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≪注目意見≫ ■ 鳩山首相の所信表明演説の評価はただ一つ 天木直人氏

2009年10月27日 10時39分28秒 | 政治・社会
■ 鳩山首相の所信表明演説の評価はただ一つ

天木直人のメールマガジン 2009年10月27日発行 第421号

政権交代後初めての歴史的な鳩山首相の所信表明演説をどう評価するか。

民主党びいきの絶賛や、自民党びいきの全否定は論外としても、賛否両方のコメントがなされるのは当然だ。

しかしそれらはいずれも一面的に正しく、一面的に正しくない。結局は、すべての評者が一致して認めるごとく、その本当の評価は今後の政策実現にゆだねられる。

これから具体的に政治的決断が迫られるであろう主要問題について、鳩山首相は一体どのような結論を下すのか。それによって、あの時の所信表明演説は素晴らしかった、いやあれはいったい何だったんだろう、という事になる。

問題は山積している。それらの優先順位や判断基準は人によって異なるだろう。そしてそれらの問題に応じて、それを専門とする識者、論者、評者が正しく評価を下すことになるだろう。

私にとっての唯一、最大の評価基準は、鳩山首相が米国の戦争にどうかかわっていくか、である。

私は、歴代の日本の総理の所信表明演説を、すべて詳しく読み比べたわけでは勿論ない。

しかしこれほど自分の言葉で、国民や人間や弱者の事に思いを寄せた首相はかつていなかったに違いない。

友愛が政治の原点だと言い、自殺した息子を哀しむおばあさんの手の感触を忘れないと言い、身体障害者を雇用する工場を訪れて、「人は他人のために存在する」と感動する、そのような優しい言葉を所信表明演説で語った首相を私は知らない。

私はそれらの言葉を額面通りに受け止めたい。

鳩山首相は本心でそういう政治を目指していると信じたい。

私は鳩山首相の所信表明演説を評価するのだ。

そうでれあればこそ、私は鳩山首相にどうしても聞いておきたい事がある。

米国の戦争とどう向かい合っていくのかと。

パレスチナ人をここまで弾圧し続けるイスラエルとそれを支持し続ける米国。
 
そのイスラエルと米国に抵抗する者をテロと切り捨て、テロを軍事的に排除する事をすべてに優先する米国と軍事同盟関係を維持、強化することが、どうして友愛精神に沿うものなのか。

ドフトエフスキーの言葉を借りるとすれば、無垢の少女が流す涙ひとつさえ防ぐことのできない政治や外交が、どうして今回の所信表明演説を流れる弱者と人間性と命と暮らしを大切にする政治なのか。

私の鳩山政権に対する評価は最後はこの一点で決まる事になる。

(終わり)
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