Woodnoteな日常

京都発 小さな小さなCD制作スタジオの日々雑感です

怒涛の年末…

2015年12月31日 | ウッドノート・スタジオ
前の記事で12月17,18日のレコーディングを書いてますが、
すぐまた、その翌週の24、25日(クリスマス!)にもレコーディングでした。
会場は使い慣れた滋賀県高島市のガリバーホール、
ギター二重奏の録音です。
クリスマス気分返上で仕事です。



この録音は来年夏ごろ発売予定、乞うご期待!

録音が終わってホッとする間もなく、
急ぎで入った楽譜浄書の仕事に取り掛かり、
その入校を済ませると、遅れていたCD印刷物のデザイン作業、
うーん、なかなか難しい、年明けも継続作業になります。
こちらのCDは来年2月ころ発売予定です。

さらに年度末の会計処理とかもしなくちゃ。
「ひとりレコード会社」なので、やらなくてはならない作業が多方面にわたり、
慌ただしい年末です。

ともあれ早いもので今日はもう大晦日。
この一年、お世話になりました。
来年も引き続きお引き立ての程よろしくお願いいたします!


ピアノのレコーディング

2015年12月19日 | ウッドノート・スタジオ
12月17日、18日の2日間、加古川のアラベスクホールというところで
ピアノの録音を行なってきました。
初めて使うホール、そして慣れないピアノの録音ということで、
少々緊張しつつ録音に臨みました。

加古川市の郊外にあるこのアラベスクホール、
内部は独特の形状をしていて、ちょっと不思議な空間です。


プロデューサーの方が、使用する「ベヒシュタイン」というピアノの音色にこだわりがあるので、
その音色を活かすべく、マイクアレンジを調整しました。
その結果がこんな感じ。

メインは右端の、ピアノから約3m離れたマイク(B&K4003)、
ピアノの近くのマイク(RodeNT5)はキラキラ感を出すため控えめにミックス、
あとは客席にもアンビエント用のマイク(AT4050)を配置してます。

控室まで距離があるので、舞台袖の廊下をモニタールームとして使用、
すぐ後ろが壁なので、毛布を吊って余計な響きを止めています。


慣れないピアノの録音でしたが、なんとか満足いく形で録音できました。
プロデューサーやピアニストの方からも好評で、ホッとしてます。
内容等についてはまだオフレコですが、
また追々お知らせしたいと思います。
乞うご期待!

「源氏」にハマってます

2015年12月05日 | 日々是好日
今年の夏ころから、「源氏物語」を原文で読む、ということに挑戦していて、
半年がかりでようやく終盤まで到達、もう少しで読みきれそうです。

思えば高校の頃は「源氏」が苦手で、
全体のストーリーも分からなければ、人物関係も分からないところに
ある場面だけが問題に出されても何のことだかサッパリ分からず、
おまけに複雑な敬語の嵐!
でずっと敬遠してきました。

ところが近年、いろいろ美術館などで作品を見るにつけ、
「源氏」の場面が題材として取り上げられていることが多く、
「ほら、あの場面でしょ、当然知ってるよね」的な作品を前に悔しい想いをすることもあり、
なんとか理解したいと思うようになりました。

カミサンから勧められた大和和紀さんの『あさきゆめみし』を読んで、
ようやく全体像を把握することができ、俄然興味が湧いてきて、
さらに瀬戸内寂聴さんの現代語訳を通読、
そして今年はいよいよ原文で読むことにしました。

読んでいるのは「新潮日本古典集成」版のもの。
これは原文横の要所要所に現代語訳などが併記されており、
私のような初学者にはとっつきやすい。
とりあえず「明石」くらいまで読めれば続けられるかな、とおもって読み始めましたが、
原文を読み慣れてくると、文語文特有の引き締まったキビキビとした文体で、
現代語訳につきまとう説明的なクドさがなく、
かえってスッキリ読めるように感じられます。

正直言って集中できずに文字を目で追うだけになるところもありますが、
場面によってはページをめくるのももどかしいような、
久々にわくわくするような読書体験をすることができました。
日本の文化遺産という面もありますが、
なによりまず「おもしろい」ということが、千年も読み継がれる理由と思われます。

現在、最後から2つ目の帖、「手習」を読み進めているところ、
あとは「夢浮橋」でめでたく読了となります。
あと一息、ガンバリます。


さて、そんな折に、名古屋の徳川美術館で「国宝 源氏物語絵巻」展が開催されている情報を入手、
開館80周年記念ということで、五島美術館蔵のものと併せ、一挙全帖公開!
これはぜひ見なければ、ということで、名古屋日帰り弾丸ツアーに行ってきました(12月3日)。
交通費節約のため新幹線を使わず在来線の新快速などを乗り継いで、お昼ごろ到着、
徳川美術館の様子です。


さて、入ろうとすると、なんと「120分待ち」の表示、
さすがにここまできて帰るわけにもいかず、じっと我慢の行列でした。
ただ実際は120分もかからず、1時間ちょっとでいよいよ源氏絵巻と対面、
これまで本などでみた傷みの激しい状態を想像してましたが、
現物は想像以上にきれいに修復されていて、その繊細な筆致を存分に堪能、
目の至福の時間を過ごしました。

普通は展覧会でも図録はあまり買わないのですが、
今回の図録は印刷もかなり現物の色合いに近く、
また近年の修復により新たに発見された新事実などの解説も豊富でしたので、
今回は購入、これで家でもしばらく絵巻を堪能できそうです。


また在来線を使って京都へ帰り、少々疲れましたが、充実した1日でした。
これでまだしばらくは「源氏」にハマる日が続きそうです…。