安蘇のやぼやま日記

両毛線沿線の山々を、ノンビリと歩いています。

小津安二郎の映画・「東京暮色」を見る

2019年01月04日 | 映画

 いまだに、ウツ状態が続いているようで、なかなか山に行けません。
そんなわけで、ブログ更新も出来ないでいるわけです。
何とかリフレッシュをと思い、映画を見たりしています。
 最近見た映画で、最も衝撃的だったのは「東京暮色」でした。
テレビ放映したものを録画してみたわけですが。・・・

 1957年に制作されたものですから、私が6歳の時のものです。
はっきり言って何回も見たくなるような映画ではありません。
何とも、やりきれなくなるような映画なのです。

 一家の主、笠智衆の家族の物語。
とにかく、家族の中に明るい希望の持てるような話がないのです。
それでも、引き込まれてしまうのは、これが人生だと思わせるような
説得力があるからじゃないかと思うのです。

 笠智衆の次女(有馬稲子演ずる)が3歳の時に、笠智衆の妻(山田五十鈴演ずる)は、ある男とのっぴきならない関係になり、子供を置いて
家を出てしまいます。これって残された家族は大変なことですよね。

 また、長女(原節子演ずる)には、2歳の子供がいるのに
夫とけんかしてしまい、実家に戻ってしまいます。
この時の父親の言葉は、胸に突き刺さります。
今思えば、あの男じゃなくて、もうひとりの〇〇さんのほうを
世話しておけば良かったのかな、などといいます。
 娘を持つ父親として、この言葉は実に胸に響きます。

 そうこうしているうちに、突然、家を出て行った母親と
次女が、偶然会ってしまいます。
このシーンは素晴らしいシーンとなっています。
次女は母であることを知りません。しかし、後で
母かもと言うのです。
そして、観客も親子かもと思うのです。
なぜ分かるかというと、山田五十鈴の演技に
負うところが大きいと思います。絶品でした。

 あとで、次女は望まぬ子を妊娠してしまい
自殺(偶発的な交通事故かも)してしまいます。

 そして、母は東京を後にするのですが。・・・
電車で駅を発つシーン、長女が駅に見送りに
来てくれるかもと思っているのですが、最後まで
来ませんでした。このシーン、私は娘に来てほしいと
思っていました。しかし、小津安二郎の選択は
もっと厳しいものでした。


 他に、「ボヘミアン・ラプソディ」も見ましたが、
もっと、フレディ・マーキュリーの人間に迫って
ほしかったです。しかし、楽曲は素晴らしいです。

 ヘップバーンの「パリの恋人」は文句なしに
楽しかったです。ただ、恋人が、なぜアステアなのか
他に踊れる俳優さんがいなかったのでしょうか?

 ジョン・フォード監督の「太陽は光り輝く」
これは、1953年に制作された小品ですが
実に立派な作品でした。
きっと予算が取れなかったんでしょうね。
著名な俳優は出ていません。舞台俳優とのことですが。

 最後の葬列のシーン、胸に迫ってくるものが、ありました。
公開は、1966年で、テレビ放映されたものを
録画して見ました。
 ジョン・フォードの作品は、ユーモアがあり
最後は、シンミリとで大好きです。


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