アンダンテ ~私の歩幅で~

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「七種」と「七草」

2012年01月07日 | 
どちらも「ななくさ」と読みます。
では、「種」と「草」の違いは何でしょう?

きょうは「七草の節句」なので、
七草粥を作るお宅も多いと思います。

この七草粥の風習は、
いつ頃からあるのでしょうか?

春の七草を使って七草粥を作り始めたのは、
鎌倉時代だといわれています。

では、それ以前は、七草粥がなかったのでしょうか?

いえいえ、鎌倉時代以前も「七草粥」は存在していました。
ただし、春の七草ではなく、「七種の穀物」で作ったお粥です。
それが「七種粥(ななくさがゆ」と呼ばれていたようです。

ここでいう七種とは?
米、アワ、キビ、ヒエ、ミノ、ゴマ、アズキだったり、
米、大麦、小麦、アワ、キビ、ダイズ、アズキだったり。

どうやらこの七種粥の風習は、平安時代の初期に、
中国から伝わってきたらしい。

平安時代の初期は、当時の中国である唐の影響を強く受けていたので、
その流れのひとつとして七種粥が入ってきたのでしょう。

農業の面でも、農具は、平安時代まで中心だった「すき」が、
鎌倉時代には「くわ」になりました。

農業の改革に伴い、農民の位置づけにも変化が生じます。
地味ですが、かなり大きな変化だったはずです。

「ななくさ粥」も、七種類の穀物で作る「七種粥」から、
お米に春の七草を加えて作る「七草粥」へと変化しました。

「種」と「草」の違いは、お粥の内容の違いだったのですね。

同時に、「種」と「草」は、それぞれの時代の食生活を
一文字で表すことができる言葉なのかもしれません。


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