矢嶋武弘・Takehiroの部屋

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文明の発達で“少子化”になる

2024年10月02日 04時35分34秒 | 社会・事件・事故

<以前書いた記事を一部修正して復刻します。>

文明が発達すると、少子化になるようだ。社会が豊かになったとしても、子供が増えるわけではない。どういうことかと言うと、現代ではテレビ、パソコン、携帯電話、スマホ、電気冷蔵庫、電気洗濯機、電子レンジ、電卓などがないと文明生活に遅れる。したがって、それらを購入するために金が要る。
ところが、私が子供の頃は、そんな電気製品やパソコン、テレビなどはなかった。それだけ金がかからなかったのだ。つまり少しぐらい貧乏であっても、十分に生活が出来た。だから「貧乏人の子沢山」という言葉もあったほどだ。特に戦前は、一家に子供が10人ぐらいいても何らおかしくはなかった。
しかし、現代では電気製品の他に、塾などの教育費、数多くの趣味や遊び、稽古事など色々あるから、非常に金がかかる。それで、給料がそんなに増えたかといえば、人それぞれで分からない。給料が増えてもその分、物価が上がれば生活水準は向上するとは言えない。
要するに、現代は昔に比べて物凄く金がかかるということだ。そうなると、若い人たちは貧しければ結婚も出来ない。たとえ結婚しても子供をつくれない。子供をつくってもせいぜい1人か2人程度だ。政府が子ども手当を月に1~2万円支給しても“焼け石に水”だ。
文明の発達は便利で良いのだが、逆に生活に遅れる面も出てくる。かと言って、電気製品やパソコンがない昔の生活に戻るわけにはいかない。そうなると、少しぐらい給料が増えても文明生活を享受するために、出産・育児を最小限に止めようという気にもなる。
つい先日、昔の映画の一場面を見る機会があったが、半世紀ほど前は真面目に「産児制限」が議論されていた。産児制限だって? 若い人は知らないだろう。 昔は仮に貧乏であっても、子供は結構つくれたのだ。えっ?と思うかもしれないが、今よりはるかに文明が劣っていたとはいえ、いや文明が劣っていたからこそ、金がかからないので子供をかなり産めたのだ。
ところが、今や「産児制限」などは“死語”になったようだ。そんなことを言わなくても、一人の子供に途方もない金がかかるから、産みたくても産めない。それが現実だ。
つまり、文明が発達すればするほど、かえって貧困や格差を意識するようになる。高度に発達した文明社会では、子供は増えないだろう。むしろ、文明が劣っている社会の方が子供は増えるのだ。産児制限なんて言われなくても、今の若い人たちは子供をそんなに産まない。いや、産めないのだ。(2012年1月19日)


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2 コメント

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Unknown (マーチャン)
2020-08-07 08:47:21
女性の立場から考えますに・・・、
子供が増えないのは、
お金の問題も大きな壁となっていますが、
一番は子育てと家事の両面が大変なのです。
そして現代は自分も大事に考えます。
夫が、社会が子育てに協力的であれば・・・、
モット子供は増えるのではないでしょうか?

昔の家庭に子供が多いのは一説によれば、
趣味にお金を使う事が出来ないので・・・、
家にいる事が多い。
それで 家族が多い!!!と、聞いています。
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少子化問題 (矢嶋武弘)
2020-08-07 11:16:36
今の若い男性は家事、育児も考えないといけないとは大変ですね。われわれの年代はほとんど考えた事がありませんでした。
男は“猛烈社員”とか言って、外で働いていれば良かったのですから。
主婦ならぬ“主夫”が増えているのは、子供を育てる面では良いですね。
少子化に歯止めがかかればいいのですが、なんと言っても経済面の負担が一番のネックだと思います。
フランスは育児手当てなどで、少子化に歯止めをかけましたから。
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