聖アンブロジオ(340~397年) ミラノの司教。教会博士。
「詩篇解説」
聖書全体が神の恵みを息吹いているが、特に味わい深い詩篇の書はそうである。モーセ自身も先祖たちの言行を散文の形で記したが、先祖たちの民に忘れがたい不思議な方法で紅海を渡らせ、ファラオがその軍隊と共に海に沈んだのを見たとき、自分の力を超えることが起こったので、自分の才能を一層優れた方法で働かせて、主に向かって勝利の賛歌を歌った※1。また、ミリアムも小太鼓を手に取り、他の女達を励まして言った。「主に向かって歌おう。主は大いなる威光を現し、馬と乗り手を海に投げ込まれた※2。」
詩篇の書に書かれた歴史は人に教訓を与え、法は教え、預言は将来を告げ、叱責は人を懲らしめ、訓戒は人を説得する。したがって詩篇の書には、すべて人に役立つことが含まれており、人間の救いのための薬として提供されている。この書を読む者はだれでも、自分の欲情の傷をいやすことのできる特別な薬を見いだす。
・・・
先祖の業績を学んで見倣うことを望む者は、一つの詩篇の中に先祖の歴史全体が述べられているのを見いだし、このような要約によって記憶の倉にそれを納めることができる。「人を愛する者は、律法を全うしている※3」
・・・
詩篇の中では、イエスは私たちのために生まれるばかりではなく、救いをもたらすために肉体の苦難を受け、死の眠りに入り、復活し、天に昇り、父の座に揚げられると語られている。人間の誰一人として、あえて言えなかったことを、この予言者ダビデだけが告げたのである。そして後に、主ご自身は福音の中で、これを述べ伝えられたのである。
年間第十金曜日 読書
第一朗読 ヨシュア10:1-11:17
第二朗読 聖アンブロジオ 『詩編注解』
※1 出エジプト 15:1-18
モーセとイスラエルの民は主を賛美してこの歌をうたった。主に向かってわたしは歌おう。主は大いなる威光を現し馬と乗り手を海に投げ込まれた。
主はわたしの力、わたしの歌、主はわたしの救いとなってくださった。この方こそわたしの神。わたしは彼をたたえる。わたしの父の神、わたしは彼をあがめる。
主こそいくさびと、その名は主。
主はファラオの戦車と軍勢を海に投げ込み、えり抜きの戦士は葦の海に沈んだ。
深淵が彼らを覆い、彼らは深い底に石のように沈んだ。
主よ、あなたの右の手は力によって輝く。主よ、あなたの右の手は敵を打ち砕く。
あなたは大いなる威光をもって敵を滅ぼし、怒りを放って、彼らをわらのように焼き尽くす。
憤りの風によって、水はせき止められ、流れはあたかも壁のように立ち上がり、大水は海の中で固まった。
敵は言った。「彼らの後を追い捕らえて分捕り品を分けよう。剣を抜いて、ほしいままに奪い取ろう。」
あなたが息を吹きかけると海は彼らを覆い彼らは恐るべき水の中に鉛のように沈んだ。
主よ、神々の中にあなたのような方が誰かあるでしょうか。誰か、あなたのように聖において輝きほむべき御業によって畏れられくすしき御業を行う方があるでしょうか。
あなたが右の手を伸べられると大地は彼らを呑み込んだ。
あなたは慈しみをもって贖われた民を導き御力をもって聖なる住まいに伴われた。
諸国の民はこれを聞いて震え苦しみがペリシテの住民をとらえた。
そのときエドムの首長はおののきモアブの力ある者たちはわななきにとらえられカナンの住民はすべて気を失った。
恐怖とおののきが彼らを襲い御腕の力の前に石のように黙した。主よ、あなたの民が通り過ぎ、あなたの買い取られた民が通り過ぎるまで。
あなたは彼らを導き嗣業の山に植えられる。主よ、それはあなたの住まいとして自ら造られた所、主よ、御手によって建てられた聖所です。
主は代々限りなく統べ治められる。
※2 出エジプト 15:21
ミリアムは彼らの音頭を取って歌った。主に向かって歌え。主は大いなる威光を現し馬と乗り手を海に投げ込まれた。
聖アンブロジオ
340年頃、ドイツのトリールでローマ人の家庭に生まれる。ローマで勉学に励み、シルミウムで執政官になる。374年にミラノ在住の折、突然同市の司教に選出される。12/7に司教叙階を受けた。司教の職務を誠実に果たし、すべての人に大きないつくしみを示し、信者たちを見事に指導し、教えた。また、教会の権利を皇帝に対して力強く擁護し、アレイオス派に対して著作と行動で正統信仰を守った。397年の聖土曜日にあたる4月4日に死去。
正教会・非カルケドン派・カトリック教会・聖公会・ルーテル教会の聖人(聖アンブロジウス、聖アムブロシイ)
聖アンブロジオ(女子パウロ会の聖人カレンダーへ)
http://www.pauline.or.jp/calendariosanti/gen_saint50.php?id=120701
ベネディクト十六世の「使徒の経験から見た、キリストと教会の関係の神秘」についての連続講話でアンブロジオについて話されました。
http://www.cbcj.catholic.jp/jpn/feature/benedict_xvi/bene_message256.htm
「詩篇解説」

詩篇の書に書かれた歴史は人に教訓を与え、法は教え、預言は将来を告げ、叱責は人を懲らしめ、訓戒は人を説得する。したがって詩篇の書には、すべて人に役立つことが含まれており、人間の救いのための薬として提供されている。この書を読む者はだれでも、自分の欲情の傷をいやすことのできる特別な薬を見いだす。
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先祖の業績を学んで見倣うことを望む者は、一つの詩篇の中に先祖の歴史全体が述べられているのを見いだし、このような要約によって記憶の倉にそれを納めることができる。「人を愛する者は、律法を全うしている※3」
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詩篇の中では、イエスは私たちのために生まれるばかりではなく、救いをもたらすために肉体の苦難を受け、死の眠りに入り、復活し、天に昇り、父の座に揚げられると語られている。人間の誰一人として、あえて言えなかったことを、この予言者ダビデだけが告げたのである。そして後に、主ご自身は福音の中で、これを述べ伝えられたのである。
年間第十金曜日 読書
第一朗読 ヨシュア10:1-11:17
第二朗読 聖アンブロジオ 『詩編注解』
※1 出エジプト 15:1-18
モーセとイスラエルの民は主を賛美してこの歌をうたった。主に向かってわたしは歌おう。主は大いなる威光を現し馬と乗り手を海に投げ込まれた。
主はわたしの力、わたしの歌、主はわたしの救いとなってくださった。この方こそわたしの神。わたしは彼をたたえる。わたしの父の神、わたしは彼をあがめる。
主こそいくさびと、その名は主。
主はファラオの戦車と軍勢を海に投げ込み、えり抜きの戦士は葦の海に沈んだ。
深淵が彼らを覆い、彼らは深い底に石のように沈んだ。
主よ、あなたの右の手は力によって輝く。主よ、あなたの右の手は敵を打ち砕く。
あなたは大いなる威光をもって敵を滅ぼし、怒りを放って、彼らをわらのように焼き尽くす。
憤りの風によって、水はせき止められ、流れはあたかも壁のように立ち上がり、大水は海の中で固まった。
敵は言った。「彼らの後を追い捕らえて分捕り品を分けよう。剣を抜いて、ほしいままに奪い取ろう。」
あなたが息を吹きかけると海は彼らを覆い彼らは恐るべき水の中に鉛のように沈んだ。
主よ、神々の中にあなたのような方が誰かあるでしょうか。誰か、あなたのように聖において輝きほむべき御業によって畏れられくすしき御業を行う方があるでしょうか。
あなたが右の手を伸べられると大地は彼らを呑み込んだ。
あなたは慈しみをもって贖われた民を導き御力をもって聖なる住まいに伴われた。
諸国の民はこれを聞いて震え苦しみがペリシテの住民をとらえた。
そのときエドムの首長はおののきモアブの力ある者たちはわななきにとらえられカナンの住民はすべて気を失った。
恐怖とおののきが彼らを襲い御腕の力の前に石のように黙した。主よ、あなたの民が通り過ぎ、あなたの買い取られた民が通り過ぎるまで。
あなたは彼らを導き嗣業の山に植えられる。主よ、それはあなたの住まいとして自ら造られた所、主よ、御手によって建てられた聖所です。
主は代々限りなく統べ治められる。
※2 出エジプト 15:21
ミリアムは彼らの音頭を取って歌った。主に向かって歌え。主は大いなる威光を現し馬と乗り手を海に投げ込まれた。
聖アンブロジオ
340年頃、ドイツのトリールでローマ人の家庭に生まれる。ローマで勉学に励み、シルミウムで執政官になる。374年にミラノ在住の折、突然同市の司教に選出される。12/7に司教叙階を受けた。司教の職務を誠実に果たし、すべての人に大きないつくしみを示し、信者たちを見事に指導し、教えた。また、教会の権利を皇帝に対して力強く擁護し、アレイオス派に対して著作と行動で正統信仰を守った。397年の聖土曜日にあたる4月4日に死去。
正教会・非カルケドン派・カトリック教会・聖公会・ルーテル教会の聖人(聖アンブロジウス、聖アムブロシイ)
聖アンブロジオ(女子パウロ会の聖人カレンダーへ)
http://www.pauline.or.jp/calendariosanti/gen_saint50.php?id=120701
ベネディクト十六世の「使徒の経験から見た、キリストと教会の関係の神秘」についての連続講話でアンブロジオについて話されました。
http://www.cbcj.catholic.jp/jpn/feature/benedict_xvi/bene_message256.htm