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白い彗星の艦長室のひとり言

ガンプラをはじめとして、各種トイ、話題のアニメについて盛り上がりましょう。

機動戦士ガンダム00 ♯17 スローネ強襲 その1

2008-02-02 22:53:26 | 機動戦士ガンダムOO
OPアバンでは、80年前にさかのぼり廃棄された宇宙ステーションに侵入する2人の男。
機密保持の為に一切のデータは消去されているようですが、居住区へ通じる通路で発見したのは、前回ネーナが持っていたのと同じ(と想われる)紫ハロ。

「ペットロボット?」
「いや、こいつは情報端末だ“アーディ”お宝を見つけた。一度帰頭する、データ解析の準備を頼む」
「了解」

顔も出ていませんが、わざわざ“アーディ”と呼ばれているのはア○○○ド○さんですかね?
場所は80年前の木星。アレハンドロ(あ、言っちゃった)の容姿から普通ではありえませんが、相対性理論では、光の速さで移動する場合及び弱い重力場にいる場合は時間の経過が遅くなる“ウラシマ効果”が発生するとされているので、あながち無い線ではないでしょう。

とすると、アレハンドロは木星で紫ハロを拾い、そこから擬似GNドライブを創る情報を得たと。
その後、独自のコネクションでT(タウ)と呼ばれるGNドライブ及びそれを搭載するガンダムスローネを造り、トリニティを結成してヴェーダに売り込んだという線も濃くなってきました。

アレハンドロが見た目通りの年齢でないという事であれば、監視者の中で特別なポジションにいても不思議ではないし、ガンダムスローネが実はかなり以前から存在していたのならば、カタギリの言っていた物資や人の動きでその存在が知れれる事もなかったのでしょう。


ヴェーダには感情など無いので、計画遂行に有利になると判断すればセカンドチームとしてトリニティの存在を容認し、それによって今までセカンドチームを務めてきたフェレシュテの解散及び5つ目のGNドライブを含めたO(オー)ガンダムの回収を決定した。

これで外伝『ガンダム00F』の展開及びヴェーダのプランにないガンダムの存在を裏付ける事はできそうです。

そのヴェーダとの取引が行われたのは、軍事演習の途中で席を立ったアレハンドロが、この状況を打開するプランとして提示、ヴェーダがそれを承認という流れですかね。
だとすれば、ヴェーダの端末にアクセスできるティエリアがトリニティの存在を知らなかった理由にもなりそうです。

尚、この解釈は、ティエリアがフェレシュテの存在を知っていたかどうかで微妙に変わります。
フェレシュテの管理者であるシャル・アクスティカは「トレミーのメンバーがフェレシュテの存在を知らないように―」と言っていましたが、王留美でさえ知っているフェレシュテの存在をティエリアも本当に知らなかったのであれば、所詮彼も制限付きのアクセス権しか持っていないという事で決着ですが、ヴェーダの全てにアクセスできる権限を有しながら、トリニティの存在を知らなかったのであれば、彼が戦闘中であったあのタイミングで取引が行われたという線が濃厚でしょう。

ヴェーダには、ガンダム鹵獲の状況を打開する手段として容認させ、自らの思い通りに動かないトレミークルーに代わる新たな手駒としてトリニティを表舞台に登場させたアレハンドロの真の目的は……
というのが、物語の争点になりそうな気がします。



OP後
前回のラストシーンの裏側、トレミー側の描写ですね。
このランデブーポイントは、ティエリア曰く去り際に転送してきたとの事。

カメラで捉えたトリニティの母艦には、中央部に砲口らしきでディテールが確認できます。センサーでスキャンした結果、内包しているGNドライブは4つ。1つはやはり母艦に固定で、中央の砲口はGNドライブ直結の武器ですね。
特定の武装を持たない(と思われる)トレミーよりは好戦的な仕様です。

トレミーは最悪放棄しても問題ないですが、GNドライブを積んでいるこいつはそうないなかいという事ですかね。擬似であろうが、同等の能力を発揮するものを他陣営に渡す事だけは避けなければならないでしょう。


ミハエルとネーナを掌に乗せて接近するスローネアインは、肩のキャノンが外されているようです。これは敵意は無いよという演出ですかね。
それを確認してスメラギさんは刹那の待機を解除。船内での口戦に突入です。


「ねぇ!エクシアのパイロットって誰?貴方??」
「いいや、違う……」
ネーナに問い掛けられたティエリア、エクシアのパイロットと言われていかにも嫌そうな顔(笑)

名乗り出た刹那に近寄ったネーナは……
いきなりチュウかましました!
狼狽する刹那、ネーナを突き飛ばし「俺に触れるな!!」は、セルゲイのティエレンに顔面クローされた時と同じセリフ(笑)

これを機に和やかムードは一転、シスコンぎみの次兄ミハエルが超振動ナイフを取り出します。
「ヤッチマエ!ヤッチマエ!」
悪ハロも同調、しかしこのミハエル兄、相当イっちゃってる感じです。

「ニイサン!ニイサン!」
そこへ飛び出してきたオレンジハロ。
悪ハロ→オレンジハロ→たくさんの弟たちという系図でしょうか?!
しかしながら、悪ハロは認知せず体当たりかましてます(汗)
このハロ劇場だけで今週は満足っす…


ハロの活躍?でとりあえず場が和んだ隙に、場所を変えて話すことになった一行。
おどけた表情を見せるスメラギさんですが、振り返った時の目は笑っていません。
いきなりナイフ取り出す連中にそうそう気を許す訳にはいかないですよね。
まぁ、チュウもですが(笑)

「初めて意見があったな。口にしなくても分かる」
ここでティエリアと刹那が初めて?意気投合。


場所をブリーフィングルームに移して第2ラウンドの開始。
何故ガンダムを所有しているのか?
ヴェーダのデータバンクにあの機体が無いのは何故か?
GNドライブをどこで調達したか?
という問いには全て守秘義務を主張して答えず、ミハエルの挑発でティエリアは退席。その疑問をヴェーダに確かめに行くのでしょう。

時系列が曖昧ですが、前回の戦闘からこの会談までは実に短い期間で行われているのは後で出てくるグラハムたちがまだ洋上にいるので伺えるのですが、ガンダム4機をどのようにして短期間で宇宙へ上げたのかは不明(汗)


一方でつまんないから船の中を探検する(笑)というネーナに、あっさりと許可というかなし崩し的な了承をしてしまうスメラギさんには、また“甘すぎる!”という批判が集中するのでしょうが、何かわざとこういう描き方をしてるように思えます。
彼女は軍人でも司令官でもありませんし、予報士という肩書きから悪く言えば“机上の空論”には長けていても、戦略やその場の状況判断は甘いという設定なのでしょう。

「ワタシを怒らせたらダメよ」
誘ってもシカトしていた刹那に見せた一瞬の狂気の表情。ネーナもまたミハエル同様の危うさを感じます。
物語中ではまだ明確にされていませんが、彼らが造られた存在であるという布石でしょうか。

「兎に角、これだけは教えてくれない?貴方たちはあのガンダムで何をするのか」
「勿論“戦争根絶”です。貴方たちがそうであるように、私たちもまたガンダムマイスターなのです」
うわっ!出たヨハン兄の黒い顔……

「つまり、俺たちと組むってのか?」
「バァーカ、そんな事すっか!アンタ等がヤワい介入しかしねぇから、オレ等にお鉢が回ってきたんじゃねーか」

「どういう意味かな」
「言った通りの意味だ。当てになんないのよ、あぁ?不完全な改造人間クン」

言動はともかく、彼等とその後ろにいる者の意図が少し透けて見えます。
つまり、彼等に指示をしている者は現状に不満を持っている事。
そして不満を口にしているのは監視者連中とその中の一人であるアレハンドロだけ。

キュリオスの救出行動等のイレギュラーはあったにせよ、基本的に彼等(トレミー組)はヴェーダの推奨するプランに従って行動していて、それをヤワいと感じるのは目的と主観を持った人間が感じる事に思えます。

「申し訳ない。弟の無礼を謝罪します。しかし、私たちに命令を下した“存在”は、貴方たちの武力介入のやり方に疑問を感じているのではないでしょうか」

このヨハンの言葉からも、“ヴェーダは”ではなく“私たちに命令を下した存在は”とわざわざ言わせているように感じます。

ヴェーダはあくまで目的達成のための効率でしか是非を判断する基準を持たず、そのヴェーダにトレミー組よりトリニティに任せておいた方が計画進行がはかどると思わせ、少しずつ自分たちの思い描く目的にすり替えていく……彼等の後ろにいるであろう人物からはそのような意図を感じます。

「私たちは独自の判断で武力介入を行っていきます」
「貴方たちは、イオリア・シュヘンベルグの計画に必要な存在なのかしら」
「どうでしょう?それは私たちのこれからの行動によって示されるものだと思います」

柔らかい物腰ながら、自分たちは好きにするよという宣言がヨハンから行われ、イオリアの名を出された際にも、イオリアに対する畏敬の念というよりは、結果としてイオリアの掲げた“武力による戦争根絶”を自分たちの思う形でやってみせるよというニュアンスに感じました。

一見すると同じ目的を持った両者のスタンスの違いが、今後どのような形で衝突していくのか興味は尽きません。


ティエリアはブリーフィングルームを抜け出し、ヴェーダのターミナル(端末)ユニットに向かいますが、そこで彼は信じられない光景に出会います。
恐らく彼にしか開けられない筈の扉が開いていて、その中にはネーナの姿が。

これは困った…ティエリアも困ったであろうが、自分も困った(笑)
これまで書いてきた自分の予測通り、トリニティがヴェーダと無関係のところで存在していたとすると、何故彼女がヴェーダにアクセスする“目”を持っているのが説明付かない……そういえば、ネーナの瞳は通常から金色だった。

その能力も擬似GNドライブ同様に悪ハロによってもたらされた技術とすれば説明付かなくもないですが、これは要検討課題ですね。

「君は…君たちは何者だ?!」
「ウフフ……ナ~イショ♪」



重くなってきたので、続きはその2で。
毎度このパターンで申し訳ないです(汗)

GNアームズ(仮)

2008-01-30 20:08:37 | 機動戦士ガンダムOO
ガンダム00第15話『折れた翼』の中で、砲撃手ラッセくんの口から初めて語られた『GNアームズ』という存在。

言葉のイメージから何やら秘密兵器的な匂いを感じていて、その後発売された各模型誌にその線画と早くもHGの試作品が掲載されていたのはご存知の通りだと思います。

その印象は、ガンダムSEEDに登場したミーティアのような性能強化追加ユニットといった雰囲気で、この手の装備(オーキスとか)が好きな自分は画面に登場するのが待ち遠しいのですが、ハンダイボヒーセンターさんのブログ『司令官の宇宙日記』さんの方で塗装済の試作品が公開されていましたので紹介します。

パッと見て読み取れる装備は、2門の大型ビーム砲に多分ビーム砲も兼ねた大型のビームサーベルを両手で操作するといった感じでしょうか。
後ろから見ると大型のGNバーニアらしき物も確認でき、シルエットも可変モビルスーツ(アーマー)のようで素敵です。

そして、某所で噂になっているのがこのGNアームズの収納状態がプトレマイオスに4つ装備されているコンテナの後部に似ているという事。
そう言われてみると、試作品で確認できるカラーリングもプトレマイオスのカラーにそっくりです。

デザイナーが同じ海老原氏なので、たまたまそのディテールが似ているだけなのか、それとも……


もしそうだとすれば、以前のレビューで書いた“どのように運用(収納)するのか”“何機存在するのか”“エクシア以外にも装備できるのか”といった謎が解明される気がします。

積んでるならもっと早く使えよというツッコミも聞こえてきそうですが、大人の理由は置いておいて(笑)ストーリー的には、デュナメスの高高度射撃やキュリオスのクロー、そしてナドレと同様にまだその存在を明らかにする段階ではないという判断といったところでしょうか。
そのデザイン上、大気圏内で使える物かどうかもまだ分からないですしね。


ストーリー終盤で戦場が宇宙にと移り、4機のガンダムがこのGNアームズを装備して発進するシーン(仮)を想像するとヨダレが出てきそうです(笑)


最後にこの試作品が紹介されているハンダイホビーさんのブログはこちら
色々な情報が紹介されていて面白いですよ。

機動戦士ガンダム00 ♯16 トリニティ その2

2008-01-27 20:33:54 | 機動戦士ガンダムOO
※この記事は、機動戦士ガンダム00 ♯16トリニティの後半レビュー記事です。前半はその1をご覧下さい。


CM明け

ニュースで合同演習部隊にソレスタルビーイングが介入した事を知り(真実とは違いますが)夜更かしした沙慈君。
ルイスはそんな事よりテストの方が大事と言っていますが、この歳の女の子の世界情勢に対する感心なんてこんなもんでしょう。
もっと言えば、世界のどこかで起こっている戦争・紛争を対岸の火事だと思っている自分を含めた日本人の大半はこんなもんでしょう。
そんな彼らが今後どのように世界と関わっていくようになるのかが、今後の見所の一つになるのでしょう。


「監視者、アレハンドロ・コーナー」

予告編で登場した建物には、やはり他の監視者が一堂に会しているようです。
それぞれ異なるオブジェに赤く光る光点があるのみで、実際には別の場所にいるのでしょうか(オブジェの種類が国籍を表していたりしたら面白いですが)。

彼らもまたソレスタルビーイングにセカンドチームが存在したこと及びスローネの存在を知らないようで、くどいようですが監視者の知り得るヴェーダの情報にもそれらの情報はないという事のようです。

「全監視者にその是非について提言したい。新たに実働した3機のガンダムを了承するか否か」

アレハンドロの提言を性急過ぎるとして、過去のソレスタルビーイングの活動内容についての考察が始まります。
ここからは総集編というか、過去のフィルムを使った回想シーンなのですが、一つ押さえておかなければならないのは、ここで語られるのはオフィシャルな内容というよりは発言者個人の見解であろうという事。
各発言者がどの位の状況認識の上での発言か見極める必要がありそうです。
そして、アレハンドロの意図的なミスリードの可能性も十分に考えられます。


■ケース1 AEUの新型モビルスーツ・イナクト発表会場への武力介入
派遣されたエクシアはイナクトを圧倒。その戦闘能力を披露しつつ、敵最新鋭機の存在を牽制。
また、AEUが条約に規定されている以上の軍事力を軌道エレベーターに駐留している事を世界に示した。

同時刻、人革連の軌道エレベーター「天柱」へのテロ活動を未然に防ぐ。
このミッションの主旨は紛争に介入するのではなく、テロを未然に防止する事で世界への理解を求めたと思われる。
※あくまで監視者たちの見解です。


■ケース2 旧スリランカ・セイロン島での民族紛争への武力介入
ガンダム4機による複数の戦場への同時介入によりミッションを完遂。
これ以降、ガンダムはチーム編成を変えつつヴェーダの推奨するプラン通りに、様々なミッションを続けていく事になる。


ここで舞台はトリニティの母艦へと移り、以降、監視者とトリニティ両方の視点から過去の物語を振り返ります。
とりあえず、トリニティ次兄ミハエルはあまり深い考え無しっと。


■ケース3 アレルヤ・ハプティズムの独断行動による人命救助
突発的なミッションによりデュナメスの持つ高高度砲撃能力が漏洩し、後日ヴェーダによる計画プランの修正が行われる。


■ケース4 モラリア共和国での大規模軍事演習への介入
ここではエクシアのパイロットである刹那・F・セイエイが敵に姿を晒すという愚行を行うもミッションは完遂。

この件についての刹那・F・セイエイからの事情説明は行われず、後日、刹那・F・セイエイのについて除名が推奨されるも意見の一致を見ず不問となる。


■ケース5 ソレスタルビーイングの活動中止を勧告する国際テロネットワークによる無差別報復
世界各国の諜報機関の協力もあり、本件は速やかに処理される。
賛否はともかく、世論はソレスタルビーイングの存在を現実の物として受けとるようになったのは間違いないと思われる。


■ケース6 人革連特務機関“頂武”によるガンダム鹵獲作戦
超人機関の元被研体であるアレルヤ・ハプティズムは脳量子波の影響を受け、キュリオスを鹵獲寸前まで追い込まれる。
また、ヴァーチェも鹵獲を逃れるため、最重要システムであるナドレを存在を敵に知られ、キュリオスもまた、時期早に装備する特殊兵器を露見してしまう。

本件において戦術予報士スメラギ・李・ノリエガの能力を疑問視する声もあったが、刹那・F・セイエイのケースと同様に意見の一致を見ず不問とされる。
アレルヤ・ハプティズムについては、超人機関技術研究所の所在及びその破壊を提案したために不問となる。但し、脳量子波の影響を受け続ける彼にガンダムマイスターを続けさせるか否かを議論する余地あり。


■ケース7 アザディスタン王国での内紛に対し、マスード・ラフマディ氏の救出及び非武装のエクシアによる護送
非武装にする事で世論を味方に付け、エクシアは無事脱出に成功するもアザディスタンでの内紛が収まった訳ではない。

※ここでミハエルが言っていた「昔、流行った無抵抗主義」というのは、ガンジーの事でしょうか?!どんだけ昔やねん…


■ケース8 タクマカラン砂漠核廃棄物埋設施設へのテロ行為の阻止
テロリストは速やかに排除するも、予期していた3国合同軍事演習部隊の攻撃により、セカンドチームが現れなければガンダムが鹵獲された可能性が高かったと思われる。

現在稼動している5機以外のセカンドチームが所有している太陽炉の詳細は不明。
その件については追ってヴェーダから確定情報が提示される予定。


とまぁ、補足も含めて振り返られた内容を報告書風にまとめてみました。

セルゲイ声の監視者が言っていた稼動している5機の太陽炉とは、トレミー所属の4機と外伝に登場するフェレシュテが所有する1機(Oガンダム及び第2世代ガンダムの改良型で共有)の事ですね。
外伝を見ていない人には???な発言だったのではないでしょうか。

そして、公式HPによると、スローネに搭載された太陽炉はT(タウ)と呼ばれるタイプで、キャラクター情報のページには擬似GNドライブとあります。
擬似という言葉から想像されるのは、誰かが太陽炉のデータからそれに準ずる物を作り上げたという事。


そして、監視者の印象は誰もが感じている通りロゴスとか、ゼーレとか、グランドロッジの猫とか、エウロペアの十賢者といった世界を影から動かす老人の集団といたイメージでしたが、一つ異なるのは彼らは世界の動向には興味が無く、持つのは総意によるソレスタルビーイングへの否決権だけという事。

彼らが何を目的に監視者をしているのかは分かりませんが、大きな疑問として何故彼らに拒否権を行使できる“力”があるのかという事です。
力、権力、強制力とは相手より立場が上回っていないとその効果を発揮しません。
ソレスタルビーイングは、国家相手にケンカしている訳ですから大国のお偉いさんが何人名を連ねたところで、ソレスタルビーイングに対して拒否権は持ち得ないでしょうし、それはアレハンドロの表の顔でもある国連もしかりです。

では、活動資金を提供しているスポンサーか?それはむしろ王留美の存在がそれにあたると思います。
肩書きはエージェントとなっていますが、彼女に対するトレミーのメンバーの対応は所謂スポンサーへの対応に近いと思います。もちろん、エージェントを取りまとめる仕事はやっているようですが。

そもそも、プトレマイオスのクルーが監視者の存在を知っているかどうかも疑問です。王留美はアレハンドロと面識があり、その対応からアレハンドロの監視者としての正体を知っていると思われますが、刹那たちが見も知らぬ監視者なる者から、貴方は満場一致でクビですと言われたところで、ハイそうですかとはならないですよね。

もしも、そのような権限を発動できる者がいるとするならば、現状では彼らを選んだヴェーダしか考えられません。
自分たちを選んだヴェーダの決定ならば、たとえクビと言われようと従わざるを得ないでしょう。彼らにとってヴェーダは絶対です。

という事は、彼ら(監視者)が持つ拒否権というのは、全員の意見が一致した時のみにヴェーダを通して拒否権を持つと考えると妥当な気がします。
まったくの推測でしかないのですが、イオリア・シュヘンベルグが自らの計画の遂行を死ぬ事の無いコンピュータであるヴェーダに託した際に、そのヴェーダを律するタガとして監視者なる存在を置いたのではないかと思います。

何であれ完璧な物は存在しないので、いざという時にヴェーダに意見ができるモノ、彼ら全員の意見の一意のみに発動できる権限を残し、彼らは代々その役目を負っていると。

その中で、どうも胡散臭いのがアレハンドロ・コーナーさん。
「意見が出揃ったところで、改めて監視者に問いたい。新たに登場した3機のガンダムの存在を、了承するか否か?」

現時時点において否定する材料の無い監視者は揃って了承の意を示し、黒い笑みを浮かべるアレハンドロ……
現時点でトリニティの存在を事前に認識していたであろう人物は彼だけに思えます。
彼が、ティエリアを始めとするトレミーのメンバーや監視者たちの知りえないヴェーダの情報を得る立場にあるのか、それとも“擬似”GNドライブを作り上げ、ヴェーダにそのトリニティの存在を“容認”させたのが彼なのか、ますますこの人からは目が離せません。


プトレマイオスとのランデブーポイントに向かうトリニティの母艦。
この母艦にもスローネ“同様”のGNドライブが“搭載”されていて直結の強力なビーム砲を持つと公式HPに書かれているので、T(タウ)タイプのGNドライブは現時点で4機が存在しそうです。
武装を持たないトレミーより母艦として強力と言えますが、万一、スローネ全機が不在の場合に“擬似”とはいえ強力なGNドライブを鹵獲される可能性はありますね。


彼らのセリフを聞いていると、ソレスタルビーイングの理念というよりはどうも戦闘自体を楽しむ戦闘狂のイメージを強く感じます。
外伝を見る限りはヴェーダの指示で行動しているようですが、彼らがヴェーダによて選ばれた者なのか、別の誰かにより集められ後でヴェーダに承認された者なのかは今後明らかになっていくでしょう。
ヴェーダの指示に従いながらも、それぞれの人間性を色濃く残すトレミーチームとの対比が楽しみです。


最後に少しトリニティの声優さんについて、小西さん、浪川さん、そして釘さまと三人それぞれキャラのイメージととてもマッチしていると思いました。
三人ともガンダムには初搭乗ですね。
浪川さんは子供の頃にはジオン兵と友達に、そして大きくなってから(笑)は、劇場版で支援戦闘機には乗っていましたが。


CMにて、動くバンダイの岸山さんを見る…


武力介入を開始したトリニティの猛攻に、世界は震撼し翻弄され続けるしかないのか――
次回『スローネ強襲』
理念に隠された野望が鎌首を擡げる


次回はどうやらトリニティとオーバーフラッグスとの戦闘が描かれるようです。
理念に隠された野望とは、ヴェーダの事なのか、それともコーナーの事なのか…

機動戦士ガンダム00 ♯16 トリニティ その1

2008-01-27 01:17:40 | 機動戦士ガンダムOO
前回の『折れた翼』は週間少年マンガのような気になる引きだったので、今週の放送を心待ちにしていました。
結果的には総集編と言えなくも無い回だったのですが、見せ方がうまいせいか過去の回を振り返る事のできる良いお話だったと思います。


アバンは前回のラストシーンであるエクシアとアグリッサの戦闘シーン。
刹那の絶体絶命のピンチにネーナの駆るガンダムスローネ・ドライが現れアグリッサを撃墜という所までは前回と同じでしたが――

「生きてる?」
コックピットに座るネーナの姿と共にセリフが追加されていました。


背部ユニットにあるスリットから毒々しい赤い粒子光を発するスローネ・ドライ。
「大丈夫してる?!エクシアのパイロット君」
「お、お前は…?!」
「ネーナ・トリニティ。君と同じ、ガンダムマイスターね!」

自らを救ってくれたのが幼い少女だったのが意外だったのか、自分たちの知らないガンダムが存在していたからか、驚きを隠しえない様子の刹那。

「ガンダム・スローネ3号機、スローネ・ドライ」
「さ…3号機?!」
「1号機と2号機はね、にぃにぃズが乗ってるよ♪今頃きっと……」

にぃにぃズ!
最早どのように文字起こししたらいいのか分かりませんが、とにかくスローネは3機あって、パイロットは兄弟という事の説明ですね。
釘さま、正にハマリ役……


ネーナの今頃きっと…という予告通りに、鹵獲されたガンダムの元へ他のスローネが駆けつけます。

まずはAEUの電磁シールド?に鹵獲されたヴァーチェ。
前回のレビューで、人革の失敗を教訓にした実に見事な鹵獲方法と書きましたが、更に驚くことに原理はよく分かりませんが、非物質のフィールドに閉じ込めたまま空中で牽引しています!
GNフィールドも真っ青なこの超技術…ヴァーチェの質量はどこに??
な~んて事は言っこなしにしても、新型機にディフェンスロッドなんていう古典的な防御装置を付けている国の技術には思えません(汗)

ナドレへ分離する為のスペースを与えないという部分では素晴らしい演出だと思いますが、それだけヴァーチェを鹵獲するのは難しいという事でしょうね。半端な方法ではナドレになってしまいますし、自らハードル上げちゃった感じです。


それはともかく、既に戦う理由がマネキン大佐への点数稼ぎになってしまっているコーラさん、いきなり遠距離からのビームの直撃を食らいます。

「目標ヘリオン部隊、大破確認。引き続きミッション続行する」
肩に装備された巨大なGNランチャーにてヘリオンを次々と堕とし去っていくスローネ・アイン。
ティエリアの様子からは相当の疲弊が感じられます。


一方、ワイヤーです巻きにされ引きずられているキュリオス。どんな仕打ち…とも思いますが、この方がらしいと思います。
キュリオスのパイロットに興味と疑問を抱いているソーマ。自分と同類でありながら、同胞を皆殺しにした存在……これからも、この2人の因縁は描かれていくのでしょうね。

「何?!このプレッシャーは!!」
上空から接近するスローネをいち早く察知したソーマ。これが超兵の成せる業なのか、上空から飛来する敵も同類だからなのか?

突如仕掛けられた誘導兵器により、次々と堕とされていくティエレン。
流石にソーマは誘導兵器の軌道を目で追えるようで、寸でのところで攻撃をかわしています。

「あの機体は?」
「ガンダムスローネ2号機、スローネ・ツヴァイ。ミハエル・トリニティ、エクスターミネート!行けファング!!」
口上も高らかに誘導兵器GNファングで仕掛けるツヴァイ。
ちなみに、エクスターミネートは、皆殺しとか根絶やしとかの意味で、見た目通りの性格のようです。

セルゲイのティエレンもバックパック?(あそこには何が入っているんだろう…)に被弾して擱座。ソーマも致命傷は避けますが、あちこち被弾していて、更にミハエルにはまだ余裕がありそうなので、このGNファングは超兵に対しても有効なようです。

このGNファングが一般兵にも操作が可能なのかとか、そうでなければ彼(彼ら)はどのような存在なのかとか興味は尽きません。
噂では遺伝子操作とか強化人間とか聞こえてきますが、ではどこで生み出された存在なのかという疑問も残ります。
ソーマとの干渉が起こっていない所を見ると、まったく別のタイプというのが有力でしょうか?!


場面変わって、ユニオン勢。ここでも赤いビームに貫かれて1機のオーバーフラッグが撃墜されます。
耐ビーム装甲を貫く威力というのが、ここでの意図でしょうか。

「ランディがヤられた!追撃来るぞ!!」
アラスカのジョシュアに続いて、早くもジョージアのランディも帰らぬ人に…
ジョシュアはエイフマン教授を差し置いて公式HPにアップされているので、密かに生存しているかも……いや、ファーストネームも設定されていないから無いか(汗)

更に1機のオーバーフラッグが撃墜されて散開するグラハムたち。
「まさか他にも機体があったとは…聞いてないぞ!ガンダム!!」
ソレスタルビーイング!!って言わない所がいかにもグラハムらしいです。

「誰だ…?この機体は?!ハロ、知ってるか??」
「データナシ!データナシ!」
ハロが知りえる範囲でのヴェーダの情報にはスローネの存在はないようです。

「どうやら、間に合ったようだな」
「あ、あんたは?」
「スローネ・アインのガンダムマイスター、ヨハン・トリニティ」
三兄弟の仲では一番理知的な感じのするヨハン。ロックオンに他のガンダムも兄弟によって救出されたことを告げます。
スローネのコクピットは、従来のガンダムと違い球体のようです。

「ヨハン兄、こっちのミッションはクリアしたわ」
「そうか…ネーナ、GN粒子最大領域で散布。現空域より離脱する」
「了解ね♪行くよハロ!」
公式によると、この笑顔でVサインというのが、ネーナのクセらしい……
「シャーネェナ!シャーネェナ!」
紫ハロ、口ワル!そして目つきワル!!

「GN粒子最大散布!いっけぇーーーー♪」
何故かネーナのセリフには♪とか付けたくなる(汗)
「ステルスフィールド!!」
機体各部を解放してフェニックスのようにGN粒子を散布する姿は、その掛け声やポーズも相まって、魔法少女の変身シーンのようです…

「この光は……」
「GN粒子?!」
空を追い尽くす赤い光に誰もが驚愕の声を上げます。映像的にも、もうどんだけ~(ふ、古い!?)な感じで、まるでセカンドインパクト(笑)
いくら通信が遮断されてもここにガンダムがいるぞ!という狼煙にも見えます。
まぁ、恐ろしく広範囲なのでいくらでも逃げようはありそうですが。

「通信遮断領域の拡大だと?そんな事ができるなら、何故今までやらなかった!どういうつもりだソレスタルビーイング!!」
ガンダム!とは言わないセルゲイさん。この辺りでグラハムとセルゲイさんとのスタンスの違いが伺えます。
そして、そのセルゲイさんの疑問はごもっとも。但し、やりたくてもやれなかったというのは、外野からは分からない事ですよね。
当の本人たちが一番驚いているのですから…


「本部聞こえるか?こちらパトリック!応答してくれ!!」
け、携帯?!
イナクトがあんな状態なので、非常用の携帯端末なのでしょうが(そう思いたい)、SEEDに出てきたパキって折ると非常用の信号が発信される認識証の方がらしいですね。
それにしても、コーラさんいい味出してますね♪
「大佐ーーーーーーーー!」
今までのガンダムで幾度と無く聞いたこの大佐というセリフが、これほど面白いセリフに聞こえたのは初めてです。


王留美邸では、ハロからの暗号通信でガンダム4機が健在だったのを喜ぶクルーたち。

スメラギさん一人、素直に喜べない様子。
それもその筈で、この時間になっても脱出できていないということは、何かが起こらない限り作戦の失敗、即ちガンダムマイスターの死亡か鹵獲かが確定的だったからでしょう。
キュリオス+デュナメスによる一撃離脱、それが失敗した時のエクシア+ヴァーチェによる脱出路の確保。それ位しか800:4の戦力差の中、テロリストを排除して速やかに脱出する手はなかった訳です。
戦闘の長時間化は作戦の失敗を意味していたと。

戦術予報士としての能力を疑問視する声もあるでしょうが、優秀な予報士ならば間違いなく作戦を行わない事こそが最良の策で、スメラギさんも当然そのように思っていた筈です。彼女はビリーを通してユニオンの思惑まで知っていましたからね。

それでも、テロが行われる事を察知した以上、無茶でも無理でもガンダムマイスターの命がどうなろうと介入を行わなければならないのがソレスタルビーイング。
その中で、唯一成功が見込まれるのが前記の手段だったのでしょう。

彼女の思惑外の所で、トリニティを動かしたのは誰か―?
これが今後の争点になりそうです。


3大国家群の首脳たちも、予想外の顛末に頭を抱えている様子。4機ですら手に負えなかった物が7機に増えたのですから、さぞかし頭の痛い事でしょう。

洋上を飛ぶエクシアの操縦桿が自動で動いていますね。航路設定すれば飛ぶ位はオートパイロットが利くようです。

「ヴェーダの計画プランに、あんな機体は存在しない。っく、なんなんだ、あの…ガンダムは」
ティエリアの知り得るヴェーダの情報にも、スローネの存在はないようです。
ヴェーダの端末にアクセスする能力を持っていると思われるティエリアですが、彼もまたヴェーダの全てを知る者ではないという事でしょうか。
少なくともヴェーダ=ティエリアという事ではなさそうです。

というのも、外伝『ガンダム00F』を見る限り、トリニティもまたヴェーダの指示を至上のものとして行動していると思われるので、それを知りえないティエリアはヴェーダの全てを知る者ではないという事でしょうね。
但し、外伝の中では“容認”しているという言い回しをしているので、ハナから計画の中に組み込まれていたモノではない可能性も考えられますが…
これは、その2でも詳しく書いてます。


今回は(もか)総集編という事もあり、この後の記事が長くなるのでここで一旦ブレイクに(汗)
続きは、その2で……毎度スイマセン

機動戦士ガンダム00 ♯15 折れた翼 その2

2008-01-20 13:14:38 | 機動戦士ガンダムOO
※第15話『折れた翼』の後半パートのレビューになります。前半パートはその1をご覧下さい。一つの記事で長文になり過ぎると文字の変換等更新作業が重くなってくるので、2つに分けさせて頂きました。
2週に渡り長くなってしまって申し訳ありません。以後、明瞭簡潔にまとめられるように鋭意努力致します。


CM明け Bパート

デュナメスの近距離射撃をかわしてキュリオスへと詰め寄るタオツー。機体の黄色い丸い部分は推進器のようですね。発売されたばかりのプラモデルをまだ購入していないので、詳細は分かりませんが燃焼式のバーニアとは違うようです。

圧倒的な物量のミサイル攻撃にさらされ、防戦一方のエクシアとデュナメス。
「ティエリア、チャージまでの時間は?」
「あと170(秒)」
「長すぎる…」
これはGNバズーカ・バーストモードへのチャージ待ちなのでしょう。
その頃、キュリオスはソーマのタオツーに踏みつけられ、ゼロ距離での射撃を喰らっています。
「今度こそ、今度こそ任務を完遂させる…超兵として!」
自分の存在意義を確認するかのように、ソーマはキュリオスへの攻撃を続けます。

「オイ……名前は?」
ノイズ混じりの通信から聞こえてくる声。
「教えろよ…」
「超兵一号ソーマ・ピーリス少尉だ!」
「ソーマ・ピーリスか…いい名前だ……殺し甲斐がある!」
キュリオスの目が輝き、ハレルヤモード発動。ハレルヤ専用シールドクローで仕掛けます。間一髪でクローから出現するブレードを回避するタオツー。
到着したセルゲイが援護射撃を加えると、興が醒めたとハレルヤはあっさり引っ込み、後を任されたアレルヤは砲撃の真っ只中…これは正直堪らない(笑)


―戦闘開始から5時間経過

夕日を見つめるアレバントロとリボンズ。2人がいる場所はどこか分からないので、ここでの空は時間経過とは関係ないですね。
「どちらへ?」
「他の監視者たちの意見を聞きにいく。私の仕事もここまでかも知れんしな」

アレハンドロの他にも監視者という人間がいる事が判明しました。ここで言う他とはもちろん国連大使という意味ではないでしょう。
「そんな気なんかないくせに……大人は嫌いだね」
従者であるリボンズが初めて自らの気持ちを口にした気がします。
何かと謎の多いガンダム00ですが、やはり最大の謎はこの2人が握っていると思われます。
リボンズも古谷さんが信念を曲げてまで引き受けたという事は、ただの従者で終わる気はしません。


日が沈みすっかりと暗くなった戦場では、キュリオスがGNフィールドを展開して爆撃を防いでいます。
ヴァーチェ以外にもGNフィールドを展開できたのですね。背中にある飛行状態では機首になる部分を展開していますが、ここにはGNドライブらしき意匠があるので。恐らくこれがキュリオスのGNフィールド展開形態なのでしょう。

デュナメスはGNフィールドではなく、物理的なGNフルシールドで防御。各機の防御方法の違いも実に興味深いです。
各マイスターの疲労もピークに達しており、奇しくもビリーの示唆したガンダム鹵獲の唯一の可能性に近づいてきました。

満を持してグラハム率いるオーバーフラッグスも戦線投入。
ほぼ同時にコーラもガンダム鹵獲用の装備を携えたヘリオンを率いて出撃。
「各機に通達。俺らの目標はデカブツのガンダムだ。砲撃中止と同時に鹵獲を開始する。敵さんのビームに当たんなよ!!」


―戦闘開始から15時間経過

エクシアとヴァーチェが相々傘…じゃなくて、ヴァーチェのGNフィールドにエクシアがお邪魔しているといった感じで少し和みます。エクシアにはGNフィールドの機能は無いという事ですかね。

砲撃が止んだのを機に、それぞれに戦場からの離脱を試みますが、ここからが正に3軍の描いたガンダム鹵獲へのプロセスの最終段階です。

「見つけたぜ!ガンダム!!」
コーラのイナクトがヴァーチェを捉え、仕掛けられたGNバズーカを回避します。
「うぉっと、どうした?!動きがノロいぜガンダム!!」
ティエリアが疲弊しているという事を差し引いても、コーラさんは本来実力のあるパイロットなのでしょうね。自信過剰と視野の狭さがその能力をスポイルしているようですが、現実にもいますよね、こういう人(笑)
そして、それを分かった上でうまく使ってあげられる上司を得た時に、能力が最大限に生かされるのも現実と似通っていたりします。
そういう意味で、コーラさんとマネキン大佐はいいコンビになりそうです。

人革の失敗を生かしてか、ヴァーチェを電磁フィールドのような檻に捉えてAEUによるヴァーチェの鹵獲は成功します。
ナドレへの分離?を発動する間もスペースもなくあっさりと拿捕されたヴァーチェ。前回の教訓を生かした実に見事な鹵獲作戦だ…

「よくやった!俺の…おかげだな!!」
この人は相変わらず(汗)


キュリオスは単純にタオツーに打ち負かされてあえなくダウンといった所。
この時点ではハレルヤモードも発動していません。

デュナメスを視認したグラハムは、フォーメーションEでミッションを開始。
「隊長、ジョシュアが!?」
「ジョシュア!フォーメーションを崩すな!!」
「へっ、隊長面して!!」
グラハムへの反発から、フォーメーションを無視して単機でデュナメスへと仕掛けるアラスカのジョシュアさん。
「空中変形?!」
「いつまでも、自分だけのものと思って!!」
以前、グラハムさんが人呼んでグラハム・スペシャルっ!!と言っていたのは、機体の事ではなくて、空中変形のマニューバだったと判明。あの時はちょっと微妙でしたからね。

今後、フラッグ系の機体を戦闘中に空中変形させられるのは、優れたパイロットの証明という事になりそうです。外伝でもフォン・スパークが見せた空中変形にアリー・アル・サーシェスが驚くという描写がありましたが、どうも従来のガンダムシリーズやマクロスの影響でそれが当たり前になっている感覚を改めなければいけませんね。

このジョシュアさんも自らの技に酔いしれるタイプらしく、デュナメスの死角へと滑り込んだと思いきや、密かに構えられたGNビームピストルにより敢え無く撃破…
なかなか面白いキャラだと思っていましたが、その最後はあっけないものでした。
「ええい、フォーメーションをCに変更する!」

といっても、グラハム一人が突っ込んでいるようにしか見えないですが(汗)
疲労により照準の定まらないデュナメスの射線をかわして本家本元の空中変形によりデュナメスへ突っ込むカスタムフラッグ。
「抱きしめたいな!ガンダムぅ!!」
とまたまた昇天発言しながらデュナメスを押し倒す。
「正に…眠り姫だ……」
グラハムさんの言動はともかく、黒くて悪魔っぽいフォルムのカスタムフラッグがデュナメスの頭部を鷲掴みにするのは、パトレイバーのグリフォンを彷彿とさせてカッコよかったです。


「消えていく…ガンダムマイスターの命が……」
次々とガンダムが鹵獲され、離脱の確認も取れないクルーは焦りと諦めを募らせます。

そして最後に残ったエクシアの元へは――
朝日をバックに異形の姿が浮かび上がります。
前回のレビューでは、大きな爆発をバックにしているのかと予想しましたが、朝日でした(笑)

アリーさんに関しては、その他諸々予想を大きく外していますが、こんな素人による予想の遥かナナメ上を行く展開を今後も期待します…スメラギさんの予測の域に達するには程遠いですねぇ(汗)


「モビルアーマー?!」
人革の水中用に続き、2機目となるモビルアーマーの登場です。イナクトの下半身を埋め込む形で浮遊する姿はその色もあってか、仮面ライダーアマゾンのボスキャラ(名前忘れた)のようです。
子供の頃はあれが怖くて、何度も怖い夢に出てきた覚えがあります(笑)

OPに登場する紅いイナクトは、アグリッサに合わせてお色直ししたものだった訳ですね。
「この前の借りを返してもらうぜ……えぇ?!ガンダムさんよ!!」
その質量でエクシアを地面に叩きつけ、甲殻類を思わせる脚部を展開するアグレッサ。

「逝っちまいな」
不敵な笑みと共に、アグリッサの機体底面にプラズマ光が輝き悶絶する刹那。
「どうだ、アグリッサのプラズマフィールドの味は?!機体だけ残して消えちまいな!クルジスのガキがぁ!!」
どうやら、ヴァーチェ捕獲に使った盾と同じように、機体に損傷を与えず中のパイロットのみに影響を与える兵器のようです。
アグリッサが古い機体にも関わらずスペシャルな扱いだった理由がこのプラズマフィールドだったのですね、なるほどガンダムを鹵獲するのに適した兵器です。

アリーが外人部隊の隊長として極秘裏に受けた任務がアグリッサを使ってガンダムを鹵獲しろという命令だけだったというのは少々意外ですが、後々奪ったガンダムの配分について3軍で協議した際に、どこにも属さない部隊が1機掠め取っていったというシナリオなのでしょうか。
AEUは、ヴァーチェと合わせて2機のガンダム鹵獲に成功した事になり、技術力で劣る現状を一気に打破する算段だったと。

結果的にエクシアの鹵獲に成功したとしても、有能で従順な外人部隊の長であるゲイリー・ビアッジ少尉ではなく、アリー・アル・サーシェスとしては奪ったエクシアを素直に渡すとは思えませんが(笑)


アザディスタンの王宮では、シーリンからスレスタル・ビーイングの状況を聞いたマリナは刹那の言動に思いを馳せます。
「何故この世界は歪んでる…神のせいか、人のせいか…?」
まさか、あの時――
これに続くのは、刹那が世界に矛盾と疑問を抱えたまま死地へと向かうその前に、自分に答えを求めてやってきたのではないか?という想いでしょうか。
貴方は――


プラズマフィールドにより、死を覚悟する刹那。
脳裏に浮かぶ銃を抱えて駆けたクルジスでの日々、親しき人へと向けた自らの銃口、そして…光輝く翼を広げ現れた神―GUNDAMの姿
「ン…ダ…ム……ガ…ン……ダ……ム」

そこへ上空から赤い光が一閃、アグリッサを貫きます。
機体をパージし離脱するアリーのイナクト。

「あれは……」
虚空を見上げた刹那の目には、あの日と同じ…いや赤く輝く光の翼を広げたガンダムの姿が。

ドーム状の頭部及び両肩のシールド?の形状からガンダムスローネ・ドライと思われる機体が刹那を見下ろします。
「ガンダーーーーーーーーーーーム!!」
刹那、神の名を叫ぶ――
予告での一節がここに繋がるという訳ですね。


やや詰め込み過ぎな印象はありましたが、息もつかせぬ戦闘シーンの連続と最強を誇ったガンダムが敗れていく姿がとても印象的な回でした。


スローネ――新たに登場した3機のガンダム
彼らが放つGN粒子の光が照らし出すものとは?
次回『トリニティ』
鳴り響く鐘(ベル)の音は第二幕の始まり――

スローネ・ドライのファンネルもどきは、大気圏内でも使用可能のようです。鹵獲されたガンダムをスローネが解放していくという展開になるのでしょうか。
円形のオペラハウスのような建物には、多くの監視者が集っているのでしょうかね?

次回も見逃せません。

機動戦士ガンダム00 ♯15 折れた翼 その1

2008-01-20 01:36:53 | 機動戦士ガンダムOO
風邪をひいてダウンしていましたが、これだけは完遂なくちゃね(笑)
ドラマ『ハチミツとクローバー』が面白かったので、アニメの方も少しづつ見始めたのですが、アニメ版ハチクロの脚本も黒田洋介さんなのですね~
まぁ、00の脚本を手掛ける方が意外なのでしょうね。



アバンでは、以前人革軍が使用した双方向通信システムの散布が行われています。

「演習に参加する全部隊、通信網のリンク確認しました」
「全モビルスーツへの配信状況、良好です」

双方向通信システムを用いる目的は、当然ガンダムによる電波干渉を探知する包囲網な訳ですから、この演習に参加する兵士が、ガンダム鹵獲を目的とした演習(この時点では)に参加すると認識しているのが伺えます。
ここを理解する事で色々な疑問、例えば司令官クラスでもガンダムが実際に現れる事は想定外だったにも関わらず、何故いきなりあれだけの用意周到な鹵獲作戦が展開できたのかという説明になります。


人革連の砂漠駐屯基地では、セルゲイさんがユニオン、AEUとの合同演習に感慨深げの様子。
上空を通過するAEUの編隊は、イナクトを先頭にヘリオン2機で構成された小隊×3で中隊の規模になるのでしょうか。イナクトは前進翼、ヘリオンは後進翼なのがシルエットだと分かりやすいですね。
その中にはコーラサワーさんの姿も。
打倒ガンダムと意気込むコーラさんですが、「無理だ」とマネキン大佐にあっさり否定(笑)

沖縄付近では、空母の中で待機するオーバーフラッグスの面々。
「部隊総数52、参加モビルスーツ832機。卑怯者と罵られようとも軍の決定には従わせてもらうぞ、ガンダム!」
グラハムの言葉は今回の演習の本意が実際にガンダムを鹵獲する事と知っているのか、あくまでガンダム鹵獲のための演習と認識しているのか微妙な所です。
前回ビリーが持っていた資料やオーバーフラッグスの設立目的を考えれば、このチームには現地の司令官も知りえない情報が知らされていても不思議ではありませんが……


OP後は既に恒例となった沙慈とルイスのラブコメシーン。
「ママが帰って落ち込んでます。励まして下さい。物理的に!!お願いします」
またまた叩かれそうなルイス嬢のワガママっぷりですが、男子たるものこの位のワガママは余裕で対処できなければいけません。
まぁ沙慈君にはまだ早いようですが……
第2期では重要なキーパーソンとなるらしいこの2人。この穏やかな日常が後に訪れるであろう展開の対比かと思うと、彼らの今後がなんとも不穏なものに感じます。

ルイスがおねだりしたペアリングの価格は12万円。その下にEV1,200とありましたが、これはユニオン内での共通通貨ですかね?
1EV=100円のようです。

その様子を偶然通りかかった車中から見つめる姉。
「何やってんの、あの子たち…」
「呑気なもんですよね、今頃1000機近いモビルスーツが大演習やってるっていうのに」
「あっちが異常なのよ」

前回の放送では、日程及び実施場所は伏せて軍事演習のニュースが流れていましたが、この時点では日程とおおよその規模位は公表されているのでしょうか。
絹江はソレスタル・ビーイングというよりは、イオリア・シュヘンベルグという人物に傾向しているようですね。行き着くのは賛同なのかそれとも……


人革連の国家主席の元には、情報通り濃縮ウラン埋設施設へと向かうテロリストの情報が伝えられます。
前回のレビューでは、このテロリストはこの作戦のために用意されたものと予想しましたが、どうやら本当に大軍が待ち構える只中にのこのこ現れるテロリストが存在したようです。
無論彼らは自分たちが利用されている事は知らないでしょうし、恐らく大規模演習地になっていることも知らないのでしょうね。

「後は彼ら(ソレスタル・ビーイング)が網に掛かってくれれば……分かった。演習地域に配置した双方向通信システムに障害反応が出ました」
「予定通りだ。作戦の変更を司令官に伝えてくれ。我々とて世論の非難を浴びて演習の場所を提供したのだ…最低でも2機は欲しいな」

う~ん、、、世論の非難を浴びてという事は、演習場所も世間に公表されているという事ですよねぇ?
そこへ堂々と現れるテロリストたち…事前に計画していたとはいえ、何か出来過ぎのような気がします。巨費を投入する一大作戦なのですから、テロリスト役も用意していたという方がしっくりくるのですが……
例えば、国家主席にはテロリストの行動を利用して立てられた作戦としてはいるものの、実際には前回放送の冒頭に登場した3名による仕組まれた計画だったという事も考えられますね。とすれば、国家主席さえも欺く彼らの正体が気になる所です。


1000機近いモビルスーツが待ち構える中、テロリストだけを排除して速やかに離脱するためにスメラギさんが取った作戦は、キュリオスによる一撃離脱能力とデュナメスによるピンポイント狙撃を文字通り組み合わせたものでした。

この時点での3軍それぞれの司令官の言動は、テロリストの出現とそれを追ってガンダムの現れる事を予期していなかったようです。
但し、冒頭のコーラサワーやグラハムの言動からは800機に及ぶモビルスーツがガンダムに対してのものだと分かっているようですし、双方向通信システムの準備やAEUが用意していた鹵獲用の装備などを見ても、表向きは軌道エレベーターの防衛のためとしていた演習も、参加している兵にはガンダム鹵獲のための演習ということになっていたという事でしょう。
セルゲイあたりは、流石にこの出来過ぎた状況が司令部により仕組まれた事であると悟ったようです。


キュリオス飛行状態の上に乗ったデュナメスが、旧式のモビルスーツ3機と輸送車両2機を狙撃してこれでソレスタル・ビーイングがしなければならない武力介入は終了です。
後は速やかな撤退とするためのキュリオス+デュナメスの組み合わせでしたが、そこへ無数の多弾頭ミサイルが降り注ぎます。
更にユニオンリアルドの大編隊が襲い掛かり、この時点で第1のミッションプランが崩壊します。

応戦にでる2機のガンダムですが、圧倒的な物量及びデュナメスに至っては得意な戦闘スタイルからもかけ離れているので防戦一方の展開となります。
デュナメスに組み付き、上半身をパージさせ自爆するリアルド。ユニオンフラッグのプラモデルが発売された際に、上半身と下半身が分離しそれぞれ行動可能とありましたが、リアルドにもその機能は備わっていたようです。
リアルドのモニターに表示された《DESTRUCTION》は破壊; 破棄; 滅亡; 破壊の原因といった意味ですので、自爆モード作動といった所でしょうね。
どれだけの爆薬を搭載していたかは不明ですが、至近距離からの自爆攻撃もガンダムには通用しなかったようです。

続いては、人革連の長距離砲撃用ティエレンによる一斉射が降り注ぎ、更には恐らくAEUのヘリオンからも砲撃が浴びせられます。
よく見るとヘリオンと並んでガンタンクもどきが多数配備されていますね。これはモビルスーツの始祖となった機体なのでしょうか。

またまた追い討ちを掛けるリアルドからの爆撃と、先週の放送がウソだったかのような大規模戦闘が展開されます。今までのガンダムシリーズの中でもここまでの大規模戦闘はあまりお目に掛かれません。


一方その頃、王留美邸では何もすることのないプトレマイオスのクルーが静かに状況を見つめています。この辺がいかにもソレスタル・ビーイングぽいですね。
ファーストフェイズの予定終了時刻になっても、キュリオス及びデュナメスの離脱が確認できないことから、プランはB-2へと移行。
待機していたエクシアとヴァーチェによる退避ルートの確保へと移ります。

ガンダム2機の足止めに成功した事を知り、テキパキと次の指示を下すAEUのマネキン大佐。何故自分を出さないのかと詰め寄るコーラにも「信用しろ、私がお前を男にしてやる」と不敵な笑みとセリフで手懐けます。
この2人、なかなかいいコンビになりそうですね。

外壁部迷彩被膜で息を殺して待機していたエクシアとヴァーチェが起動。
すぐさま哨戒中のリアルドに発見されますが、エクシアによりこれを迎撃、ヴァーチェはGNバズーカのバーストモードでキュリオス、デュナメスの離脱ルートを確保すべく地面に巨大な溝を掘ります。
このGNバスーカのギミックは、プラモデル等の立体物ではお馴染みでしたが、画面に登場するのは初めてですかね。連射も利かず無防備になるのでおいそれとは使えないという事でしょうか。それにしても地形を変えてしまう程の凄まじい威力です。

「この物量は!?」
「対応が早い!!」
間髪入れずにエクシアとヴァーチェに襲い掛かるミサイルの嵐。

―作戦開始から2時間経過
空は薄っすらと暗くなりかけています。ガンダム00で特徴的なのは長時間に及ぶ戦闘とそれを表す空の演出ですね。

フェルトは椅子に腰掛けたまま眠ってしまったようです。
「プランB-2ならデュナメスとキュリオスは間もなく合流ポイントに到着するはずだけど…」
「せめてGNアームズが使えれば…」
うほ?!ラッセの発したGNアームズというセリフが気になります。恐らくはGN ARMSという武装の類なのでしょうが、今まで匂わせていなかっただけに何やら秘密兵器的な響きが……

「時間からしてプランB-2からE-5に移行しているはず…だとしたら、あの機体が来る。アレルヤ……」
スメラギさんの予報通りに撤退途中のアレルヤが突然の頭痛に襲われます。
そこへ現れるティエレンタオツーを中心にした人革の先鋭部隊。
やはりというか、砂漠をホバーリングしながら進んでくるのはドム好きには堪りません。タオツー以外は脚部も専用のものになっていましたからね。


ここでCM。
すみません、今回も長くなってしまったので、続きをご覧頂く場合はその2へお進み下さい。

機動戦士ガンダム00 ♯14 決意の朝 その2

2008-01-13 09:11:45 | 機動戦士ガンダムOO
※今回のガンダム00レビューは都合により2回に分けさせていただきました。まずは、その1からご覧下さい。


CM明け。
沙慈のお願いとはママが帰国してホームシックになっているルイスを励ます会への参加でした。
何だかんだでちゃんと参加している刹那(笑)
平和の中で極当たり前に家族との関係を築いてきたルイスと、神の名の下に血縁者を殺害したであろう過去を持つ刹那とでは決定的な温度差があるのは当たり前。
「平和だな……」
この言葉が全て物語っているようですが、その平和を欲して戦っているのも刹那。
平和ボケだなと蔑む以外に、羨ましいという気持ちも含まれている気がします。
そんな気持ちはお構いなしに、召集が届いて席を立つ刹那に「帰れ!帰れ!バーカ、バーカ!」と言っちゃうルイスはまた人気が下がりそうですが、個人的にはちょっとカワイイと思っちゃいました。歪んでるかな…オレ……


エージェントからの報告として、三軍による合同軍事演習を伝える王留美。
「ユニオンや人革が、急に仲良くなっちゃって、何なんすか?!」
「私たちのせい…?」
「そう考えるのが妥当でしょうね。鹵獲作戦を失敗させた人革連は、他の陣営と組むことで私たちを牽制しようとしている…」
自分はずっと、ソレスタルビーイングを標的として各国がまとまる事こそがソレスタル・ビーイングの目的の一つと考えてきましたが、ここでのクルーの反応を見る限りは、少なくともここにいる面々にはそのような目的意識はないように感じます。

軍事演習だけならと楽観するクルーに、莫大な費用が掛かる軍の派遣に演習だけの目的はありえないと語るティエリア。
スメラギさんも同意見のようで、普通に考えれば大きなエサを撒いて喰いついてきたガンダムを鹵獲しようという意図は見え見えです。
そこにはもう一つ、罠と分かっていても飛び込まざるを得ない理由が必要になりますが。

「こうも早く世界が動くとは……ヴェーダにも予測できない人のうねりというのがあるのか」
このティエリアのセリフには、自分が当初から感じているソレスタルビーイングの目的を予感させるものがあるのですが、一般のクルーにはその辺りは明かされていないという事ですかね。


街中のカフェで再開するスメラギさんとビリー。送られてきた資料の真偽を問うスメラギさんに、軍のシミュレートプランだという事で納得してくれとビリーは言いますが、この言い方だと本物だよと言っているのと同じ。
明言はしないが本物であると明かした上でスメラギさんの意見を求めているのでしょう。

アザディスタンの一件からビリーの鈍さを推測すると、スメラギさんがソレスタルビーイングの関係者だという可能性を元にカマを掛けているとは思えず、単に昔気のあった女性であり、優秀な戦術予報士の意見を聞きたい程度の事でしょう。スメラギさんの言う通り軍人失格のようです。まぁビリーはあまり自分の事を軍人だと思っていないでしょうし、技術者という人は欲求に正直な人が多いですからね。

「現行戦力におけるガンダム鹵獲の可能性…」
これがビリーから送られてきた資料の中身。ガンダムの情報が少ないとして名言を避けるスメラギさんは、4機しかいないと断定できないとして話題をミスリードしますが、ビリーの意見は人員や資材の確保でルートが割れるから量産化は考えられず、あくまで4機のみだと結構的を得た答え。
この場合、プロトタイプを改修して使用している外伝キャラの事は度外視して当然。彼らはその存在が明らかにされていないですからね。

二人の答えは現行戦力でガンダムを鹵獲する事は不可能で一致しているようですが、それでもと付け加えた可能性として圧倒的な物量で消耗戦を行いパイロットを疲弊されればとするビリーの意見は、そのまま“プロジェクトG”で行われる作戦内容なのでしょう。


表向きの目的は軌道エレベーターの防衛についてとして、ついに三軍合同の軍事演習が発表されます。

「高出力のプラズマジェットに新型のリニアライフルか。独立飛行隊らしくなってきたじゃないか」
太平洋上のユニオン艦隊には早くもカスタム化された『オーバーフラッグス』のフラッグも配備されています。前回の予告編に登場した機首はコイツでしたね。
グラハムのカスタムフラッグとは若干異なる仕様のようですが、各機とも耐ビーム処理が施された黒いボディは共通のようです。
このようにマイナーチェンジされた機体が数多く登場するのはメカ好きには堪らない魅力です。

グラハムは部隊設立に伴って中尉から上級大尉に昇進。そのグラハムに対抗意識満々のアラスカのジョシュアさん。
グラハムの昇進について、また上官でも殺したか?何て仰っています。グラハムにそのような過去があるのは初耳ですが――
「君が何を思おうとも構わん。だがその汚名、戦場で晴らしてみせよう」
その場に現れたグラハムのセリフからは、真偽はともかく過去にそのような一件があり、一部では上官殺しと噂されているのが伺えます。


ユニオンが太平洋を横断しユーラシア方面へと向かい、またAEUも人革連との国境付近までモビルスーツ隊を進めているのを予測していたスメラギさん。
更にタクマラカン砂漠の濃縮ウラン埋設地域をテロの標的にしているグループがいる事をつきとめた三軍が軍事演習地域に選んだ事まで予測済みのようです。

施設が攻撃されれば放射性物質が漏出し、その規模は世界中に及ぶとあって、直ぐにでも武力介入をとするティエリアですが、その行為は三軍による演習の真っ只中に飛び込むという事。
つまり、三軍が描いたシナリオは、どこかの誰かが偶然にも閉ざされた都合のいい場所にある濃縮ウラン埋設施設をテロの標的として攻撃し、そこへのこのこ現れたガンダムを、偶然にもそこで合同軍事演習していた三軍が取り押さえましょうという作戦。後は、そのどこかの誰かさんを用意するだけです。

「それでもやるのがソレスタルビーイングです。ガンダムマイスターは生死よりも目的の遂行及び機密保持を優先する。ガンダムに乗る前から決まっていた事です。いや、その覚悟無くてはガンダムへは乗れません」
キッパリと言い放つティエリア。
ナドレを晒してしまったのは、アンタの作戦が悪かったからで俺は悪くない。あ、ここまでは言ってません(笑)

各地から集結するガンダムマイスターたち。
刹那は在らぬ所にいるようですが……
いました!こともあろうかマリナ様の寝室です!!
よ…夜這い?!
「そこにいるのは…誰?……刹那・F・セイエイ?どうして?!」
「何故…この世界は歪んでいる?神のせいか?人のせいか??」
マリナを見つめる真っ直ぐな瞳
「神は平等よ…人だって、分かり合える。でも、どうしようもなく世界は歪んでしまうわ……だから、私たちお互いの事を」
見上げた先に刹那はもういません。

「何が歪んでいる…それは、どこにある……」
刹那がマリナの話をどこまで聞いていたかは分かりませんが、自分の中にある疑問をわざわざマリナに確かめに行くなど、刹那の中でマリナの存在が大きくなっているようです。
それにしても、セキュリティが甘過ぎ……


AEUフランス外人部隊基地では、ヒゲを剃ってシックなスーツを着込んだアリー・アル・サーシェスの姿が。
「失礼致します。我が隊に極秘任務ですか?」
「詳しくは指令書を読んでくれ。この私ですら知らされていない。私に与えられた任務は君にこの指令書を渡す事と、『アグリッサ』を預ける事だ」
「『アグリッサ』?第5次太陽光紛争で使用した、あの機体…」
「機体の受け渡し場所も指令書に明記されている」
「了解しました。第4独立外人騎兵連隊ゲイリー・ビアッジ少尉、只今をもって極秘任務の遂行に着手します」

色々な要素が満載のやり取りです。
まずは、アリーに与えられた極秘任務の内容ですが、AEUにとってもガンダム鹵獲は命題のはず。その為の独立した動きを求められるという事も十分に考えられるし、更にはウラン埋設施設を襲撃する誰かさんの役目というのも考えられます。
場所を提供したりと、人革連が主導権を執っていると思われる“プロジェクトG”ですが、施設を襲撃するテロリストの役回りを演じるのにこれ程適した人物はいないですからね。
その両方を担うというのが一番妥当でしょうか。

そして、第5次太陽光紛争で使用されたという『アグリッサ』という機体。
最初はOPに登場する紅い機体かとも思いましたが、どうみてもあれはアリー専用カスタムイナクトの色違いにしか見えません。
そもそも最新モビルスーツであるイナクトよりも前に存在しているにも関わらず特別視されているのは、何かしら特徴を持ったのワンオフ機である可能性が高いはずです。

予告編には大きな爆発の光?をバックにした独特のシルエットが描かれていて、その直後にサーシェスのカットもあるので、これが『アグレッサ』である可能性が高いと思われます。
提供バックにキュリオスの飛行形態の上にデュナメスが乗っているカットもあり混同しがちですが、光をバックにしたシルエットの方はイナクトぽい翼の生えた人型が、モビルアーマーかサブフライトシステムのような物に乗っているように見えます。単独飛行が可能なイナクトにはどちらも不要と思われるので、イナクトが乗っかっているナニカこそが『アグレッサ』なのではないかと思います。
濃縮ウランが埋設されている地域とはいえ、尋常でない爆発光が確認できるので、攻撃力の高い爆撃が可能な特殊な機体という事でしょう。

更にPMCトラストの傭兵という顔以外に、第4独立外人騎兵連隊ゲイリー・ビアッジ少尉という裏の顔を持っていたアリー。
どちらが表でどちらが裏なのかは現状では判断できませんが、相当に複雑な背景を持った人物のようです。もちろん能力が高いのでこなせる生き方なのでしょうが…

「ヘヘヘヘッ…楽しくなってきたじゃねぇか。こりゃ戦争だぜ…そりゃもうとんでもない規模のな!!」
背景は複雑でも思考は至ってシンプル。戦争こそが生きる道という根っからの戦争屋なのでしょう。


今回は戦闘シーンがなかった代わりに、動き出した各陣営の思惑が詰まった濃い回でした。個人的には総集編が差し込まれるよりは、このようにじっくりと状況確認させてくれる脚本に好感が持てます。
次回はうって変わって4陣営が入り乱れての戦闘シーン満載の回になりそうですが、施設を守り濃縮ウランの漏出を防がなくてはならないソレスタルビーイングは苦戦を強いられるでしょうね。
ビリーの言った圧倒的な物量作戦も展開され、予告編を見る限りはアリーによって施設が破壊される可能性も大です。
ソレスタルビーイングにとって、初めての圧倒的敗北になるのでしょうか。


EDはどこかの孤島で刹那の髪をカットするロックオン。なかなか慣れた手つきで仲の良い兄弟のようです。
傍らにはリンゴを剥くアレルヤとレシピを見ながら何やら調合中のティエリア。
調理というより、何かの実験をしているように見えます(笑)
彼の事ですから、レシピ通りに1gも違えないように作業しているのでしょう。それでもやっぱりビーカーに薬を注いでいるように見えるなぁ…

曲の転調に合わせて、海の色が血のように真っ赤に染まり、廃墟でうな垂れるティエリア、アレルヤ、ロックオンの3人。
ルイスは膝を抱えて泣きじゃくり、マリナは窓辺で憂いの表情を見せる。
どこかこの先の物語の行方を暗示しているかのようなカットが続きます。

そして、白い布を脱ぎ捨てる刹那と空を見上げるマイスターたち。
空には旧OPでも印象的だった光に包まれた鳥の姿。

ステファニーというアーティストは知らなかったですが、壮大なロックバラードに乗せたこのEDはとても印象的な仕上がりだと思います。
旧EDの日常を切り取った静止画風の造りより好きです。


圧倒的な物量
絶え間なく続く攻撃
これが世界の答え
これがガンダムマイスターの終焉
次回『折れた翼』
刹那、神の名を叫ぶ

し、終焉?!


◆ここでお知らせ。プライベートの都合により、次回の更新からは早くても月曜日の更新になりそうです。
週末の更新を楽しみにして頂いていた方には申し訳ないですが、何とか春まで続けていくつもりなので、何卒宜しくお願い致します。

機動戦士ガンダム00 ♯14 決意の朝 その1

2008-01-13 02:02:04 | 機動戦士ガンダムOO
今回から新OP&EDに差し代わり、いよいよ後半戦のスタートといったところでしょうか。全25話+第2期という、今までのガンダムシリーズにはない造りの作品だけに、残された1クールでどのように物語が収束していくのか春まで見逃せません。


JNNでは絹絵の調査していたイオリア・シュヘンゲルグに関わる科学者・技術者の失踪を元に特番が組まれているようです。
その放送を苦々しく見ているユニオン関係者。彼らも当然科学者の失踪までは調査が進んでいたので中途半端に放送した民間の放送局を苦々しく思っている様子。
もしそれが核心ならソレスタル・ビーイングによって何らかの隠ぺい工作が行われる可能性も考えられますからね。

そして行われる3国の極秘会談。出席している面々は多分初登場だと思います。諜報局や安全保障局のトップでしょうか?
そこで提案される世界初の試み……三国合同でのガンダム鹵獲作戦といったところですかね。
前回、世界に対して無血でのマスード・ラフマディの返還という行動を見せ付けたソレスタルビーイングですが、水面下では着々と彼らへの包囲網が遂行しているようです。
ですが、それもまたソレスタル・ビーイングの行動目的の一つに思えてなりません。


■新OPテーマ the brilliant green 『Ash Like Snow』
今までのブリグリの印象からするとハードなナンバーだと思います。初聞の印象はとてもいい感じです。

巨大な太陽電池の前に佇むエクシア。とてつもない光を放つGNソード。
地球へと堕ちていく刹那――
夕日に包まれた廃墟を見つめる刹那
石畳の上、駐車した車の運転席にいるロックオン
自室のベッドの上に座すアレルヤと影のように存在するハレルヤ
赤く光る電子の部屋の中、金色の瞳を輝かせるティエリア

決意を秘めた目を見せるマリナ・イスマイール皇女
雪の中戯れるルイスと沙慈
ソレスタルビーイングの紋章をバックに王留美と紅龍
空母のカタパルトから発進するグラハムのカスタムフラッグ
砂漠を失踪するソーマのタオツーと砂漠用ティエレン?
大空を舞う紅いイナクト?駆るのはアリー・アル・サーシェス

そして砂漠の地で各陣営が入り混じっての混戦へ――
キュリオスVSタオツー、デュナメスVSカスタムフラッグ
エクシアと刃を交える紅いイナクト

憂いを秘めたスメラギ・李・ノリエガ
宇宙空間でのエクシアと宇宙用ティエレンの戦闘
月をバックに3機の新ガンダム・スローネのシルエット
そしてスローネ・ドライからティエリア、ヴァーチェとカメラが目まぐるしく切り替わり――

ヴァーチェがGNバズーカを放ち、そこへデュナメスも加わる
宇宙空間に浮かぶ白い羽のような脳波誘導兵器の群れはキュリオスを襲う。
エクシアを襲う高出力のビームの奔流。シールドを破壊されたエクシアは2本のビームサーベルを抜き襲い掛かる

画面から受け取れる情報はこんなところでしょうか。注目はアリーの駆る紅い機体と、新ガンダム・スローネのシルエット。
そして翼の生えたファンネルに似た脳波誘導兵器と、その戦っていた相手ですかね。
アリーの機体については本編中で語られますが、刹那たちガンダムマイスターと交戦していたのは多分ガンダムスローネを擁するトリニティの面々でしょうね。
あの高出力のビームはスローネアインに装備されている大砲でしょうし、ファンネルに似た誘導兵器はスローネドライのバックパックにそれらしき先端を確認できます。
となると、物語はプトレマイオスのガンダムチームとトリニティとの対立へと進んでいくのでしょうが、一つ気になるのがトリニティにハロやGNドライブ等ソレスタルビーイングの技術が存在している事。
ここ辺りが鍵となって後半戦が進んでいくと思われます。


ラグランジュ1――
地球と月の間にある重力と遠心力のバランスポイント
そこには逸早く宇宙開発に乗り出したユニオンのスペースコロニーがある
そこから約300km離れた地点には、コロニー開発のために運び込まれた多くの資源衛星が巨大なアステロイドエリアを形成していた
その中に、私設武装組織ソレスタルビーイングの秘密ドックが存在する


ドックといっても簡素な物のようで、そこでは人革連のガンダム鹵獲作戦等で傷ついたプトレマイオスの修理がイアン・バスティを中心に行われているようです。
アレルヤも宇宙に留まり修理のお手伝いのようです。
万一のための防衛とプトレマイオスへのエネルギー供給も兼ねているのかも知れません。

王留美邸ではプールでくつろぐスメラギさんと王留美。
ナノマシンの普及で宇宙空間での人体への悪影響は激減したようですが、精神衛生的には適度に地上に降りないといけないのですね。
例えれば、市民プールで行われる一定時間での強制的な休憩のようなものでしょうか。この辺りの設定は宇宙移民が当たり前になった後から始まるガンダムシリーズとの違いが感じられます。

スメラギさん曰く、重力下で飲むお酒は格別との事。無重力である宇宙空間でお酒を飲むとどうなるんですかね?
一時期、スペースシャトルの飲酒運転がニュースになりましたが、ロシアの宇宙船の居住スペースでは日常的に飲酒は行われているようで、特に目立った弊害は無いのかも知れません。まぁ宇宙船という閉塞空間、酒でも飲まなきゃやってられるか!って所でしょうか。

そんな二人の様子をウォッチングするセクハラ操舵士と体力作りに余念の無いムキムキ砲撃士。武装の無いプトレマイオスに彼の仕事はあるんだろうか…?
フェルトはお友達のハロと一緒にお花のお勉強中。
マイスターズ(!?)は各個にバラバラで行動中との事。

地下のコンピュータルームでは、ティエリアが現状分析中。
ソレスタルビーイングによる武力介入が開始されてから、世界で行われている紛争が38%低下。軍事産業に関わる企業の63%が軍事産業からの撤退を表明と数値からはヴェーダの計画予測推域には到達しており、一応の成果は認められるようです。
誤算としては、早期にデュナメスの高高度砲撃能力及びナドレの存在を公にしてしまった事、そしてティエリアにとってはその2つの誤算と同等の刹那の存在……

エクシアで移動中の刹那が見ているニュース記事によると、アザディスタンは国連の支援による太陽光受信アンテナの建設を再開したようです。
懲りないねぇと思う反面、この国が生き残っていく手段としてはこれしか残されていない厳しい現状があるのでしょう。

ロックオンは故郷のアイルランドに。OPにも登場した車ですが、アナログメーターにマニュアルミッションと現代の目で見てもクラシカルな仕様の車のようです。
ラリーカーのベース車両のようなスタイリングで、案外ストラトスという偽名も本当にランチア・ストラトスから付けたのかも知れませんね。
慰霊碑を前に、少々の頃の悲惨な光景を思い出しているようです。

東京では絹江がイオリアの取材続行を取り付けます。
絹江は、戦争根絶ではないソレスタルビーイングの本当の目的がると推測しているようですが、どうも危険なフラグが立ったような気がします。
ここ数週、嵐を巻き起こしたルイスママはどうやら帰国する様子。
そこへ偶然居合わせた刹那は、沙慈からあるお願いをされます。


ユニオン大統領府では、“プロジェクトG”なる計画が遂行している様子。
タクラマカン砂漠の濃縮ウラン埋設地域での合同演習が表向きの名目のようです。
AEUもモラリアの一件(軍需産業PMCとの繋がり)以降、風向きの良くない世論とこれ以上ユニオン及び人革連に遅れをとる事が許されないといった背景から、軍の派遣を決定した様子。
その目的はやはりガンダムの鹵獲にあるようです。
そして、“プロジェクトG”の主導権を握っているのはやはり人革連のようで、その目的も当然ガンダムの鹵獲という事でしょう。


ユニオンのアメリカMSWAD基地では、対ガンダム調査隊を母体とした『オーバーフラッグス』なる新部隊が組織されます。
公にはフラッグのみで編成された第8独立航空戦術飛行隊として編成されるようで、対ガンダム調査隊としての側面は公にはされないという意味でしょう。
飛来する12機のフラッグ編隊。
アラスカのジョシュア、ジョージアのランディ、そしてイリノイのスチュワートといった各部隊の精鋭が『オーバーフラッグス』に集う事になったようです。

そして『オーバーフラッグス』に装備されるフラッグの全てがエイフマン教授によるカスタム化を受けるとの事。これでユニオン最強部隊の誕生ですね。
劇中で語られるフラッグの印象は、現代においてのF-22と重なる所が多いと感じます。


人革連の砂漠駐屯地には、長らく低軌道ステーションに滞在していたセルゲイとソーマも降りてきています。
タオツーの横に並んでいるのは、宇宙でセルゲイが使用していた指揮官機と同様の仕様が施された機体のようで、両肩に装備されたシールドが特徴的です。
更に格納庫の中にはサンドカラーで塗装されたティエレンがいますが、脚部は地上用のA型と異なっていて、形状から推測すると砂漠でのホバー移動に特化された機体に見えます。セルゲイ用の指揮官機も同様の脚部にプラスして左足にA型に似たシールドを装備しているように見えます。


AEUでは久々登場のパトリック・コーラサワーがブロンド女性とお戯れ中……
この人、出てくる度に顔の印象が変わるのか、元々自分があまり記憶していないのか分かりませんが、こんな顔だっけ?という気がして仕方がありません(汗)
遅刻して更にAEUのエースなどと自称してしまうコーラに、女性仕官からの鉄拳制裁(笑)
更にもう一撃で「二度もぶった」って、お前が言うな…
アフレコスタジオに古谷さんがいたであろう回にこのセリフ、中の人はさぞかし緊張したことでしょう(笑)

コーラをどついたのはカティ・マネキン大佐。現状でまともな人がいないAEUの中で優秀な指揮官として活躍されるのか楽しみな人です。
そして、直ぐに惚れてしまうコーラ……


「まるで殉教者気取りだ……このような行動で戦争根絶など」
「ガンダムの性能を神の力だと勘違いしているんですよ」
「馬鹿馬鹿しい…ガンダムは兵器だよ。目的を遂行するため、人を殺めるために造られたモノだ」
前回の刹那の行動を一笑するアレハンドロとリボンズ。
どうやら前回自分が感じた違和感はアレハンドロによって肯定されてしまったようです。
マイスターの心情は別にして、アレハンドロの発言は今までのソレスタルビーイングの行動と照らしても至極真っ当な意見に思えます。
「武力による戦争の根絶」現状においてのソレスタルビーイングの理念を遂行するには、プトレマイオスのクルーは人間味があり過ぎるのかも知れません。
そして、思うように動かないソレスタルビーイングの面々に見切りを付けて、この人が連れてくるのが『トリニティ』だとしたら……
アレハンドロ・コーナーという人物が刹那たちの最大の敵になるのかも知れませんね。


何とも珍妙な着信音に乗せて、シャワー中だったスメラギさんの元にはビリーからのメールが届きます。
「これって……まさか?!」


今回は盛りだくさんで文字数がオーバーしてしまいそうなので、2回に分けさせていただきます。
続きは、その2をご覧下さい。

機動戦士ガンダム00 ♯13 聖者の帰還

2008-01-07 00:52:50 | 機動戦士ガンダムOO
皆様、あけましておめでとうございます。
昨年はこの00レビューを多くの方にご覧頂いたようでありがとうございます。
少々遅くなってしまいましたが、本日から通常営業?でございます。

第13話といえば、全25話の場合丁度折り返し地点になりますが、新OPは次回からのようです。


アバンでは前回起こったクーデター沈静後のアザディスタンの様子です。
TVでマリナの政見放送をみる家族や、街中を蹂躙する鎮圧部隊の車両を見ながら改革派に恨みを募らせる保守派市民等、悲喜交交の様子です。

王宮では未だ発見されない保守派の指導者マスード・ラフマディについて、ユニオン軍と共同で捜索中との事ですが、ユニオンの目的はガンダムとの遭遇なので本気でマスードを捜索しているとは思えないですね。
表面上、協力しているだけなのでしょう。

国内の情勢は、太陽光発電の受信アンテナも破壊され、国連の技術者も撤退した模様。アレハンドロ・コーナーがもたらした太陽光発電という因子は内戦という結果を迎えた訳ですが、火が燻っている所へ油を注いでソレスタル・ビーイング介入のきっかけを作るというマッチポンプ的な目的だとしたら、コーナーの思惑はソレスタル・ビーイングの各メンバーのそれとは微妙に違っているのかも知れません。

コーナーの意思と動向については、もう少し見守らないと分からないですね。


アザディスタン王国で、宗教的指導者マスード・ラフマディ誘拐に端を発する内紛が勃発した。
その内紛が軍事クーデターにまで発展した段階で、ソレスタル・ビーイングはガンダムによる武力介入に踏み切る。

戦術予報士スメラギ・李・ノリエガが不在の状況で、刹那・F・セイエイとロックオン・ストラトスはアザディスタンの内紛を止める事ができるのであろうか――


王留美のピンク色の自家用機を今回のアジトにしているソレスタル・ビーイングの面々。
王留美はロックオンから第3勢力の可能性を示唆されています。会話の内容からガンダムエース2月号の168Pの出来事の少し前といった感じでしょうか。服装も一緒ですしね。余談ですが王留美の毎回の衣装も、キャラクター原案の高河ゆんさんが手掛けているそうです。

ロックオンの推測では自分たちとユニオン以外に内戦を誘発している勢力があり、その勢力はモビルスーツを有していて、マスード誘拐にも関わっているとの事ですが、流石ロックオン兄さん全て正解です。
但し、その目的までは分からない為に刹那を調査にいかせたらしいですが、刹那がこういった任務に全く向かない事までは予測の範疇外なのでしょうか(笑)
まぁこの時点で王留美がフェレシュテに確認すれば、ミサイルを発射した当人まで判明していた訳なのですが……


ミサイル発射視点で残留反応を発見する刹那。先客として同じくこの地点を調査していたグラハムとビリーのユニオン勢と遭遇します。
彼らは既にここにいたモビルスーツがPMC所属のイナクトである事を突き止めているようです。

「立ち聞きは良くないな」
「見つかった?!」
グラハム鋭すぎ……そして刹那の風貌と声色から直ぐに地元の子供と判断して気を許してしまうビリーは鈍すぎ。この辺がエースパイロットと技術者の差でしょうか。
刹那の声色の使い分けは、どうしてもデスノートの夜神月を思い出して……ゴホン、ゴホン

「少年!君はこの国の内紛をどう思う?」
刹那に興味を示したのか、グラハムが立ち去ろうとした刹那に声を掛けます。
刹那の答えは用意された凡庸なものでしょうが、その中のこの戦いでたくさんの人が死んでいったと言う件は、マリナと話したときにも語っていた事なので刹那の本心なのでしょう。

そして刹那が後ろ手に隠している銃の気配に気が付くグラハム。
「怖い顔だ…」
素早く安全装置を解除する刹那ですが、表情に殺気が点ったのを見抜かれています。にらみ合うこと数秒……

一色触発の状況で、グラハムは先日ここにいたモビルスーツがモラリアのPMCから奪われた(これはPMCの方便でしょうが)イナクトだと告げ立ち去ります。
戸惑うビリーに口が滑ったとしか言いようがないとはぐらかすグラハムですが、彼の真意はどうなんでしょう。

刹那にソレスタル・ビーイングの気配を感じ取りあえて情報を渡したのか、それとも本気で気まぐれからの行動なのか……?
自分が思うには多分前者で、彼の目的はあくまでガンダムに勝つことでソレスタル・ビーイングと思われる人間を捕らえる事にはあまり興味が無いのでしょう。
イナクトの情報を渡す事がすなわちガンダムとの再戦に繋がるとは思っていないでしょうが、彼のパイロットとしての直感から来る行動という事ではないでしょうか。

それにしても、少しランバ・ラルを思わせる余裕っぷりは、個人的にまたしてもグラハムさんの株が少し上がりました。


PMCのイナクトと聞いて、モラリアで対峙した濃紺の機体を思い浮かべる刹那。
そのイナクトに乗っていたのは、あのアリー・アル・サーシェスだと気付きます。
「奴が……あの男がこの内紛に関わっている……?!何故だ…何故……何故今になって……」


一方その頃、アザディスタン市内では爆弾テロが相次いでいるようです。
「モビルスーツじゃ対応が利かねぇ。対人制圧用のオートマトンを出すよう要請するしか……」
「無理無理、こっちはガンダム目当てで軍を派遣しているんだ。上層部が余分な戦力を回すわきゃねぇさ」
「世知辛いね、まったく」
グラハム配下のフラッグファイターにもユニオンの思惑は十分に伝わっているようです。

そしてテロの混乱に乗じて火事場強盗に走る輩に犠牲となる一般市民……
この辺りの描写は考えられるとはいえ、見ていてそれこそ世知辛いです。
己の無力さに肩を落すマリナの元にも、侍女に紛れた(あるいは以前から潜伏していた)保守派の刺客が向けられます。
SPの発砲により何とか難を逃れたマリナは同じ国民同士でこれほどまでに憎み合う状況を憂いていますが、ここに至ったのは積み重ねてきた歴史もあるでしょうが、マリナ自身の行いにも責任の一端はある訳ですから、嘆いてばかりでは国は治められません。
彼女がより強い指導者になるのは、この試練を乗り越えた先にあるのでしょうね。


「何だって?ポイントF3987…?!そこに何がある?」
「ないかもしれない。でも可能性はある!」
ロックオンの元に刹那からポイントを示す通信が入ります。今回の黒幕がアリーだと気が付いた刹那が、かつてのアジトになにかあるかもと思い至った訳ですね。
要人救出の役に立つと、紅龍を連れて行けと言う王留美さん。
今まであまり活躍の場がなかった紅龍さんの見せ場ですかね。

「GNシステム、リポーズ解除。プライオリティを刹那・F・セイエイへ。外壁部迷彩皮膜解凍。GN粒子散布状況のまま、ブローディングモードへ」
肉声にてエクシアを遠隔起動させる刹那。
何度聞いてもブローディングモードと聞こえるのですが、多分boarding-mode(搭乗・状態)でしょうかね。

つまり、停止状態を解除。GNシステムを起動し、優先権を刹那・F・セイエイへ、外部から見えないように覆っていた光学迷彩を解除して、GN粒子を散布したまま、自分が乗り込めるようにハッチを開けておけ……てな感じでしょうか。
こういういかにもメカ物風のセリフは大好きです。そして、声で操れるメカというのも大好きです(笑)

エクシアと同じように、自家用機の傍らに迷彩状態で待機させてあったデュナメスには、紅龍さんも乗り込み発進です。


「隊長。こちらに接近する機影があります」
「ユニオンの偵察かァ?」
「違います!あの白いモビルスーツが……」
アリーのイナクトのモニターには、夕日をバックに接近するエクシアの姿が――
「ガンダムか!?」
ついにエクシアも白いモビルスーツと呼ばれる日が……って、以前にも言われてましたっけ?!
こういう見た目の分かりやすい呼び名で呼称する感じが、いかにもガンダムっぽくて堪りません。


クルジスで戦っていた頃のアジトに生命反応を発見した刹那。
「あのイナクト!」
「あのガンダム…パイロットはやっぱクルジスの……?!だったら、この隠れ家が分かっても不思議じゃねぇな!!」
お互いの素性に確信を持ったところで、エクシア対イナクトの因縁の対決がスタート。アリー専用のイナクトカスタムに装備されたブレイドライフルと、エクシアのGNソードが切り結んだ所で初めてエクシアからの音声を聞くアリー。

「あんたの戦いは、終わってないのか!クルジスは……滅んだ!!」
「知ってるよォ!!」
「あんたは何故ここにいる!あんたの神はどこにいる!答えろ!!」
「そんな義理はねぇなぁ!」
今回の戦闘シーンも手抜きなしです。

技量の差からか、ブレイドライフルを破壊するも地面に叩きつけられるエクシア。
「勿体無いからその機体、オレによこせよ……えぇ!ガンダムぅ!!」
「誰がぁ!!」
刹那の気迫に呼応するように、GNドライブの高まる音がして腰に装備した状態のGNブレイドがせり上がり、イナクトの腕を切断します。
前から気になっているのですが、GNドライブはマイスターの感情の高ぶりに反応して出力を上げるような気がします。
単なる演出かも知れませんが、GNドライブとシンクロできる能力がガンダムマイスターとしても資質とかだったら面白いかもなんて思いました。

当面の目的として、マスードを逃がす時間を稼いだとしてその場を離脱するイナクト。
しかし、刹那の思惑通りに先回りしたデュナメスが逃走車両の針路を塞ぎます。
デュナメスからの威嚇射撃と、GN粒子の干渉で通信ができない傭兵たちの元に、なんと仮面のニンジャ登場?!
紅龍さんのもの凄い体術で、なぎ倒されていく傭兵たち。ガンダムマイスターとはまた違った形でのプロフェッショナルといった面持ちですね。

残された傭兵は人質のマスードに銃を突きつけて形勢逆転を狙いますが、デュナメスのコックピットからスナイパーライフルで狙撃するロックオンの手に掛かり敢え無く全滅……
「まだ腕は、錆び付いていないようだな……」
ソレスタル・ビーイングに加わる前は、凄腕のスナイパーとして名を馳せていたのでしょう。

マスードを確保した刹那たちは、スメラギさんの指示でラストミッションに移行するようですが、1週ぶりに登場のティエリアはまたもご立腹(汗)
一歩間違えばエクシアを失う事にもなりかねないミッションのようですが、これが外伝『ガンダム00F』でも描かれていたスメラギさんからの無謀なプランという事でしょうね。
スメラギさんにご執心?のアレルヤはこの作戦に賛成との事で――
「世界に見せ付ける必要があるのさ……ソレスタル・ビーイングの想いを」
何て言っちゃっています。

このアレルヤの言うソレスタル・ビーイングの想いというのと、この後描かれる刹那の行動がどうにも分からなくて今回のレビュー記事が難航しました。
アレルヤやスメラギさんは、ソレスタル・ビーイングの理念を理解してはいても、やりきれない想いを抱えた人なのは今までの流れで分かるのですが、今回のラストミッションの主旨がどうにも今までの行動と矛盾しいるというか、一致していない気がして仕方がありません。
まぁ、分からないと言っていても仕方がないので、このまま進みます。


マリナの元にはソレスタル・ビーイングからマスード確保の一報が入ります。
ソレスタル・ビーイングの活動に賛同できないとしながらも、それ以上に信じたいと言うマリナの胸の内には、クルジス出身だと言った刹那の姿が浮かんでいるのでしょうか。

「刮目させてもらおう…ガンダム」
王宮にはグラハムたちガンダム調査隊の面々の他にも、マスコミや市民が押し寄せ、米国の大統領を始めとして、人革連、AEUの首脳陣、そしてセルゲイ&ソーマ、エイフマン教授、日本では未だにルイスママにくっ付かれている沙慈(笑)も含めた全世界の人間が事の成り行きに注目しています。

そんな中、非武装で王宮に降り立つエクシア。これが無謀なプランの正体だった訳ですね。成る程、ユニオン軍もいる中で非武装で現れるということは即鹵獲ということにもなりかねない無謀なプランと言えそうです。
誰もが驚く中、エクシアへの攻撃を禁じるマリナですが、集まった市民の一部からはエクシアに対しての銃撃も始まります。

一歩ずつ王宮に対して歩を進めるエクシア。警護するアンフからも銃撃を浴びせられます。
「今度こそ……ガンダムに」
エクシアの力強い前進に警護していたアンフも道を開け、ついに王宮のバルコニーへマスードを降ろす刹那。
「お気をつけて」
何だ刹那も敬語使えるじゃん……と思った矢先に、駆けつけたマリナにはやっぱりタメ口(汗)

「マリナ・イスマイール、これから次第だ。俺たちがまた来るかどうか。戦え、お前の信じる神のために」
「刹那……」
マリナに想いを告げ、上空へと飛び立つエクシア。
その様子を伺うグラハムたちは、全世界の目の前で非武装で現れ、アザディスタンの内紛を収める唯一の手段であるマスードを送り届けたエクシアには手が出せません。これが、スメラギさんの思惑通りのマスードを安全に届け、その場から離脱する一番確実な方法。

王留美にこれでこの問題が解決できるのか?と問うロックオン。
「できないでしょうね。でも、人は争いを止めるために歩み寄る事ができる……歩み寄る事が……」


マスード・ラフマディは、誘拐の首謀グループが傭兵部隊であり、この内紛が仕組まれたものであると公表。
黒幕はアザディスタンの近代化を阻止しようとする勢力であるという見方が強いが、犯行声明などは出されていない――
その後、マリナ・イスマイールとマスード・ラフマディは共同声明で内戦及びテロ活動の中止を国民に呼びかけた。
しかし……アザディスタンでの内紛は未だ続いている――


という事で、全世界の目の前でアザディスタンの内紛を武力によらず収めたソレスタル・ビーイングに対して、これから世界がどのように対処していくのかが今後の展開になるのでしょうか。
先程、矛盾を感じると書いたのは正にこの武力を使わずにといった点で、ソレルタル・ビーイングの活動理念は「武力による戦争の根絶」だった訳ですから、明らかに過去のミッションとの矛盾を感じます。

突発的な事故とアレルヤの命令無視で人命救助をした事はありましたが、全世界の目が見守る中でユニオンまでもが手を出せない状況になるほどの善行をしたソレスタル・ビーイング。
王留美が歩み寄る事ができると繰り返していましたが、それはソレスタル・ビーイングだけが世界の標的になることで達成するのだと思っていたので、この展開は少々驚きました。ソレスタル・ビーイングの活動が次の段階に進んだという事なのでしょうかね?

前回の予告での「刹那、ガンダムになる」というナレーションと、王宮に歩を進める刹那が今度こそガンダムに……と呟いていたのを見ると、刹那の中でも大きな意味を持つきっかけになりそうですね。
武器を振り回しても救えなかった命があった時にはガンダムになれないと思い、そして今回武器を使わずに紛争から国を救う事ができたという結果から、刹那の中で何かが生まれるかも知れない……なんて思ったりしました。


三つの国家群による合同軍事演習にしかけられた紛争
死地へと赴くマイスターの胸に去来するものとは――
次回『決意の朝』
それが、ガンダムであるなら

ん?次回コーラさん登場??

機動戦士ガンダム00 ♯12 教義の果てに

2007-12-23 15:34:43 | 機動戦士ガンダムOO
ガンダム00も間もなく折り返しということで、ネット上では後半に登場すると思われる3種の○○○○の画像が出回っていたりしています。
興味のある方はコチラをポチっとしてみて下さい。ネタバレ回避の方はスルーして下さいね。
後半もますます目が離せないです。


ということで、今回は影の薄くなってきた主人公、刹那にスポットが当たるお話のようです。

アバンではアザディスタン王国に寺院で、保守派による集会が行われています。彼らの言う招き入れられた異教徒というのは、国連大使及び太陽光エネルギーの受電アンテナ建造中の技師達のことでしょうか。

ラサと呼ばれている人が保守派の指導者のようで、いきり立つ保守派面々に対して神の教えを破った皇女と改革派にはいずれ神罰があると直接的な行動を諌めています。これは後に真意が明らかになりますが、既に追い詰められてる保守派勢にはラサの言葉は届かないようです。
今の世の中もあまり変わらないと思いますが、人は時に神という言葉で自らの行いを正当化し暴挙に及ぶというロジックは未来永劫無くならないのかも知れませんね。

そんな中、改革派の尖兵と思われる集団が寺院を襲撃します。メンバーの一人には顔にキズがあるので、これは後々何かの鍵になるかも知れません。


中東――
そこに位置する多くの国々は、石油輸出産業で経済を支えていたが、太陽光発電システムの建設計画により、その存在価値を失おうとしていた

国連決議により、一部を除いて大幅な石油輸出規制が採択され、それに反対する、一部の中東国家が武力を行使、戦火は拡大
これが、20年続いた太陽光発電紛争である

この紛争で疲弊し、世界からも見放された多くの中東国家は、貧困から、分裂や統合を繰り返している――

それが、現在の中東の現実であった

カスピ海とペルシャ湾に挟まれたアザディスタン王国も、そんな事情を抱えた中東国家の一つである
内政の悪化した隣国、クルジス共和国を6年前に吸収、新興国家として王制を復活させたが、国教の解釈の違いにより、国民は大きく2つの教派に別れ、政治的に不安定な状況が続いていた――

ナレーションも一新されて、アザディスタン王国の簡単な成り立ちが紹介されています。6年前にクルジス共和国を吸収とありますが、この戦いこそが刹那がガンダムと出合ったあの戦いですね。


王宮ではマリナとシーリンがマスード・ラフマディなる人物の拉致について話していますが、タイミングからいって冒頭に登場したラサなる人物に間違いないでしょう。マスードが名前だとしたら、ラサというのは立場や階級を指す言葉なのでしょうか。
保守派の指導者が拉致されたと事で、最悪の事態として保守派と改革派による内戦が予想され、そうなればソレスタル・ビーイングの武力介入をも招く可能性が出てきます。以前からマリナが恐れていた事態が現実の物となろうとしている訳ですね。

市内では既に議会が派遣した治安部隊と、国連による援助活動の拒否を抱えた市民との小競り合いに発展しているようです。


前回、人革連のコロニーを襲撃したプトレマイオスは現在もラグランジュ4宙域にいて連絡が取れないようです。
アザディスタンで内戦が起こった場合は、現行戦力つまりエクシアとデュナメスのみで対処しなければならない訳ですね。
スメラギさんの戦術予報もない状態なので、作戦指揮はヴェーダの指示をうけた王留美が行う事になるのでしょう。

そこにアザディスタンに駐留しているアレハンドロ・コーナーから連絡が入ります。国外退去を進言する王留美に対して、コーナーは国内に留まるとの考え。

「この国の行く末を見守りたいんだよ。それに…君たちがどう行動するかこの目で確かめたくてね…」
う~ん…このセリフからは、コーナーの立場はソレスタル・ビーイングの関係者というよりは、組織の内情や活動目的を知った上での傍観者に見えますね。
従者であるリボンズ共々、まだまだ謎の多い人物です。
超高級ホテルの一室から、今まさに内戦に突入しようとしている国を見下ろしている姿はソレスタル(天上人)そのものにも見えます。
ちなみに公式HPでの誤植は修正されていました。


東京では、前回イオリアに迫るヒントを得た絹江とその後輩君が、博士号取得者の失踪者リストを調べています。ディスプレイに表示された5人の顔からは、直接的になにかヒントになるものはないと思いますが、この為にだけにキャラが起こされたにしては……と思える顔が2~3あるので、今後の動向が気になります。

劇中コントコーナー沙慈君の災難日記は、何と今回ピザ宅配と健気な苦労話でついにルイスママを陥落。ハードな00の世界観にあって、この部分だけはCMのガンガンガンプラ並のユルさでちょっとクセになってきました(笑)


一転してシリアスモードでのマリナの回想シーン。マスードとは旧知の仲のようで、マスードは国が保守派と改革派に分かれる事を見越して、穏健派同士自ら保守派のトップとして暗にマリナに協力する道を選んだ訳ですね。
冒頭の神に背いたマリナ皇女等はいずれ神の裁きが――の下りは、本心からでなく保守派が過激な行動にでないようにするブラフだったという事。
勿論、マリナの為だけの行動ではなく、アザディスタンをかつてのクルジスのようにしない為のマスードなりのやり方という事でしょう。

マリナやマスードの思惑を他所に、事態は保守派と改革派が完全に袂を分かつ方向へと進み、改革派は秘密裏に打診されたユニオンからの軍事支援を受ける事を選択し、アザディスタンをニ分する争いは他国の思惑も絡んで滅びへの道へ進んでいるようです。

ユニオンの思惑とは、アザディスタンが内戦状態になる事によって介入してくるであろうソレスタル・ビーイングに対ガンダム調査隊をぶつける事でしょう。
ビリーが人革に遅れを取る訳にはいかないと言っているので、人革がガンダム鹵獲作戦で得たであろうガンダムのデータを意識しているのは明白です。


アザディスタンの砂漠地帯には、王留美に刹那とロックオンが合流。内戦が開始されるのを待つ一方で、平和的解決の為に拉致されているマスードを保護し国民に無事を知らせるという手段も用いるようです。

ここで刹那が自らがアザディスタン(に統合されたクルジス)出身であることを告白。王留美やロックオンの反応を見る限りは、メンバー内の経歴については本当に何も知らないというか感心がないようですね。
マスードを拉致した組織は改革派ではない確立が高いとヴェーダが推測しているとの事から、このマスードを保護する作戦はヴェーダ推奨の作戦のようですね。
少し、今までのソレスタル・ビーイングの行動と異なる気もしますが、少ない戦力で対応する為のプランということでしょうか。


アザディスタンの街を歩く刹那に、街の人々は一様に攻撃的な目を向けています。水売りの少年が語るマリナの名前にようやくマリナの事を思い出したっぽい刹那……オイ(汗)
刹那を敵視していた視線の意味は、刹那がクルジス人だからだったのですね。クルジスを滅ぼし統合したといっても、アザディスタン人と元クルジス人が共存しているのではなく、どこかの集落に元クルジス人は集められて生活しているのでしょうか。民族的、宗教的対立の果てはこういうものかも知れませんね。


マスードが拉致されている場所には……いました!紛争の影にはこの人ありのアリー・アル・サーシェス。
改革派を装い保守派の指導者であるマスードを拉致して、保守派と改革派の対立、そして内戦へのシナリオを書いていた黒幕はこの人でした。
アリーの独断行動なのか、PMC或いはAEUの思惑が絡んでいるのかはまだ見えてこないですね。
AEUも人革、ユニオンに遅れを取らない為の措置……というのは考えすぎでしょうか。

太陽光受信アンテナ施設では、コーナーの杞憂通りに、施設を守る改革派の部隊の中に紛れた超保守派兵士が叛乱を起こします。
アザディスタンが使っている旧式モビルスーツのアンフですが、旧式らしく内燃機関搭載型で、まるでディーゼルエンジンのような起動音でビックリしました。

各モビルスーツの動力は、ガンダムは勿論、駆動動力、武装、推進力の全てを内蔵する太陽炉により賄われていて、ティエレンは不明、フラッグは水素プラズマジェットエンジン、イナクトは軌道エレベーターから電力を受ける外部電源式とされていますが、フラッグは推進方式、イナクトは駆動動力についての説明にも思えるので、両者の構造は共通しているのかも知れません。
イナクトの電力受信可能範囲がどの位なのか分かりませんが、アリーのイナクトがアザディスタンで活動しているのを見ると、相当広い範囲で受電が可能なのかも知れません。このあたりの情報がもう少し整理されて公開されると面白いんですねどね。


受信アンテナが襲撃された事で、グラハム達フラッグ部隊が鎮圧に向かいますが、同じ機種同士で争っている為にどちらを援護していいものか判断が付きません。
そこにデュナメスが登場、こちらはどちらかを選ぶ必要はないので躊躇なく全てのアンフを狙撃していきます。
「この粒子ビームの光は!ガンダムか!!」
「ゼンダンメイチュウ!ゼンダンメイチュウ!」
「待機しといて正解だな」

「ところがギッチョン!」

アリーのイナクトが登場、施設に多弾頭ミサイル攻撃を仕掛けます。
この人、チョイサーとかギッチョンとかグラハムと違った意味で名セリフが多いですね。
デュナメスがミサイルを狙い撃ちますが、数が多く撃ち漏らしたミサイルが施設を破壊します。


「ハワード、ダリル、ミサイル攻撃をした敵を追え!ガンダムは私がやる」
「オイオイ…。ユニオンはアザディスタン防衛が任務じゃないのか?!やっぱり俺等が目当てかよ」
少なくともグラハム達、対ガンダム調査隊の面々はガンダム目当てでの作戦参加でしょうね。

ロックオンの狙撃を変形することにより急速に機体にブレーキを掛けてかわすカスタムフラッグ。各部の関節には相当の負担が掛かっているようで、搭乗するグラハムも急激なGの変化によだれを流しながら耐えるなど、こういう演出を待ってました!!
これでこそ、カスタムフラッグの特異性が際立つというものです。

「人呼んで!グラハムスペシャル!!」
人呼んでではなくて、多分自ら命名したんじゃないかと…
2度目はないというデュナメスの狙撃をまたしてもかわすカスタムフラッグ改めグラハムスペシャル。

「俺が外した!?何だこのパイロット??」
「あえて言わせてもらおう…グラハム・エイカーであると!!!」
もう最高潮ですグラハムさん。いっちゃってるような気もしますが、あんたカッコイイよ!
そのままの勢いでデュナメスを蹴り飛ばします。

「蹴りを入れたやがった!?」
驚くロックオンに、更にフラッグはプラズマソードを振りかざし眼前に迫ってきます。
ロックオンもデュナメスの腰に装備されたビームサーベルを引き抜き応戦。初めてエクシア以外のガンダムが近接戦闘用の武器を使用したのではないでしょうか。
「チィッ…俺に剣を使わせるとは…」
「身持ちが固いな!ガンダム!!」

余った右手でビームピストルを引き抜き、至近距離で連射するデュナメスですが、グラハムスペシャルの装甲に施された耐ビーム処理によりダメージを受けません。両者の設定をフルに生かしたとても見所のある戦闘シーンでした。
スケジュールの都合でスルーしたHGキットを引っ張り出したくなるじゃないですか!!

「よくも私のフラッグを!!」
グラハムスペシャルにキズを付けられた事に激昂するグラハムに尋常でないものを感じ、GN粒子の散布を止め、全ジェネレーター出力を火器に回して迎え撃つデュナメス。

「たかがフラッグに!!」
「ガンダム!!」
とその瞬間、緊急通信によりアザディスタン軍によるクーデターが発生し、モビルスーツが王宮に向けて進行中であると両者に伝えられます。

王宮を目指すモビルスーツは5機。
「避難しなくて良いのですか?」
「リボンズ、君も見ておくといい。ガンダムという存在を…」
コーナーはガンダムにより事態が収拾されるのを見越しているようです。

「刹那・F・セイエイ、エクシア目標を駆逐する」
上空から飛来するエクシア。

「クーデターだとよ…どうするフラッグのパイロットさんよ?」
「ようやくガンダムとめぐり合えたというのに…口惜しさは残るが、私とて人の子だ!」
相変わらずセリフがちょいちょいおかしいですが、デュナメスとにらみ合いを続けていたグラハムのフラッグも部下のフラッグファイターと合流しクーデター沈静に向かいます。


首都ではエクシアが鬼神のような動きで3機のクーデター軍のアンフを撃墜。
「あれが…ガンダム」
「力任せだ…ガンダムの性能に頼りすぎている。パイロットは刹那・F・セイエイだったか」
コーナーは刹那の操縦に少々呆れ顔です…

別働隊も王宮に向けて発進し、エクシア、デュナメス共にこれを殲滅に向かいます。ここで夜が開けて空が白み始めます。このような時間経過の演出は斬新です。


街のあちこちから火の手の上がる夜明けのアザディスタン。そこに刹那はかつての戦場であった夕焼けのクルジスを見ます。
街を蹂躙するアンフ、粗末な武装でこれに立ち向かう少年兵。そこにかつての自分の姿を見た刹那は意を決してエクシアを飛び込ませます。

目に映る全てのアンフをなぎ倒し、視線を向けた先には地に倒れ動かなくなった少年たちの姿――
残ったアンフからの銃撃を浴びながら佇むエクシア。やがて湧き上がる衝動を押さえ切れずに叫びながら刹那はエクシアを駆る。


と、こんな緊迫した場面を一気にクールダウンするように、東京ではルイスママがすっかり沙慈と打ち解け、更には並んでニュースを見ながらしなだれ掛かっています。これにはなんとか沙慈をママに気に入らせようと頑張ってきたルイスもご立腹……って、こんなシーン差し込むなよ(笑)
ちなみにルイスママの中の人は、あの赤い彗星の中の人の奥様だったりします。

ようやく無線傍受が可能な宙域まできたプトレマイオスには、ヴェーダからの緊急暗号通信が……って、ヴェーダはプトレマイオスの中にあるものと思っていましたが、どうやらトレミーの中にあるのは端末のようですね。
本体はどこに……?やはり『クルンテープ』でしょうか?
そして、ティエリアとアレルヤは今回出番なし……orz


一方、アザディスタンではユニオンからの増援部隊が首都圏の全域の制空権を確保。クーデターは目標を達する事なく終わりました。
仕掛け人であるアリー・アル・サーシェスは撤退。

マリナは自らの判断で国連からの援助を進めたことにより、クーデター及びソレスタル・ビーイングの介入を招いたことを憂います。
「毅然としなさい!マリナ・イスマイール。まだ終わってないわ…まだ……」
シーリンさんの叱咤激励が飛びます。
この人は、何だかんだでとてもマリナのことを思いやっているような気がします。


「こりゃヒデェ…」
「エクシア、ハッケン!エクシア!」
殆どの武器を使い果たしアンフの残骸の中で立ち尽くしているエクシア。
「俺は……ガンダムになれない……」

刹那の中では、ガンダム=絶対的な力なのでしょう。あの時、自らを救ってくれた白く輝く機体O(オー)ガンダム。
酷似した状況の中、少年たちを救えなかった自分。その差はあまりにも大きく刹那の圧し掛かっているようです。


信念を砕かれた刹那に立ちはだかるアリー・アル・サーシェス
紛争根絶の為、エクシアが再び立ち上がった
次回『聖者の帰還』
刹那、ガンダムとなる――


と思いきや、次回には早くも刹那がガンダムになってしまうようです。
次週の放送は年末の為お休み、次回は1月5日(土)なのでお間違いなく。年末とはいえ、ガンダム00が1週空くのは淋しいなぁ…