた」という。
 その案の一つは、カストロ氏が演説を行う放送スタジオにLSDのような化学物質をスプレー散布するというものだったが、薬物は「当てにならない」として、この案は却下された。

CIAの技術サービス部門TSDではカストロ氏に恥をかかせようと、演説前に葉巻を吸うことを想定し、葉巻の箱に一時的に方向感覚を失わせる化学物質を仕込む案が検討されていた。またカストロ氏のひげが抜け落ちるよう、強力な脱毛剤であるタリウムを靴に仕込み、「ひげのイメージ」を壊す計画もあったという。

■毒入り葉巻

チャーチ委員会は「1960~65年の間にCIAが関与したフィデル・カストロ暗殺計画が少なくとも8回あった」ことを突き止めたとしている。カストロ氏が好んだ葉巻の箱には「葉巻を口にくわえただけで死に至る強毒性のボツリヌス菌」が仕込まれたこともある。この葉巻は1961年2月にある人物へ渡されたが「実際にカストロに渡そうという試みがあったかどうかは記録で明らかにされていない」という。

■暴漢

CIAは1960年、成功した場合の報酬を15万ドル(約1700万円)として、カストロ氏殺害にマフィアを雇った。CIA側は「ギャングスタイル」の作戦でカストロ氏を射殺することを検討していたが、マフィアの方はもっと「控えめに」、食べ物や飲み物に毒物を混入させることを提案したという。

CIAのメモによると、TSDはボツリヌス毒素を含んだ錠剤を開発し、フアン・オルタ(Juan
Orta)というキューバ人高官に渡した。しかし数週間後、オルタ氏は「おじけづき、任務を放棄した」とされている。

■貝殻爆弾

1963年には、CIAの対キューバ秘密工作を扱う「Task Force
W(W部隊)」の隊長が、カストロ氏がダイビングを行う場所に貝殻爆弾を仕掛けることを提案したが、TSDが検討した結果「実行は難しい」と判断された。

■汚染ダイビングスーツ

CIAは1961年のピッグス湾事件で捕虜となった亡命キューバ人部隊の解放をキューバ側と交渉していた米国人弁護士、ジェームズ・ドノバン(James
Donovan)氏を通して「汚染された」ダイビングスーツをカストロ氏へ贈ることを画策した。TSDは「マズラ足」と呼ばれる慢性皮膚疾患を引き起こす菌をダイビングスーツの内側に仕込み、また結核菌で汚染された呼吸器具も用意したが、これらの装備が実験室から出ることはなかった。

■皮下注射ボールペン

CIAは「カストロを排除」したがっている暗号名「AM/LASH」というキューバの高官に、毒を仕込んだボールペンを渡した。このペンには「犠牲者が気づかないほど細い」皮下注射針が装備されていた。CIAは「もう少し洗練されたことを思いつく」と考えていたこのキューバ高官は失望したとされている。(c)AFP/Laurent
THOMET

(3)今日の重要情報


シリアで政府軍と戦っているのはアル・カイダ系武装集団やダーイッシュであり、反体制派はいない


2016.12.13 櫻井ジャーナル

https://goo.gl/qHS5Q6

シリアで政府軍が戦っている相手に「反体制派」というタグをつけているマスコミが存在する。かつて、日本のアジア侵略を「大東亜共栄圏」を建設するためだと主張した人たちがいるが、それと同じようなものだ。

リビアやシリアで体制転覆を目指して戦っている集団が「反体制派」でないことは戦闘が始まった2011年春の段階で指摘されていた。シーモア・ハーシュなどが何年も前から予告していたことが引き起こされたのだ。

2012年8月にはアメリカ軍の情報機関DIAが反シリア政府軍の主力がサラフ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQIであり、そうした勢力を西側、ペルシャ湾岸諸国、そしてトルコの支援を受けているとバラク・オバマ政権に報告している。その結果として、シリアの東部分にサラフ主義に支配された地域が作られるとも警告、それはダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)という形で現実のものになった。この報告書が書かれた当時のDIA局長がトランプ政権で安全保障担当補佐官に就任する予定のマイケル・フリン中将だ。

こうした武装勢力の戦闘員は武器/兵器と同じようにシリアの外から入った。リビアのムハンマド・アル・カダフィ体制が倒された後、戦闘員や武器/兵器をアメリカなどはシリアへ移動させたが、その拠点になったのがベンガジのアメリカ領事館だったことは本ブログでも紹介した。そこが2012年9月11日に襲撃され、クリストファー・スティーブンス大使も殺された。領事館が襲撃される前日、大使は武器輸送の責任者だったCIAの人間と会談、襲撃の当日には武器を輸送する海運会社の人間と会っている。

サラフ主義から現在のタクフィール主義者は生まれた。この人びとはタクフィール(背教徒宣告)して人を殺す。2012年6月にエジプト大統領となったモハメド・モルシはシーア派へのタクフィールを許可、シリア侵略を後押しした。この許可はイラン侵略も視野に入っているのだろう。

こうした侵略の背後にはネオコンの世界制覇戦略がある。ソ連消滅後、アメリカが唯一の超大国の超大国になり、その超大国を自分たちが支配していると認識した彼らは世界制覇プランを描き上げたのだ。1992年2月にポール・ウォルフォウィッツ国防次官(当時)たちが作成したDPGの草稿がそのプラン。「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」とも呼ばれている。

ソ連の消滅は西側支配層の傀儡だったボリス・エリツィンたちが仕掛けた。この事実は本ブログでも何度か指摘している。2度とソ連のようなライバルが出現しないように、彼らは旧ソ連圏のほか西ヨーロッパ、東アジアなどが成長しないような方策をとろうとし、力の基盤になるエネルギー源が地下に存在する西南アジアを支配しようと考えた。

ウェズリー・クラーク元欧州連合軍最高司令官によると、DPGが作成される前の年にウォルフォウィッツはイラク、シリア、イランを殲滅すると口にしていている。ソ連が消滅する前から彼らは世界制覇の野望を持っていたわけで、ソ連消滅はそうした野望を顕在化させることになった。

しかし、このプランはジョージ・H・W・ブッシュ大統領が再選に失敗、ビル・クリントンが大統領に就任したことでお蔵入りになる。それを蔵から引きずり出したのがファースト・レディーだったヒラリー・クリントン。彼女と親しいマデリーン・オルブライトが国連大使から国務長官へ異動した1997年1月のことだ。そして1999年3月、NATOはユーゴスラビアを先制攻撃した。ちなみに、オルブライトはズビグネフ・ブレジンスキーの教え子。ヒラリーのもうひとりの友人、ビクトリア・ヌランドは当時、国務副長官の首席補佐官を務めていた。

本ブログではすでに書いたことだが、ウォルフォウィッツをはじめとする好戦派はユーゴスラビアを破壊、解体するため、ウォルフォウィッツ・ドクトリンが作成された直後からプロパガンダを始めている。例えば、ニューズデイのボン支局長だったロイ・ガットマンは1992年8月、ボスニアで16歳の女性が3名のセルビア兵にレイプされたと書いているのだが、これは嘘だった。この嘘を広めた功績で、後に彼はピューリッツァー賞を受賞している。

2003年3月にアメリカ政府が始めたイラクへ侵略戦争も嘘を広めることから始めた。この時は偽情報を発信する目的で国防総省の内部にOSP(特殊計画室)が作られた。その室長に選ばれたエイブラム・シュルスキーはシカゴ大学でウォルフォウィッツと同じ教授について博士号を取得している。ふたりはネオコン仲間だ。

1990年代からアメリカの侵略戦争に広告会社が深く関与してくるようになったことも本ブログで書いてきた。偽情報の作成と流布は彼らにとって御手の物だ。そうした偽情報をアメリカなど西側の有力メディアは垂れ流し、アメリカの政府や議会はそうした嘘を暴くメディアやサイトに「偽報道」というタグをつけ、検閲しようとしている。


(4)今日の注目情報

①辺野古訴訟の県敗訴は最高裁と政府の癒着だ!
原発再稼働でも政府を追従し続ける司法の内幕を元裁判官が暴露

2016.12.13 Litera

http://lite-ra.com/2016/12/post-2767.html

沖縄の辺野古沖埋め立て承認取り消しをめぐり、国が翁長雄志知事を訴えていた上告審で、昨日12日、最高裁判所は高裁判決の結論を変更する際に必要な弁論を開かず、判決期日を指定した。つまり、今月20日の最高裁判決を前に、沖縄県の敗訴が決定したということだ。

これまで辺野古移転反対、米軍基地反対を訴え続けてきた沖縄県の民意が、最高裁によって踏みにじられる──。これで普天間飛行場の移転先となる辺野古埋め立てはもちろん、さらに米軍キャンプ・シュワブでの陸上工事や高江ヘリパット工事の動きも一層加速することは間違いない。

だが、今回の最高裁の態度は、ある意味、予想どおりと言うべきだろう。これまでも公害などの行政訴訟において、多くの場合、最高裁判所は政府、行政寄りの判決を下してきた。

それは現在、全国各地で起こされている原発再稼働訴訟に関しても同様だ。高浜、大飯、美浜、玄海、浜岡、川内、大間、伊方、泊など全国各地で運転差し止めや、建築差し止め、廃炉、操業停止などを求める住民らによる訴訟が継続中だが、これらも決して楽観視できない状況だ。本サイトで何度も指摘しているが、こうした訴訟の裏では原発ムラや政府と癒着した裁判所の巻き返し、そして露骨な“原発推進人事”が横行しているからだ。

そんな事態を証明するかのような本がある。『黒い巨塔
最高裁判所』(講談社)だ。本書は政府や原発ムラと最高裁判所の関係、そのための人事や政治介入などが赤裸々に描かれた小説なのだが、しかしこれは単なるフィクションではない。というのも著者は、1979年から31年間、裁判官を勤めた元判事の瀬木比呂志氏。『絶望の裁判所』『ニッポンの裁判』(ともに講談社)などで、これまで一貫して裁判所と裁判官の腐敗を告発し続けてきた人物なのだ。つまり、本書は裁判所を知りつくした人物による、ある種の“告発の書”であり、事実、随所にフィクションとは思えないエピソードが散りばめられている。

その最たるものが、“最高裁判所による原発訴訟の封じ込め作戦”だ。

小説では、福島原発事故が起こる以前の80年代後半、ある原発が稼働停止に追い込まれる。この原発では、大津波により非常用電源が喪失されるというシミュレーション結果が出されていた。にもかかわらず、電力会社がこの事実を握りつぶしていたことが発覚。また、制御棒6本が脱落し臨界状態が8時間も続くという重大事故の隠蔽なども明らかになったことで、稼働停止を余儀なくされていた。

一方、こうした事態に電力会社は再稼働へ向け躍起になるが、しかし住民による原発再稼働差し止め訴訟が起こされ、その結果、地裁は再稼働差し止めの仮処分を決定する。時代は違うが、福島原発事故後の原発停止、そして再稼働の動きや、数々の住民訴訟を彷彿とさせるものだ。

だが、これに危機感をもったのが最高裁判所だった。

登場人物のひとり、最高裁判所長官の須田謙造は、この判決に大きな不満と不安を感じ、強権を発動していく。差し止め決定を出した支部長を本来の異動時期ではないにもかかわらず、近くの高裁所在地の家裁に異動させたのだ。しかも、須田が行った報復人事はそれだけではなかった。

〈須田は、念のため、全国の原発訴訟係属裁判所について、再度人事局に担当裁判長についてのチェックをさせ、また、民事局や行政局にも調査をさせ、原発訴訟で原告側に有利な心証を表に出したことがある者や、過去に行政訴訟や国家賠償請求訴訟で目立った原告側請求容認判決を出している者については、四月に、目立たない形で、つまり、いわゆる左遷人事ではない形で、異動させていた(略)。早急に仮処分を取り消させるために、先の支部長、またこの四月が異動時期であった右陪審の後任には、事務総局経験者の中なら、取り消し決定を出すことに絶対間違いのない者を選んで送り込んだ〉
〈いかなる批判を浴びようとも、ともかく原発稼働差し止めの仮処分だけは早急確実に取り消しておく必要がある〉(同書より)

つまり最高裁長官は、原発稼働のために、裁判官たちの思想や過去の判決を調査し、権力に都合の悪い判決を出した裁判官を密かに左遷し、意のままになる裁判官を送り込もうとしたのだ。

繰り返すが、これはフィクションではない。こうした報復人事は、現実世界の裁判所でも実際に起こっている。それが大飯、高浜両原発をめぐる一連の再稼働訴訟に関するものだ。

2014年5月、福井地裁において大飯再稼働を認めないよう命じる仮処分が出された。この判決を出したのは同地裁の樋口英明裁判長(当時)。樋口裁判長はその後、高浜原発差し止め仮処分も担当することになるが、一方、裁判所は15年4月1日付で樋口裁判長を名古屋家裁に異動させる決定を行う。

裁判所は、住民側の訴えを聞き入れた樋口裁判長に、原発裁判にかかわらせないような人事を発令したのだ。

しかし、樋口裁判長は、高浜原発の差し止め仮処分申請について裁判所法28条に基づく「職務代行辞令」を利用して、名古屋地裁への異動後も引き続き審議を担当。結果、再稼働を差し止める仮処分を決定している。

問題は、樋口裁判長に代わって最高裁が福井地裁に送り込んだ林潤裁判長の存在だ。林裁判長は1997年の最初の赴任地が東京地裁で、2年後に最高裁判所事務総局民事局に異動。その後も東京、大阪、福岡と都市圏の高裁と地裁の裁判官を歴任しているスーパーエリート裁判官。司法関係者の間でも、将来を約束され最高裁長官まで狙えると言われている人物である。

これはもちろん、最高裁の“意思”を忖度することを見込んでの人事だった。目論見通り、林裁判長は15年12月24日、高浜原発再稼働を容認する仮処分決定の取り消しを行った。このとき、林裁判長の左右陪席の2人の裁判官もまた最高裁判所事務局での勤務経験があるエリート裁判官だった。

つまり、本書と同様に、政府や電力会社、そして最高裁判所にとって都合が悪い決定を下した裁判官を左遷し、代わりに最高裁がお墨付き与えたエリート裁判官たちを原発再稼働容認のために送り込んだのだ。

『黒い巨塔』で描かれているのは、こうした裁判所の“報復人事”だけではない。同書では、裁判所への政治介入と最高裁長官が示した原発稼働への意志がはっきりとえぐり出されている。

たとえば、こんな場面。報復人事を完了した須田だったが、与党の大物政治家に呼び出され、“総理の意志”として露骨な圧力をかけられる。

〈「御存知のとおり、黒塚首相は、ああいう方で、正直、目から鼻へ抜けるような人ではないし、学歴などはいささか乏しいこともあって、行政官僚も、裁判官も、ひどく嫌っているのですよ。ことに、須田長官のような東京帝大、高等文官試験トップ組の方々に対しては、何と申しましょうか、インフェリオリティー・コンプレックスや嫉妬の入り交じった、すさまじい憎しみをあわらにされることもありましてな。

いうまでもありませんが、表の顔や一見しての能力だけで彼を判断なさいませんよう。権謀術数やメディア、世論操作には非常に長けた、なかなか恐ろしい人物ですよ、あの人は。」〉

〈「原子力の問題は、まさに国家のエネルギー政策と安全保証の根幹にかかわります。世間というものをよくは御存知ない秀才であられる裁判官の方々が立ち入るべき領域の問題ではありません」〉

こうして大物政治家に恫喝された須田は、もっとも大規模で重要かつ、全国の裁判官たちに与える影響が大きい「裁判官協議会」で原発訴訟を扱うことを単独で決定する。もちろん“最高裁としては原発差し止めはまかりならん”という意志を隅々の裁判所や裁判官に伝え、徹底させるためだ。そして、出された結論は、原発訴訟に対する裁判所の“判断放棄”であった。「協議会」は以下の指針を原発訴訟に対する裁判所の“あるべき”姿勢として、全国の裁判官に下達したのである。

〈原子炉施設の安全審査は、多方面にわたる高度かつ最新の科学的、専門的知見に基づくものですから、原子力委員会の知見を尊重して行う内閣総理大臣、つまり被告行政庁の合理的な判断に委ねるのが相当と思われます〉

最高裁の政治との癒着、そして貫かれる露骨な“国家意志”──これが、裁判所を知り尽くし、裁判所を告発し続ける著者が描き出した、最高裁の実態だ。これら以外にも本書では、最高裁の派閥や権力維持として使われる人事権など、その暗部の実態も告発されているのだが、本書を読めば今後、原発差し止め訴訟において公正な裁判所の判断など期待できないこともわかるだろう。

 もちろん、これは原発案件に限ったことではない。前述のとおり、行政訴訟で政府や企業に都合の悪い判決を出した判事や、刑事事件でも無罪判決を出した判事を閑職に飛ばすなどの事実上の左遷人事は、これまでも横行してきた。また、福島原発の事故後はそれがさらに露骨になってきているとも指摘されている。

そう考えると今回、国策として安倍政権が進める辺野古基地移転を最高裁判所が“後押し”するのも、当然のことなのだ。

国民の生命や安全を無視し、辺野古新基地建設と米軍基地の固定化、そして原発再稼働政策を押し進める政権と、それを後押しする最高裁判所。政府と司法の構造的癒着というこの国の権力の実態は、まさに“絶望”なのかもしれない。
(伊勢崎馨)

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情報発信者 山崎康彦
メール:yampr7@mx3.alpha-web.ne.jp
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