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みずべ公園(長野県下諏訪町)🙂😐😐約100キロ先にある「富士山」を望む絶景ポイント

2022-02-27 12:00:00 | 国内旅行
葛飾北斎「冨嶽三十六景 」の「信州諏訪湖」
歌川広重「冨二三十六景」の「信州諏訪之湖」

葛飾北斎「冨嶽三十六景(ふがくさんじゅうろっけい)」の15「信州諏訪湖」や、歌川広重「冨二三十六景(ふじさんじゅうろっけい)」の28「信州諏訪之湖」に描かれ、2021(令和3)年8月21日にはNHK「ブラタモリ」の「諏訪 なぜ人々は諏訪を目指すのか?」で紹介された「諏訪湖」から一直線に伸びる谷の約100キロ先にある「富士山」を眺めようと、下諏訪町の諏訪湖畔「みずべ公園」を訪ねた。


「中央構造線」と「糸魚川-静岡構造線」の交差点「諏訪」の地形がつくり出した奇蹟の眺望だ。「富士山」の真下には、かつて湖水と湿地に囲まれて「諏訪の浮城(すわのうきしろ)」と呼ばれていたという「高島城」が見える。



葛飾北斎「冨嶽三十六景 」の「神奈川沖浪裏」

 ❖ 葛飾北斎「冨嶽三十六景」 
1831~34(天保2~5)年に完結したとされる富士山を題材とする風景版画の連作「冨嶽三十六景」(全46図)は、江戸時代後期の「化政文化(かせいぶんか)」を代表する浮世絵師「葛飾北斎(かつしか ほくさい)」(1760/宝暦10年~1849/嘉永2年)の代表作で、当初「三十六景」の予定だったが、同時期の歌川広重「東海道五十三次」とともに評判好調のために、十点が追加になったという。
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大胆な構図や自由な発想の描写、そして鮮やかな色彩の葛飾北斎の作品は、フランスの印象派に影響を与えたと言われている。
歌川広重「東海道五拾三次」の「箱根」
 ❖ 歌川広重「冨二三十六景」 
「葛飾北斎」の作品に着想を得たとの指摘もあるが、富士山を主題とした浮世絵風景画「冨二三十六景(ふじさんじゅうろっけい)」(全36図)は、代表作に「東海道五拾三次」(全55図)「名所江戸百景」などがあげられる江戸後期の浮世絵師「歌川広重(うたがわ ひろしげ)/安藤重右衛門(あんどう じゅうえもん)」(1797/寛政9年~1858/安政5年)没後の1859(安政6)年に「蔦屋吉蔵(つたや きちぞう)」を版元にして出版が開始されたという。
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歌川広重の作品は大胆な構図などとともに、青色や藍色の美しさで欧米での評価が高く、フランスの印象派や、アール・ヌーヴォーの芸術家らに影響を与えたと言われている。
 ❖ 高島城 
「信濃諏訪藩/高島藩」初代藩主「日根野高吉(ひねの たかよし)」(1539/天文8年~1600/慶長5年)が、1592(文禄元)年から1598(慶長3)年にかけて、現在地の諏訪湖畔「高島村」に築いた連郭式平城で、はじめ諏訪湖に突き出した水城だったという。
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1601(慶長6)年に「日根野氏」は「下野国(しもつけのくに)壬生藩(みぶはん)」へ転封となり、譜代大名「諏訪頼水(すわ よりみず)」(1571/元亀元年~1641/寛永18年)が入封、再び諏訪氏が領主となって明治維新まで続いたという。
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現在、二の丸と三の丸は宅地となり、1970(昭和45)年に「本丸」に「天守」「櫓」などが復元され、高島公園として整備された。
 ❖ 中央構造線 
「諏訪湖」南の「杖突峠」から「赤石山脈」西縁、「紀伊半島」北部、さらに「四国」北部から「九州」西岸へと約 800kmにわたって続く日本一大規模な大断層線で、「中生代」を三分した最後の地質時代で約1億4500万年前から6600万年前までの「白亜紀」中期にその形成が始まり、約258万年前から現在に至る「第四紀」まで、いくつかの異なる時期に異なる断層運動を繰り返して来たとされる。
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これによって西南日本は、日本海側の内帯(北側)と太平洋側の外帯(南側)に分けられるという。
 ❖ 糸魚川-静岡構造線 
「新潟県糸魚川市」付近から「松本盆地」「諏訪盆地」「甲府盆地」を経て「静岡市駿河区」付近に至る大断層線で、「フォッサマグナ」の西縁をなし、本州の中央部を地質構造上「東北日本」と「西南日本」とに二分する。
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これを境に、西南側には約5億4100万年前から約 2億5217万年前までの「古生代」に形成された地層や、約2億5217万年から約6600万年までの「中生代」に形成された地層の「中・古生層」や「変成岩」「花崗岩」類などの「基盤岩」が広く分布し、東北側には約 2303万年前から約 258万年前までの「新生代新第三紀」以降の地層が厚く堆積しているという。

南アルプスと中央アルプス😐😐😐まだ春遠き冬の姿を見せている

2022-02-20 17:00:00 | 四季

厳しい冷え込みと降雪の一週間だった。「春よ 遠き春よ 瞼閉じればそこに」(「春よ、来い」)や「明日 春が来たら 君に逢いに行こう」(「明日、春が来たら」)を何となく心に浮かべながら、厳しい冬の姿を見せる中央アルプスや南アルプスの山々を眺めた。

 ❖ 木曽山脈(中央アルプス)  再掲(写真は更新)
長野県の木曽谷と伊那谷を眼下に南北に連なる山脈で、「飛驒山脈(北アルプス)」「赤石山脈(南アルプス)」とともに日本アルプスと呼ばれる
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最高峰は「木曽駒ヶ岳」(標高2,956メートル)で、2020(令和2)年3月27日「中央アルプス国定公園」に指定されたが、「飛驒山脈(北アルプス)」は1934年(昭和9年)12月4日「中部山岳国立公園」に、「赤石山脈」は1964年(昭和39年)6月1日「南アルプス国立公園」に指定されている。

 ❖ 空木岳  再掲(写真は更新)
「空木岳(うつぎだけ)」(標高2,864メートル)山頂一帯は花崗岩の岩場とその砂礫地だが、「木曽山脈(中央アルプス)」では「木曽駒ヶ岳」(標高2,883メートル)に次いで標高の高い山で、深田久弥「日本百名山」に選定されている。
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伊那谷側から春の残雪を眺めると、頂上だけが満開の「卯木(ウツギ)」の花のように美しく残って見えることから、山名になったと言われている。

 ❖ 南駒ヶ岳  再掲(写真は更新)
岩場の山として人気があるという「南駒ヶ岳(みなみこまがたけ)」(標高2,841メートル)は、木曽山脈の主稜線にあって、北の「空木岳(うつぎだけ)」から南の「越百山(こすもやま)」(標高2,614メートル)へ続く南北の縦走ルートになっているが、雪形「五人坊主」は、古くから農事暦として農耕の目安に用いられて来たという。
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稜線下に広がる「摺鉢窪カール」縁で、現在も山肌が大きく崩れ落ちる「百間ナギ」と呼ばれる大規模崩落地を抱えている
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南に仙涯嶺(せんがいれい)」(標高2,734メートル)が連なり、「摺鉢窪カール」北には「赤椰岳(あかなぎだけ)」(標高2,798メートル)と、さらに「田切岳(たぎりだけ)」(標高2,730メートル)が連なる。

 ❖ 赤石山脈(南アルプス)  再掲(写真は更新)
「長野県」「山梨県」「静岡県」に連なる山脈で、我が国第2位の高峰「北岳」(標高3,193メートル)や山脈名来由の「赤石岳」(標高3,121メートル)など9つの3,000メートル超峰があって、10の山が「日本百名山」に選定されている
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「赤石山脈(南アルプス)」の山容は、険峻な「飛驒山脈(北アルプス)」に対し、なだらかな山が多いとされるが、比較的新しい隆起で浸食が進んでいないためだと考えられているという。現在も世界有数の年間4ミリメートルほどの隆起速度で隆起が続いているという

 ❖ 仙丈ヶ岳  再掲(写真は更新)
「赤石山脈(南アルプス)」主稜線上にあって、3000メートル超峰最北端の山(標高3,033メートル)だが、多くの高山植物が見られる比較的なだらかな女性的な山容で、「南アルプスの女王」とも呼ばれるという。
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深田久弥「日本百名山」、岩崎元郎「新日本百名山」、田中澄江「花の百名山」「新・花の百名山」に選定されている。
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「北沢峠」(標高は2,032メートル)まで交通の便が良く、多くの登山道も整備されていて、我が国3,000メートル級の山の中では登頂しやすいと言われている。

 ❖ 北岳 
「北岳(きただけ)」は、深田久弥「日本百名山」、田中澄江「新・花の百名山」に選定されている山梨県南アルプス市にある標高3,193メートルの山で、知名度において「富士山」(標高3,776メートル)とその差は大きいが、我が国第2位の高峰だ。
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「赤石山脈」の北部に位置して、その南稜線上には「間ノ岳(あいのだけ)」(標高3,190メートル)「農鳥岳(のうとりだけ)」(標高3,026メートル)など「白根山系」の山々が連なっている。
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山体は中生代(約2億4800万年前から約6500万年前まで)の地層の堆積岩から構成されているという。

 ❖ 甲斐駒ヶ岳 
全国に18あるという「駒ヶ岳」の名前を持つ山々の中で最高峰の「甲斐駒ヶ岳(かいこまがたけ)」(標高2,967メートル)は、なだらかな稜線が連なる「赤石山脈」にあって、例外的に峻険な山容で、深田久弥「日本百名山」、岩崎元郎「新日本百名山」、田中澄江「新・花の百名山」に選定されている山だ。深田久弥は、「日本の十名山を選べと言われたとしても、私はこの山を落とさないだろう」と絶賛したという。

 ❖ 荒川岳  再掲(写真は更新)
「荒川岳(あらかわだけ)」は、深田久弥が「日本百名山」に数える「悪沢岳(わるさわだけ)/東岳(ひがしだけ)」(標高3,141メートル)と南に連なる「中岳(なかだけ)」(標高3,083メートル)「前岳(まえだけ)」(標高3,068メートル)の「荒川三山」とも呼ばれる三つの山の総称で、一帯は氷河によって削られた地形であるカール(圏谷)が数多く見られるが、山頂にかけて森林限界のハイマツ帯で、高山植物のお花畑が広がり、ライチョウの生息地としても知られている。

 ❖ 赤石岳  再掲(写真は更新)
深田久弥「日本百名山」、岩崎元郎「新日本百名山」に選定されている長野県と静岡県にまたがる標高3,121メートルの山で、山名は山体を構成する「ラジオラリア板岩(赤色チャート)」に由来すると言われるが、南アルプスの山脈名「赤石山脈」来由の山でもある。
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南アルプスでは、「富士山(ふじさん)」(標高3,776メートル)に次ぐ高峰「北岳(きただけ)」(標高3,193メートル)や「間ノ岳(あいのだけ)」(標高3,190メートル)「悪沢岳(わるさわだけ)」(標高3,141メートル)に次ぐ標高だが、国内では氷河の痕跡がある最南端の山で、北の「小赤石岳(こあかいしだけ)」(標高3.081メートル)から「赤石岳(あかいしだけ)」(標高3,120メートル)の山頂にかけて森林限界のハイマツ帯で、高山植物のお花畑が広がり、ライチョウの生息地としても知られている。