ニッサの聖グレゴリオ(330-394)カッパドキアのニッサとセバステの司教、教会博士
雅歌についての説教
愛が完全に恐れを締め出し※1、恐れが変化して愛になるとき、救われたものが一つになっていることが明らかになるでしょう。そのとき、鳩に見られる完全性によって、すべてのものがただ一つの善と統合されて互いに一つとされるのです。
私たちは以上のことを、雅歌の次の言葉から理解します。「私の鳩、私の全き者はただ一人、その母のただ一人の娘、産みの親が選んだ娘※2。」
このことは福音書の中で、主の言葉によってもっと明らかに説明されています。実に、主は祝福してあらゆる力を弟子たちに授けながら、御父への言葉を通して聖徒たちに様々なよいものを与えられました。さらに、最高の恵みとして、彼らが見解の相違からどの判断が正しいかをめぐって分裂するおそれのあるとき、かえって全員があのただ一つの善に統合されて一つになるという恵みをも加えられました。それは、使徒パウロが言ったように、聖霊による一致によって平和のきずなで結ばれて、すべての者が一つの希望にあずかるように招かれている者として、そ希望によって、一つのからだ、一つの霊となるためです※3。
ここで、福音書に書かれたキリストの言葉そのものを、そのまま引用するのが良いでしょう。「すべての人を一つにしてください。父よ、あなたが私のうちにおられ、私があなたのうちにいるのは、彼らが一つになるためです※4。」
この一致のきずなは栄光です。「あなたがくださった栄光を、私は彼らに与えました※5」という主の言葉を考えると、賢明な人ならだれでも、栄光が聖霊の別名であることを認めるでしょう。実に主は弟子達に、「聖霊を受けなさい※6」と言われたとき、この同じ栄光を彼らに誠に授けられたのです。
復活節第六土曜日 読書
第一朗読 1ヨハネ3:18-24
第二朗読 ニッサの聖グレゴリオ 雅歌についての説教
※1 1ヨハネ4:18
愛には恐れがない。完全な愛は恐れを締め出します。なぜなら、恐れは罰を伴い、恐れる者には愛が全うされていないからです。
※2 雅歌6:9
わたしの鳩、清らかなおとめはひとり。その母のただひとりの娘、産みの親のかけがえのない娘。彼女を見ておとめたちは祝福し、王妃も側女も彼女をたたえる。
※3 エフェソ4:3-4
平和のきずなで結ばれて、霊による一致を保つように努めなさい。
体は一つ、霊は一つです。それは、あなたがたが、一つの希望にあずかるようにと招かれているのと同じです。
※4 ヨハネ17:21
父よ、あなたがわたしの内におられ、わたしがあなたの内にいるように、すべての人を一つにしてください。彼らもわたしたちの内にいるようにしてください。そうすれば、世は、あなたがわたしをお遣わしになったことを、信じるようになります。
※5 ヨハネ17:22
あなたがくださった栄光を、わたしは彼らに与えました。わたしたちが一つであるように、彼らも一つになるためです。
※6 ヨハネ20:22
そう言ってから、彼らに息を吹きかけて言われた。「聖霊を受けなさい。」
ニッサの聖グレゴリオ
正教会・非カルケドン派・カトリック教会・聖公会・ルーテル教会の聖人。(Wikipediaではニュッサのグレゴリオス)
ベネディクト十六世が「使徒の経験から見た、キリストと教会の関係の神秘」の連続講話の中で、二回にわたってニッサのグレゴリオを解説しています。
http://www.cbcj.catholic.jp/jpn/feature/benedict_xvi/bene_message240.htm
http://www.cbcj.catholic.jp/jpn/feature/benedict_xvi/bene_message241.htm
雅歌についての説教

私たちは以上のことを、雅歌の次の言葉から理解します。「私の鳩、私の全き者はただ一人、その母のただ一人の娘、産みの親が選んだ娘※2。」
このことは福音書の中で、主の言葉によってもっと明らかに説明されています。実に、主は祝福してあらゆる力を弟子たちに授けながら、御父への言葉を通して聖徒たちに様々なよいものを与えられました。さらに、最高の恵みとして、彼らが見解の相違からどの判断が正しいかをめぐって分裂するおそれのあるとき、かえって全員があのただ一つの善に統合されて一つになるという恵みをも加えられました。それは、使徒パウロが言ったように、聖霊による一致によって平和のきずなで結ばれて、すべての者が一つの希望にあずかるように招かれている者として、そ希望によって、一つのからだ、一つの霊となるためです※3。
ここで、福音書に書かれたキリストの言葉そのものを、そのまま引用するのが良いでしょう。「すべての人を一つにしてください。父よ、あなたが私のうちにおられ、私があなたのうちにいるのは、彼らが一つになるためです※4。」
この一致のきずなは栄光です。「あなたがくださった栄光を、私は彼らに与えました※5」という主の言葉を考えると、賢明な人ならだれでも、栄光が聖霊の別名であることを認めるでしょう。実に主は弟子達に、「聖霊を受けなさい※6」と言われたとき、この同じ栄光を彼らに誠に授けられたのです。
復活節第六土曜日 読書
第一朗読 1ヨハネ3:18-24
第二朗読 ニッサの聖グレゴリオ 雅歌についての説教
※1 1ヨハネ4:18
愛には恐れがない。完全な愛は恐れを締め出します。なぜなら、恐れは罰を伴い、恐れる者には愛が全うされていないからです。
※2 雅歌6:9
わたしの鳩、清らかなおとめはひとり。その母のただひとりの娘、産みの親のかけがえのない娘。彼女を見ておとめたちは祝福し、王妃も側女も彼女をたたえる。
※3 エフェソ4:3-4
平和のきずなで結ばれて、霊による一致を保つように努めなさい。
体は一つ、霊は一つです。それは、あなたがたが、一つの希望にあずかるようにと招かれているのと同じです。
※4 ヨハネ17:21
父よ、あなたがわたしの内におられ、わたしがあなたの内にいるように、すべての人を一つにしてください。彼らもわたしたちの内にいるようにしてください。そうすれば、世は、あなたがわたしをお遣わしになったことを、信じるようになります。
※5 ヨハネ17:22
あなたがくださった栄光を、わたしは彼らに与えました。わたしたちが一つであるように、彼らも一つになるためです。
※6 ヨハネ20:22
そう言ってから、彼らに息を吹きかけて言われた。「聖霊を受けなさい。」
ニッサの聖グレゴリオ
正教会・非カルケドン派・カトリック教会・聖公会・ルーテル教会の聖人。(Wikipediaではニュッサのグレゴリオス)
ベネディクト十六世が「使徒の経験から見た、キリストと教会の関係の神秘」の連続講話の中で、二回にわたってニッサのグレゴリオを解説しています。
http://www.cbcj.catholic.jp/jpn/feature/benedict_xvi/bene_message240.htm
http://www.cbcj.catholic.jp/jpn/feature/benedict_xvi/bene_message241.htm