夜の見回りを終えた後街を好きなように歩く。
ようやく帰った頃には、もう夜中の二時近かった。
中に入って、少し驚く。
当然消えていると思っていた電気がついていた。
「クレセアさん……起きてたの?」
「ああ」
クレセアは書類に走らせていたペンを一旦止め、クロチェの方を見た。
「こんな時間まで仕事?」
「どうも眠れなかったからな。無駄に時間を過ごすよりいい。お前こそ、見回りに随分時間をかけるな」
「普通に見回りして異常がなかったから、あとは好きに歩いてたんだ」
「そうか。異常がなかったならいい」
「うん。特に変なものも落ちてなかったよ」
そう言いながらバラバラと今日の拾得物を取り出すクロチェに、呆れたような溜息を一つ。
「何でもかんでも拾ってくるなよ」
「だって落ちてたから」
「……」
何を言っても無駄だな。
早々に判断し、それ以上の追求は諦めた。
「まだ寝ないの?」
「もう少ししてから寝る」
「オレも起きてる。何かする事ある?」
「いや、特に。書類を書いているだけだからな。先に寝ていて構わない」
「ううん。眠くないし」
「明日に響くぞ」
それはクレセア自身にも当てはまるのだが、クロチェがやる事もないのに起きている意味はない。
しかし、クロチェは首を振った。
「眠るの苦手なんだ」
「……お前もそうなのか」
「クレセアさんも……?」
「得意ではないな」
「そっか。じゃあ、クレセアさんが寝る時寝る」
「何の理屈だ」
そうは言ったものの、寝るのが苦手というのはよくわかる。
「……好きにしろ」
「うん」
クロチェは頷いて、何をしようか少し考えた結果、拾ってきたものの整理を始めた。
クレセアは再び書類に向かう。
しばらく、静かな時間が流れた。
三十分程経って、クレセアがペンを置く。
「終わったぞ」
クロチェに声をかけると、うんと言った後、小さく呟いた。
「何か、変な感じ」
「何だ?」
「こんな時間に人といるなんて、なかなかないから」
「……そう言われればそうか」
普通の人間は寝ている時間だ。
出歩いてもそうそう人には会わないし、会ったとしても大抵すれ違うだけだろう。
ハヤテはもちろん家に帰っている。
だから、今まで眠るまでの間は当然のように一人だった。
別に一緒にいたからといって特に変わった事をした訳でもないのだが、少しだけ。
「何か好き、こういうの」
「ああ、悪くないな」
こんな時間に自分以外の誰かが起きて同じ空間にいる、その事が貴重に思えた。
クレセアが同意すると、クロチェの頬が僅かに緩む。
表情は大きく動かないが、目には嬉しそうな色が浮かんでいた。
「眠れない日、またこうする?」
「そうだな。……今日はいい加減寝るか」
「うん。おやすみ」
人より短い、二人のおやすみとおはようの間。
クレセアさんお借りしました!
鉱さん、早速SS書いてもらえて嬉しかったです。
ありがとうございました!
クレセアさんがマフィアを追ってる時はクロチェも気を張ってますが、それ以外はこんな感じだと思います(笑)
隼水さん
素敵お題作成ありがとうございます!
す、すごい……!
全部は無理そうなので番号飛び飛びでしか書けないと思いますが、それでも使わせてもらっていいでしょうか?
瑠璃色ちゃん
トリルが挟まれてる!(笑)
これは両手に何って言えばいいのかな←
かなわなそうだよ☆(爆)
ようやく帰った頃には、もう夜中の二時近かった。
中に入って、少し驚く。
当然消えていると思っていた電気がついていた。
「クレセアさん……起きてたの?」
「ああ」
クレセアは書類に走らせていたペンを一旦止め、クロチェの方を見た。
「こんな時間まで仕事?」
「どうも眠れなかったからな。無駄に時間を過ごすよりいい。お前こそ、見回りに随分時間をかけるな」
「普通に見回りして異常がなかったから、あとは好きに歩いてたんだ」
「そうか。異常がなかったならいい」
「うん。特に変なものも落ちてなかったよ」
そう言いながらバラバラと今日の拾得物を取り出すクロチェに、呆れたような溜息を一つ。
「何でもかんでも拾ってくるなよ」
「だって落ちてたから」
「……」
何を言っても無駄だな。
早々に判断し、それ以上の追求は諦めた。
「まだ寝ないの?」
「もう少ししてから寝る」
「オレも起きてる。何かする事ある?」
「いや、特に。書類を書いているだけだからな。先に寝ていて構わない」
「ううん。眠くないし」
「明日に響くぞ」
それはクレセア自身にも当てはまるのだが、クロチェがやる事もないのに起きている意味はない。
しかし、クロチェは首を振った。
「眠るの苦手なんだ」
「……お前もそうなのか」
「クレセアさんも……?」
「得意ではないな」
「そっか。じゃあ、クレセアさんが寝る時寝る」
「何の理屈だ」
そうは言ったものの、寝るのが苦手というのはよくわかる。
「……好きにしろ」
「うん」
クロチェは頷いて、何をしようか少し考えた結果、拾ってきたものの整理を始めた。
クレセアは再び書類に向かう。
しばらく、静かな時間が流れた。
三十分程経って、クレセアがペンを置く。
「終わったぞ」
クロチェに声をかけると、うんと言った後、小さく呟いた。
「何か、変な感じ」
「何だ?」
「こんな時間に人といるなんて、なかなかないから」
「……そう言われればそうか」
普通の人間は寝ている時間だ。
出歩いてもそうそう人には会わないし、会ったとしても大抵すれ違うだけだろう。
ハヤテはもちろん家に帰っている。
だから、今まで眠るまでの間は当然のように一人だった。
別に一緒にいたからといって特に変わった事をした訳でもないのだが、少しだけ。
「何か好き、こういうの」
「ああ、悪くないな」
こんな時間に自分以外の誰かが起きて同じ空間にいる、その事が貴重に思えた。
クレセアが同意すると、クロチェの頬が僅かに緩む。
表情は大きく動かないが、目には嬉しそうな色が浮かんでいた。
「眠れない日、またこうする?」
「そうだな。……今日はいい加減寝るか」
「うん。おやすみ」
人より短い、二人のおやすみとおはようの間。
クレセアさんお借りしました!
鉱さん、早速SS書いてもらえて嬉しかったです。
ありがとうございました!
クレセアさんがマフィアを追ってる時はクロチェも気を張ってますが、それ以外はこんな感じだと思います(笑)
隼水さん
素敵お題作成ありがとうございます!
す、すごい……!
全部は無理そうなので番号飛び飛びでしか書けないと思いますが、それでも使わせてもらっていいでしょうか?
瑠璃色ちゃん
トリルが挟まれてる!(笑)
これは両手に何って言えばいいのかな←
かなわなそうだよ☆(爆)
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