杉並からの情報発信です

政治、経済、金融、教育、社会問題、国際情勢など、日々変化する様々な問題を取り上げて発信したいと思います。

【YYNewsLive】暴力団と民間銀行の【支配と搾取】は同じ犯罪だが何百倍も悪い銀行支配は合法!

2015年09月08日 20時57分05秒 | 政治・社会
☆今日の画像

安倍晋三による野田聖子潰しはやくざと同じ脅しと買収!

いつもお世話様です。                          

【杉並からの情報発信です】【YYNewsLive】【市民ネットメデイアグループ】【家族勉強会】【草の根勉強会】【山崎塾】【1000万人情 報拡散運動】を主宰するネットジャーナリスト&社会政治運動家の山崎康彦です。

☆本日火曜日(9月08日)午後7時から【ツイキャスTV】で放送しました世直しネットTV【山崎康のYYNewsLive】の放送台本です!

1)No1 77分56秒 http://twitcasting.tv/chateaux1000/movie/199263966

N01

☆世直しネットTV【山崎康彦のYYNewsLive】は、放送回数1700回、視聴者総数170万人(3年間)、毎日1,000人が視聴する真 実・事実を追求するタブーなき報道番組。土曜以外毎日約1時間放送されます!

http://twitcasting.tv/chateaux1000/show/

【YYNewsLive by
Twitcasting】


☆放送のテキスト台本は、閲覧総数(ページヴュー)1,100万件、訪問者総数400万人(8年間)、毎日1,500人が閲覧する真実・事実を追 求するタブーなきブログ【杉並からの情報発信です】で読めます!

http://blog.goo.ne.jp/yampr7

②【杉並からの情報発信です2】

http://7614yama.blog.fc2.com/

☆今日のひとこと

①来日中のアフガニスタン救援活動家【ぺシュワール会】代表中村哲氏が8月30日に宇部市で行った講演会で参加者から受けた質問『アフガニスタン 人の視点から見る現在の日本の積極的平和主義を掲げる動向、また日本人についてどう思うか』への以下の答えが素晴らしい!

・日本に帰ると別の惑星に来たように感じる。

・第一に元気がない。アフガニスタンでの最高に近い医療が受けられ、恵まれている割にみな不幸な顔をしており、自殺が多い。

・アフガニスタンは貧しい国で、他殺はたくさんあるが自殺はない。

・日本の政権についてはこんなバカな政権はない。向こうではみな権力に対して従順でない気風がある。対照的に日本人ほど権力に弱い国はないと感 じる。

・現政権がアフガニスタンに出現したとするなら、 もう何十回か暗殺されている。その点が日本との違いだ。

・個人的なことをいうと憲法に従う義務はあるが、政権に従う義務はないと考えている。

☆今日の推薦本

■(4回目) ビル・トッテン著『アングロサクソン資本主義の正体』(東洋経済新報社2010年8月5日 刊\1600+税)

P89-91

マネーシステムへの懐疑

・1930年代、なぜ大恐慌が起きたのだろうか。どのような状況でも、人々は生活していかないといけないのに、強行や不景気になるとなぜ失業は増 えるのか。また、これだけ環境が汚染されているのに、空気や水をきれいにしようとするプロセスがなぜ遅々として進まないのか。

・ほとんどの国の政府は、なぜ借金まみれなのか。そして、その返済のためになぜ福祉を削減しなければならないのか。なぜ、今の若者たちは親の世代よりも将来へ希望が持てないのか。考えたことがあるだろうか。

・これらの理由は、世界の通貨制度と銀行制度が、300年以上も前にイギリスのかな細工師たちに画策されたものだからだ。それは不公正で、持続不可能なシステムである。

・率直に言って、不況も強行も必然ではない。それは基本的にお金の現象に過ぎない。不況や強行を予測できないのはエコノミストの理解不足から起きており、エコノミストが理解不足なのは、マネーシステムが産業革命によって起きた変化に合っていないためである。

・この問題の根本は、経済が神学論と同じからだ。つまり主流の理論が天動説なら、それ以外の節は議論も奨励もされない。銀行の信用創造ーつまり、 無から有を生み出すマネーシステムーこそ、経済の基礎とされた。それを疑うことは、現在の社会体制そのものを否定することと見なされた。もちろ ん、中にはこのマネタリー制度に反論を試みた人たちはいたが、みな無視されてきた。

・だがいま、世界のあらゆるところで債務、赤字が増加し、大恐慌以来初めて、この通貨制度を大きく変える必要があるという声が出始めている。つまり、金融経済と実体経済を結びつける必要があるという声が上がっているのだ。

・金融経済と実体経済が結びつくことによって、何がもたらされるのか、たてば、次のようなことである。

1.最大限経済を刺激する

2.完全雇用の実現

3.完全雇用に合わせて、価格が安定する

4.予算の均衡

5.債務の削減

6.公共サービスの充実

7.最後には減税が可能となる

その結果、景気循環(ビジネスサイクル)などという言葉は、経済用語からなくなるかもしれない。

(続く)

☆ 【座右の銘A】:

①世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない。(宮沢賢治の言葉)

②命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は、始末に困るものなり。この始末に困る人ならでは、艱難(かんなん)をともにして国家の大業は成し得られぬなり。(西郷隆盛の言葉)

③【天下の正道に立ち、天下の大道を行う人】とは (孟子の言葉)

どんなにカネをつまれようとも、カネの誘惑に負けて正道を踏み外すことは絶
対ない。

どんなに貧しくなろうとも、志を曲げてカネのために悪を働くことは絶対にない。

どんなに強力な権力が脅しにかかろうとも、恐れ命を惜しんで屈服することは絶対にない。

☆(1)今日のメインテーマ

■暴力団の暴力による【支配と搾取】と民間銀行の金融力による【支配と搾取】は同じ犯罪だが何百倍も悪い銀行支配は合法化されている!

暴力団は社会のアウトローが主体であり、民間銀行は社会のエリートが主体であるが、やっていることは同じなのだ。すなわち暴力団も民間銀行も、一般庶民の日々の労働=実体経済が生み出す富を簒奪して実体経済を破壊し一般庶民の生活と生命と独立を棄損することで自らは肥え太るのである。

暴力団と民間銀行が違うのは、暴力団による暴力による一般庶民への支配と搾取は違法であり警察の取り締まり対象となるが、民間銀行による一般庶民 への金融による支配と搾取は法律=準備預金制度に適った経済行為として称賛されている点だけだ。

山口組の分裂騒動が大手マスコミの格好の報道テーマになっているが、なぜ日本の暴力団がこれほどまでに勢力を伸ばしてきたかの検証報道は一切され ていない。

なぜならば、日本の暴力団は明治維新から現在まで続く日本国民を支配し搾取する基本構造である【田布施マフィア】による【でっち上げ天皇制と田布 施システム】の守護神として戦前も戦後もずっと機能してきたからである。

日本の暴力団は戦後の歴代自民党政権および現在の安倍自公政権の国民支配と搾取を守る突撃隊として機能してきたのであり、表向き警察が取り締まり 強化しているのは国民向けのパ-フォーマンスと暴力団利権を奪って警察利権にするためであり、警察は暴力団の根絶を決してしないのだ。

日本の暴力団の根絶は、明治維新から現在まで続く日本国民を支配し搾取する基本構造である【田布施マフィア】による【でっち上げ天皇制と田布施システム】を全面的に解体する【市民革命】運動と【市民革命政権】樹立なくしては不可能だろう!

【関連情報1】

▼ 溝口敦氏が緊急リポート 「神戸山口組」これが人事一覧と掟だ

2015年9月8日 日刊ゲンダイ

【溝口敦 緊急連載「山口組分裂 血の抗争の行方」第1回】

世間を震撼させている日本最大の指定暴力団、山口組の分裂劇は今後、どんな展
開を見せるのか。この分裂劇の裏側に何があって、真相は何か。暴力団 に関し
て数々の名著があるジャーナリストの溝口敦氏が緊急連載で渾身リポート!

■月会費は大幅減額、組長への贈り物禁止

今月5日、神戸市花隈の山健組本部に、山口組を離れた「神戸山口組」のメン
バーたちが集まり、発足に向けて人事や月会費を決めた。

出席したメンバーによれば、人事は次の通りである。煩雑になるが、よそではま
だ報じられていないようなので、記すことにする。

神戸山口組の組長は事前予想通り井上邦雄(山健組組長)。若頭は寺岡修(侠友
会、淡路市)、若頭補佐・剣柾和(黒誠会会長、大阪市)、同・織田絆 誠(今
回、山健組から抜擢)とされる。

副組長・入江禎(宅見組組長、大阪)、総本部長・正木年男(正木組組長、福井
県敦賀市)、本部長・毛利善長(毛利組組長、吹田市)、舎弟頭・池田 孝志
(池田組組長、岡山市)、舎弟・岡本久男(松下組組長、神戸市)、同・宮下和
美(西脇組組長、神戸市)。

顧問・奥浦清司(奥浦組組長、東大阪市)、若中・池田幸治(真鍋組組長、尼崎
市)、同・高橋久雄(雄成会会長、京都市)、同・清崎達也(大志会会 長、熊
本県八代市)。(順不同)

注目すべきは神戸山口組が新しく決めた月会費の額である。役付き30万円、中
堅20万円、若中10万円と安い。弘道会が支配する従来の山口組では 若中が
支払う最低額でも100万円以上だから、その10分の1以下といえる。さらに
中元、歳暮を組長に贈ることは禁止、組長は誕生日祝いをせず、 組長への贈り
物も禁止となった。

従来の山口組では中元の時期、直系組長たちが拠出して司組長に贈るカネが
5000万円、歳暮として同じく直系組長たちが分担拠出するのが1億円、 1
月25日の誕生日祝いにも1億円を司組長に差し出している。両派組員の支払額
はえらい違いで、神戸山口組は今の不況にかなっている。

当然、弘道会支配の山口組が行っているミネラルウオーターや日用雑貨品の強制
売り付け(月額50万円以上)も神戸山口組はやらない。

メンバーたちの多くは「会費の安さと水などの強制売り付けなしはものすごく助
かります。6代目山口組が異常なわけで、執行部は脅迫的に直参たちか らカネ
をむしっている。こういうことをまだ続けるつもりか、常識を疑う」などと批判
している。

(終り)

☆(2)今日のトッピックス

①統幕長会談資料:防衛省は存在否定 

毎日新聞 2015年09月07日 22時04分(最終更新 09月08日 00時36分)

http://mainichi.jp/select/news/20150908k0000m010046000c.html?fm=mnm

◇政府関係者「内容に信ぴょう性」

安全保障関連法案を審議する参院平和安全法制特別委員会で、河野克俊統合幕僚
長と米軍幹部との会談記録とされる資料の存否が問われた問題 で、防衛 省は7
日、鴻池祥肇委員長に対し「資料は省内にはなかった」と報告した。ただ、同趣
旨の内容を含む文書の存在を示唆する政府関係者もおり、野 党側は追及を 強め
そうだ。

鴻池氏は8日の特別委理事懇で防衛省の報告内容を野党側に伝える方針。同日は
参考人質疑を予定しているが、資料の存否や内容の真偽を明ら かにするよう求
めていた民主党や共産党が納得しない場合、委員会運営に影響を与える可能性が
ある。

資料は共産党が提出した。それによると、河野氏が昨年末の訪米時、米軍幹部ら
と行った会談記録とみられる記述がある。河野氏が安保法制の 成立時期 を「来
年夏まで」と説明したほか、自衛隊が沖縄の在日米軍基地を共同使用することで
「住民感情が好転するのでは」などと指摘。また、米軍幹部 がロシア軍の 活動
に懸念を表明したり、「中国軍の潜水艦2、3隻がインド洋に進出している」と
述べたりしたとの記述もあった。

政府関係者は7日、毎日新聞の取材に「共産党が示した資料には誤字が含まれ
る」と指摘。正式文書ではないものの、会談内容の記述には信 ぴょう性が ある
ことを示唆。そのうえで、米軍の意図や情報収集能力などが公になると外交問題
に発展するため、存在を認めることは困難との見方を示した。

資料は共産党の仁比聡平氏が2日の委員会で「独自に入手した」と提示したが、
防衛省側が「確認中」として内容への言及を避けた。このた め、4日の特別委
で鴻池氏が3日以内に存否について報告するよう防衛省に求めていた。【飼手勇
介、高橋克哉】

② 米国、南シナ海で“中国牽制”を検討

ハンギョレ新聞 9月7日

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150907-00021848-hankyoreh-kr

スプラトリー諸島(南沙諸島)のファイアリー・クロス礁(永暑礁)の中国浚渫船。
米海軍海上哨戒機P8Aポセイドンが撮影した写真

中国の人工島周辺に艦船派遣を検討 今月初めベーリング海で中国艦艇を目撃
 中国に対する不満を反映 習近平主席の訪米を控え微妙な気流

米国が、南シナ海で最近埋め立て作業が行われた中国の人工島周辺に、戦力を
投入して対中国牽制に乗り出すことを検討していることが分かった。9 月末頃
に予定された習近平・中国国家主席の米国国賓訪問を控え、米中関係に微妙な気
流が流れている。

日本経済新聞は6日、米国政府が、中国が南シナ海で埋め立てた人工島周辺か
ら12カイリ(22キロメートル)以内に、艦船や航空機を派遣する案 を改めて検
討していると報じた。米国がこのような措置を取ろうとしているのは、南シナ海
で強化されている中国の領土主張を認めないことを示すため と思われる。米国
は、以前にも中国が南シナ海の「公海」に人工島を作って領有権を主張するの
は、それ自体で無効という立場を明らかにした。しか し、中国を過度に刺激す
る恐れがあるとして、実際、米軍戦力をその水域に投入して力を誇示するような
ことはしなかった。

米国が政策転換を検討する最大の理由は、今月初め、中国海軍艦艇5隻がアラ
スカ州沖のベーリング海で作戦活動を展開したのが確認されたからだ。 米国防
総省は「米国がベーリング海で人民解放軍を目撃したのは今回が初めてだ」と
し、中国の動きに警戒感を示した。中国艦艇はアリューシャン列島 を通過する
際、米領海を侵犯したことが確認された。同紙は「(米国が中国の今回の)領海
侵入を(中国との)駆け引きの材料に使う思惑もある。米国 防総省が中国艦隊
の動向の詳細をほとんど時間をおかず明らかにするのは珍しい」と報じた。

米国のこのような動きは、凍り切った現在の米中関係を反映するものだ。米国
は、米本土を攻撃できる大陸間弾道ミサイル(ICBM)など先端兵器 を総動
員した中国の今月3日の軍事パレードについて、不快感を示したと伝えられてい
る。さらに、共和党の予備大統領選挙候補者は、訪米予定の習主 席に「国賓待
遇」をしないように求めるなど、オバマ政権の対中政策を強く批判している。

国連海洋法条約などの国際法の条項によると、艦船が他の国の領海である12カ
イリ以内に侵入しても、武力行使せずに、単純に通過するのは違法で はない。
しかし、これは相手国を軍事的に刺激する行為で、関係悪化につながる可能性は
非常に高い。

東京/キル・ユンヒョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

③ピーク時の2割減…実質賃金“2年3カ月ぶりプラス”の欺瞞

2015年9月8日

http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/163479/1

7月の実質賃金が2年3カ月ぶりにプラスとなり、大メディアは賃金アップを実
感できる 環境が整ったと大々的に報じている。

「プラスとはいえ、前年同月比でわずか0.3%増です。9月下旬に公表される
確報値でマイナスに転じる可能性もあります。7月にズレ込むとし ていた夏の
ボーナスも伸び悩みだった。手放しで喜べる状態ではないでしょう」(市場関係者)

実質賃金は物価を考慮したあとの数値だ。7月は物価上昇が緩やかだったため、
結果的に実質賃金が伸びた形だ。消費者物価指数をみると、4月 は0.6%増
で、5月0.5%増、6月0.4%増、そして7月は0.2%増と低迷だ。

「賃金アップを実感しているのは、輸出を中心とする大企業に勤める一握りのサ
ラリーマンに過ぎません。株価も低迷しているし、景気回復は遠の いている印
象です。財布のヒモは固くなるばかりでしょう」(株式評論家の倉多慎之助氏)

サラリーマン給与を絶対額でみると落ち込みぶりがよく分かる。今年7月の 現
金給与総額(基本給・ボーナスなど)は36万7551円だ。1年前(14年7
月)は36万9097円あったので、昨年より1546円減っ た。

ここ20年の7月の現金給与を調べたところ、何と09年から7年続けて36万
円台に張り付いていた。08年と07年は38万円台、その前は 39万円台、
03年以前は40万円台で、ピークの97年は46万8105円だ。現在より
10万円以上も多かったことになる。見方を変えればサラリーマンの 給与は、
この 20年間で2割以上も減少したのだ(別表参照)。

アベノミクスがスタートする前の12年7月と、3年後の15年7月を比べても
大して変わらない。絶対額は横ばいだし、実質賃金アップといわ れてもピンと
こないのは当然だろう。

物価上昇が顕著になったら、実質賃金は再びマイナス圏に落ち込む。賃金上昇は
ムードだけと割り切ったほうがいい。

④独政府、難民支援に約8000億円追加拠出へ

2015年09月07日

http://www.afpbb.com/articles/-/3059664?act=all

【9月7日 AFP】ドイツ政府は7日、国境を越えて押し寄せる記録的な数の難民を
支援するため、さらに60億ユーロ(約7990億円)を追加拠出すると表明した。一
方、フランスは今後2年間で2万4000人を受け入れる方針を明らかにした。

?独仏両政府からの圧力を受け、欧州連合(EU)は現在、難民受け入れ分担を義
務付ける新たな案の策定を進めている。EUの2大経済大国である独 仏は合わせ
て、この計画で定住支援対象となっている難民12万人の半分近くを受け入れるこ
とになる。

?AFPの取材に対し関係者が明らかにしたところによれば、ギリシャやイタリア、
ハンガリーの負担を減らすため、ドイツが3万1443人、フラン スが2万4031人、
スペインが1万4931人の難民を受け入れる予定。EUの新たな難民受け入れ分担案
は9日に、ジャンクロード・ユンケル (Jean-Claude Juncker)欧州委員長が発
表する。(c)AFP/Frank ZELLER

⑤パレスチナ人家屋1万3000棟が取り壊し対象に、国連報告書

2015年09月07日

http://www.afpbb.com/articles/-/3059656?act=all

【9月7日 AFP】国連人道問題調整事務所(UN Office for the Coordination of
Humanitarian Affairs、OCHA)は7日に発表した報告書の中で、パレスチナ自治
区ヨルダン川西岸(West Bank)でパレスチナ人の建物や家屋など約1万3000棟が
イスラエル当局の取り壊し命令対象となっており、住民と建物が「永続的に不安
定な状況に置か れ、脅威にさらされている」と警告した。

イスラエル占領下にあるヨルダン川西岸の広い範囲でこれまでに取り壊し命令
が出された建物や家屋は推定で約1万3000棟にのぼり、このうち1 万1000棟が取
り壊し待ちの状況にあるという。

「Under Threat(脅威にさらされて)」と題された今回の報告書は、実際に取り
壊しが実行される例は少ないものの、一度出された命令には有効期限がないため
命 令対象となった家屋に住む人々は永続的に不安定な状況に置かれ、脅威にさ
らされていると指摘する。 「取り壊しが実施されれば、その建物に住んでいた
人は家を失ってそれまでの生活を続けられなくなり、貧困に陥り援助への依存を
深めていく」(報告書より)

報告書は、ヨルダン川西岸でイスラエルの完全支配下にあるC地区に関するイス
ラエル当局のデータを引用している。C地区の面積はヨルダン川西岸 の6割を占
める。

先月には非政府組織「オックスファム(Oxfam)」など31団体が、ヨルダン川西
岸で8月のある1週間だけで家屋など63棟が取り壊されパレ スチナ人132人が住む
家を失ったとする国連の統計を引用し、イスラエルの破壊行為を批判していた。

AFPは今回の報告書についてイスラエル当局にコメントを求めたが、返答は得ら
れていない。ただしイスラエル当局は先に、そのような取り壊しを 行ったのは
対象となった建物が建築許可を取らずに建てられていたからだと説明していた。
しかしパレスチナの人たちは、建築許可を申請しても拒絶さ れるのが通例で、
無許可で建築せざるを得なかったと話しており、今回の報告書でも同様の説明が
されている。(c)AFP

☆(3)今日の重要情報

アフガニスタンに生命の水を

ペシャワール会 中村哲氏講演より   

2015年9月2日 長周新聞

http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/ahuganisutanniinotinomuzuwo.html

アフガニスタンで農村復興のため水利事業に携わっているペシャワール会の中村
哲医師の講演会が8月30日、宇部市の渡辺翁記念館で開催された。 山口大学
医学部最大の学生団体である「山口大学国際医療研究会」の学生たちが主催し、
約1000人の聴衆が詰めかけた。米軍のアフガン空爆の下で だれが犠 牲 に
な り、どうなったのか。現地の実際を通して安倍政府の進める安保法制がい か
なるものかを浮き彫りにするものとなった。以下、講演内容を紹介する。掲 載
する写 真や地図は講演後に中村医師より提供していただいたもの。

農業軸の多民族国家 高山の水で豊かな実り

アフガニスタンは日本人にとってもっともわかりにくい国の一つだ。中近東の
乾燥地帯の東の端にある中央アジアの一角、ヒマラヤ山脈を西にたどっ たとこ
ろ にあるヒンズークシ山脈という7000~6000㍍級の高い山山の辺りが
アフガニスタンだ。地理的に東西の交通の要衝である。

ヒンズークシ山脈の山山が国土のほとんどを占め、2000万~3000万人
といわれる人口のほとんどが農業で生計を立てている。アフガニスタン には
「金 がなくても食っていけるが、雪がなければ食っていけない」という諺があ
る。高い山に降り積もった雪が夏に少しずつ溶け出して川沿いに豊かな実りを
約束す る。人も動物も、このおかげで何千年、何万年と命をつないできた。降
雨量は日本の20分の1とか50分の1といわれ、日差しは強いが、水さえあれ
ば植物の 繁殖も旺盛で、かつては100%近い食料自給率を誇っていた農業国
である。

アフガニスタンは多民族国家だ。シルクロードの時代、「民族の十字路」とい
われるほどいろいろな民族が通過し定住した。谷が深く、谷ごとに違う 民族が
住 んでいるといってよく、「アフリカ人以外ならすべてアフガニスタン人に化
けられる」といわれるほどで、ほぼ独立した自治体制を営みながら、その集 合
体とし てアフガニスタンという国を形作っている。20以上の民族・言語が錯
綜しながら一つのまとまりをつくる地域であることを理解してほしい。

よくいえば自治性が非常に濃厚であり、悪くいえば割拠性が強い民族を束ねる
のがイスラム教だ。各村や町にもモスクがあり、ときには行政よりも決 定権を
持っている。目にするニュースでは血なまぐさい印象が多いかもしれないが、実
際にはそれほど変わった人たちではない。アフガニスタン人は私が見る 限りで
は 世界でももっとも保守的なイスラム教徒で人人は戒律を律儀に守る。

貧富の差は甚だしい。現地に行って医療人としてまず無力感を感じるのは、お
金持ちはちょっとした病気でもロンドン、パリ、ニューヨーク、東京に 行って
治療を受ける一方で、99・999%の人人は数十円のお金がなく、薬も買えず
命を落としていることだ。

診療所作ったが… 水と食料こそ死活問題

 私たちの活動の始まりは、1984年にペシャワールで発足した「ハンセン病
根絶5カ年計画」に参加したことだった。当時、世界的なハンセン病根 絶計画
が 進められており、その一環として活動を進めていた。ハンセン病は合併症が
多く、さまざまな専門医の診療が必要で、その治療センターをつくるのが私 の
任務 だった。ベッド数はわずか14床、耳にすると怪我をする聴診器が一つ、
ピンセット数本。まともな医療器具はなかった。消毒設備もないため、ガーゼ
の消毒は オーブントースターを使っていた。

私たちの活動は一見、医療とは無関係な部分にエネルギーを使ってきた。なか
でも今ももっとも気を遣っているのは「いかにして患者の気持ちを理解 する
か」 ということだ。外国人が犯しやすい間違いだが、見慣れないものを見る
と、単なる違いを善悪や、「遅れている」「進んでいる」、優劣で見て裁いてし
まう。そ して現地と衝突し、帰らざるを得なくなるのを目にしてきた。女性の
かぶり物がどうかなどはその国の人自身が解決することで、私たちは現地の文
化・ 宗教・慣 習に関しては好き嫌いがあろうと、できるだけその文化の枠内で
解決することを鉄則として現在に至る。

私が行ったときはアフガン戦争の真っ只中。約10万人のソ連軍が侵攻してい
た。その後約10年間内戦が続き死亡者は200万人、国民の10人に 1人が
死 に、600万人が難民になった。十数年前からはアメリカ軍、NATO軍の
侵攻でさらに混乱が続き、「戦争」が現地民にとって非常に切実な問題と なっ
ている。

内戦状態のなか私たちは難民キャンプで診療をおこなっていたが、とても間尺
に合わず方針を大転換することにした。「ハンセン病根絶計画」は先進 国側が
考 えたアイデアであり現地では非常に無駄が多いものであった。ハンセン病が
多い地域は同時に腸チフス、結核、デング熱、ペストなど、ありとあらゆる 感
染症の 巣窟だ。医療人のモラルとして、マラリアで死にかけている患者を「ハ
ンセン病ではないから診ない」というわけにはいかない。私たちは、内戦が下火
になった 暁には、ハンセン病の多発地帯であり他の感染症も多い山奥の地域に
診療所をつくり、ハンセン病をさまざまな感染症の一つとして区別なく診るとい
う 方針に向 け、動き出した。

当時、内戦の真っ只中であったがパキスタン管内に入ることもあった。国は違
えど同じ民族が住んでいるので、自由自在に山越えをしながら人人との 付き合
いを深めた。
 ソ連軍は10年もしないうちに撤退し、私たちは次次に診療所を開設した。そ
して1998年4月に病院を建て、ここで責任を持ってわれわれの患者 を診る
こ とにした。さあ今からというときにアフガニスタンは世紀の大干ばつに見舞
われた。ユーラシア大陸を襲ったこの干ばつは今まで人類が経験したことの な
い規模 で進行中だが、とくに2000年5月の干ばつがひどいものだった。

なかでもアフガニスタンはもっとも激烈な被害を受けており、世界保健機関
(WHO)は、 “国民の半分以上の1200万人が被災し、飢餓線上の国民が約
400万人、餓死線上が100万人である”と警告を発表した。当時タリバン政
権に よって内乱 が収拾され、曲がりなりにも治安は回復していたが、政治的な
理由でついに救援はあらわれなかった。私たちのまわりで、緑があり人人が生活
していた 村が、1年足らずで一木一草も生えない沙漠になって次次消えていっ
た。これがアフガン人にとって現在もっとも深刻な問題となっていることを私は
伝える義務 がある。

数十万㌶が沙漠化し、多くの難民が発生した。診療所には若いお母さんたちが
子どもを抱き、何日もかけて歩いてくる。生きてたどり着くのはまだま しで、
たどり着いても順番待ちで並んでいるあいだに腕の中で冷たくなっていく光景は
ごく日常的に見られるものだった。

アフガニスタンは自給自足の国だが、水がなくなれば汚水を口にして下痢にな
る。作物も育たないため慢性的な栄養失調に陥り、簡単な病気で命を落 とす。
清 潔な水と十分な食べ物さえあれば、ほとんどの患者が死ぬことはなかったと
思う。私たちは「いくら医療器具、薬があっても役に立たない。飢えや渇き は
薬では 治せない」と考え、2000年8月頃から「清潔な飲料水と十分な食べ
物を」を掲げて診療所のまわりの枯れた井戸を掘り始めた。その後活動は広が
り、5年間 で1600カ所、清潔な飲料水を確保することができた。数十万と
いう人人が村をあげて働き、大きな事業に発展した。

もう一つの課題は農業用水を確保することだった。伝統的なカレードという横
井戸で地下水を引いて水を確保していたが、それが枯れ、再生してもま た枯れ
るのをくり返し、約40個再生したが、地下水利用の限界を知った。

女・子供殺した米軍 空爆の中で食料を配る

2001年9月11日、ニューヨークの同時多発テロが起き、その翌日から国
際社会と呼ばれる国の人人が、「アフガニスタンは首謀者をかくまっ た」「報
復 爆撃しろ」といい始めた。私たちは「今アフガニスタンに必要なのは水と食
料であり爆弾の雨ではない」「アフガニスタンは一つの国ではなくいろんな 国
の寄せ 集めであり、政府が悪いからアフガン国民すべてが悪いというものでは
ない」と主張したが、大きな世論にはならなかった。しかし国外の人人、日本全
国からお そらく数十万人が私たちに賛同して募金に協力してくれ、食糧支援に
従事した。

10月になって空爆が実施された。現地は冬で、首都カブールは、元からいた
市民ではなく、田舎から逃れてきた干ばつ避難民であふれた。その百数 十万人
のうち約1割は生きて冬を越せなかった。私たちは小麦粉1800㌧を運び入
れ、職員20人で配布した。

空爆は激しかった。日本人の空爆の記憶は、おそらく太平洋戦争で途切れてい
るが、最近の戦争はあれ以上に高性能で、巧妙で、非人道的な爆弾が使 用され
る。ボール爆弾や、人間だけを死傷するクラスター爆弾が大量にばらまかれた。
一方で「人道的」支援と称して食料を投下するが、クラスター爆弾と まったく
同 じ黄色い包みに食料を入れて落とす。それを拾いに行った子どもたちが犠牲
になるなど、犠牲になったのは子どもや女性、お年寄りなど弱い人人だっ た。

日本に帰ってきたときは異様な雰囲気だった。普段は知らないカブールやカンダ
ハールなど名前まで出して「次はどこがやられるのか」と、まるでゲー ムの よ
うに見ていることに非常に不愉快な思いがした。軍事評論家が出てきて「ア メ
リカがおこなう空爆はピンポイント攻撃であり、悪いやつだけをやっつけ て、
一般 人には手を加えない人道的な攻撃だ」といっている。「そんなに安全 な爆
弾ならその下に立って評論をしてくれ」といいたかった。日本人が見せられ た
のは爆弾 を落とす側の映像で、落とされる側の映像はほとんどなかったと思
う。世界的に戦争が正当化されるなかで、だれが犠牲になっていったかを考える
と収 まらない ものがある。

無差別爆撃のなか、食料を配ることは至難の業だった。職員20人が1発の爆弾
で全滅する可能性は十分にあったため、3つの部隊に分け、たとえ1 チーム が
全滅しても他の2チームが任務を敢行するようにした。活動の底力となった の
は同胞のためには命も省みない勇敢なアフガン人であり、これによって私たちの
活 動は支えられた。

米軍の進駐後 麻薬と売春の自由現出

タリバン政権が11月になって崩壊し、米軍の進駐が始まった。世界中で「極悪
非道の悪のタリバンをうち破り、絶対の自由と正義の味方、アメリカ および そ
の同盟軍を歓呼の声で迎える市民の姿」「女性抑圧の象徴であるかぶり物を脱ぎ
捨てて、自由をうたう女性たちの姿」の映像が、くり返し嫌というほど流 され
た。この戦争に反対していた人も「そんな悪い人たちがやられるのならよかった
のではないか」となり、アフガニスタンは忘れ去られていった。

実際には何ができていったか。それはケシ畑だ。タリバン政権はよくない面も
あっただろうが厳格な宗教制度によってケシ栽培を徹底的に取り締まり、ほぼ
絶 滅していた。それが盛大に復活し、数年を待たずしてアフガニスタンは、世
界の麻薬の90%以上を供給する麻薬大国となった。

解放されたのは「ケシ栽培の自由」「女性が外国人相手に売春をする自由」
「働き手を失った人人が街頭で乞食をする自由」「貧乏人が餓死する自 由」だ
と いって間違いではないと思う。実際に当時、飢餓線上の人口は400万人と
いわれていたが、現在760万人に増えている。アフガニスタンはますます 窮
地に立 たされている。

「緑の大地計画」 命綱の用水路の建設へ

戦争とはおかまいなしに沙漠化はどんどん進行し、今も進行中である。まずは
いかにして食料不足を解決するかを第一にあげ、「緑の大地計画」を立 てた。
わ れわれは医療団体だが、診療所を100戸つくるよりも1個の用水路をつ
くった方がはるかに効果が大きいと考え、「沙漠化で無人化した村村の復興」
をスロー ガンに、2003年に用水路の建設に着工した。

最終的に現在の全長27㌔㍍、灌漑面積3千数百㌶の約16万人が生活できる
用水路が完成したが、12年前は途方に暮れた。計画をつくるのは非常 に簡単
だ が、実際にやってみるとさまざまな問題に遭遇した。意気込みはあるが、ま
ず道具がない。ツルハシとシャベルのみだ。もう少しお金を貯めて立派な日 本
の技 術、技術者を呼ぶことも考えたが、長い目で見て、だれがその水を使い、
用水路を維持管理するのかを考えたとき、現地の人人でも建設でき、現地の人
たちの手 で維持され、何世代にもわたって使える施設にするには、現地の人の
手で直せるものでなければならなかった。

日本とアフガニスタンは、非常に異なる国のように見えるが、水に関しては非
常に似た点が多い。どちらも山の国で急流河川が多く、夏と冬の水位差 が激し
い こと、山間部の狭い地域や小さな平野での農業が主流であり、水をとり入れ
る技術に似た点がある。現在の農村は日本の中世の農村部の自治制と似た点 が
ある。 このため日本の昔の技術をアフガニスタンにとり入れようと考えて探し
回った。

私の生まれ育った福岡県の筑後川は「日本三大暴れ川」と呼ばれ、治水のため
の古い施設がたくさん残っている。日本も数百年前まで渇水、飢饉、洪 水は日
常茶飯事で、そのたびに何十万、何百万という犠牲者を出しながら現在の田園地
帯がつくられてきた。
 築後川の山田堰は220年前につくられ、現在も現役として多くの地域を潤し
ている。「これだ」と思った。当時は重機やダンプカーなどない。「私 たちに
もできないことはない」と積極的にこの技術をとり入れていった。

日本の堰を模倣するといっても、インダス川の支流は日本の大河川の5倍、
10倍の規模。この地理条件に合わせ、約10年の歳月をかけて最近になって
ようやく成功するようになった。

護岸技術もむやみにコンクリートを用いるよりも昔の技術の方が簡単であると
同時に、多少崩れてもすぐに補修できるという点で優れていた。「蛇 籠」と呼
ば れる鉄線で組んだ籠に石を詰めて積み上げ、そこに柳の木を植えると非常に
強靱な用水路ができる。昔の人の知恵があのインダス川の激流を見事に制した。

コンクリートの打設はだれにでもできないが、石を積み上げるのはアフガン人
ならだれでも上手だ。これも現地に非常に適した方法だった。とにかく 自分た
ち でつくることを私たちの鉄則とした。揚水設備も、電気が使える地域は数%
で、それもときどき電気が来る状態だ。油や電気を使わない水車を使い、水 利
施設も 充実していった。

用水路が次次とでき、10年ほど前から用水路が延びるたびに緑地が蘇り、荒
れた村村が回復して多くの人人が村に帰ってきた。

最後にたどり着いたのがガンベリ沙漠で、ここが一番の難航地だった。工事は
真夏で、摂氏53度にまでなる。数百人の作業員のうち、毎日十数人が 熱中症
で倒れる。それでも彼らが作業の手を休めなかったのは「1日3回食べること」
「故郷で家族と一緒に生活すること」、このたった2つの強い願 いがあっ たか
ら だ。それさえもかなえられずに難民化した彼らにとって、この用水路ができ
なければ、元の難民生活が待ち受けている。

「なんとか生き延びたい」という健全な意欲が、用水路建設の大きな底力となっ
た。2009年に第1回目の 試験的な通水が成功したときに彼らは大喜びし、
開口一番「先生、これで生きていける」と いった。用水路は地域の人人には欠
かせぬ命綱として存在し続ける こととなった。

しかし水を引くだけではだめで、砂嵐をいかに防ぐかが次の問題となった。防風
林をつくることにしたが、これも年月がかかる。やっと2、3年前に林 に成長
し、約80万本の木が砂嵐を防いでいる。現在も着着と事業が進んでいる。

数十万人の生活保障 農業回復が平和の基礎

水が来れば作物をつくることができ、水辺には動物も集まる。エネルギー問題
も一挙に解決した。日本でエネルギー問題といえば原発や電力、石油の 話が出
て くるが、現地で必要なのは調理や防寒に使う薪だ。80万本の木木から出る
大量の間伐材を利用することで、この地域ではほぼ自給可能になりつつある。

人が集まれば諍(いさかい)も起こる。それを解決するよりどころとしてモス
クも建設した。われわれが活動する地域はもっとも豊かな地域の一つと して見
事 に復活した。かつては一木一草生えない荒野であったことを知る人はだんだ
ん少なくなってきた。用水路は全長27㌔㍍、灌漑面積三千数百㌶、約16 万
人の人 人の生活の復興に留まらず周辺地域にも繁栄が広がりつつある。他の地
域に訴えていることは「戦争する暇があったら食料を自給する努力をせよ」とい
うことだ。

干ばつは進行している。温暖化によってヒンズークシ山脈に積もった雪が春先
から夏にかけて一気に溶けるため洪水が起こり、低い山山の地下に水が 染みこ
む 余裕がなく、万年雪が減っているために地下水が減ってカレーズが枯れ、大
河川では川の水位が下がって取水できなくなり干ばつが起きる。想像もしな い
ような 大洪水が起きると同時に渇水も起き、そのために難民が増える。国外に
出ても町に出ても職はなく、やむを得ず武装勢力や政府の傭兵となる者が増え、
ますます 治安が悪化する悪循環が進行している。
 
このなかで私たちは、現地に適した取水技術の確立・拡大を目指して活動を続
けている。暴れ川を制するには自然と上手に折り合いをつけることが重 要で、
洪 水が来ても被害を最小限に抑え、渇水になってもある程度の水をとり込む。
昔の人の技術、考え方をとり入れて活動を進めている。安定した水の供給に
よって農 業を回復させ、難民を村に呼び戻すことをめざして少しずつ計画は進
んでおり、1万6500㌶、6十数万人が生きていける環境が整っている。これ
を モデルに 広げたい。

政治にしろ戦争にしろ人間と人間だけの問題にとらわれてしまうが、人間と自然
が折り合って生きていくこと、これを誤ると学者の中にはこのままい くと地 球
は一世紀も持たないという人もいるほどだ。危機感を持ち、われわれはどう生き
ていけばいいか、医療の整備、平和、戦争を考えることで私たちに非常 に大き
な示唆を与えてくれるのではないかと思う。

◆質疑応答

質問 用水路などをつくるうえでの知識はどのように得たのか。

中村 知識はだれも教えてくれない。いかにしてつくるかという気持ちがあれ
ば、基礎的な水利学的な計算を学ぶことは、それほ ど難しいものではない。実
際の水利施設に足を運んで観察し、コピーすることから始める。昔の人は緻密に
計算しながらつくっているわけではなく、お そらく経 験だけのはずだ。試行錯
誤の積み重ねで最終的に完成したのだと思う。郷土史にもどうやってつくったか
はほとんど残っていない。ということは普通の 人にもで きる製造過程だという
ことだ。これを模倣することから進めた。河川工事は試行錯誤のくり返しだった。

質問 何十年も活動を続けられる原動力はなにか。

中村 仕事上「疲れたからやめよう」というわけにはいかない。早く作業から
引き揚げたいと思ったことは何度もあるがここで自分がやめると何十万人が困る
という現実は非常に重たい。また多くの人が私の仕事に対して希望を持って何
十億円という寄付をしてくれている。その期 待を裏切 れない。なによりも現地
の人たちに「みなが頑張れば、きちんと故郷で1日3回ご飯が食べられる」とい
う約束を反故にすることになる。日本では首相 までが無 責任なことをいう時代
だが、十数万人の命を預かるという重圧は、とても個人の思いで済まされるもの
ではない。みなが喜ぶと嬉しいもので、それに向 けて努力 することが原動力だ
と思う。

質問 食べ物は。

中村 ナンが主食で、カレー味のないカレーのようなものを食べる。豆が多く、
普通の貧しい人たちは1年に1、2回しか肉を食べない。

質問 学校はあるのか。

中村 今は国民学校がある。以前から教育はおこなわれており、モスクを中心と
した伝統的なマドラサが今でも田舎では教育の中心で、国民教育と並行 して お
こなわれている。教育とは「親が死んでも自立して生きていける生活の手立てを
与えるもの」と考えられており、農村では 家の手伝いをすることそのものが 教
育だ。「読み書きができればいい」と考えている人がほとんどではないか。学校
に対して生徒が多く、就学率も増えているため三交代 制をとっている。都市部
では近代的な教育を受けた子どもたちが農村を捨てて都市に出て行くことが問
題になっている。教育そのものより、中身が重要ではない かと思う。

質問 アフガニスタンの人たちは、日本人をどう思っているのか。

中村 もっとも親密に感じているのが日本だ。独立記念日が同じだと思っている
ほど親密に感じている。彼らにとって「日本」と聞いて連想するのは長 崎、 広
島、日露戦争だ。どこに行っても知らない人がいない。

日露戦争の評価はひとまず置いて、100年前のアジア世界では、日本・アフ
ガニスタン・タイを除く全アジア諸国が欧米列強の植民地・半植民地 だった。
そ の時期に極東の小国・日本が大国のロシアと戦争して負けなかった。このこ
とが非常に大きな励ましとなり、アフガニスタンでは世代から世代へと語り 継
がれて いる。「日本はちっぽけな国だが、理不尽なことに対しては、たとえ相
手が大きくても屈しない、不撓不屈の国」という誤解が生まれている。

広島、長崎についても、同情心だけではない。アフガニスタン自身もロシアと
戦い、イギリスを撃退して現在の体制を整えてきた国で、その経験から 「羽振
り のいい国は必ず戦争をする」といわれる。日本も同じように戦後の荒廃から
立ち上がった国だが、一度も外国に軍隊を送ったことはないという信頼だ。 日
本人は 国連職員よりも安全だというのが一昔前まで一般的だった。しかし、そ
のメッキが少しずつはがれつつあるのが現状だ。

質問 アフガニスタン人の視点から見る現在の日本の積極的平和主義を掲げる動
向、また日本人についてどう思うか。

中村 日本に帰ると別の惑星に来たように感じる。第一に元気がない。アフガニ
スタンでの最高に近い医療が受けられ、恵まれている割にみな不幸な顔 をして
おり、自殺が多い。アフガニスタンは貧しい国で、他殺はたくさんあるが自殺は
ない。日本の政権についてはこんなバカな政権は ない。向こうではみな権力に
対して従順でない気風がある。対照的に日本人ほど権力に弱い国はないと感じ
る。現政権がアフガニスタンに出現したとするなら、 もう何十回か暗殺されて
いる。その点が日本との違いだ。個人的なことをいうと憲法に従う義務はある
が、政権に従う義務はないと考えている。

質問 現地で活動するにあたって立場や価値観の違いがあると思うが、親交を深
めるためにしたことはなにか。

中村 とくにないが、試行錯誤を重ねて体得していった。違いを強調するより
も共通点をみつけていくことだ。私はキリスト教徒で敵 の宗教だが、彼らはそ
ういう狭さは持っていない。

質問 作物はどういったものがとれるのか

中村 穀類ではコメ、小麦。野菜は、日本で見る野菜はほとんど向こうがルー
ツ。西のつく野菜や、胡麻や胡瓜など「胡」のつく ものはほとんどアフガニス
タンや中央アジアが原産だ。南米産のルーツのものも手に入る。違うのは肉。大
豆、豆類を中心にタンパク質をとり、ときどき動物性 のタンパク質をとる。

質問 次のリーダーを育成するためにどのようなことを考えているか。

中村 現地でリーダーが育っていくことを期待して仕事を進めていきたい。学歴
より、現場は徹底した現地主義。人材は現場で育てるということを徹底 してい
けば実質的な指導者が自然にあらわれてくる。しかも生きるか死ぬかの問題だ。
英語も日本語も通じない人でも「これは」 という光る人がいる。やがてそのな
かからリーダーが出てくると確信している。

質問 治安は悪いと聞くが、新しくできた農村、灌漑施設、病院、先生個人の警
備は警察がしているのか。

中村 現地には日本のような厳密な警察組織はない。それでいて回る共同体だ。
自分の身は自分で守るのが鉄則。日本人がよく 「丸腰で活動するなんて」とい
うが、現地は百姓と武士の区別がない。500人作業員がいて、もし作業を妨害
するグループがあらわれたとすると、ラ イフルや 小銃などを持って集まって、
すぐに一個中隊ができる。普通は鉄砲を見せびらかさないが、潜在的な武力を
持った準武装集団だ。用水路を守るためには みなたた かう。しかしその必要が
ないよう、まずは平和的な交渉をしていこうとしている。

私もみなに守られている。用水路は命にかかわるので、「中村とは運命共同体
だ」ということで大事にしてもらっている。その地域で役立つ人間であ る限
り、 私は身の危険を感じずに済む。作業員のなかにはイスラム国やタリバンな
どもたくさんいるが、彼らのなかには、やむをえず傭兵になった人がたくさん
いる。敵 かどうかは、自分たちと運命共同体であるかどうかと密接に関係して
いる。路上では爆弾事件が増えているので注意はするが、作業場ほど安全な地域
は ない。

*************************
【杉並からの情報発信です】【YYNews】【YYNewsLive】
情報発信者 山崎康彦
メール:yampr7@mx3.alpha-web.ne.jp
*************************




この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【ブログ記事】憲法9条違反の... | トップ | 9月8日(火)のつぶやき »
最新の画像もっと見る

政治・社会」カテゴリの最新記事