1/nの確率で生起する事象について、n回試行したとき、少なくとも事象が1回生起する確率を求めよ
答えは実に単純で、
1 - ((n-1)/n)^n
さて、この関数についていろいろ考えてみる。
まずはこいつをグラフにしてみよう。
とりあえずn=10までをプロットした。
なお、n→∞のとき、この関数は
1 - 1/e ≒ 0.632121に収束する。
次に導関数は
であり、こいつのグラフは
このグラフからも分かるように、収束が非常に早い。
まぁ、指数関数ゆえ、当たり前と言えば当たり前なのだが・・・
では、主要なnに対する値を列挙してみよう。
n | f[n] |
---|---|
1 | 1.000000 |
2 | 0.750000 |
3 | 0.703704 |
5 | 0.672320 |
10 | 0.651322 |
20 | 0.641514 |
30 | 0.638338 |
50 | 0.635830 |
100 | 0.633968 |
200 | 0.633042 |
300 | 0.632735 |
500 | 0.632489 |
1000 | 0.632305 |
さて、ではこの数字を解釈してみよう。
東風戦で少なくとも1回あがれる確率はn=4のときで 0.683594。
逆に言えば、3割強の確率で一度もあがれないことになる。
まぁ、実際には連荘や流局があるので一概には言えないが。
限りなく多い人間と、それと同じ数のアイテムが存在し、ランダムに分配される場合、自分が少なくとも1個受け取れる確率は n→∞ のときで 0.632121
難しい要素抜きで考えれば、人生で一度でも抜擢される可能性は6割以上。
しかし、同様に日の目を見ない人間も4割近くいる。
こういう確率論は実生活と結びつけると実に面白い。
自分がどんな確率をくぐり抜けて、この状況にあるのか。
事象Xが生起しない事象¬Xは全事象である。
これは紛れもなく公理であり、つまり、「失敗したから」と考えるのではなく、
「『失敗すること』に成功したから」今がある、とポジティブになりましょう。