杉並からの情報発信です

政治、経済、金融、教育、社会問題、国際情勢など、日々変化する様々な問題を取り上げて発信したいと思います。

■日本の教育を抜本から変えていかねばならない

2009年09月21日 14時48分07秒 | 政治・社会
9月20日の朝日新聞に大変優れた教育現場のルポルタージュ記事が掲載されていましたので以下に転載いたします。

経済的事情などで中学卒で社会に出た子供たちに勉学の機会を無料で提供している「蛍雪義塾」を取材したもので沼田千賀子という記者が書いています。「蛍雪義塾」に週一回通う生徒たちと彼らを無償で支援する行方(なめかた)正太郎代表(49)の生き方に共感を覚えました。

自民党と教育官僚と財界が戦後進めてきた日本教育はあまりにもひどい状態となっています。

1) 金がかかりすぎで親の負担が大きく教育の格差が拡大した → 教育の無料化

2) 1クラスの定員が40人のため生徒一人ひとりへの細かい注意がいかない→ 定員を20人にすべし

3) 受験競争に勝ち抜くことが第一で落ちこぼれ生徒は放置され学力の格差が拡大した → 公立学校の入学試験廃止

3) 記憶力中心の教育のため生徒の考える力が奪われている → ○X式試験を止め記述式の考えさせる試験へ転換、

4) 先生と生徒への国家支配が強化され護憲や反戦の教師が強制的に追放されている → 権力による教育支配の排除。教科書検定廃止、指導要領廃止

5) 優れた教育力を持つ教員の再教育システムがないため良い先生に当たるか否かは運次第の状態 → 大学院での定期的な再教育システムの導入

6) 「教育基本法」が安部晋三内閣で改悪され石原新太郎都知事や山田宏杉並区長や田中宏前横浜市長など極右ファシストが推し進める愛国主義教育で教育現場が荒廃している → 「教育基本法」を基に戻すこと、「教育委員の選任」を公選制」に戻すこと

教育は保育園から大学院まで原則無料とすべきです。また門戸をわざとせまくして子供と親を競争させて国の負担を低く押えその分各家庭負担に重い負担を強いる現行の受験競争を前提にした進学制度・受験制度は廃止すべきと考えます。


■ 低学歴克服を支援「蛍雪義塾」、若者たちの夢あと押し

  2009年9月20日 朝日新聞

  http://www.asahi.com/national/update/0916/TKY200909150415_01.html

ネオンが輝くJR川口駅東口。喧噪(けんそう)をよそに、駅近くの複合施設の
一角で週1回、5人の若者が机に向かう。低学歴ゆえに経済的に不安定な若者ら
に、元教員が無料で勉強を教える「蛍雪義塾」の埼玉校だ。元派遣社員の男性
は、この夏、高校卒業程度認定試験に合格。不安定な生活を抜け出す一歩を踏み
出した。現在は公務員を目指してさらに勉強を続けている。

毎週金曜の夜。元派遣社員や高校中退の若者ら5人が会議室で机を囲む。

「誰々には負けないとか、競争じゃない。目指すところはみんな一つ」。蛍雪義塾の行方(なめかた)正太郎代表(49)は語りかける。行方さんは養護学校の教員を退職後、不登校の子や児童養護施設の出身者に勉強を教えてきた経験から、中卒や高校中退の若者が不安定な職に就き、苦労する姿を多く見てきた。

「教育の差が経済格差を生むのなら、格差を埋めるのも教育のはずだ」。そう考え、08年夏、JR代々木駅(東京都渋谷区)近くに蛍雪義塾を開いた。高校卒
業程度の資格を取って進学や就職など「次」につなげてほしいとの願いからだ。
塾では授業料は無し。教科書代も無料だ。

埼玉校は今年3月に開校した。同校に通う上尾市の元派遣社員村田隆之さん(27)は母子家庭で育った。勉強はあまり好きではなく中学卒業後は大工の見
習いに。1年で辞めて実家に戻り、アルバイトや派遣の仕事を転々とした。

約3年半前から県内の会社で製品テストなどの仕事をしていたが、昨年12月上
旬、派遣元から「1月15日まで」と契約終了を告げられた。「いつかは」と覚
悟はしていたが、途方に暮れた。

有休を消化しようと、1月、鈍行で旅に出た。安くすむ漫画喫茶の個室に泊まっ
た。より料金の安いオープン席ではパソコンを前に突っ伏して寝る男性や頭をた
れて目を閉じる年配の女性がいた。「疲れてるんだろうな。こうなっちゃダメだ」

旅行後、友人に教えてもらって蛍雪義塾に申し込み、経済事情や年齢から選ばれ
た5人に入ることができた。

「景気に左右され、働いても将来が開けない生活はもう嫌だ」と、今は思う。
「仕事は生活の基本。任せられたら責任を持ってやってみせる」と思えるように
なった。4月から半年、機械加工技術を学ぶ職業訓練校との「ダブルスクール」
だったが、派遣生活から抜け出すチャンスだと思うと苦にならなかった。

毎週欠かさず蛍雪義塾に通い、認定試験の過去問を解いた。英単語帳はぼろぼろ
になるまで使い込んだ。今月上旬、8科目の合格通知が手元に届いた。「これで
次に進める」。少しほっとしたが、「まだまだ通過点。来年の公務員の採用試験
まで頑張らないと」と気を引き締める。

(沼田千賀子)

(終わり)
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