皆様、あけましておめでとうございます。
昨年はこの00レビューを多くの方にご覧頂いたようでありがとうございます。
少々遅くなってしまいましたが、本日から通常営業?でございます。
第13話といえば、全25話の場合丁度折り返し地点になりますが、新OPは次回からのようです。
アバンでは前回起こったクーデター沈静後のアザディスタンの様子です。
TVでマリナの政見放送をみる家族や、街中を蹂躙する鎮圧部隊の車両を見ながら改革派に恨みを募らせる保守派市民等、悲喜交交の様子です。
王宮では未だ発見されない保守派の指導者マスード・ラフマディについて、ユニオン軍と共同で捜索中との事ですが、ユニオンの目的はガンダムとの遭遇なので本気でマスードを捜索しているとは思えないですね。
表面上、協力しているだけなのでしょう。
国内の情勢は、太陽光発電の受信アンテナも破壊され、国連の技術者も撤退した模様。アレハンドロ・コーナーがもたらした太陽光発電という因子は内戦という結果を迎えた訳ですが、火が燻っている所へ油を注いでソレスタル・ビーイング介入のきっかけを作るというマッチポンプ的な目的だとしたら、コーナーの思惑はソレスタル・ビーイングの各メンバーのそれとは微妙に違っているのかも知れません。
コーナーの意思と動向については、もう少し見守らないと分からないですね。
アザディスタン王国で、宗教的指導者マスード・ラフマディ誘拐に端を発する内紛が勃発した。
その内紛が軍事クーデターにまで発展した段階で、ソレスタル・ビーイングはガンダムによる武力介入に踏み切る。
戦術予報士スメラギ・李・ノリエガが不在の状況で、刹那・F・セイエイとロックオン・ストラトスはアザディスタンの内紛を止める事ができるのであろうか――
王留美のピンク色の自家用機を今回のアジトにしているソレスタル・ビーイングの面々。
王留美はロックオンから第3勢力の可能性を示唆されています。会話の内容からガンダムエース2月号の168Pの出来事の少し前といった感じでしょうか。服装も一緒ですしね。余談ですが王留美の毎回の衣装も、キャラクター原案の高河ゆんさんが手掛けているそうです。
ロックオンの推測では自分たちとユニオン以外に内戦を誘発している勢力があり、その勢力はモビルスーツを有していて、マスード誘拐にも関わっているとの事ですが、流石ロックオン兄さん全て正解です。
但し、その目的までは分からない為に刹那を調査にいかせたらしいですが、刹那がこういった任務に全く向かない事までは予測の範疇外なのでしょうか(笑)
まぁこの時点で王留美がフェレシュテに確認すれば、ミサイルを発射した当人まで判明していた訳なのですが……
ミサイル発射視点で残留反応を発見する刹那。先客として同じくこの地点を調査していたグラハムとビリーのユニオン勢と遭遇します。
彼らは既にここにいたモビルスーツがPMC所属のイナクトである事を突き止めているようです。
「立ち聞きは良くないな」
「見つかった?!」
グラハム鋭すぎ……そして刹那の風貌と声色から直ぐに地元の子供と判断して気を許してしまうビリーは鈍すぎ。この辺がエースパイロットと技術者の差でしょうか。
刹那の声色の使い分けは、どうしてもデスノートの夜神月を思い出して……ゴホン、ゴホン
「少年!君はこの国の内紛をどう思う?」
刹那に興味を示したのか、グラハムが立ち去ろうとした刹那に声を掛けます。
刹那の答えは用意された凡庸なものでしょうが、その中のこの戦いでたくさんの人が死んでいったと言う件は、マリナと話したときにも語っていた事なので刹那の本心なのでしょう。
そして刹那が後ろ手に隠している銃の気配に気が付くグラハム。
「怖い顔だ…」
素早く安全装置を解除する刹那ですが、表情に殺気が点ったのを見抜かれています。にらみ合うこと数秒……
一色触発の状況で、グラハムは先日ここにいたモビルスーツがモラリアのPMCから奪われた(これはPMCの方便でしょうが)イナクトだと告げ立ち去ります。
戸惑うビリーに口が滑ったとしか言いようがないとはぐらかすグラハムですが、彼の真意はどうなんでしょう。
刹那にソレスタル・ビーイングの気配を感じ取りあえて情報を渡したのか、それとも本気で気まぐれからの行動なのか……?
自分が思うには多分前者で、彼の目的はあくまでガンダムに勝つことでソレスタル・ビーイングと思われる人間を捕らえる事にはあまり興味が無いのでしょう。
イナクトの情報を渡す事がすなわちガンダムとの再戦に繋がるとは思っていないでしょうが、彼のパイロットとしての直感から来る行動という事ではないでしょうか。
それにしても、少しランバ・ラルを思わせる余裕っぷりは、個人的にまたしてもグラハムさんの株が少し上がりました。
PMCのイナクトと聞いて、モラリアで対峙した濃紺の機体を思い浮かべる刹那。
そのイナクトに乗っていたのは、あのアリー・アル・サーシェスだと気付きます。
「奴が……あの男がこの内紛に関わっている……?!何故だ…何故……何故今になって……」
一方その頃、アザディスタン市内では爆弾テロが相次いでいるようです。
「モビルスーツじゃ対応が利かねぇ。対人制圧用のオートマトンを出すよう要請するしか……」
「無理無理、こっちはガンダム目当てで軍を派遣しているんだ。上層部が余分な戦力を回すわきゃねぇさ」
「世知辛いね、まったく」
グラハム配下のフラッグファイターにもユニオンの思惑は十分に伝わっているようです。
そしてテロの混乱に乗じて火事場強盗に走る輩に犠牲となる一般市民……
この辺りの描写は考えられるとはいえ、見ていてそれこそ世知辛いです。
己の無力さに肩を落すマリナの元にも、侍女に紛れた(あるいは以前から潜伏していた)保守派の刺客が向けられます。
SPの発砲により何とか難を逃れたマリナは同じ国民同士でこれほどまでに憎み合う状況を憂いていますが、ここに至ったのは積み重ねてきた歴史もあるでしょうが、マリナ自身の行いにも責任の一端はある訳ですから、嘆いてばかりでは国は治められません。
彼女がより強い指導者になるのは、この試練を乗り越えた先にあるのでしょうね。
「何だって?ポイントF3987…?!そこに何がある?」
「ないかもしれない。でも可能性はある!」
ロックオンの元に刹那からポイントを示す通信が入ります。今回の黒幕がアリーだと気が付いた刹那が、かつてのアジトになにかあるかもと思い至った訳ですね。
要人救出の役に立つと、紅龍を連れて行けと言う王留美さん。
今まであまり活躍の場がなかった紅龍さんの見せ場ですかね。
「GNシステム、リポーズ解除。プライオリティを刹那・F・セイエイへ。外壁部迷彩皮膜解凍。GN粒子散布状況のまま、ブローディングモードへ」
肉声にてエクシアを遠隔起動させる刹那。
何度聞いてもブローディングモードと聞こえるのですが、多分boarding-mode(搭乗・状態)でしょうかね。
つまり、停止状態を解除。GNシステムを起動し、優先権を刹那・F・セイエイへ、外部から見えないように覆っていた光学迷彩を解除して、GN粒子を散布したまま、自分が乗り込めるようにハッチを開けておけ……てな感じでしょうか。
こういういかにもメカ物風のセリフは大好きです。そして、声で操れるメカというのも大好きです(笑)
エクシアと同じように、自家用機の傍らに迷彩状態で待機させてあったデュナメスには、紅龍さんも乗り込み発進です。
「隊長。こちらに接近する機影があります」
「ユニオンの偵察かァ?」
「違います!あの白いモビルスーツが……」
アリーのイナクトのモニターには、夕日をバックに接近するエクシアの姿が――
「ガンダムか!?」
ついにエクシアも白いモビルスーツと呼ばれる日が……って、以前にも言われてましたっけ?!
こういう見た目の分かりやすい呼び名で呼称する感じが、いかにもガンダムっぽくて堪りません。
クルジスで戦っていた頃のアジトに生命反応を発見した刹那。
「あのイナクト!」
「あのガンダム…パイロットはやっぱクルジスの……?!だったら、この隠れ家が分かっても不思議じゃねぇな!!」
お互いの素性に確信を持ったところで、エクシア対イナクトの因縁の対決がスタート。アリー専用のイナクトカスタムに装備されたブレイドライフルと、エクシアのGNソードが切り結んだ所で初めてエクシアからの音声を聞くアリー。
「あんたの戦いは、終わってないのか!クルジスは……滅んだ!!」
「知ってるよォ!!」
「あんたは何故ここにいる!あんたの神はどこにいる!答えろ!!」
「そんな義理はねぇなぁ!」
今回の戦闘シーンも手抜きなしです。
技量の差からか、ブレイドライフルを破壊するも地面に叩きつけられるエクシア。
「勿体無いからその機体、オレによこせよ……えぇ!ガンダムぅ!!」
「誰がぁ!!」
刹那の気迫に呼応するように、GNドライブの高まる音がして腰に装備した状態のGNブレイドがせり上がり、イナクトの腕を切断します。
前から気になっているのですが、GNドライブはマイスターの感情の高ぶりに反応して出力を上げるような気がします。
単なる演出かも知れませんが、GNドライブとシンクロできる能力がガンダムマイスターとしても資質とかだったら面白いかもなんて思いました。
当面の目的として、マスードを逃がす時間を稼いだとしてその場を離脱するイナクト。
しかし、刹那の思惑通りに先回りしたデュナメスが逃走車両の針路を塞ぎます。
デュナメスからの威嚇射撃と、GN粒子の干渉で通信ができない傭兵たちの元に、なんと仮面のニンジャ登場?!
紅龍さんのもの凄い体術で、なぎ倒されていく傭兵たち。ガンダムマイスターとはまた違った形でのプロフェッショナルといった面持ちですね。
残された傭兵は人質のマスードに銃を突きつけて形勢逆転を狙いますが、デュナメスのコックピットからスナイパーライフルで狙撃するロックオンの手に掛かり敢え無く全滅……
「まだ腕は、錆び付いていないようだな……」
ソレスタル・ビーイングに加わる前は、凄腕のスナイパーとして名を馳せていたのでしょう。
マスードを確保した刹那たちは、スメラギさんの指示でラストミッションに移行するようですが、1週ぶりに登場のティエリアはまたもご立腹(汗)
一歩間違えばエクシアを失う事にもなりかねないミッションのようですが、これが外伝『ガンダム00F』でも描かれていたスメラギさんからの無謀なプランという事でしょうね。
スメラギさんにご執心?のアレルヤはこの作戦に賛成との事で――
「世界に見せ付ける必要があるのさ……ソレスタル・ビーイングの想いを」
何て言っちゃっています。
このアレルヤの言うソレスタル・ビーイングの想いというのと、この後描かれる刹那の行動がどうにも分からなくて今回のレビュー記事が難航しました。
アレルヤやスメラギさんは、ソレスタル・ビーイングの理念を理解してはいても、やりきれない想いを抱えた人なのは今までの流れで分かるのですが、今回のラストミッションの主旨がどうにも今までの行動と矛盾しいるというか、一致していない気がして仕方がありません。
まぁ、分からないと言っていても仕方がないので、このまま進みます。
マリナの元にはソレスタル・ビーイングからマスード確保の一報が入ります。
ソレスタル・ビーイングの活動に賛同できないとしながらも、それ以上に信じたいと言うマリナの胸の内には、クルジス出身だと言った刹那の姿が浮かんでいるのでしょうか。
「刮目させてもらおう…ガンダム」
王宮にはグラハムたちガンダム調査隊の面々の他にも、マスコミや市民が押し寄せ、米国の大統領を始めとして、人革連、AEUの首脳陣、そしてセルゲイ&ソーマ、エイフマン教授、日本では未だにルイスママにくっ付かれている沙慈(笑)も含めた全世界の人間が事の成り行きに注目しています。
そんな中、非武装で王宮に降り立つエクシア。これが無謀なプランの正体だった訳ですね。成る程、ユニオン軍もいる中で非武装で現れるということは即鹵獲ということにもなりかねない無謀なプランと言えそうです。
誰もが驚く中、エクシアへの攻撃を禁じるマリナですが、集まった市民の一部からはエクシアに対しての銃撃も始まります。
一歩ずつ王宮に対して歩を進めるエクシア。警護するアンフからも銃撃を浴びせられます。
「今度こそ……ガンダムに」
エクシアの力強い前進に警護していたアンフも道を開け、ついに王宮のバルコニーへマスードを降ろす刹那。
「お気をつけて」
何だ刹那も敬語使えるじゃん……と思った矢先に、駆けつけたマリナにはやっぱりタメ口(汗)
「マリナ・イスマイール、これから次第だ。俺たちがまた来るかどうか。戦え、お前の信じる神のために」
「刹那……」
マリナに想いを告げ、上空へと飛び立つエクシア。
その様子を伺うグラハムたちは、全世界の目の前で非武装で現れ、アザディスタンの内紛を収める唯一の手段であるマスードを送り届けたエクシアには手が出せません。これが、スメラギさんの思惑通りのマスードを安全に届け、その場から離脱する一番確実な方法。
王留美にこれでこの問題が解決できるのか?と問うロックオン。
「できないでしょうね。でも、人は争いを止めるために歩み寄る事ができる……歩み寄る事が……」
マスード・ラフマディは、誘拐の首謀グループが傭兵部隊であり、この内紛が仕組まれたものであると公表。
黒幕はアザディスタンの近代化を阻止しようとする勢力であるという見方が強いが、犯行声明などは出されていない――
その後、マリナ・イスマイールとマスード・ラフマディは共同声明で内戦及びテロ活動の中止を国民に呼びかけた。
しかし……アザディスタンでの内紛は未だ続いている――
という事で、全世界の目の前でアザディスタンの内紛を武力によらず収めたソレスタル・ビーイングに対して、これから世界がどのように対処していくのかが今後の展開になるのでしょうか。
先程、矛盾を感じると書いたのは正にこの武力を使わずにといった点で、ソレルタル・ビーイングの活動理念は「武力による戦争の根絶」だった訳ですから、明らかに過去のミッションとの矛盾を感じます。
突発的な事故とアレルヤの命令無視で人命救助をした事はありましたが、全世界の目が見守る中でユニオンまでもが手を出せない状況になるほどの善行をしたソレスタル・ビーイング。
王留美が歩み寄る事ができると繰り返していましたが、それはソレスタル・ビーイングだけが世界の標的になることで達成するのだと思っていたので、この展開は少々驚きました。ソレスタル・ビーイングの活動が次の段階に進んだという事なのでしょうかね?
前回の予告での「刹那、ガンダムになる」というナレーションと、王宮に歩を進める刹那が今度こそガンダムに……と呟いていたのを見ると、刹那の中でも大きな意味を持つきっかけになりそうですね。
武器を振り回しても救えなかった命があった時にはガンダムになれないと思い、そして今回武器を使わずに紛争から国を救う事ができたという結果から、刹那の中で何かが生まれるかも知れない……なんて思ったりしました。
三つの国家群による合同軍事演習にしかけられた紛争
死地へと赴くマイスターの胸に去来するものとは――
次回『決意の朝』
それが、ガンダムであるなら
ん?次回コーラさん登場??
昨年はこの00レビューを多くの方にご覧頂いたようでありがとうございます。
少々遅くなってしまいましたが、本日から通常営業?でございます。
第13話といえば、全25話の場合丁度折り返し地点になりますが、新OPは次回からのようです。
アバンでは前回起こったクーデター沈静後のアザディスタンの様子です。
TVでマリナの政見放送をみる家族や、街中を蹂躙する鎮圧部隊の車両を見ながら改革派に恨みを募らせる保守派市民等、悲喜交交の様子です。
王宮では未だ発見されない保守派の指導者マスード・ラフマディについて、ユニオン軍と共同で捜索中との事ですが、ユニオンの目的はガンダムとの遭遇なので本気でマスードを捜索しているとは思えないですね。
表面上、協力しているだけなのでしょう。
国内の情勢は、太陽光発電の受信アンテナも破壊され、国連の技術者も撤退した模様。アレハンドロ・コーナーがもたらした太陽光発電という因子は内戦という結果を迎えた訳ですが、火が燻っている所へ油を注いでソレスタル・ビーイング介入のきっかけを作るというマッチポンプ的な目的だとしたら、コーナーの思惑はソレスタル・ビーイングの各メンバーのそれとは微妙に違っているのかも知れません。
コーナーの意思と動向については、もう少し見守らないと分からないですね。
アザディスタン王国で、宗教的指導者マスード・ラフマディ誘拐に端を発する内紛が勃発した。
その内紛が軍事クーデターにまで発展した段階で、ソレスタル・ビーイングはガンダムによる武力介入に踏み切る。
戦術予報士スメラギ・李・ノリエガが不在の状況で、刹那・F・セイエイとロックオン・ストラトスはアザディスタンの内紛を止める事ができるのであろうか――
王留美のピンク色の自家用機を今回のアジトにしているソレスタル・ビーイングの面々。
王留美はロックオンから第3勢力の可能性を示唆されています。会話の内容からガンダムエース2月号の168Pの出来事の少し前といった感じでしょうか。服装も一緒ですしね。余談ですが王留美の毎回の衣装も、キャラクター原案の高河ゆんさんが手掛けているそうです。
ロックオンの推測では自分たちとユニオン以外に内戦を誘発している勢力があり、その勢力はモビルスーツを有していて、マスード誘拐にも関わっているとの事ですが、流石ロックオン兄さん全て正解です。
但し、その目的までは分からない為に刹那を調査にいかせたらしいですが、刹那がこういった任務に全く向かない事までは予測の範疇外なのでしょうか(笑)
まぁこの時点で王留美がフェレシュテに確認すれば、ミサイルを発射した当人まで判明していた訳なのですが……
ミサイル発射視点で残留反応を発見する刹那。先客として同じくこの地点を調査していたグラハムとビリーのユニオン勢と遭遇します。
彼らは既にここにいたモビルスーツがPMC所属のイナクトである事を突き止めているようです。
「立ち聞きは良くないな」
「見つかった?!」
グラハム鋭すぎ……そして刹那の風貌と声色から直ぐに地元の子供と判断して気を許してしまうビリーは鈍すぎ。この辺がエースパイロットと技術者の差でしょうか。
刹那の声色の使い分けは、どうしてもデスノートの夜神月を思い出して……ゴホン、ゴホン
「少年!君はこの国の内紛をどう思う?」
刹那に興味を示したのか、グラハムが立ち去ろうとした刹那に声を掛けます。
刹那の答えは用意された凡庸なものでしょうが、その中のこの戦いでたくさんの人が死んでいったと言う件は、マリナと話したときにも語っていた事なので刹那の本心なのでしょう。
そして刹那が後ろ手に隠している銃の気配に気が付くグラハム。
「怖い顔だ…」
素早く安全装置を解除する刹那ですが、表情に殺気が点ったのを見抜かれています。にらみ合うこと数秒……
一色触発の状況で、グラハムは先日ここにいたモビルスーツがモラリアのPMCから奪われた(これはPMCの方便でしょうが)イナクトだと告げ立ち去ります。
戸惑うビリーに口が滑ったとしか言いようがないとはぐらかすグラハムですが、彼の真意はどうなんでしょう。
刹那にソレスタル・ビーイングの気配を感じ取りあえて情報を渡したのか、それとも本気で気まぐれからの行動なのか……?
自分が思うには多分前者で、彼の目的はあくまでガンダムに勝つことでソレスタル・ビーイングと思われる人間を捕らえる事にはあまり興味が無いのでしょう。
イナクトの情報を渡す事がすなわちガンダムとの再戦に繋がるとは思っていないでしょうが、彼のパイロットとしての直感から来る行動という事ではないでしょうか。
それにしても、少しランバ・ラルを思わせる余裕っぷりは、個人的にまたしてもグラハムさんの株が少し上がりました。
PMCのイナクトと聞いて、モラリアで対峙した濃紺の機体を思い浮かべる刹那。
そのイナクトに乗っていたのは、あのアリー・アル・サーシェスだと気付きます。
「奴が……あの男がこの内紛に関わっている……?!何故だ…何故……何故今になって……」
一方その頃、アザディスタン市内では爆弾テロが相次いでいるようです。
「モビルスーツじゃ対応が利かねぇ。対人制圧用のオートマトンを出すよう要請するしか……」
「無理無理、こっちはガンダム目当てで軍を派遣しているんだ。上層部が余分な戦力を回すわきゃねぇさ」
「世知辛いね、まったく」
グラハム配下のフラッグファイターにもユニオンの思惑は十分に伝わっているようです。
そしてテロの混乱に乗じて火事場強盗に走る輩に犠牲となる一般市民……
この辺りの描写は考えられるとはいえ、見ていてそれこそ世知辛いです。
己の無力さに肩を落すマリナの元にも、侍女に紛れた(あるいは以前から潜伏していた)保守派の刺客が向けられます。
SPの発砲により何とか難を逃れたマリナは同じ国民同士でこれほどまでに憎み合う状況を憂いていますが、ここに至ったのは積み重ねてきた歴史もあるでしょうが、マリナ自身の行いにも責任の一端はある訳ですから、嘆いてばかりでは国は治められません。
彼女がより強い指導者になるのは、この試練を乗り越えた先にあるのでしょうね。
「何だって?ポイントF3987…?!そこに何がある?」
「ないかもしれない。でも可能性はある!」
ロックオンの元に刹那からポイントを示す通信が入ります。今回の黒幕がアリーだと気が付いた刹那が、かつてのアジトになにかあるかもと思い至った訳ですね。
要人救出の役に立つと、紅龍を連れて行けと言う王留美さん。
今まであまり活躍の場がなかった紅龍さんの見せ場ですかね。
「GNシステム、リポーズ解除。プライオリティを刹那・F・セイエイへ。外壁部迷彩皮膜解凍。GN粒子散布状況のまま、ブローディングモードへ」
肉声にてエクシアを遠隔起動させる刹那。
何度聞いてもブローディングモードと聞こえるのですが、多分boarding-mode(搭乗・状態)でしょうかね。
つまり、停止状態を解除。GNシステムを起動し、優先権を刹那・F・セイエイへ、外部から見えないように覆っていた光学迷彩を解除して、GN粒子を散布したまま、自分が乗り込めるようにハッチを開けておけ……てな感じでしょうか。
こういういかにもメカ物風のセリフは大好きです。そして、声で操れるメカというのも大好きです(笑)
エクシアと同じように、自家用機の傍らに迷彩状態で待機させてあったデュナメスには、紅龍さんも乗り込み発進です。
「隊長。こちらに接近する機影があります」
「ユニオンの偵察かァ?」
「違います!あの白いモビルスーツが……」
アリーのイナクトのモニターには、夕日をバックに接近するエクシアの姿が――
「ガンダムか!?」
ついにエクシアも白いモビルスーツと呼ばれる日が……って、以前にも言われてましたっけ?!
こういう見た目の分かりやすい呼び名で呼称する感じが、いかにもガンダムっぽくて堪りません。
クルジスで戦っていた頃のアジトに生命反応を発見した刹那。
「あのイナクト!」
「あのガンダム…パイロットはやっぱクルジスの……?!だったら、この隠れ家が分かっても不思議じゃねぇな!!」
お互いの素性に確信を持ったところで、エクシア対イナクトの因縁の対決がスタート。アリー専用のイナクトカスタムに装備されたブレイドライフルと、エクシアのGNソードが切り結んだ所で初めてエクシアからの音声を聞くアリー。
「あんたの戦いは、終わってないのか!クルジスは……滅んだ!!」
「知ってるよォ!!」
「あんたは何故ここにいる!あんたの神はどこにいる!答えろ!!」
「そんな義理はねぇなぁ!」
今回の戦闘シーンも手抜きなしです。
技量の差からか、ブレイドライフルを破壊するも地面に叩きつけられるエクシア。
「勿体無いからその機体、オレによこせよ……えぇ!ガンダムぅ!!」
「誰がぁ!!」
刹那の気迫に呼応するように、GNドライブの高まる音がして腰に装備した状態のGNブレイドがせり上がり、イナクトの腕を切断します。
前から気になっているのですが、GNドライブはマイスターの感情の高ぶりに反応して出力を上げるような気がします。
単なる演出かも知れませんが、GNドライブとシンクロできる能力がガンダムマイスターとしても資質とかだったら面白いかもなんて思いました。
当面の目的として、マスードを逃がす時間を稼いだとしてその場を離脱するイナクト。
しかし、刹那の思惑通りに先回りしたデュナメスが逃走車両の針路を塞ぎます。
デュナメスからの威嚇射撃と、GN粒子の干渉で通信ができない傭兵たちの元に、なんと仮面のニンジャ登場?!
紅龍さんのもの凄い体術で、なぎ倒されていく傭兵たち。ガンダムマイスターとはまた違った形でのプロフェッショナルといった面持ちですね。
残された傭兵は人質のマスードに銃を突きつけて形勢逆転を狙いますが、デュナメスのコックピットからスナイパーライフルで狙撃するロックオンの手に掛かり敢え無く全滅……
「まだ腕は、錆び付いていないようだな……」
ソレスタル・ビーイングに加わる前は、凄腕のスナイパーとして名を馳せていたのでしょう。
マスードを確保した刹那たちは、スメラギさんの指示でラストミッションに移行するようですが、1週ぶりに登場のティエリアはまたもご立腹(汗)
一歩間違えばエクシアを失う事にもなりかねないミッションのようですが、これが外伝『ガンダム00F』でも描かれていたスメラギさんからの無謀なプランという事でしょうね。
スメラギさんにご執心?のアレルヤはこの作戦に賛成との事で――
「世界に見せ付ける必要があるのさ……ソレスタル・ビーイングの想いを」
何て言っちゃっています。
このアレルヤの言うソレスタル・ビーイングの想いというのと、この後描かれる刹那の行動がどうにも分からなくて今回のレビュー記事が難航しました。
アレルヤやスメラギさんは、ソレスタル・ビーイングの理念を理解してはいても、やりきれない想いを抱えた人なのは今までの流れで分かるのですが、今回のラストミッションの主旨がどうにも今までの行動と矛盾しいるというか、一致していない気がして仕方がありません。
まぁ、分からないと言っていても仕方がないので、このまま進みます。
マリナの元にはソレスタル・ビーイングからマスード確保の一報が入ります。
ソレスタル・ビーイングの活動に賛同できないとしながらも、それ以上に信じたいと言うマリナの胸の内には、クルジス出身だと言った刹那の姿が浮かんでいるのでしょうか。
「刮目させてもらおう…ガンダム」
王宮にはグラハムたちガンダム調査隊の面々の他にも、マスコミや市民が押し寄せ、米国の大統領を始めとして、人革連、AEUの首脳陣、そしてセルゲイ&ソーマ、エイフマン教授、日本では未だにルイスママにくっ付かれている沙慈(笑)も含めた全世界の人間が事の成り行きに注目しています。
そんな中、非武装で王宮に降り立つエクシア。これが無謀なプランの正体だった訳ですね。成る程、ユニオン軍もいる中で非武装で現れるということは即鹵獲ということにもなりかねない無謀なプランと言えそうです。
誰もが驚く中、エクシアへの攻撃を禁じるマリナですが、集まった市民の一部からはエクシアに対しての銃撃も始まります。
一歩ずつ王宮に対して歩を進めるエクシア。警護するアンフからも銃撃を浴びせられます。
「今度こそ……ガンダムに」
エクシアの力強い前進に警護していたアンフも道を開け、ついに王宮のバルコニーへマスードを降ろす刹那。
「お気をつけて」
何だ刹那も敬語使えるじゃん……と思った矢先に、駆けつけたマリナにはやっぱりタメ口(汗)
「マリナ・イスマイール、これから次第だ。俺たちがまた来るかどうか。戦え、お前の信じる神のために」
「刹那……」
マリナに想いを告げ、上空へと飛び立つエクシア。
その様子を伺うグラハムたちは、全世界の目の前で非武装で現れ、アザディスタンの内紛を収める唯一の手段であるマスードを送り届けたエクシアには手が出せません。これが、スメラギさんの思惑通りのマスードを安全に届け、その場から離脱する一番確実な方法。
王留美にこれでこの問題が解決できるのか?と問うロックオン。
「できないでしょうね。でも、人は争いを止めるために歩み寄る事ができる……歩み寄る事が……」
マスード・ラフマディは、誘拐の首謀グループが傭兵部隊であり、この内紛が仕組まれたものであると公表。
黒幕はアザディスタンの近代化を阻止しようとする勢力であるという見方が強いが、犯行声明などは出されていない――
その後、マリナ・イスマイールとマスード・ラフマディは共同声明で内戦及びテロ活動の中止を国民に呼びかけた。
しかし……アザディスタンでの内紛は未だ続いている――
という事で、全世界の目の前でアザディスタンの内紛を武力によらず収めたソレスタル・ビーイングに対して、これから世界がどのように対処していくのかが今後の展開になるのでしょうか。
先程、矛盾を感じると書いたのは正にこの武力を使わずにといった点で、ソレルタル・ビーイングの活動理念は「武力による戦争の根絶」だった訳ですから、明らかに過去のミッションとの矛盾を感じます。
突発的な事故とアレルヤの命令無視で人命救助をした事はありましたが、全世界の目が見守る中でユニオンまでもが手を出せない状況になるほどの善行をしたソレスタル・ビーイング。
王留美が歩み寄る事ができると繰り返していましたが、それはソレスタル・ビーイングだけが世界の標的になることで達成するのだと思っていたので、この展開は少々驚きました。ソレスタル・ビーイングの活動が次の段階に進んだという事なのでしょうかね?
前回の予告での「刹那、ガンダムになる」というナレーションと、王宮に歩を進める刹那が今度こそガンダムに……と呟いていたのを見ると、刹那の中でも大きな意味を持つきっかけになりそうですね。
武器を振り回しても救えなかった命があった時にはガンダムになれないと思い、そして今回武器を使わずに紛争から国を救う事ができたという結果から、刹那の中で何かが生まれるかも知れない……なんて思ったりしました。
三つの国家群による合同軍事演習にしかけられた紛争
死地へと赴くマイスターの胸に去来するものとは――
次回『決意の朝』
それが、ガンダムであるなら
ん?次回コーラさん登場??