小さな旅を愉しむための情報PLUS

生活圏での小さな旅を愉しむために、暮らしの歴史に目を向けた情報発信を目指します。

御頭御社宮司総社🙂😐😐石や樹木を依代とする「ミシャクジ(御左口神/御社宮司)神」を祀る社

2021-12-31 16:00:00 | 神社仏閣
静かに新年を待つ年末の「御頭御社宮司総社」を訪ねた。


 ❖ 御頭御社宮司総社 
茅野市宮川の「神長官(じんちょうかん)屋敷」西南上段に位置し、静かに新年を待つ「御頭御社宮司総社」は、茅野市指定天然記念物の「社叢」に囲まれて、「ミシャクジ(御左口神/御社宮司)神」を祀る社だ。
◇ ◇ ◇
「ミシャクジ神」は石や樹木を、神霊が現れる時に宿る「依代(よりしろ)」とする神で、やがて蛇の姿をする神にもなったと言われているが、縄文時代の遺跡から「ミシャクジ神」の御神体や依代とされるものが出土することから、信仰が縄文時代から存在し、ご当地でも先住民族の信仰の神だと考えられている。
◇ ◇ ◇
近接「諏訪大社」は、「建御名方神(たけみなかたのかみ)」を祭神とするが、本来の祀神は土着神「ミシャクジ神」だとも、「ミシャクジ神」と後から進出した出雲系稲作民族の「建御名方神」が習合して同一視されるようになったとも言われている
◇ ◇ ◇
共棲の道を選んだ先住「洩矢神(もりやのかみ/もりやしん)」子孫の「守矢氏」は、「建御名方神」子孫「諏訪氏(後に『諏方氏』)」の「大祝(おおほうり)」に仕える「神長(後に『神長官』)」として祭祀を取り仕切ったが、その中核に「ミシャクジ社」が存在して来たという。
◇ ◇ ◇
この社叢に囲まれた社に向かい合う時間は、宗教が権力として人々を支配する以前の原始信仰の神韻を感じ取るよい機会になる。



 ❖ 神長官守矢史料館 
「神長官守矢史料館」は「神長官守矢家」敷地内に建ち、鎌倉時代から守矢家が伝えてきた県宝155点を含む1618点の古文書「守矢文書」を保管・公開している。
◇ ◇ ◇
「守矢家」の由緒については、「古事記」説話「国譲り(くにゆずり)」まで遡る。「大国主神(おおくにぬしのかみ)」次子「建御名方神(たけみなかたのかみ)」率いる出雲系稲作民族の諏訪への進出で、「諏訪大社」は始まったと伝えられるが、狩猟系先住民族「洩矢神」子孫「守矢氏」は共棲を選択して、現人神の地位「大祝(おおほうり)」に就いて君臨した「建御名方神」子孫「諏訪氏(後に『諏方氏』)」に仕えたという。
◇ ◇ ◇
縄文時代から諏訪地方に根付いていた信仰における精霊「ミシャクジ(御左口神/御社宮司)神」を中心とした祭祀を取り仕切って、1871(明治4)年「太政官布告」による神職の世襲制度が廃止されるまで、「神長官(筆頭神官の位)」として世襲を続けたといわれる。

八ヶ岳🙂😐😐酷しい冬の姿を見せている

2021-12-15 10:00:00 | 四季

「茅野市豊平」で、酷しい冬の姿を見せる「八ヶ岳」を眺めた。遥かに「八ヶ岳」と向かい合う「北アルプス」の峰も、負けぬ酷しい冬の姿を見せている。


 ❖ 茅野市  再掲(写真は更新)
「八ヶ岳」などの裾野の標高約770 メートルから約1,200メートルに街並みが広がる長野県南部「諏訪地方」の市で、夏は比較的冷涼で冬は非常に寒冷になる日も多いが、「八ヶ岳」「白樺湖」「蓼科高原」などの観光資源を多く抱えている。また、縄文時代から多くの集落があったとされ、「尖石遺跡」「与助尾根遺跡」など縄文遺跡が数多く存在している。市内各地の遺跡から出土した考古学資料約3000点が収蔵される「茅野市尖石縄文考古館」では、国宝の「土偶」で通称「縄文のビーナス」と「仮面の女神」などが展示されている。
◇ ◇ ◇
1955(昭和30)年、諏訪郡「ちの町」「宮川村」「金沢村」「玉川村」「豊平村」「泉野村」「北山村」「湖東村」「米沢村」が合併して「茅野町」が発足し、1958(昭和33)年に市制施行して茅野市となったという。


 ❖ 八ヶ岳  再掲(写真は更新)
「八ヶ岳中信高原国定公園」に指定されている「八ヶ岳」は、特定の一峰を指して呼ぶ名前ではなく、長野県から山梨県へと南北に連なる山々の総称で、北の「蓼科山」から南の「編笠山」まで南北約25kmにおよそ20の峰が連なっている
◇ ◇ ◇
古くから「八」は、①「具体的な数を表す」場合と、②「具体的な数ではなく数の多いことを表わす」場合に用いられて来たというが、「八ヶ岳」という名前は、「具体的な八つの峰」を指すのではなく、「たくさんの峰」という意味で使われているという。
◇ ◇ ◇
「編笠山」(2,524メートル)「権現岳」(2,715 メートル)最高峰「赤岳」(2,899メートル)「阿弥陀岳」(2,805メートル)「横岳」(2,829メートル)「硫黄岳」(2,760メートル)などの「南八ヶ岳」は、深田久弥「日本百名山」に選ばれている。
◇ ◇ ◇
「夏沢峠」(2,429メートル)を境界として分けられる「北八ヶ岳」には、「天狗岳」(2,646メートル)「茶臼山」(2,384メートル)「横岳」(2,480メートル)や日本百名山に選ばれている「蓼科山」(2,530メートル)のほか国道299号の「麦草峠」(2,120メートル)などが連なっている。
◇ ◇ ◇
山麓の長野県側には「尖石遺跡」「井戸尻遺跡」など、山梨県側には「神取遺跡」「天神遺跡」など多くの縄文遺跡が存在している


 ❖ 阿弥陀岳  
八ヶ岳連峰の主峰「赤岳」(標高2,899メートル)の西に位置する「阿弥陀岳(あみだだけ)」(標高2,805メートル)は、茅野市街地から望むと「赤岳」の前に重なって一番高く見える山だが、「八ヶ岳」では「横岳」(標高2,829メートル)に次ぐ3番目の標高だ。
◇ ◇ ◇
その名前のとおり山岳宗教に由来する「南八ヶ岳」の山で、山頂には阿弥陀如来の石像をはじめ多数の講中碑が奉じられている。

 ❖ 北アルプス  
新潟・長野・富山・岐阜の4県にまたがる「飛驒山脈(ひださんみゃく)」の通称で、「木曽山脈(中央アルプス)」「赤石山脈(南アルプス)」とともに総称して「日本アルプス」と呼ばれる
◇ ◇ ◇
「木曽山脈」「赤石山脈」が断層運動で形成されているのに対し、「飛騨山脈」は火山活動と断層運動の複合的な要因によって形成された山脈で、より古くから造山運動が起こったために浸食が進んで急峻な山容になっているという。
◇ ◇ ◇
「富士山」(標高3776メートル)と南アルプスの「北岳(きただけ)」(標高3,193メートル)に次ぐ高山の「奥穂高岳(おくほたかだけ)」(標高3,190メートル)が最高峰で、山脈の主要部分は、中部山岳国立公園に指定されている。