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いつもお世話になっております ジャーナリストの山崎康彦です。 河本玲太郎氏の的確なFacebook記事をお送りしますのでぜひお読みください!

2023年11月07日 13時03分29秒 | 政治・社会
いつもお世話になっております
ジャーナリストの山崎康彦です。

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約束の地

河本玲太郎

2023.11.07

1947年発行のナショナルジオグラフィック誌に掲載されていたという、現在のイスラエル地域に「パレスチナ」と表記された地図が、フェイスブックによって検閲されていた。
今一度、背景を整理して、分かり切った話から道理を考える必要があるように思う。

当時のパレスチナは実際にはイギリスの委任統治領だったが、パレスチナと地図に書いてあったのは特に不当な情報ではないはずだ。
そこには、政治的に歴史を歪めて、パレスチナを否定しようとする意図が読み取れる。
イスラエルは1948年に建国された。それ以前のこの地域のユダヤ人はパレスチナ人だった。

アブラハムはイラクのウルから来た。聖書にもそう書かれている。彼は異母妹とも結婚した。
アブラハムは4000年前にイスラエルの地(カナン)に家と家系を建てた。

アブラハムはイラク地域で生まれ、4000年前にこの地にやってきて、エフロンから土地を買った。
あくまで聖書にはそう書かれているというだけだが、彼ら自身が大切にする聖典に依拠して考えても、ユダヤ人はイスラエルの先住民ではない、という話だ。

ただ、長年自分たちの国を持たず、世界中で迫害されてきたユダヤ人にとっては、宗教的にも、先祖のいた「約束の地」イスラエルに戻って、自分たちの国を持つ、というのは、特に第二次世界大戦中のナチスドイツによるユダヤ人大虐殺の後には大きな夢となった。

約束の地とは、ヘブライ語聖書に記された、神がイスラエルの民に与えると約束した土地のことで、この約束は、アブラハムに最初に与えられ、次いでその息子イサクに、さらにイサクの息子でアブラハムの孫であるヤコブにも与えられた。約束の地は、「エジプトの川」からユーフラテス川までの領域とされ、出エジプトの後、約束された者の子孫に与えられるとされた。

でも、だからと言って、既にそこに住んでいた人たちの土地や生活圏を奪っていい道理はなかった。そのようなやり方で建国したから、今日に至る対立が生まれている。

その一方で、1948年に建国されたイスラエルも、もう時が経って、そこで多くのイスラエル人が暮らしてしまっている。そこで子や孫、3世代くらい生まれ育っている人もいる中で、今さら出て行けとも言えない。
それと同じことが苦境に曝されているパレスチナ人に対しては一層強く言えるが、お金や軍事力を持つイスラエルは、どんどんパレスチナ人を追いやっている。

元々はアフリカ大陸で誕生した現生人類が世界中に広がっていったという人類の歴史を考えれば、誰が先に住んでいた先住民だったかなどと言った話に意味はない。
歴史上の特定の時期を切り取って、誰が先住民で、その土地に住む正当な権利があるかなどと言った主張自体をやめて、平和に共存すべきなのだ。



(地図の説明/山崎康彦)

上記の地図は、パレスチナの地に住んでいたパレスチナ人の居住地を緑色で、イスラエル人の居住地を白で4つの年代(左から、1946年、1947年の計画案、1949年-1967年、2012年)の推移を表しています。
パレスチナ人の居住地が「消滅」に向かっているのが良くわかります。

(終わり)
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