今日の新聞(2020年9月19日)に、「ジャパンライフ14人逮捕ー元会長ら詐欺容疑」とでている。これはあの桜を見る会との関係で大いに話題になった事件である。安倍元首相枠で招待したと追及されていた件だ。
今はその件を置くとして、政府の官僚たちがジャパンライフの顧問を務めていたという。永谷安賢(元内閣府官房長)1650万円(2014-16年度)、中嶋誠(元特許庁長官)300万円(16年度)、佐藤征夫(元科学技術庁科学技術政策研究所長)1780万円(10-17年度)、松尾篤(元経済企画庁長官秘書官)9060万円(05-17年度)、水庫孝夫(元消費者庁課長補佐)360万円(15年度)、橘優(元朝日新聞政治部長)約3000万円(13-17年度)が顧問料をもらっていたという。中でも消費者庁の課長補佐氏はこうした悪徳商法を規制し指導する官庁の役人であり、「知りませんでした」では通らない。
政府の官僚や新聞記者が名義貸ししていれば、お年寄りから騙し取るのは簡単だったようだ。役人どもは、名前を貸しただけの、至極楽ちんに、何百万も儲けていたのだ。呆れかえる。
少し観点を変えてみよう。政官民の協力関係はお年寄りを欺す仕掛けとして有力だということだ。逆に言えば、こうした欺されやすい人々が少なくないから、政治を私物化したり、実質改憲・軍事で儲ける態勢は万全なのではないか。これは過去形ではなく現在進行形の問題だ。
しかし考えてみれば、もっと大きく国家権力のレベルを考えたら、ちっぽけな話しに過ぎないのかも知れない。国は必ずウソをつく。たとえば、米国・米軍によるベトナム戦争への全面介入の口実はトンキン湾事件(1964年7月-8月)だった。南ベトナム軍が先制攻撃をしかけたのに、北ベトナム軍が攻撃してきたからとみせかけ、撃沈。米国は北ベトナム爆撃に舵を切った。イラク戦争はイラクが大量破壊兵器を隠し持っていると因縁を付けて攻撃(2003年3月20日ー)。国際的な規模で大嘘をこきながら、開戦に持ち込んでいったのだ。
大日本帝国による日中戦争も、アジア太平洋戦争への拡大も侵略者のかってを押しつけたものだ。「大東亜戦争」という呼称は「アジア民族解放」という巨大なウソによる侵略戦争の正当化だった。
今という時代の中で、私たちは、国家が大嘘を再びつくような時代に入っていないかを注意深く検証していかなければなるまい。
「嘘つきは泥棒の始まり」ということばがあるが、私が幼少の頃、何度となく(母親にだったかな)言い聞かされた記憶がある。未だアジア太平洋戦争の余韻が色濃く残っていた時代のことだ。時代は巡る。
嘘つきは泥棒の始まりだっつーの!