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諏訪大社下社秋宮 境内社(摂社 末社)😐😐😐底の抜けた柄杓を奉納しての安産祈願で信仰を集める境内末社の「子安社」など

2020-08-25 20:00:00 | 神社仏閣
「長野県下諏訪町」の旧「中山道」旧「甲州街道」分岐に鎮まり坐す「諏訪大社下社秋宮(すわたいしゃ しもしゃ あきみや)」は、「下社春宮(しもしゃ はるみや)」(諏訪郡下諏訪町)、「上社本宮(かみしゃ ほんみや)」(諏訪市)、「上社前宮(かみしゃ まえみや)」(茅野市)とともに、「建御名方神(たけみなかたのかみ)」とその妃神「八坂刀売神(やさかとめのかみ)」を主祭神とする「諏訪大社」の四箇所の境内地のひとつで、全国で一万社を超えると言われる「諏訪神社」の総本社だ。
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「下社秋宮」の境内社には、本社の祭神に縁故深い神を祀り、本社と末社の中間に位する枝宮「摂社」と、本社に付属し摂社に次ぐ社格を持つ枝宮「末社」が設けられている。


 ❖ 若宮社 皇大神宮社 稲荷社  「右片拝殿」脇に秋宮境内社3社が並ぶが、中央のやや大きい社が摂社「若宮社(わかみやしゃ)」だ。祭神は「建御名方彦神別命(たけみなかたひこがみわけのみこと)」「伊豆早雄命(いづはやをのみこと)」「妻科比賣命(つましなひめのみこと)」「池生神(いけのおのかみ)」「須波若彦神(すわわかひこのかみ)」「片倉辺命(かたくらべのみこと)」「蓼科神(たてしなのかみ)」「八杵命(やきねのみこと)」「内縣神(うちあがたのかみ)」「外縣神(そとあがたのかみ)」「大縣神(おほあがたのかみ)」「意岐萩命(おきはぎのみこと)」「妻岐萩命(つまぎはぎのみこと)」で、「お諏訪さま(建御名方神)」の御子神十三柱を祀り、例祭日が1月1日と毎月1日だという。
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また、向かって右は末社「皇大神宮社(こうたいじんぐうしゃ)」で、「伊弉諾尊(いざなぎのみこと)」の娘で太陽神・皇祖神として伊勢神宮内宮に祀られている日本神話の最高神「天照大神(あまてらすおほみかみ)」と、「伊弉諾尊」の孫で五穀をつかさどる女神「豊受大神(とようけのおほかみ)」を祀り、例祭日が10月17日だという。
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向かって左は末社「稲荷社(いなりしゃ)」で、日本神話に登場する穀物神「宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)/倉稲魂命(うかのみたまのみこと)」宮中の平安を守る神「大宮売神(おおみやのめのかみ)」と、日本神話に登場する国津神「佐田彦神(さたひこのかみ)」を祀り、例祭日は4月9日だという。

 ❖ 鹿島社 子安社 賀茂上下社 など  「秋宮二之御柱」手前に、秋宮境内社の末社4社が並んでいる。向かって左端の独立した社は、祭神が国津神「大国主神(おおくにぬしのかみ)」に国譲りをさせた雷神・剣神・武神「建御雷之男神(たけみかづちのおのかみ)/武甕槌命(たけみかづちのみこと)」末社「鹿島社(かしましゃ)」で、例祭日は9月1日だ。
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その右の末社「子安社(こやすしゃ)」は、祭神が「建御名方神」(諏訪大神)の母神「高志沼河姫命(こしのぬなかわひめのみこと)」で、例祭日は12月22日になる。同社は、妊娠5か月目の戌の日に、水が軽く抜けるようにお産も楽にという願いで、底の抜けた柄杓を安産祈願の柄杓として奉納し、安産と健康な子どもの誕生を祈る社だ。古くから縁結び・安産・子育ての守護神「お子安さま」と親しまれて来たという。もとより「建御名方神(諏訪大神)」は十三柱(言い伝えによっては最大二十三柱)の御子神を儲けたとされ、古くから子授けの信仰がある神社で、「下社秋宮」「上社本宮」において、午前9時から午後4時まで、祈祷を受け付けているという。
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次いで右の末社「賀茂上下社(かもかみしもしゃ)」の祭神は、「上賀茂」が雷を別けるほどの力を持つという賀茂一族の神「賀茂別雷神(かもわけいかづちのかみ)」、「下鴨」が「賀茂別雷神」の母神「玉依媛命(たまよりひめのみこと)」と「賀茂別雷神」の外祖父で、神武東征の際に「八咫烏(やたがらす/やたのからす)」へと姿を変えて、その先導をつとめたという「建角身命(たけつぬみのみこと)」で、例祭日は5月15日だ。
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右端の末社「八坂社(やさかしゃ)」の祭神は、出雲神話の祖神「素戔鳴尊(すさのをのみこと)」と、素戔鳴尊の8人の子「八柱御子神(やはしらのみこがみ)」、「八岐大蛇(やまたのおろち)」の生贄になるところを「素戔鳴尊」に助けられその妻となった「奇稲田姫命(くしいなだひめのみこと)」で、例祭日が6月15日だ。
 ❖ 八幡社  「下社秋宮」の鳥居に向かって右手、参詣者用無料駐車場に囲まれた小高い土地に末社「八幡社(はちまんしゃ)」がある。武神「第15代 応神天皇(おうじんてんのう)/諱 誉田別尊(ほむたわけのみこと)」とその母「息長足姫命(おきながたらしひめのみこと)」および「比賣大神(ひめおおみかみ)」を、「八幡三神」として祀っているという。学問の神として親しまれる「菅原道真」を祭神とする「天満宮(てんまんぐう)」、さらに水の神「高龗神(たかおかみのかみ)」を祀る「貴船社(きふねしゃ)」と「御室社(みむろしゃ)」が、明治期に合祀されたという。
 ❖ 秋宮恵比寿社  「下社秋宮」の鳥居に向かって右手、参詣者用無料駐車場に囲まれた小高い土地に末社「秋宮恵比寿社」がある。祭神は、諏訪大神「建御名方神(たけみなかたのかみ)」の父神「大国主神(おおくにぬしのかみ)」兄神「事代主神(ことしろぬしのかみ)」で、民間では農漁業や商工業の発展に神徳あらたかな福の神「大黒さま」「えびす様」として信仰篤いが、「建御名方神(諏訪大神)」とも縁故深いとして、「大国主神(だいこく様)」を主祭神として祀る「出雲大社」(島根県出雲市)と、「えびす様」の総本社「美保神社」(島根県松江市)から分霊を受け、1948(昭和23)年11月20日に鎮座祭が行われたという。春季例大祭は4月20日、秋季例大祭は11月20日に行われる。