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【注目記事】 日本電産が脱帽した最強の中小企業(1/2)

2009年02月03日 09時53分36秒 | 政治・社会
■ 日本電産が「脱帽」した最強の中小企業がある(1/2)

日経ビジネスオンライン http://business.nikkeibp.co.jp/article/pba/20081222/181088/

エーワン精密の秘密(1/2)

売上高20億円余りの“町工場”なのに経常利益率は40%を超える。  しかも無借金で自己資本比率は90%――。
エーワン精密の業績はさんぜんと輝いている。 完璧に近い結果を出す同社の経営は、非常にシンプルだ。

「コスト管理」「人事管理」「時間管理」に全くムダがない。 この「簡単な経営」はあらゆる中小企業の参考になる。

日本電産の永守社長が「脱帽」する強さ

あの日本電産を率いる永守重信社長が「脱帽」する。エーワン精密はそれほど強い。「何がすごいって、利益率がとんでもなく高い。37期連続で 35%を超えてます。何でそんなことが可能なのか。それは圧倒的な短納期という強みがあるからです。よそが1週間から2週間かかるところ、注文を出したら翌日に届く速さやからね。

ウチもようけ(たくさん)エーワン精密さんから買うてますが、『ちょっと値段まけて』と言いたくても、よう言えへんのですわ(笑)」(2007年6月、企業家ネットワーク主催の「企業家賞」表彰式で選考委員長を務めた永守氏による選評)


エーワン精密の事業内容は工作機械の小型自動旋盤に取り付ける「コレットチャック」や「カム」という金属部品の製造・販売である。売上高は約22億円(07年6月期)。会社の規模だけ見れば、「町工場」と言っても差し支えない。

だが収益力はトヨタ自動車やキヤノンなど、日本を代表する企業をはるかに上回る。

創業以来37年間、バブル崩壊やデフレ不況などに見舞われても、売上高経常利益率は一度も35%を下回ったことがない。平均すれば41.5%に達する。

「利益を上げるには、『利益にこだわった経営と仕事のやり方』をしなければならない。日本の中小企業の多くは、製品やサービスが優れているのに、経営者が『良いものを作っていれば自然と儲かる』と勘違いしている。中小企業だからこそもっと利益への執着心を持つべきだ」。創業者の梅原勝彦相談役はそう話す。

仕事量が減っても「適正価格」を守る

「エーワン精密さんから1万6000円で仕入れている製品を、ある業者は8000円で売ると言っているんだが」。

大幅な値引きを取引先に暗に要求されることは、梅原氏にとって珍しいことではない。

こんなとき、梅原氏は決まってこう答えてきた。

「どうぞ、その業者から買ってください」──。品質を維持できる「材料費」、社員の懸命の働きに報いるだけの「給料」、将来のための「設備資金」を賄える価格でなければ、話にならない。商売とは、この最低限の金額に利益を乗せた「適正価格」でするものだ。梅原氏はそう固く信じている。

梅原氏にとって、利益は徹底的にムダを省き、コストを抑えた経営努力の「賜物」。そして繰り返しやってくる不況の波を乗り切るために必要不可欠な命綱でもある。「売り値には不況時の『しのぎ代』を折り込んでおけ」というのが、梅原氏の口癖だ。

だから損をする仕事は受けない。

この方針を貫き、売上高が減ったこともある。今でこそ売上高は20億円を超えるが、93年には13億円と前年比1割減、02年には14億4500 万円と前年比2割減に落ち込んだ。それでも「仕事欲しさの値引き」はしなかった。石油ショック、円高不況、デフレ不況に襲われても経常利益率35%超をキープしてきた。

他社に流れた客も舞い戻ってくる

「不況時には『注文を取る』より『価格を守る』ことの方が大事」(梅原氏)。経営は山あり谷ありの長丁場。不安になって場当たり的に価格を下げ、無理を重ねて注文を取っていた会社は、品質面で壁に突き当たるか、儲からないために新たな投資ができなくなって競争力を弱める。梅原氏はそんな企業をたくさん見てきた。

他社に一時的に流れたものの、また舞い戻ってきた顧客の受注伝票を見るたびに、梅原氏は「適正価格」の原則の大切さを実感するという。

「日本の中小企業のものづくりの力は、間違いなく世界一。代わりが利かない存在なのだから、自信を持って、利益にこだわった経営をしてほしい。利益度外視の不毛な値引き合戦で足を引っ張りあっていては、この先は立ち行かない」。

梅原氏はそう強調する。

経理を人任せにせず自分で数字を紙に記入

現在はパソコンで作成しているが、創業から1999年まで30年近く、梅原氏は経理を人任せにせず、毎月、市販の方眼紙で作った手製のシートに自分の手で記入してきた。これらの数字を経営判断の最重要データと考えていたからである。

下に掲載した写真が「業績グラフ」の実物である。毎月の収入と支出が記録され、一目で「どれくらいのコストがかかっているか」が分かる。

この業績グラフは、シンプルそのものである。項目は「売上額」「人件費」「材料費」「設備費」「総支出」の5つだけである。

売上額は「金額」を、それ以外の項目は、「金額」に加えて「対売上高比率」(対売上比)を書き込む。

「これだけで何が分かるのか?」と疑問を持たれる方もいるかもしれない。しかし梅原氏は、「この5つの指標さえ見ていれば十分」と言い切る。

「当社の仕事は『社員』が仕入れた『材料』を、『設備』で加工して売ること。カネの出入りで言えば、『人件費』『材料費』『設備費』と、その他を合わせた金額が『出(=総支出)』になる。『入』は『売り上げ』。その差が利益になる。だから、この5つの項目を見れば、会社の問題が分かる」(梅原氏)

この方式で得られる利益の数値は、正式な損益計算書の数値とは必ずしも一致しない。あくまでも「経営管理用の数値」だ。

しかし、考え方が直感的で素早く計算でき、一目で大まかな経営状況をつかめる。

物事をシンプルかつ明快に考え、「重要なことは何か」を見極める。これが梅原氏の「簡単な経営」を貫く基本原則である。

利益率4割超を保つ「必勝のバランス」

同社の業績グラフをさかのぼってみると、創業期から現在まで、各費用の売上高に占める割合はほぼ一定であることが分かる。

人件費・材料費・設備費・総支出の対売り上げ比は、石油ショックによる狂乱物価時などの例外を除けば、おおむね次のような範囲に収まっている。

・人件費 15~20%
・材料費 7~10%
・設備費 4~5%
・総支出 40~60%

これが、エーワン精密における利益率40%経営の「必勝のバランス」である。例えば、前ページに掲載した99年1月の実績は、人件費18.1%、材料費7.4%、設備費5%、総支出49.6%となる。

この5つの指標を飛行機の「計器」のように見立て、バランスを取りながら高い利益率を保ってきた。

梅原氏は「数字には『裏』がある。それぞれの数字の裏の意味を読み取って、適切な手を打つことが、経営者の大切な仕事」と語る。

(1/2終わり)

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