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白い彗星の艦長室のひとり言

ガンプラをはじめとして、各種トイ、話題のアニメについて盛り上がりましょう。

機動戦士ガンダム00 ♯22 トランザム その1

2008-03-09 17:36:32 | 機動戦士ガンダムOO
今回は、更新が遅くなってしまって申し訳ありませんでした。
ここ数日、1000人近い方々が、更新されていないかを確認するかのように何度かクリックしていただいたのが、アクセス数から伺えました。本当にありがたい事です。

尚、コメントをいただいた方には申し訳ありませんが、更新の遅れをお知らせする記事は予告通りに削除させていただきました。


前回大活躍したGNアームズは、強襲用コンテナなる物にドッキングできるようです。というか、その状態で運んできて刹那たちの危機を知り先行したのでしょう。
この強襲用コンテナはプトレマイオスの通常コンテナと差し替えて搭載する事ができるのでしょうか。
そうであれば、いずれガンコレのプトレマイオスに搭載可能なGNアームズ+強襲用コンテナが発売されそうですね。


ロックオンは大事には至らなかったようですが、利き目となる右目を負傷したらしく集中治療室へ。
多分、次号のガンダムエースにも登場するであろうドクター・モレノは金髪サングラスの男性でした。

傷の再生には最低でも3週間は掛かるとの診断で、一度再生カプセルに入ると治療が終わるまでは出られないという仕組みのようです。
心配されたGN粒子による影響というのは、どうやら無さそうですね。
砕けたコックピットの破片による物理的な負傷という事なんでしょう。

ロックオンは、治療を依頼しドックへ引き上げるつもりだったスメラギさんを制して起き上がります。
利き目の負傷で精密射撃ができない事を心配するアレルヤですが、ロックオンはハロのサポートがあれば戦えると判断しているようです。

そして、自分が寝ていると原因を作ったティエリアが心配すると…どこまでもカッコイイ男です。


アメリカのイリノイ基地では、国連軍によるガンダムに対抗し得る新型モビルスーツの開発(無論ハッタリ)及び、それを使ったガンダム掃討作戦、作戦名『Fallen Angels』が発表されました。
Fallen Angelsは普通に考えれば堕天使ですが、天使を堕とすという意味合いもあるんですかね?
各ガンダムの固有名は知らないはずですが、見事なリンクっぷりです。
それを見ていたビリーは、あたかもGN-Xを自ら開発したかのような発表に呆れ顔。

そして、今回のビックリポイントその1(笑)
フラッグの脇には何とGNドライブが!これには、か、な、り、驚かされました。
GN-Xが19機しか参加していなかったのは、パイロットが不在だったのだと思っていましたが、ここに回されていたからだったのですね。

しかし、いくらなんでも設計思想がまったく異なる兵器に、想定外の動力機関だけポン付けして運用できるとは、にわかには納得しがたいですね。
F-22ラプターに宇宙人からもたらされたUFOの動力を乗せちゃうようなものです(笑)
フラッグでガンダムに勝利するという意気込みは立派でしたが、その為に新型機が1機使えなくなるというのは、何とも微妙な感じがします。
姿形だけがフラッグであれば良いのなら、GN-Xにフラッグの顔だけ付けておいた方がマシな気がします(笑)

まぁ、そうは言ってもフラッグのバリエーションが増えるのは歓迎なので、ビリーの手によってフラッグがどのように生まれ変わるのか楽しみにしておきましょう。その内、GNフラッグ(仮)もキット化されそうですね。

グラハムがフラッグに乗り続けるという決断を下したときは、GN-Xが提供者の思惑で行動不能になった際に意味を持つと思っていましたが、この場合はどうなんでしょうかね。
そもそも、そういう展開になるとは限らないですが(汗)


人革連基地では、GNドライブを本体から降ろしのメンテナンス?が行われています。

「中佐、全GNドライブの圧縮空間、臨界値で安定しました」
「火を入れろ」
「了解」

このやり取りからは、GNドライブについて色々な事が見えてきます。
この“圧縮空間”という言葉に熱核融合炉ではないGNドライブの秘密があるのでしょう。ここまで来ると、素人レベルで現状技術から推測しても無駄ですが、非プラズマで低温(常温)で発生する核融合という事なのでしょうかね。

スーパーロボット大戦に登場するヒュッケバインには、磁気によるプラズマ封じ込み(トカマク型等)核融合炉の変わりに、重力によるプラズマ封じ込み核融合炉、プラズマ・ジェネレーターというのが搭載されていましたが、更に高温・高圧のプラズマに依存する事なく、重力により直接核融合を誘発する核融合炉、それが一番しっくりくるような気がします。

そして、TDブランケットがないτ型擬似GNドライブは、常に動き続けている正規のGNドライブとは違い、その都度補給が必要な事が判明しました。
以前、イアン・ヴァスティが言っていた有限という言葉は、ガス欠による補給が必要という事を指していたようです。

発生させるGN粒子の性能は同等でも、無補給で地球全土をカバーする正規のGNドライブの航続距離と行動可能時間と比べると、かなり見劣りする装置のようですね。


前回のGN-Xとの戦闘で受けたガンダムの損傷状況は、ヴェーチェはプトレマイオス内で整備が可能、デュナメスはコックピットの損傷が激しくカレル(ハロが乗ってるアレ)では整備が不可能との事。

ロックオンの事が気になっちゃう年頃(笑)のフェルトは、ロックオンを追いかけティエリアとの密会現場に出くわしてしまいます。
右目を眼帯で隠したロックオンは、どこぞの魔法結社の社長のようですが、これが意外とカッコイイ。

「失った…マイスターとしての資質を失ってしまった……ヴェーダと直接リンクが出来なければ、僕はもう……」

ティエリアは常にヴェーダと直接リンクを行って戦闘していたようです。そうしなければ戦えないレベルという事なのか、そうする事で他のマイスターより優位に戦えていたのかはちょっと判断が難しいです。

フェルトの見立てによると、前回のシステム変更時のエラーは、ティエリア自身が障害となって発生したとの事です。そして、フェルトもヴェーダと直接リンクする事ができるティエリアに、人間ではない可能性を感じたようです。

こういう話題に関連してくるところがますます怪しいような気もしますが、ハロは紫、オレンジ、そして4人?の弟たちの計6体が全てという事なので、ヴェーダの持つ生体端末の全てがハロの中身という事ではなさそうです。


ヴェーダとのリンクが出来なくなった事で、マイスターとしての資格を失ったと嘆くティエリアに、ロックオンは俺たちと同じになっただけと諭します。
そして、どこまでもヴェーダっ子なティエリアにとどめの一言。

「四の五の言わずにやりゃいいんだよ。お手本人になる奴が、すぐ傍にいるじゃねぇか…自分の思った事をがむしゃらにやる馬鹿がな…」

がむしゃら馬鹿と呼ばれた刹那はパイロットスーツで格納庫に入りびたりのようです。
自分個人もティエリアのような部分があるので、後先考えずにがむしゃらに行動できる人は少し羨ましいです。

「ロックオン…悪かった」
「ミス・スメラギも言ってただろう?失敗くらいするさ、人間なんだからな」

お前の正体がなんであれ、一人の人間として見ているよというメッセージでしょうね。外伝でのハナヨとフォンの関係がオーバーラップします。

(やさしいんだ…誰にでも)
物影で一部始終を見ていたフェルトのセリフは、微妙な三角関係のようにも聞こえますね(笑)


基地を失って、缶詰食べながらやさぐれているミハエル&ネーナ。
「粒子も残り少ないよ!」
燃料の補充が出来なくなったスローネは、活動限界が近づいているという事ですね。

一人冷静なヨハンは、王留美を通して宇宙へと上がる算段を試みますが、時既に遅しでセルゲイ率いる国連軍に発見されてしまいます。

「ミハエル、ネーナ、ドライブの粒子発生率が低下している。無駄使いをするなよ」
「オッケー」「了解」
「残り30%か…しかし!」

我が家の録画状況では、映し出されたモニター表示を細かく読み取れないのですが(一番上はGN DRIVE TAU)ここにもGNドライブの謎を紐解くキーワードが潜んでいるかも知れません。

以前は手も足も出なかったスローネに対して、同等の力を得た頂武はその連携でスローネを圧倒します。
スローネドライの仕掛けるGNファングも密集隊形にて全方位をカバーして対処しています。
この密集隊形を取る際のGN-Xの動きは、GNドライブ搭載機が重力や物理法則、航空力学を無視して動いているのがよく分かりますね。


その様子をテレビのライブ中継で見守るマリナは、追い詰められている機体が刹那の物でない事に安堵し、同じくその映像を見ている沙慈は精神的にかなりヤバイ状態のようです。
ルイスを襲った機体ですから無理もないでしょうが、こういう時に一人でいるのはとても危険です。
「ヤられちゃえよ…ガンダム……」
彼の今後が心配です。


最早、数、連携、技量、戦術、そして残りエネルギー、全てにおいて歯が立たなくなったスローネはその場を去り、追おうとしたソーマをセルゲイはいずれドライブの限界が来ると引き止めます。

ドライブの限界…以前から判明していた事ですが、ここへ来てその事実が事態に大きく影響してきました。
恐らく、GNドライブの燃料となるヘリウム3は木星で採取する事でしか手に入らないでしょうから(月でも採取できるという説もありますが)、国連軍の使っている擬似GNドライブも備蓄分がなくなれば運用不可能になるという事ですかね。
運用面を考えても、やはり借り物の兵器は借り物でしかないという事でしょうか。


怒涛の展開となる後半は、その2
毎度毎度申し訳ないです…

機動戦士ガンダム00 ♯21 滅びの道 その2

2008-03-02 20:50:26 | 機動戦士ガンダムOO
前半Aパートはその1をご覧下さい。


東京の自室では、JNNで姉の上司と話した後の沙慈が、遺品である家族写真を前にして茫然自失の状態のようです。

彼らの父親は、報道関係者なら名を知らない者のいなかったような高名なジャーナリストだったようです。
取材相手の企業から嫌疑を掛けられ投獄されたという事はまだ獄中にいるという事かとも思いましたが、以前ルイスが母親に紹介する際に、早くにご両親を亡くしてお姉さんと二人でと言ってましたので、両親が早くに亡くなった原因がその辺りのあるという事でしょう。

そして、沙慈は絹江がイオリアについての取材を専任でしていた事を知ります。
ルイスの家族と彼女の自由を奪ったのはガンダム。そして姉の命を奪ったのはソレスタルビーイング。今はただ涙に暮れるしかない沙慈が、それらの存在に立ち向かうとしたら、それはやはりペンの力という事になるのでしょうか。


宇宙では、国連軍GN-X部隊とガンダムとの間で火蓋が切って落とされます。
GN-Xの粒子ビームをGNフィールドで受け止めるヴァーチェですが、最早その方法では同等の力を持ったGN-Xの攻撃を完全には防ぎきれないようです。

機動力を頼りに仕掛けるキュリオスも、GN-Xの機動力の前には機影を捉える事ができす、デュナメスの狙撃も装甲の堅さと機動力で有効な一撃とはなりません。

エクシアは初めて腕に装備されているGNバルカンを使い牽制するも、2機のGN-X相手に防戦一報で、これまで有効だったダガーによる得意の投射もかわされてしまいます。

同等の武装を持ち、更には数で圧倒的な優位を保つGN-X部隊に次第に追い込まれるガンダム。

「僕らの滅びは計画に入っているというのか!?」
「そんな事が!!」
アレルヤの嘆きを否定するティエリア。万一イオリアの描く理想に自分たちの滅びが含まれていたとしても、こんな形ではないという想いでしょうか。
GNキャノンによる一撃はGN-X2機を中破します。

「まだまだァ!」
突っ込んで来るパトリック機をGNバスーカの照準に捉えた時、そのシステムは突然ダウンします。

「!?ヴェーダからのバックアップが!!」
「システムエラー!システムエラー!システムエラー!――」
「嘘だろ!?」
ヴェーダからのバックアップが寸断され、システムダウンを起こしたガンダムは成す術もなくGN-Xからの攻撃を受ける事になります。

これは、以前ティエリアがナドレで行ったのと同様に、ヴェーダにリンクしているガンダムのコントロールを奪うトライアル・システムと同様の力なのでしょうか。
あの時は、その波動の範囲にいる機体にしか影響がなさそうでしたが、ヴェーダに直接関与する事で発動する力は、以前はトライアル・システムの使用を止めさせる力として、そして今回はトライアル・システム同様にガンダム自体の力を奪う形で発動しました。

「僕らは…裁きを受けようとしている……」
「冗談じゃねぇ!まだ何もして(成して)ねぇぞ!!」
「僕は…ヴェーダに見捨てられたのか……」
「同じだ……あの時と…エクシアに乗っているのに…ガンダムにもなれず!俺は!!」


「よいのですか?アレハンドロ様」
「世界統一の為に国連軍の勝利は必須事項だ。GNドライブさえ残れば、いつでもソレスタルビーイングは復活できる。私は欲深い男でね…地球とソレスタルビーイング、どちらも手に入れたいのだよ」

そう語るアレハンドロには、やはり小物感が漂い始めました。
“世界統一の為に国連軍の勝利は必須事項”ここまではイオリアの計画にも含まれている事かも知れません。
ただし、その後がなく私利私欲での世界統一と自由に操れる最強の力の独占を想い描いているのだとすれば、それはやはり小物という事でしょう。
イオリア・シュヘンベルグの描いた未来を曲解し、その過程でもたらされる結果のみに執着した一族の末裔という事でしょうか。

それを傍らで見ているリボンズは、何を想い描いているのか?


「ガンダム、システムダウン!ヴェーダからの“介入”です!」
「予定通り、こちらのシステムに変更!!」
「了解!」
「了解!」

「ここまでなのか、俺の命は…」
(もういいのよソラン、もう…いいの)
「マリナ……」
刹那の迷いと弱い心が見せる幻影…
「違う!違う!!俺はまだ生きている!生きているんだ!!動けエクシア!動いてくれ!ガンダーーーーーム!!!」

刹那の叫びに呼応するように、GNドライブが目を覚まし再起動するガンダム。
これがエヴァだとすれば、ガンダムの中に眠っていた何かがとなるところでしょうが、実際にはシステム変更が間に合ったという事なんでしょう……ね。
以前はこんな事も考えましたが、う~ん(汗)

ともかくスタンドアローン・オペレーション・システムに切り替わったおかげで、ヴェーダからの介入を遮断し、復活を果たす3機のガンダム。
ヴァーチェのみは、システム変更にエラーが生じて再起動できません。
これは、ティエリアが絶望しているから……じゃなくて(汗)
ヴァーチェの持つ複雑なシステム(ナドレとかトライアル・システムとか)が邪魔をしているのでしょうか。

復活を遂げたエクシアは、刹那の気合も十分でGN-Xの動きを圧倒しますが、ヴァーチェは今だ虚空を見上げたまま動きません。

「デカブツが鈍い!いただくぜ!!」
動かないヴァーチェに狙いを定めて、嬉々として大軍引き連れて攻め込むパトリック。いや、間違っちゃないけどね。

その動きに気が付いて、GNミサイルを放つロックオン。
GN-Xの左腕にはディフェンスロッドとGNフィールドを合わせたような防御装置が装備されているようです。


エクシアの斬撃を受け止めたダリルが指示を出し、背後から迫ったGN-Xに、今度こそはのビームサーベルによる投射が突き刺さります。
ドライブ本体を貫かれたGN-Xは大破。これで総数がまた1機減りました。


「大佐のキッスはいただきだーーーーーーーぁ!!」(バカ?)
マネキン大佐の巧みな操縦方法で?気合クライマックスのパトリックはビームサベールを構えて突貫。

「僕は……」
今だ、ヴェーダに見限られた(と思っている)ショックから立ち直れず、システム変更も行われていないヴァーチェはただ無防備に虚空に浮いたままです。


「積念の恨みーーーーーーー!!」
(積念という言葉は存在しませんが、積年という程の年月が経っている訳でもないので、当て字してみました)

「ティエリア!!」
いち早くその状況に気が付いていたロックオンは、ヴァーチェの盾となり、GN-Xのビームサーベルに貫かれます。
その様子に我に返り激しく動揺するティエリア。

「もう一度ぉ!!」

体勢を切り返して再度切り掛かるGN-Xの腕を別方向から飛来した粒子ビームが焼き払います。

「何だ!?」
「新手か?」

ピンチに颯爽と駆けつけたのは、スメラギさんからの指示で受け入れに行っていたラッセと彼の操るGNアームズでした。
いつ出る?いつ出る?と思ってきましたが、とても美味しいタイミングでの登場となりました。

ミーティアやオーキスのような物を想像していましたが、単独のコクピットを持つ機体で設定画を見る限りは、エクシアがドッキングしてGNアーマーとして使うときにはそのコクピットを切り離すようなので、どちらかと言えばGディフェンサーでしたね。

「残量粒子は少ないが、いけよーーー!」
このセリフからは、当然の事ながらGNアームズ本体にはGNドライブは搭載されておらず、プトレマイオスのように備蓄したGN粒子を利用している事が伺えます。エクシアが連結すれば、そこから粒子を得られるのでしょう。

「捉えた!」
そう言って放たれた一撃は、GN-Xの1機を捉えて大破させます。
武装のない船に乗っていた砲撃手ラッセ。彼が初めて活躍した瞬間を見た気がします。
そして、その圧倒的な火力はエクシアにヴァーチェ級の火力をもたらし、両腕に当たる部分からは恐らく巨大なビームサーベルが生成されると思われるので、エクシアの本分である接近戦にも期待できます。

GNアームズの介入により撤退を余儀なくされた国連軍。
大佐のキッスを惜しむパトリックと、グラハムに対して申し訳が立たぬとコンソールを叩くダリルの対比が印象的です。

「全員、無事か!?」
「デュナメス、ソンショウ!ロックオン、フショウ!!」
「ロックオンが!?」
「そんな……僕を……庇って!?ロックオン・ストラトス!!」

スタンドアローンシステムへの書き換えと、GNアームズの到着により何とか危機を脱した刹那たちに待っていたのはデュナメスの損傷とロックオンの負傷でした。
ヘルメットのバイザーがひび割れ、血が赤い玉となって浮かんでいるコクピットの様子からは、かなりの重傷である事が伺えます。
ガンダム00に第2部がなければ……
ティエリアにとっても大きな転機を迎える事になりそうです。


「やってくれるな、ソレスタルビーイング。予備システムを構築していたとは。素晴らしい戦術予測だ…流石はスメラギ・李・ノリエガ」

独自のシステムを立ち上げたといっても、ヴェーダを掌握するアレハンドロにとってはまだまだ余裕のある発言ですが、見方を変えればソレスタルビーイングそのものも手に入れたい彼にとっては、一度は切り捨てた者が見せた底力は彼にとっても嬉い誤算なのかも知れませんね。

スメラギさんは、デュナメスとヴァーチェの回収、そしてモレノさんに連絡を入れる事をクリスに指示します。
モレノさんとは、かつて“国境なき医師団”に所属していたというプトレマイオスの船医ジョイス・モレノさんの事のようです。
外伝にその名が出てきた時には自分はまったく覚えていませんでしたが、どうやら以前にも会話の中で登場した名前らしいです。


「アレハンドロ様、レベル6をクリアしました」
「フッ…もうすぐだ、もうすぐ…」

またまた外伝によると、ヴェーダの最上位の領域はレベル7のようなので、一度は侵入した事のあるリボンズでも、その領域までの到達には相応の時間が掛かるという事でしょう。

リボンスに関しての考察もこちらに記載しておりますが、彼とティエリアとの位置づけ、そしてヴェーダにとってのリボンズの位置づけが非常に気になります。

いくつかの可能性はありますが、やはりヴェーダにとってティエリアは最も近しく全てを許している存在で、リボンズについてはその成り立ちは不明ですがヴェーダにとっては侵食されているという事なのでしょうか。
本来その役目にない者が、ルールを逸脱し厳重なブロックを突破しながらヴェーダ本体を掌握しているという印象を受けます。

その過程でデータの改ざんを行い、ティエリアのレベル7へのアクセスを不可能にし、本来ティエリアにしか与えられていないトライアルシステムの権限もを奪ったと。そこに見え隠れするのは、自分とティエリアとの本来の差を実力を以って強引に埋めているという事でしょうか。
リボンズの思惑というのがなかなか見えてきませんでしたが、自分をティエリアより低く設定したヴェーダ、ティエリアへの恨み?というか、自分の実力を示したいという事なんですかね??

アレハンドロが想い描く野望には、ヒトではない(断定しちゃったよ)リボンズが興味を抱くとはあまり思えないので、ヴェーダの全てを掌握して自分の下に納める。
それが、アレハンドロの野望とも一致するというところでしょうか。
多分、人間であるアレハンドロの野望を愚かしいと思ってるであろうリボンズが、ヴェーダを完全に掌握した後でどのような行動を取るのかが楽しみです。


そして、もっと愚かしいのが各国家郡の首脳たち。
与えられた戦力と情報を鵜呑みしに、その結果もたらされるであろうしっぺ返しには考えが及んでいないようです。
唯一、AEU首脳の語った独自でのGNドライブの開発という言葉には、彼らの繰人形からの脱却の可能性を感じますが…

「会見の準備を。ガンダムの時代は終わった…これで世界は変わる」


二世紀以上に及んだ計画は、一人の人間によって瓦解した。
それは、新たな時代の幕開けとなるのか?
次回『トランザム』
それはパンドラの底に眠るもの…

トランザムというのは、欄間(らんま)という明り取り窓の事を指すので、パンドラの箱に差し込む光という意味を指すのでしょうか?
トランザムというガンダム00世界の用語を指している可能性も否定はできませんが…

漆黒の宇宙を見つめるティエリアは何を想うのか…


今週は何か燃え尽きました…
こんなのに付き合って読んでいただいている方には、ほんと感謝致します…

機動戦士ガンダム00 ♯21 滅びの道 その1 

2008-03-02 16:12:51 | 機動戦士ガンダムOO
ガンダム00も残り僅か、このレビューも残り僅か?最後まで気合入れてまいります。

アバンでは、アリーの手に掛かった絹江はやはり帰らぬ人になっていました…
強い意志を持って真実を探求する姿は好きだっただけに残念です。
彼女の死は、ソレスタルビーイング及びイオリア・シュヘンベルグの真相に迫るものには死をというメッセージとなって世界に広がるのでしょうか。

沙慈に関しては次々と降りかかる事態に、今後どのように世界と向き合っていく事になるのか気になります。


月では、アレハンドロとリボンズがヴェーダ本体そのものを掌握しようと準備を進めます。

「できるかい?リボンズ」
「少々お時間をいただく事になりますが」
「構わんさ。コーナー家はこの時のため、200年以上も待ち続けていたのだから」

コーナーのセリフからは、監視者という存在がイオリアが生存していた時代から続く世襲制だという事が伺えます。監視者の考察は長くなるのでこちらで。


プトレマイオスのブリッジでは、ヴェーダを介してトリニティを退けた新型モビルスーツの情報を探ろうとしています。
できればこちら側のデータはブロックして…というデータというのは、プトレマイオスの位置情報ですかね。
但しこれは、外伝『ガンダム00F』でのガンダムマイスター874の言葉によると、ヴェーダは常に自らの端末の位置を把握しているとの事なので、ハロ及びティエリアその他がいる以上、無駄な抵抗に思えます。
事実、後ほど国連軍があっさりとプトレマイオスの位置を掴んでいたのは、情報のリークがあったものと推測できます。

映し出された映像で、新型モビルスーツはやはり擬似太陽炉を搭載した機体だと確認したクルー。
何故これが他陣営の手に渡り、国連軍が組織される事になったカラクリは、彼らは知る由もないでしょうが、拡大されていく戦火に刹那は戸惑いを感じているようです。


トリニティは突如としてなくなったラグナからの指示に苛立ちと戸惑いを感じているようです。
トリニティに関してはこちらにまとめてありますが、長兄ヨハンは現在自分たちが置かれている立場に薄々気が付いているようです。


「どうだね状況は?」
「現在レベル5をクリア。レベル6の掌握作業に入りました。退屈しのぎにこのような情報はいかがでしょう?」

ここでアレハンドロに提示されたデータの中身は窺い知れませんが、後のアレハンドロのセリフから察すると、GN-Xの配備状況やトリニティとの交戦記録でしょうか。これにより役目を終えたと判断されたラグナは切り捨てられます。
まぁあのオッサン(スイマセン)が真の黒幕とは到底思えなかったので、これは誰もが予想していたのではないでしょうか。

そして、恐らくラグナの配下であるトリニティについても役目を終えたという判断から潜伏場所のリークが行われたのではないかと思います。


ユニオンの高軌道ステーションには、地上で部隊を展開する人革連を除いたユニオン、AEUのGN-X部隊が集結しているようです。

「よぉ!アンタ、フラッグファイターだろ?」
「……………誰だ?!」
「#$%&……この俺を知らないとはモグリだな!AEUのエース、パトリック・コーラサワー様だ!」
「コーラサワー…?あぁ、一番最初にガンダムに介入されボコボコにされた…」
「#$%&……古傷をえぐるな!!」

残された最後のお笑い担当コーラサワーが今回も魅せてくれます。
二人の会話からは、グラハムが今回の作戦に参加していない事が伺えます。自らの誓いに従っての事なのか、GN-Xに乗らないと主張した事で一線から外されたのかは分かりませんが、部隊の主軸がGN-Xになった以上、それに乗らないグラハムは主戦場から姿を消す事になるのでしょう。

但し、そのグラハムのポジションは前回も書いた通りに後に非常に重要になると思います。

グラハムを愚弄した事で、ダリルに胸倉を掴まれている所に愛しのマネキン大佐登場。彼女はこの作戦の指揮を任されているという事で、男の趣味はともかくやはりとても優秀な司令官のようです。あのロングヘアは帽子の中にまとめているのでしょうか、何故だかとても見てみたいです……
え?自分もパトリックと一緒………orz

ダリルは自ら進んで前線へ出る(GN-Xに乗る)事を決意したようですね。グラハムへの尊敬と忠義は失っておらず、彼なりの信念に基づいての行動のようですが、彼も生きて最終回を迎える事はなさそうです……


プトレマイオスでは、作業中のクリスとフェルトにスメラギさんから飲み物の差し入れ。

「システムの構築具合は?」
「8割といったところです。でもいいんですか?ガンダムからヴェーダのバックアップを切り離すとパイロットへの負担が……!これお酒じゃないですか!!」

その二人のやりとりを見て笑いを漏らすフェルト。最近、柔らかくなってきたわねというスメラギさんのセリフは、ちょっと堅い女の子が徐々に打ち解けてきた…と取れますが、個人的にはこのように見えてしかたがありません。
スメラギさんは気が付いているのかな??


「状況から見て、ヴェーダのシステムを何者かが利用しているのは確実……しかし、ヴェーダなくして同型機に対抗する事などできるのか?」
この期に至って、リボンズの存在に思い当たらないティエリアは、まったく彼の存在を知らないという事でしょう。

「悩み事か?」
その場に現れたロックオンは、悲観的なティエリアに自分たちにはガンダムとスメラギさんの戦術予測があると説きます。
スメラギさんの過去における過ち(以前、ビリーが指摘した過去)を持ち出したティエリアに対してロックオンはそこから再び立ち上がる事ができるのが人間の持つ力だとティエリアに諭します(というか自分にはそう見えます)。

「人間か…… !!ロックオン、貴方は僕の事を…」
ティエリアについての考察はこちら。今回はこういうのが多くてスミマセン…でも、その為に書き上げたのでご理解下さい。

ロックオンは洞察力に優れている(無論ニュータイプ的な意味ではなく)のか、ティエリアの行動、発言を注意深く見てきた中で、彼の存在とその意義に何となく気が付いているのでしょう。

「ティエリア、これだけは言わせてくれ。状況が悪い方に流れている今だからこそ、4機のガンダムによる連携が重要になる。…頼むぜ」
「フッ…その言葉は刹那・F・セイエイに言った方がいい」
「ま、そりゃそうだ」

ロックオンは本当に頼れる兄貴という魅力全開です。
そして、ティエリアのセリフは文字に起こせば物語の前半に彼がいつも言っていた事と変わりないようですが、そこに込められたニュアンスは大きく異なります。これは彼なりの相手への信頼(無論、刹那も含む)から生じた軽口なのでしょう。
これを見ても、ティエリアには徐々にではありますが変化が生じているようです。


夕日に赤く染まる戦場跡でライフルを手にし立っている刹那。

「ソラン…」
呼びかけられた声に振り返ると、そこにはマリナ・イスマイール皇女の姿が。
「こっちに来て……見て、この場所にも花が咲くようになったのね」
戦場に一輪咲いた花は、前半のOP曲『DAYBREAK’S BELL』を思い起こします。

ソランと優しく呼びかけ、もう戦わなくていいと語りかけるマリナの姿に銃を降ろす刹那……

「夢……か、何故マリナ・イスマイールが?いや、それよりも(戦いを)やめたいのか?やめたがっているのか…俺は?」

ハっして目を開ける刹那はそれが自らの夢だと気が付きました。前回の予告編で差し込まれた画像は刹那の夢だったんですね(笑)
刹那の中では戦いに対する迷いが徐々に生じているのかも知れません。そして、本人に自覚はないようですがマリナの存在はとても大きく、そして平和の象徴のようにも感じているのでしょうか。


「中佐、まもなく目標ポイントへ到着します」
「了解した。頂武GN-X部隊、ソレスタルビーイングの施設に対して攻撃を開始する」

ピンポイントにトリニティの潜伏場所に狙いを定めているのは、GN-Xを得たから相手の居場所が分かるというものでもなく、位置を特定している誰かからのリークがあったと見るべきでしょう。その相手はもう言わずもがなのあの人たち。

そしてヨハンはその事(自分たちが不要になり処分される事)を見越して、スローネ3機による合体攻撃“GNハイメガランチャー”で山の斜面ごとGN-Xの1機を貫きます。

「我々を裏切った…いや、最初から葬り去るつもりだったのか、ラグナ・ハーヴェイ!!」
ヨハンの予測は半分は当たっているものの、そのラグナは既に殺害されており、彼らはその後ろにいる人物には心当たりがまったくないようです。
ラグナとトリニティの関係の考察はこちら
彼らの言っていたラグナとは、どうやらラグナ・ハーヴェイその人を指していたようですね。どうもニュアンスが違うように感じていましたが、それで間違いないようです。

トリニティには、ますます使い捨ての小物感を感じますが、彼らが今後その運命にどう逆らうのかが見物です。まともな最後は迎えないでしょうが、それまで精一杯状況に足掻いて見せて欲しいものです。


プトレマイオスでは、疲れて突っ伏す二人を労いスメラギさんは“STAND-ALONE OPERATION SYSTEM”の完成を確認します。
と、そこに敵襲を知らせるサインが。
最接近されるまでセンサーが感知しない事、即ちそれはGNドライブを積んだ同類である事を示します。
「総員、第一種戦闘準備。敵部隊は擬似太陽炉搭載型。19機と断定」

19機というのはグラハムに用意された機体のパイロットが決まっていないという事でしょうが、こういう流れでアリーの枠が確保されるとは気が付きませんでした。

そして、双方向通信システムをバラ撒いている訳でもなく、正確にプトレマイオスの位置を特定できるのは、恐らくトリニティ基地襲撃と同じ理由でしょう。
国連軍には逐一ソレスタルビーイングの裏切り者を名乗る存在からの情報リークが行われているのでしょう。

そしてコンテナから緊急発進し、フォーメションを組むガンダム4機には、ガンダムW終盤の姿を重ねてしまいました。いや悪い意味じゃなく燃えました(笑)


CM明けBパートはその2で。

機動戦士ガンダム00 7つの謎 後編 【改訂版】

2008-03-02 02:10:25 | 機動戦士ガンダムOO
1~4については前編(2008.4.13再改定)をご覧下さい。

本来は前編と時期を同じくして掲載する予定でしたが、諸処の理由でここまで遅れてしまいました。
その間に謎が謎でなくなっている部分もありますが、現時点(第21話終了時点)で判明されている事の確認の意味でUPします。
ただし、ここに書かれている事は、公開された事実以外はあくまで個人的な考察ですので、まともに受け取らないようにお願いします(汗)

(2008.4.13 第1期終了に伴い一部記事追加※)
(2008.4.14 ノベライズ版第1巻読了後に一部内容を追加※※)


◆謎その5 監視者とは

(1)監視者の権限と効力

第1話から監視者として登場していたアレハンドロ・コーナー。
そして16話では、監視者と呼ばれる存在が複数存在する事が判明しました。

その目的は“世界の動向を見守る事”“ソレスタルビーイングの監視”が挙げられますが、その存在理由は定かではありません。

彼等が持つ力としては、全員の意見が一致した場合にのみソレスタルビーイングに対して拒否権を持つという事。

存在自体が謎だらけの彼らですが、個人的に一番の謎は“拒否権”なるものの効力と実施方法です。
特定のコミュニティに所属しているわけでもなく、言ってみればゲリラでしかないソレスタルビーイングに“拒否権”なるものを強制できる仕組みとは何なのか。

誰かの許しを得て行動しているわけではないソレスタルビーイングに口頭での命令は意味を成さないし、世界の軍隊を上回る武力を持つ彼らに力づくというのも説得力がありません。

とすれば、考えられるのは彼らにとって絶対の存在である(揺らぎつつありますが)ヴェーダに干渉し、ヴェーダを通して彼らに強制力を行使するというのが一番可能性が高いように感じます。

そうであれば、監視者なる存在を設定したのはソレスタルビーイングの創始者たるイオリア・シュヘンベルグである可能性が高く、自分がいなくなった世の中で、強大な力を持ったソレスタルビーイングが暴走した時の予防策として彼らに“拒否権”なるものを与えたと考えるのが妥当ですかね。

アレハンドロ・コーナーが召集した監視者は「N1」「T2」「D3」「J4」「C5」「V7」「S8」「L9」というコードネームの持ち主である事が判明しました。
6が抜けているのは、アレハンドロ・コーナーがこれに該当するという事ですかね。

※リニアトレイン公社の総帥ラグナ・ハーヴェイも監視者の一人だった事が判明しました。

また外伝『機動戦士ガンダム00F』に登場するシャルの話によれば、監視者がヴェーダにアクセスできるレベルは3、スメラギさんはその上の4という事です。


(2)監視者と実行者の関係

簡単に言えば、刹那たちが監視者という存在を知っているのかどうかという事。
王留美はかなり以前からアレハンドロ・コーナーを監視者と知った上で接触していたので当然として、トレミーの実働部隊の面々からは一度もその存在について語られた事がありません。

先ほど挙げた『ガンダム00F』に登場する支援組織フェレシュテの管理者であるシャルは監視者の存在を知っていましたが、その組織に属するガンダムマイスターの一人はその存在を知らされていなかったので、トレミー組に当てはめればスメラギさんは知っているが、各マイスター(ティエリア除く)は知らないと考えるのが妥当なようです。

スメラギさんの口から監視者について語られた事はありませんが、彼女がシャルより上位に位置していること(ミス・スメラギからの指示は絶対という発言より)、ヴェーダへのアクセスレベルが監視者を上回るレベル4なのを考えてもスメラギさんが知らないと言うのは不自然です。

ティエリアについては、ヴェーダの最高機密であるレベル7の領域にアクセスできる(何者かによる改ざんを受けた後は拒否)彼が監視者の存在を知らないはずはありません。
刹那、アレルア、スメラギさんに関する審議は、彼の進言により行われたと考えるのが自然でしょうか。


(3)アレハンドロ・コーナーという存在

監視者の中で唯一姿及び名前が判明しているアレハンドロ・コーナー。
彼の言葉からは、監視者が200年前から存在していて世襲制である事が伺えます。

本来、監視者の一族に生まれソレスタルビーイングの動向をただ見守る事が役目であったアレハンドロが、自らの野望(地球とソレスタルビーイング双方の掌握)を持ったのはリボンズ・アルマークとの出会いから。
彼に多大な影響を与えたリボンズに関しては別項で。


◆謎その6 トリニティとは

(1)ラグナ・ハーヴェイとの関係

刹那たちトレミー組ガンダムの危機に現れ、窮地を救った後、独自の目的及び指揮系統で武力介入を行うトリニティ。

彼らの背後に居て指示を出していると思われる人物はラグナ・ハーヴェイというリニアトレイン事業の総裁を務める人物だという事が判明しました。

ただし、彼らが所有するガンダムスローネに搭載されている擬似GNドライブは、独自の技術及び知識なくては開発できない物である事から、その秘密を知る人物がバックに居る事が伺えます。

ガンダムスローネは、当初からその存在が計画に組み込まれていた物ではなく、ある時期にヴェーダが計画に有効であると判断し容認されたと思われ、その時期とは“プロジェクトG”なるガンダム鹵獲作戦にて第3世代ガンダムが敵陣営に正に鹵獲されようとしていた時、その事態を打破する手段として採用されたと思えます。

根拠としては、ヴェーダへのアクセス権を持っているティエリアがその存在を知らなかった事。
それは彼が戦闘中であったあのタイミングで提示され承認されたと見るのが妥当です。

ラグナ・ハーヴェイがヴェーダへのアクセス権を持つ存在(監視者とか)でないとすれば、これが可能な人物はアレハンドロ・コーナーであり、同作戦中、彼が席を立ったタイミングにそれは行われ、その後監視者を集めてトリニティを承認させたと見るのが自然でしょう。

ラグナ・ハーヴェイとアレハンドロ・コーナーとの関係は、アレハンドロがリボンズよりもたらされた擬似GNドライブの情報をラグナに開示し、ラグナの資財でガンダムスローネ及びGN-X(ジンクス)を建造させたと思われます。
ラグナにとっては旨い儲け話、アレハンドロにとってはパトロンといったところでしょうが、GN-Xが国連軍に配備された時点でラグナの利用価値はなくなり、ラグナはあっさりと切り捨てられました。


(2)トリニティの存在意義

これはアレハンドロが自由に切ることのできる切り札として用意されていて、あの時点でガンダムが鹵獲される事を良しとしなかったが故にそのカードは切られ、その後は、マスード・ラフマディの無血解放などのトレミー組の行動に業を煮やしたアレハンドロが、事態を急進させるための起爆剤として利用(ラグナにそう仕向けた?)したという事でしょう。
いずれにしても、国連軍の結成及びGN-Xの配備が完了した今となっては、既に必要のない存在なのでしょう。


(3)彼らの出生と能力について

オフィシャルファイルによると、彼らはガンダムマイスターとなるべく遺伝子操作により生まれてきたデザインベイビーとの事。
実の兄弟と名乗っていますが、彼らが同一の精子及び卵子提供者から生まれた者なのかどうかは不明。

長兄ヨハンは指揮官としての判断力、次兄ミハエルは脳量子波によるGNファングの遠隔操作能力(これは「ガンダム00V」で公開されたスローネの追加装備ツトゥルブレンツにおいて、アイン用の機体にはGNファング用のコンテナがあるにも関わらず空の状態である事から、ミハエルだけの能力と推測が可能です)、末妹ネーナは恐らくヴェーダへのアクセス方法を持って(持たされて)生まれてきたものと推測されます。

※ファングの操作はその後アリー及びアレハンドロも行っていたので、システム的に確立された物で、ある程度誰でも使える物と思われます。

ただし、アレハンドロにとって捨て駒であろう彼らに、ヴェーダへの高度な干渉能力を与えるとは考えにくいので、ネーナの能力は極低いもの(若しくはヴェーダに彼女のアクセスを許しただけ)で、実際にヴェーダに干渉しレベル7の情報の改ざんを行い、ティエリアを拒絶するように仕向け、ネーナの存在を認識させ、レベル7にある情報を“見る”事を可能にしたのはリボンズであると考えるのが自然でしょうか。

※最終話で王留美とイアンの会話を別室でネーナがモニタリングしていた時の虹彩の様子から、ヴェーダに限らずコンピューターシステムに介入する能力(個人差はあるでしょうが)と思われます。


◆謎その7 生きた情報端末

(1)ハナヨとガンダムマイスター874

アニメ本編のみをご覧になっている方には馴染みがないでしょうが、模型誌各誌とガンダムエースにて連載されている外伝企画にはハナヨ(ハロに似たAIロボット)とガンダムマイスター874という存在が登場します。
かなり以前からハナヨと874という名前の共通性から両者は同一の存在と認識していましたが、ここへ来て連載でもその事実が描かれました。

そして、このハナヨ及びガンダムマイスター874の存在がガンダム00の中で一番の謎の部分であるティエリア・アーデとリボンズ・アルマークという存在を紐解く重要なカギになっています。

各話レビューの中でも、ティエリアとリボンズが同一の存在の可能性及びティエリアを人気作品『涼宮ハルヒの憂鬱』に登場する単語“対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース”と揶揄してきましたが、外伝『ガンダム00F』及び『ガンダム00P』においての874のいくつかの発言から、それがあながち的外れではない事が判明しました。

無機物でありデータの集合体であるヴェーダが、意思を持った有機生命体である人間の本質を理解するために、人間の社会に入り、人間と同じ生活を行い、生きた情報を送ってくれる(人間と同じ見た目の)情報端末が必要だという判断から生まれてきた存在だという事です。

この事は即ち、イオリアの真の目的の達成若しくは移行(恐らく人類の宇宙への本格的な進出?)には人類にある種のレベルが求められるという事を表しているのでしょう。


彼女は普段ハロ(ハナヨという個体)として、オレンジハロと同様にモビルスーツの操縦のサポート等を行っていますが、必要な際には(恐らく)質量を持った人型の存在として現れます。
これが『ガンダム00P』におけるガンダムマイスター874です。

アニメと同時間軸で描かれる『ガンダム00F』に登場するフェレシュテのメンバーはその事を知っていてハナヨをヴェーダとのパイプとしてではなく、一人の人間として接し、この事が彼女に独立した意思を持つ存在として行動を起こすキッカケにもなります。

アニメ本編の15年前を描いた『ガンダム00P』では、姿形はまったく変わらないガンダムマイスター874として登場しますが、当時のメンバーは現時点では874の本質を知らずに接していて、874もまた彼らを監視して人間という存在を探っている最中のようなので、15年という月日による874の変化が双方でのスタンスの違いなのでしょう。


ティエリアとリボンズとの関係性は、彼女が彼らと同じ虹彩に幾何学パターンの走る独自の目を持っている事からも明らかで、情報収集体である彼女が人間に影響されて独自の行動を取るに至った事は、今後のティエリアとリボンズの行動を示唆する事にもなるのでしょう。

ハロの中から突如として現れるのは、ガンダム00でよく使われる言葉から推測する限り、ナノマシンの集合体?と考えるのが妥当でしょうか。

※ガンダム00Fではガンダムマイスター874は立体映像と定義されています。


(2)ティエリア・アーデ

番組開始当初からその一切が謎の存在として描かれてきたティエリア。
彼の本質は、ほぼ間違いなく874と同様に人間の本質を判断するための情報収集体であろうと思われますが、世界各地に点在していると言われている彼らの仲間(874曰く姉弟)には、自分の正体を知らずに生活している者も多いとされる中、彼は自分の存在理由を理解して行動している個体だと思われます。

その中でも最上位に位置すると思われるティエリアは、何者かの改ざんを受ける前はヴェーダの全てにアクセスする権限を有し、ヴェーダに連なる全てのガンダムの制御を行うトライアル・システムの使用を行える唯一の存在としてヴェーダに認知されている(いた)ようです。

874がそうであったように、ティエリアもまたヴェーダこそが全てであった中、プトレマイオスのクルーとの接触で、徐々にではありますが人間の本質に触れ、理解を示し始めているところでしょうか。

第10話では、予定より早くナドレを露見してしまった事で、ヴェーダの計画を歪めてしまったと取り乱し、第21話では、ヴェーダに見放された(と思い込み)と放心状態になる等、まだまだヴェーダからの親離れはできていないようです(笑)

アレルヤの過去に触れたときは人間の持つ愚かさを嘆き、ロックオンと刹那の過去に触れた時は彼らの決意を目の当たりにし、更にはロックオンが身を挺して自分を庇った事で彼には更なる変化がもたらされる事になりそうです。

※国連軍との最終戦にて搭乗していたナドレは破壊されGNドライブをパージした後生死不明。
第2期には、彼とそっくりの外見をしたリジェネ・レジェッタという人物がルイス・ハレヴィを伴って登場するようです。


(3)リボンズ・アルマーク

アレハンドロの従者として常に彼に付き添うように登場していたリボンズは、後半になり物語のカギを握る存在としてクローズアップされてきました。
彼が月のヴェーダ本体に接触する時に見せた目は、ティエリア、874と同様の能力を持つ事が伺えます。

彼の謎に迫るカギとしては、アレハンドロの言う「運命的な出会い」、リボンズ自身が言う「拾って貰った恩」が挙げられます。
二人のこの言葉が指すシーンは、恐らく80年前の木星付近に遡ると思われます。

GNドライブ製造の隠れ蓑となっていた有人木星調査団と、そこに現れた謎の調査団。
何らかの事故により廃棄されたと思われる木星のステーションに残されていた紫ハロとそれを見つけて回収した謎の調査団には“アーディ”と呼ばれる人物が同行しており、それこそがアレハンドロとリボンズの出会いであったと受け取ることができます。

勿論、80年前の出来事なのでコーナー一族の先代である可能性もありますが、物語上のインパクト及びアレハンドロとリボンズの語る出会い、拾われたという言葉からは、何からの理由によりアレハンドロ本人がそこに居たと考えた方が辻褄が合うと自分は判断します。
アレハンドロの見た目が推定年齢と異なるのはウラシマ効果やコールドスリープ等、SF的ご都合主義(オイ!)でどうとでもなります(笑)

※明確には示唆されていませんが、どうやらこの推察は邪推だったようです。
コーナー家が代々イオリアの計画に介入する機会を伺っていた事から、先代のコーナーさんであった可能性の方が高そうです。


ハナヨと874のように、ヴェーダにとっての情報収集体がハロ型AIロボットとそこに内蔵されているナノマシン集合体(あくまで推測)であるとすれば、紫ハロを回収した=出会い、拾われたであり、紫ハロが過去を忘れているという描写も、リボンズが抜けた後の抜け殻だと考えれば辻褄が合う気がします。

そう仮定すると、ティエリアにもハロ型ボディが存在するという流れになりますが(汗)

※この部分も明確に示唆されてはいませんが、リボンズと紫ハロの間に何かしらの繋がりはあったとしても、ハナヨ=874のように同義というわけではなさそうです。

プトレマイオス等にいる無数のハロの中身?が世界各地に散っている姉弟の本体なのか?ロックオンの相棒であるオレンジハロの中身はどうなっているのか?等、別の意味で興味深いです。
オレンジハロは紫ハロを兄サンとして認識していたり、ロックオンの相棒となれるような高度の能力を発揮しているので、中身が詰まっていると思われますが、こんな楽しい推測もできます。

※これも完全に邪推というか、そもそもハロっていっぱいいるかと思っていたら、ロックオンが持っていたオレンジとその弟である4体、紫の悪ハロ、そして少し異なりますがハナヨのみのようです。


リボンズについては、ヴェーダが彼をどのように認識しているのかが最大の謎です。そもそもヴェーダが放った情報収集体の一つなのか?擬似GNドライブ同様、擬似情報収集体なのか?という事です。

ヴェーダの関与している情報収集体だとすれば、リボンズが接触しているアレハンドロについてもヴェーダにとっては人間という存在を量るサンプルともとれます。
リボンズ自身はアレハンドロという人間に影響されて悪い子(笑)になっちゃったという事ですかね。

ティエリアとリボンズという二人の存在は、ヴェーダにとって人間の本質を示すアライメントゲージとなるのかも知れませんね。


また、ヴェーダへの介入方法及びティエリアの排除等、ヴェーダの下僕としては少々やり方が強引なので、擬似GNドライブと同様にオリジナルの情報収集体を模した擬似体である可能性も考えられます。
この場合は、ソレスタルビーイング内部に反乱分子がいて、その存在によってもたらされたのが擬似GNドライブ及び擬似ハロという事になるのでしょうか。
そして、その存在は正統派によって潰され、その結果があの崩壊したステーションという可能性も考えられます。


いずれにしても、リボンズが時折漏らす黒い笑みからは、アレハンドロもリボンズにとっては繰人形に過ぎず、彼自身の思惑がどこにあるのかが気になるところです。

※放送を見てお分かりのように、アレハンドロはリボンズにとって道化でしかありませんでした。
そして、彼の口から語られたイノベイターというワードと彼に従う5人の人物の正体等、彼にはまだまだ謎が多いようです。

※※ノベライズ版のエピローグより恐らくリボンズは人類の未来のためにヒトを模倣して作られた存在であり、愚かにしか思えないヒトの未来のために自らが存在している事への自己疑問と矛盾を抱えているように思えます。
そして、その疑問の答えとして最強の矛であるガンダムと最強の盾であるヴェーダの双方を手中に収めるのが相応しいと考え、その二つで矛盾を正した世界を構成する。それこそがリボンズの描く未来であり、彼の行動理由なのでしょう。

少年はとある戦場でモビルスーツのコクピットから、自らが撃墜した旧世代のモビルスーツが転がる荒廃した街並みを見下ろしたとき、その戦場で唯一の生き残りであるライフルを構えて呆然と立ちつくす子供の姿を見た。
その子供の瞳は、なにかを崇めるように、畏怖するような色をたたえていた。

「そうか、キミにとって僕は神か――それはそうだろう。僕はキミより遥かに高い次元にいる優良種なのだから」

下されたミッションでは、戦場にいる全ての人間の排除があったが、少年は気まぐれと、自らを信仰する者に対する慈悲でこれを見逃した。
そして、その子供の瞳に自らの存在理由をはっきりと認識し、歓喜と狂喜が体内から沸きあがってくるのを感じて笑った。

機動戦士ガンダム00 ♯20 変革の刃 その2

2008-02-24 02:52:58 | 機動戦士ガンダムOO
この記事は機動戦士ガンダム00♯20『変革の刃』の後半パートの記事となります。前半パートはその1でご覧下さい。
※新型モビルスーツの名称をGN-Xに修正しました(情報提供M2さん)


CM明け、予告編でも登場した白い艦艇が、ユニオンの高軌道ステーションから発進します。
どうやら無人制御らしい艦艇の中には、これまた予告編に登場した宇宙服姿のアレハンドロとリボンズの姿。

「わざわざアレハンドロ様が同行なさる必要は無いと思いますが」
「君が苦労して手に入れてくれた情報だ。この目で見させて貰うよ。それに…これはコーナー一族の永きに渡る悲願でもあるのだから」
「アレハンドロ様、いえコーナー家は何世代も前から計画への介入を画策していたのですね」
「その通りだ。だがヴェーダがある限り私たちにはどうする事もできなかった。そんな時、偶然にも私の前に天使が舞い降りた…君の事だよ、リボンズ・アルマーク」
「拾ってくれた事への恩返しはさせていただきます」
「しかし、よもや本体の場所を突き止めようとは…」
「時間が掛かって申し訳ありませんでした」
「…リボンズ、君はまさしく私のエンジェルだよ」

まぁ、分かりきっていた事ですが、前回の会話と合わせて、アレハンドロは決して監視者としてではなくイオリア・シュヘンベルグの計画に介入する事が目的であると自白しました。
介入というからには、計画の真の目的は知っていて、それと違った結果を求めているという事でしょう。若しくはもたらされる結果の旨味だけ独占したいというのもあるかも知れません。

そして、その目的を知っているという事は、第16話の記事に書いたように、監視者という存在はイオリアからソレスタルビーイングの計画が曲がった方向に進まないためのタガとして選ばれ、全ての意見が一致した場合にのみヴェーダを通じてソレスタルビーイングの行動に拒否権を行使する事を代々の役目として引き継いでいるのでしょう。

監視者については色々と謎の部分も多いので別の機会として、アレハンドロは監視者の家系としてその計画を知った際に、己の目指す世界との違いを感じたにも関わらず、ヴェーダが障害となって己個人の願望が遂げられず燻っていた所にリボンズが現れたと。

今までの描写の中で、アレハンドロとリボンズの出会いを示唆するシーンは、木星付近のあのシーンしかなく、あそこで拾った物といえば紫ハロかその中身にリボンズ関する重大な秘密があるように思います。

天使という言葉からはO(オー)ガンダムの存在も疑えますが、あのシーンからは拾ったというニュアンスが想像できないので、木星での出会いという線が固い気がします。

そうなると、ますます80年前のあの場所にアレハンドロ(アーディ)がいたという事になりそうですが、以前書いたウラシマ効果の他にもコールドスリープ等SF的な考証はいくらでもできそうなので、あながち的外れでもなさそうです。
とは言え、その想像を裏切ってくれる事を常々願っているのですが(笑)


アフリカにあるトリニティの潜伏場所には、驚いた事に王留美と紅龍が現れます。
ヴェーダから情報が得られない以上、発見したのは彼女個人が持つ情報網の力という事でしょうか。
それにしても、トリニティの面々は益々道化に見えてきて、可哀相な存在にも見えてきます。

「私はあちら側の人間という訳ではありません」
「つまり、中立の立場であると?」
「いいえ、私はイオリア・シュヘンベルグが提唱する理念に従う者。それ以上でも、それ以下でもありません」
「成る程…そういう事ですか」

「よろしかったのですか?お嬢様。ソレスタルビーイングは彼らと敵対して…」
「構わなくてよ。トリニティは世界に変革を誘発したんだから」
「それ程までに、今の世界がお嫌いですか」
「ええ…変わらないのなら、壊れてもいいとさえ思う程に…」

ヨハンがどのように理解したかは分かりませんが、王留美はイオリアの掲げた理念による結果が全てで、その過程及び方法は問題ではないという、ある意味一番ソレスタルビーイングの中で純粋な存在のかも知れません。
メンバーの殆どがイオリアの理念に賛同しながらも、イオリアの理想の体現こそに果たせなかった自分の想いや過去を重ね合わせている中で、彼女は純粋にイオリアの描いた結果のみを見ているようにその言動からは感じます。
彼女の生い立ちが定かでない以上、何故そこまで世界の変革を望み、イオリアの理念に傾倒するのか分かりませんが、今だまったく語られない彼女の両親にその理由があるのかも知れませんね。


プトレマイオスに帰還した刹那たち3人のマイスター。ここの所、宇宙への帰還についてまったく描写されませんが、以前のようにリニアトレインで運んでいるのだとすれば、ラグナの存在もあり、結構毎回危ない橋を渡っているように感じます。

生真面目なティエリアは、命令違反(というか独断行動)についての罰を求めますが、知った上で黙認したスメラギさんを含めメンバーにその気はまったく無し。
そういう事だと肩を叩くロックオンと、それを戸惑いながらも受け入れるティエリアの様子に変化を感じたアレルヤ。
まぁ、彼はアレルヤでいる場合には元々気さくな人なので、これから4人の中で絆が深まっていくでしょう。

そこへラグナからの指示で人革連の軍事施設へと武力介入を開始したトリニティの動向が伝えられます。

「あ、悪鬼め!」
今まで通りの圧倒的な戦力差の下、次々と破壊されていく人革軍。
ドッキングによるランチャーで一気にカタを付けようとフォーメーションを取るスローネに放たれた赤い粒子ビームの光――

「な、何?!」
「また、エクシアかよ!」
「いや、違う…10機の編隊だ…これはガンダムではない!」

GN粒子を放ちながらも、自分たちの知るどのガンダムとも違う機体。トリニティもその存在を知らされていなかった(ラグナ・ハーベィは知っているにも関わらず)銀色の機体。
胸部を中心にX状に伸びたスラスター?が特徴的です。どうやら人革に届いた状態は輸送時の仕様のようで、機体そのものは各国共通のようです。
まぁ、機体ごと提供されたのであれば当たり前ですが。

「頂武GN-X(ジンクス)部隊、攻撃行動に移る。虎の子の10機だ、大破はさせるな。かかれ!!」
「何よ!この機動性?!」
「何という性能だ!やはりこの機体……凄い!!」
「何するのよ!アンタ!!」
「最早ガンダムなど…恐れるに足らん!!」

恐らく機種変換訓練もそこそこに、人革連にとっては未知の領域であるモビルスーツの空中戦をこなし、ネーナの操るスローネ・ドライを凌駕するのは、セルゲイのパイロットとしての素質も然るものながら、GN-Xの持つポテンシャルも相当高いのでしょう。
あのX状のスラスターが、GN-Xの機動性をスローネ以上にしているのかも知れません。
そして、そのX状のスラスターの中心、胸部にはスローネと同様に紫色のGNドライブのモニター?が確認できます。

「お前の相手はこの私だ!!」

どうせならピンクに塗って欲しかったですが(笑)
タオツーを超える機動性を持つGN-Xは、ソーマの強化されたパイロット能力を如何なく発揮できるようで、スローネ・ツヴァイによるGNファングの攻撃を機動力でかわし(タオツーでは致命傷を受けないまでも結構食らっていた)、接近する際の頭部にこれまたX状になる4つのカメラアイを輝かせながら、手持ちのビームライフル?と頭部のバルカン?でGNファングを叩き落していきます。

「機体が私の反応速度に付いて来る!これがガンダムの力!!」
もう水を得た魚のように満面の笑みで機体を駆り、次々とGNファングを堕していきます。

「撤退するぞ」
「しかし、兄貴!」
「反論は聞かん!!」

指揮官としてはなかなか優秀なところを見せるヨハン。
それでも、ソレスタルビーイング(世間ではそう認識している)が介入ミッションに失敗したという歴史上の転換点になりそうです。
最も、トリニティの介入は軍事基地への一方的な攻撃が中心なので、大部分の施設と装備を破壊した時点で失敗ではないかも知れませんが、人革軍兵の歓喜した様子を見る限りは、目的を果たしたとは言えないでしょう。

「これは?どうして…あれだけの被害を受けたというのに…」
「少尉は初めて味わうんだったな。これが、勝利の美酒という物だ」

その兵の歓喜した様子を見て戸惑うソーマに対してセルゲイはこれが勝利だと諭し、自らもガンダム登場以来、辛酸をなめ続けていた鬱憤を晴らす満足げな表情です。敵に与えられた勝利という事は忘れて……


トリニティ撤退と新たなGNドライブ搭載機の登場という結果を受けて一様にショックを受けるトレミー組。
擬似ドライブの持つ欠点というのが寿命であるとするならば、1戦闘での優位性は失われたのも同然ですから、その重い空気も当然でしょう。

「こんなにも世界が変わっていく…その向こうには一体何があるのかしら…」
この王留美のセリフには、自分の望む世界への変革ではなく、ただ今と異なる新たな世界さえ見る事ができればという刹那的な物を感じました。
先の見解と矛盾してしまいますが、王留美にとってはイオリアの理想に共感しているというよりは、イオリアの描いた理想が世界の変革を生むという一点に執着しているのかも知れませんね。

そして今回のクライマックス。
月面のクレーターが開き、その地下へと侵入していくアレハンドロの宇宙船。
以前書いた『7つの謎』の中でのヴェーダ本体の位置とは違いましたが、本体と呼べるべき物が存在した事は事実だったようです。

「こちらです。アレハンドロ様」
ティエリアと同様に虹彩を金色に光らせるリボンズ。リボンスとティエリアは同じ存在という裏づけですね。

リボンズによってロックが解除された部屋へと入ったアレハンドロは、巨大なモニュメントと透明の床下に位置するこれまた巨大な球体を目にします。

「これがヴェーダ!イオリア・シュヘンベルグ…いや、ソレスタルビーイングの根幹を成すシステム!」

歓喜するアレハンドロとその様子に口元を歪ませるリボンズ。今まであえてぼかして書いてきましたが、やはりこの状況を作り出しているのはアレハンドロを利用し動かしているリボンズという事のようですね。

恐らくアレハンドロはリボンズやラグナ、そして他の監視者を利用しているつもりでいて、ラグナも恐らく自らの利益が最優先の戦争商人のような位置づけでしょうから、アレハンドロを利用しているつもりで利用されている。
そして、それらに有益なエサを適度に提供しながらリードしているのがリボンズという関係性ですかね。

リボンズの思惑は今のところ見えてきませんが、それは彼が何者で何のために存在してるのかという事が明らかにならない以上分かりません。
恐らく第1部終局のカギはそこら辺になるのでしょう。

人にどのように見られているかは分かりませんが、ここで自分が書いている内容は先のことを予想して当たれば嬉しいとかいう事では全く無く、提示された情報から何を読み取れるのかという事を主眼としているので、リボンズに関する今現在の情報では彼の目的を想像しても全く意味がありません。

彼が一般的なヒトとは異なる存在で、ティエリアと共通する身体的特徴を持つ事以外は殆ど描かれていませんからね。
その辺りは、残り5話でのお楽しみという事でしょう。


ガンダムに対して新型モビルスーツが牙を剥く
それは戦争根絶などという夢想を求めてきた者への断罪か―
次回『滅びの道』
これが世界の答え―

次回予告からは、パトリックさん良かったね♪位しか(笑)
いやいや、宇宙でGN-Xと戦闘をしていた刹那が、再び地球上でマリナと出会う事から、地球の大気圏へ叩き落されるという事ですかね。
何気にそんな雰囲気のカットもありましたし。

絹江さんの容態と、それを知った沙慈の今後の行動が気に掛かります。

※この記事は25日(26日?)発売の(地域による差はあるでしょうが)模型誌各誌及びガンダムエースの情報を見ていない状態で書いています。
新型モビルスーツの名称だけは偶然知ってしまったので使っていますが、その内容如何では既に判明している部分もあると思います。
それらの情報は自分の目で確認した時点で、模型誌感想なり次回視聴感想に反映させていきますので、ご了承下さい。

機動戦士ガンダム00 ♯20 変革の刃 その1 

2008-02-23 23:30:55 | 機動戦士ガンダムOO
ガンダム00の第1期も残すところ僅かになってきており、徐々に世界の謎が明かされようとしています。
各話レビューとは別にまとめた『7つの謎』の後編が公開できないまま第20話の放送日になってしましました(笑)
またも修正の必要が出てきた後編に日の目を見る日は訪れるのでしょうか(笑)


アバンでは空港のロビーで携帯メールを見ながら想いに耽っている沙慈。
ルイスと姉からしかないメールが、彼にとっていかに二人が重要なのかを教えてくれます。

看護士から、ルイスの左腕の幹細胞に見つかった異常により、腕の再生手術が行えない事、そしてそれはガンダムの放った粒子ビームによる影響らしいという事が沙慈に告げられます。
ここら辺については、あまり深く掘り下げたくないので、GN粒子が直接的に人体に影響を及ぼす物質なのかは分かりません。
もしかすると、監督は劣化ウラン弾による問題を間接的にストーリーに取り入れたいのかも知れませんね。

そんな中、ルイスから届いたメールにあった「宇宙で待ってて。すぐに追いつくから」というメッセージには、ルイスがまだ将来の希望を捨てていない事や二人にとってあの低軌道ステーションへの研修旅行にそういう意味があった事などが伺え、少しホッとさせられました。
この時までは……


OP後、国連の下でユニオン、AEU、人革連による軍事同盟が締結された事が大々的なニュースとして発表されました。
目的はソレスタルビーイングの壊滅のための軍事行動。当然、その裏にはソレスタルビーイングの裏切り者からの擬似GNドライブの提供があっての事でしょう。
その場に国連大使として出席し拍手を送るアレハンドロ…

「どうやらソレスタルビーイングの筋書き通りに事は運んでいるようね」
「ここ最近の過激な武力介入は、国連軍を統合させるため…」
「そう考えるのが妥当でしょうね…」
アザディスタンでニュースを見ていたマリナとシーリンのコメントからは、ここでも再三取り上げてきた通り、ソレスタルビーイングの目的は彼らを標的として人類が国家の垣根を越えてまとまる事のようです。

そして、そこから先の筋書きがイオリアと現在この事象を引き起こしている人物とでは異なるのではと推測されます。

「ようやく計画の第一段階をクリアしたってところか」
同じくニュースを見ていたロックオンのセリフからは、彼らもまた紛争をモグラ叩きのように一つ一つ潰していけば紛争がなくなると単純に思って行動しているのではなく、壮大なプランの段階として紛争への武力介入を続けていた事が伺えます。
彼の言う第1段階というのが、今はまだ3大国家郡の軍事同盟だけである事を指しているのか、彼らがイオリアの最終的な目的まで知った上で行動しているのかはまだ読み取れません。

ガンダムが強大な力を持っている事による抑止力は一応の成果を挙げるでしょうが、それでは未来永劫その抑止力を維持し続けなくてはなりません。
人は自らをモラルのみで律する事は大変難しく、300年後の世界でもそれは大して変わらない事でしょう。
無論、今の世の中にも法律や権力に縛られなくても自らを律する事ができる人は大勢いるでしょうが、反面そうでない人がまた大勢いる事はニュースを見ていれば毎日のように感じる事ができます。

自らの行動に対する代償の大きさ(00の場合はガンダムによる武力介入)による抑止ではない、抜本的な改革による恒久的な平和。
イオリアによるソレスタルビーイングの理念というのが、その過程、方法は別にしてそれであって欲しいと願いますし、マイスターもそれを目的に自らはその過程に生じる必要悪であると覚悟の上で戦っている、そう思いたいですね。

「トリニティの行動が引き鉄になっているのが解せないがな」
「それにしては不可解だ。各国の軍事基地はトリニティによって甚大な被害を受けている。そんな状況で軍を統合しても結果など出る筈が無い。世論の失望と反感を買うだけだ」
「何か裏がある…」
「正直、僕は不安に思う…ヴェーダの情報に明示されていなかったトリニティの存在。そのヴェーダがデータの改ざんを受けたというのが、どうしようもなく僕を不安にさせる…」

個人的には、巻き添えになる人の事を一先ず置いて考えれば、ソレスタルビーイングが目標としていた結果を出すには、トリニティの方法はある意味、理に適っていると思っていましたが、どうやらそれは、手っ取り早く計画を進めるために導入されたプランのようで、激しく疲弊した状態で軍が統合しても意味が無いとするティエリアの考えでは、計画的にプランを進める事でもっと余力を残した状態で軍が統合する事を見越していて、その後の筋書きも用意されていたように感じます。

そんな状態で事態が進展したのは、各国家郡に提供されたGNドライブの存在故で、トリニティの投入及びGNドライブの提供は、事態を急転させるための一連の行動と取れます。

ともあれ、今まで積極的に話すという手段を持たなかったマイスターたちが、お互いに話す事で意識や情報の統一が図られるという事は、彼らが手に入れた大きな成果ではないでしょうか。
そんな関係性の中で気が緩んだのか、ティアリアの一人称が“僕”なっているのを見逃さないロックオン(笑)
想像ですが、ティエリアはその容姿や知識等と比べて精神的には結構幼いのではないかと思います。無垢と置き換えてもいいかも知れませんが、ヴェーダへの高すぎる依存からもそれを感じます…それを理論武装していたのが以前の姿だったのかと。

ロックオンは生真面目なその様子を可愛い(そっちの意味じゃなくてね…)と評していましたが、彼は案外その事を肌で(いや、だからそっちじゃなくて…)感じ取っている、そんな気がします。


地球にいる3人への宇宙への帰還命令を出し、またイアンとラッセにGNアームズを受け取りに行かせるスメラギさん。
受け取るという事は、彼ら以外にも後方支援をしている人間がいる…という事ですかね。まさか大量のハロが……

「GNアームズがロールアウトしたのか」
「とりあえず1機だけだがな」
あぅ…4機揃ってGNアームズで発進という夢は、とりあえず第2部へお預けのようです…


ビリーに奪取したガンダムのビームサーベルの調査結果を聞きにきたグラハム。その口ぶりからは切り落とした腕はやはり回収できていないようです。
「いや、それどころじゃないよ…」
「何があった?」
「どうやらソレスタルビーイングに裏切り者が出たらしいんだ。しかも手土産にガンダムと同タイプのエンジンとそれを搭載するモビルスーツを提供してきたらしいよ」

ビリーの話からは30機のGNドライブ搭載型モビルスーツが提供された事が伺えますが、前回から大きな時間を経ていない事から、機体ごと提供というのは至極当然の流れですね。
そして、そのパイロット及び指揮官としてグラハムに白羽の矢が当たるだろうというビリーに対してハワードとの誓いにより断固としてそれを拒否してフラッグに拘り続けると宣言するグラハム。
もうその心意気やあっぱれ!という感じですが、このグラハムの決断は後々意味を持ってくるように思います。

裏切り者なる人物若しくは組織から、ガンダムと同等の力を得たことで舞い上がっている各国首脳ですが、それがその人物の掌の上で踊らされているという事態に気が付いていないだけという事も十分に考えられます。
ナドレに搭載されているトライアルシステム若しくはそれに準じたシステムとそれを可能にする人物がその裏切り者の提供者の手にあるのならば、彼らの得た力は一瞬にして無に帰します(もったいぶって書いていますが、オレンジとグリーンの事)。
そんな時に、影響を受けないフラッグに乗っているグラハムの行動がクローズアップされる時が最後に必ず来るように思えます。


一方、人革連にもGNドライブとその搭載型モビルスーツ10機が提供された事から、各陣営に10機ずつ配分という事ですね。
やる気満々のソーマにちょっと心配なお父さんといった表情のセルゲイさん(笑)

AEUでは、カティ・マネキン大佐が新型機のパイロット人選中で、その中に“あの男”を加えるが否かで思案中。
どうでもいいですが、軍服を脱いで髪を下ろしたマネキンさんは結構な美人さんでした。そんな中、バラの花束抱えて登場した“あの男”
「大佐、私です。パトリック・コーラサワーです」
「何の用だ、少尉?」
「大佐をお食事に誘いたいと思いまして」
「………@*#$&% 少尉、今世界は大きな変革期を迎えようとしている。その事について考えるような事はないのか?」
「ハイ!ないです!!」(キッパリ)
「………まったく、放っておけん男だ」
「何です??」
「待ってろ、用意をしてくる」
パトリック・コーラサワー恐るべし…いやホント色んな意味で。模擬戦エース初の撃墜シーンを見た気がします。ちょっと映画『トップガン』も思い出しました。


リニアトレイン公社の会長別荘では、JNNからの取材を拒否する一人の男の姿が。

「人気者は大変ですなぁ」
「茶化すな。それより機体の搬送は順調に進んでいるようだな」
「代金の分の仕事はさせていただきますよ。ラグナ・ハーベイ総裁」

え?!このヒゲモジャオヤジ(すいません…)がラグナ・ハーベィさん?!
で、機体の搬送を請けているのがどういう経緯かあのアリー・アル・サーシェス。
新型の機体というのは、当然GN搭載型のアレの事でしょうから、このラグナさんも一枚噛んでいるのは明らかです。
それでもまだ、トリニティの言うところのラグナとこのラグナ・ハーベィさんが=で結ばれているかは分かりません。
というか、ニュアンス的に別のような気がします。

そのラグナさんに、搬送中の新型1機を自分に回せと交渉するアリー。彼の戦争屋としてのカンが、この機体が登場した以上、今後の戦いは新型とガンダムとの間でしか成立しなくなると感じているのでしょうか。
彼なりに現状の延長線での世界の姿というのが見えているのかも知れませんね。
彼の行き先は、外人部隊のゲイリー・ビアッジという肩書きから、以前から繋がりのあったAEUという線が強いのでしょうか。


ラグナへ取材申し込みをしていたJNNの記者と言うのは勿論絹江で、タイミングよく別荘から現れたアリーに接触し、その強すぎる探究心と責任感からアリーの車に乗り込んでしまいます。
アリーは平静を装い、絹江が相当深い所までた辿り着いている事を確認すると、もうその後は関係ないかのように自身の持っている情報を喋り出します。
「あ…貴方は……」
「戦争屋です。戦争が好きで、好きで堪らない…人間のプリミティブ(原始的)な衝動に準じて生きる、最低最悪の人間ですよ」

あぁ…いつかはと思ってましたが、よりによってコイツに……
日本に帰ってきた沙慈はまだ何も知りませんが、ルイス同様に大切な存在である姉がとなれば、彼が今後どうのように世界と向き合っていく事になるのか…

「ウロチョロしていたネズミを掃除しておきましたよ」
「余計な事を…」
「世論の支持を得るためのいいプロパガンダになると思いますがね」
「まったく…喰えん奴だ」

雨の中、腹部に大きな傷を負い倒れ伏す絹江…
彼女の生死は定かではありませんが、世論の支持を得るためのプロパガンダというアリーの発言が何ともよく分かりません。

生きていたとして、彼女の口から漏れる情報は、ラグナがGNドライブの運搬に関わっている事、ソレスタルビーイングのパイロットの一人がクルジス出身の元ゲリラ兵である事…
亡くなったとすれば、ソレスタルビーイング、イオリア・シュヘンベルグ、そしてラグナ・ハーベィについて調査した結果が死であるという事…
そのどちらもが、ラグナにとって支持を得るためのプロパガンダになるとは思えないのですが……
ラグナも所詮アリーにとって利用している存在に過ぎないでしょうから、アリーの利になる意味合いが含まれているのか…?


今回も長くなってしまったので、申し訳ありませんが続きはその2でご覧下さい。

機動戦士ガンダム00 ♯19 絆

2008-02-16 20:16:13 | 機動戦士ガンダムOO
ガンダム00もいよいよ佳境を迎えつつあり、今回も大きくストーリーが転換していく予兆のようなものを感じる回でした。
TOPの写真は以前撮ったものを加工したので、二刀になっちゃってますね(汗)


アバンでは前回のラストシーンであるエクシアVSスローネの戦いが描かれます。
「テメェ!何しやがる!」
「アタシら味方よ!」

「違う!!お前たちが…その機体が…ガンダムで、あるものか!!」
ソレスタルビーイングの正悪とは別の部分で、視聴者の気持ちと物語の主人公たる刹那の気持ちが初めて?一致したのではないでしょうか。


OP後、刹那の行動に戸惑いを見せるトリニティ。
「聞こえるか?エクシアのパイロット。何故行動の邪魔をする?我々は戦争根絶の為に――」
このヨハンという人物の発言はどこまでが真実か量りかねますが、恐らくコマである彼らは彼らなりに戦争根絶という目標を持っている(持たされている)のかも知れませんね。

超口下手(笑)の刹那に対して錯乱と受け取ったヨハン。
ここからの判断に躊躇がない人ですね、すぐさま弟であるミハエルに交戦許可を出します。

「ファングーーーー!」
どうやらこれが口癖らしいミハエル。
けしかけれる誘導兵器を、投射武器と近接武器のみで退ける刹那はいかにもというか痺れました(笑)

そして残った2つのGNファングに手詰まりかと思った矢先、それを焼き払う大口径ビームと共に現れたヴァーチェ。
「ティエリア・アーデ?!」
「ヴァーチェ、目標を破壊する」

プトレマイオスのブリッジでは、エクシアとスローネの交戦及びヴァーチェもそこへ加わった事が伝えられます。
時間軸的には前回のスメラギさんの自室への通信のすぐ後という事でしょうか。

「しかし、彼らの行動が計画の一部である可能性も」
「私たちがこうして動く事も計画に入っているかも知れないわ」
トリニティが自分たちの知らざるところで存在していた事、絶対だったヴェーダへの信頼が揺らぎ始めている事などから、スメラギさんも自分たちも知りえない大きな存在というものを意識し始めているのかも知れません。

刹那が飛び出していくのをあえて見過ごし、スメラギさんに対しても覚悟を促したロックオン。
「ぶっちゃけ、撃つ気まんまん」でコンテナを後にします。


一方、王留美の元にもエクシアとスローネとの交戦が伝えられますが、冷酷な表情で世界が変わりさえすれば手段は厭わないという彼女。
今だ語られない彼女の身の上と合わせて、世界に対する不満と絶望を感じさせます。


「ガンダム同士の戦い…」
「思ったより早かったな。(第3段階への移行…もう後戻りはできんか)」
このアレハンドロの発言により、少なからず現在の状況はアレハンドロの思惑によって進められている事が示されました。
イオリアの計画とソレスタルビーイングの存在を利用して、徐々に自身の描くシナリオへと状況を進めているようですが、そんな彼の後ろで口元を歪ませるリボンズは、アレハンドロにとって利用している存在なのか、それとも知らずと利用されているのか…
その辺りが物語の争点になりそうです。


「フォーメーションS-32」
「了解」
ヴァーチェの防御力を前面に敵に肉薄し、エクシアが接近戦を挑むという連携プレイを見せてくれます。

「フッ…まさか君と共にフォーメーションを使う日が来るとは思ってもみなかった」
「俺もだ…」

俺もだ(笑)

予想外の展開に、大出力のGNメガランチャーで対抗するべくネーナに合体を指示するヨハン。
「そんな時間が与えてもらえると――思っているのか!」
ヴァーチェ初のビームサーベルによる斬撃で2機の合体を阻止し、今回は自らの意思でナドレへとパージするティエリア。

それこそ時間が…というツッコミを他所に(多分実際には一瞬でパージしているのでしょう)出現したナドレからはGNドライブを中心として広範囲に光が放出されます。

「何だ?機体の制御が?!」
「システムダウン?!」
突如としてコントロールを失い地面に叩きつけられる2機のスローネ。

「ヴェーダとリンクする機体を全て制御下に置く、これがガンダムナドレの真の能力――ティエリア・アーデにのみに与えられたガンダムマイスターのトライアルシステム!」

ナドレの能力の一環がここで示されました。トライアルの意味は色々とありますが、ここではやはり能力等を試す事の意味であるトライアルでしょうか。
但し試すのはティアリアの判断に委ねられているようで、実際にはガンダムマイスターとして相応しくないと判断した場合にそのガンダムの能力を取り上げるシステムなのでしょう。

少し疑問なのは、これがナドレの持つ真の力の意味だとすると、対外的にではなく内部に対して意味を持つ物で、他陣営にとっては知ったこっちゃない話。
ナドレを時期早に露見した事へのあれ程の過剰反応は何だったのかと。

アニメ誌の記事によると本来ならナドレは「ある時期」に使用される予定だったらしく、本当の能力を発揮するのはもう少し先のようだと書かれていましたが、そんなナドレ本来の目的で使用される「ある時期」というのは何を指しているのか、またナドレの前身であるプルトーネが引き起こした事故と今回の能力はあまり関係あるようには思えず、まだまだ謎を秘めていそうです。


「君たちはガンダムマイスターに相応しくない…そうとも、万死に値する!!」

ビームサーベルを構え、動けなくなったスローネに接近するナドレですが、アレハンドロの笑みと共にトライアルシステムは強制解除されコントロールを取り戻したスローネは上空へと逃れます。

ここでティエリアが思い当たったのは、前回発見したヴェーダへのデータ改ざんとその後のリンク拒否。
「やはり、ヴェーダは……」
に続く言葉は、何者かの支配下に置かれているでしょうか。


ロックオンが到着し3対3の状況になった所でヨハンは撤退を決意し、去り際にロックオンに向けてある情報を告げます。
「君は私たちより先に戦うべき相手がいる。そうだろ?ロックオン・ストラトス…いやニール・ディランディ」
「貴様…俺のデータを」
「ヴェーダを通じて閲覧させてもらった。ロックオン、君がガンダムマイスターになってまで復讐を遂げたい者の一人は、君のすぐ傍にいるぞ…」

恐らくネーナを通じてヴェーダのレベル7にある情報を得たヨハンは、刹那こそがロックオンの肉親を巻き込んだ自爆テロを起こした組織、クルジス共和国の反政府ゲリラ組織K.P.S.Aに所属していた構成員、ソラン・イブラヒムであると告げます。

先日の謎コーナーでも取り上げた刹那の本名がここで明らかになりました。
刹那自身がその自爆テロに関わっていたかどうかは分かりませんが、そもそもクルジスの為に行動していたわけではないアリー・アル・サーシェスがリーダーを務めていた組織ということは、一見クルジスとは無関係と思われるアイルランドへのテロにも何らかの理由を付けて構成員を送り込んでいたであろう事は想像に難くありません。



各国家群首脳は新たに登場した3機のスローネによる無差別の軍事施設襲撃に成す術もないようで、今までは、ちょっかいを出さない限りは無害であり、自らの思惑にさえ利用していたソレスタルビーイングが、ただ軍事施設であるというだけで攻撃を加えてくるとなれば、武装解除もやむなしという流れに世界は傾きかけます。

ここまでの流れはもしかするとイオリアの描いたシナリオに最も近づいた瞬間だったのかも知れませんが、ある人間の思惑がこの流れを断ち切ります。

ネットワークを通じて接触してきたその人物は、ソレスタルビーイングの内部情報を提供し、更に彼らに“ある力”を提供するようです。
それが何なのかは、番組のラストシーンで明らかになります。


ルイスの看護を続ける沙慈。ルイスからは日本に帰り自分の夢の為に生きてくれと、それこそが自分にとっても夢であると告げられます。
ここで差し込まれる平穏だった頃の彼らのシーン。
ウザイとかイラネとか言われながらも、築き上げてきたシーンが戦争の悲惨さを浮き彫りにするだけとしてではなく、これからの彼らの生きる糧になる事を望みます。

今までの事実から、ガンダムが攻撃する対象は戦争に加担しているものとして世界は認識しているでしょうから、あの結婚式場への襲撃がパイロットの気に入らないという感情だけで引き起こされたとは誰も思ってはいないでしょう。
そのせいで、資産家であったハレヴィ家に疑惑の目が向けられる展開にもなりそうで、ルイスの行く末が非常に気になります。

沙慈にとっては、知らない内に忍び寄ってきているもう一つの影、姉である絹江はユニオン兵から聞いた『ラグナ』という言葉から、リニアトレイン(軌道エレベータ内を行き来しているアレですかね)事業の総裁であるラグナ・ハーベイという人物に行き当たったようです。
大方の予想を覆し、『ラグナ』というのは人物若しくは彼の名を冠した組織のようですね。

経済界にも多大な影響を与える彼ならば、モビルスーツを秘密裏に開発し世界を裏側から動かす事も可能だと後輩クンは結論付け、更には自社の大株主でもあるラグナ・ハーベイ若しくはそのグループに迫る事の無謀さを絹江に説きますが、絹江は真実への追求をやめるつもりはないようです。

視聴者的には、この画面にも一度も登場した事はないであろうラグナ・ハーベイなる人が真の黒幕でしたと言われても、今ひとつ釈然としない気持ちです。
アレハンドロ・コーナーは、国連の大使として表の世界でも顔が知れ渡っているので、アレハンドロ=ラグナ・ハーベイという事はないでしょうが、今までの展開からは何かしらの関係性が伺えます。

このラグナなる人物若しくは組織、そしてアレハンドロが世界をどうしたいのか?そしてそれに対して刹那たちがどう動くのかが、終盤の対立の構図になりそうです。


ロックオンの口から語られる戦争が起こるメカニズムと太陽光紛争のあらまし。
撃たれて家族を失った悲しみと憎しみで相手を撃ち、また撃たれた者の家族は相手を憎みという“憎しみの連鎖”を解っていながらあえて銃を取る選択をしたロックオン。

自身の行っている行為が大いなる矛盾を孕んでいる事を知った上で世界を変える為の抑止力としてガンダムに乗り、事が成った際にはその報いを受けるという決意がトレミー組に見えてトリニティに見えないものです。
その行いを悪と解った上で戦っている彼らに、平和になった後の世界での居場所はないでしょうが、自分と同じ思いをする人を無くしたいと願う気持ちは純粋なものです。

ロックオンが自らをテロと変わらないと評するように、彼らの行いで命を落とし家族を失った者もいる事でしょう。
そんな人々から見れば自らの一方的な理論で武力介入を行うソレスタルビーイングは悪そのものです。
ですが、その行為の先に恒久的な平和という物が存在するならば、結果としてマクロの目線では悲しむ人々を減らす事ができるという、彼らの行いはそういう性質のものだと思います。

そういった理屈は理解しながらも、家族を失った一人の人間として刹那に銃口を向けるロックオン。
「家族の敵を討たせろ。恨みを晴らさせろ」
そう言いながらロックオンは刹那へと向けた銃の引き金を引き、正確に逸らした銃弾は刹那の髪を揺らし森の中へと消えます。

「俺は神を信じていた…信じ込まされていた」
「だから俺は悪くないってか」
「この世界に神はいない…」
「答えになってねぇぞ!」
「神を信じ…神が居ない事を知った。あの男がそうした」

刹那は物凄い口下手で抽象的な言い回しをするので理解しにくいですが、神を信じて戦った先には自身の望む世界は無かった。だから自らが神(ガンダム)となり、戦争の無い世界を実現する。
これが刹那の行動や発言の底にある想いなのでしょう。

そして、アリーの存在とモラリアでの邂逅の一件を語ります。この話すという行為が、今までマイスター間で欠けていた事であり、話す事でお互いを理解する切っ掛けにもなります。今回は『絆』というサブタイトルが付いていますが、ヨハンによってもたらされた“混乱”の種は、マイスター間に“絆”という芽を生む切っ掛けになったようです。今回の話の後はEDテーマである『フレンズ』の詞がより意味合いを持つように感じました。

「刹那、これだけは聞かせろ。お前はエクシアで何をする」
「戦争の根絶」
「俺が撃てば、できなくなる」
「構わない…代わりにお前がやってくれればいい。この歪んだ世界を変えてくれ。だが、生きているなら俺は戦う。ソラン・イブラヒムとしてではなく、ソレスタルビーイングのガンダムマイスター、刹那・F・セイエイとして」
「ガンダムに乗ってか?」
「そうだ。俺がガンダムだ」

最初に「俺がガンダムだ」発言を聞いた時はぶっ飛びましたが、ここまでの行動と言葉を重ねてきて、ようやく刹那の「俺がガンダムだ」に込めた決意というものがストレートに感じられるようになりました。

ロックオンもそれは同様のようで、刹那に“ガンダム馬鹿”という称号を送ります。そしてそれを最高の褒め言葉だと受け取る刹那に和む空気。

「これが…人間か……」
その柔らかい表情と共に、ティエリアのこのセリフがとても印象的でした。ティアリアに関しては別の機会にでも詳しく触れたいと思っていますが、このセリフからは人間を理解する為の存在という印象を受けました。
対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェイスってやつですかね(笑)


アフリカ大陸北西部にあるトリニティの隠れ家では、何故刹那たちが自分たちに向けて襲ってきたのか本当に理解ができていない様子のトリニティの面々。
彼らは何も知らないというか、経験が極端に乏しく物事を理解する為の尺度を持ち得ていないような印象を受けます。

「ラグナに指示を仰ごう。状況次第では再びガンダムと戦う事となる」
このトリニティが使う『ラグナ』という言葉からは、相変わらず人の名前といった印象を受けないんですよね…


そして、南極大陸の地下にある施設に招かれた人々。その着衣からは各国家群の関係者である事が伺えます。
彼らの目の前には、ガンダムがガンダムである所以、恐らくτタイプのGNドライブ30基が現れた所でエンディング。


大いなる計画の改変が世界のバランスを劇的に変えた
その中で、人は涙し戦い、そして死するしかないのか―
次回『変革の刃』
この苦悩…誰に届く


衝撃のラストシーン、そして次回予告からは、GNドライブ(赤い粒子光を発しているので恐らくτタイプ)が各国家群へ引き渡され、GNドライブ搭載型のモビルスーツを以って対等の力を手に入れた各国家群がガンダムを追い詰めていくという展開が予想されます。

追われる者となったガンダム。トリニティもがその対象のようですが、ますますアレハンドロさんの真意が読めなくなって嬉しい展開です。
機体もシルバーの角なしタイプの他に人革連も搭載機を用意しているようで、しばらくの期間が開いた後の物語となるのか、機体ごと提供されるのか?

そうであれば、グラハムさんは、俺はそんな物には乗らないと言っていそうな背中でしたね。
絹江がアリー(髭がないからビアッジか)に接触していたのも気になります。
ますます目が離せませんね…

機動戦士ガンダム00 7つの謎 前編 【再改訂版】

2008-02-12 04:53:33 | 機動戦士ガンダムOO
大好評放送中の『機動戦士ガンダム00』も18話までが放送され、全25話といわれてる第1シーズンの終焉へと物語は加速しつつあります。

自分も第1話から欠かさず見続ける中で、個人的な考察に基づいて感想を書いている部分もあり、初めて見ていただいた方に誤解を与える部分もあるでしょうし、書いている最中に過去の記事や録画映像を見返すのも面倒になってきたので、現状ある多くの謎について自分なりの考察をまとめておこうと思います(18話終了時点)
新たな事実が判明するまでは、このブログで書かれるガンダム00の感想&考察は、概ねこの考えに基づいて書いています。
(2008.2.15 ラグランジュ3に関する記述一部修正)
(2008.3.1 後編のUPに伴い21話時点で判明した事実を追加※)
(2008.4.13 第1期終了後に一部記述を追加※※)

あくまで個人的な考察&備忘録なので、他にも謎がいっぱいあるぞ!というツッコミは無しの方向で…


◆謎その1 ヴェーダとは

作品中は何度もキャラクターの口から語られているソレスタルビーイングの中枢を担っていると思われるコンピュータ『ヴェーダ』
“知識”という意味を持つ言葉で、インドで編簒された一連の宗教文書の総称でもあるヴェーダという名を持つこのコンピュータは、その多くが謎に包まれています。

(1)ヴェーダとは何か

外伝である『ガンダム00F』に登場するキャラの口からは、「イオリアがソレスタルビーイングを作った数百年前から計画を管理しているコンピュータ」「ヴェーダはプランを遂行する根幹をなすシステム」と語られており、本編中でもその存在はソレスタルビーイングにとって絶対であると言えます。
18話ではGNドライブの情報が漏洩(これはあくまでキャラクターの憶測)している事及び一部データの改ざんが発見された事から、ソレスタルビーイングの中でもその信頼が徐々に薄らぎつつあるようです…

※※リボンズにヴェーダ本体を掌握された事により、トレミーメンバーはヴェーダとは別の独立したシステムを構築。


同じく18話では、スメラギさんの口からは量子型演算システム(量子コンピュータ)であると語られましたが、この量子コンピュータであるという事=ヴェーダの持つ特異性であるかどうかは判明していません。

何故、ヒトがたかがコンピュータ(あえてこう書きます)を絶対的な物とするのか?そこが自分にとって最大の謎だったりします。
ヒトによって造られた存在であるコンピュータに、演算機としていくら優秀だからと言って創造主たるヒトが従うのはあまりにも不自然で歪(いびつ)です。

今のところ、個人的な解釈としては、イオリア・シュヘンベルグがヒトとしての限りある命の中では到底実現できない壮大なプランを実施するための代行者として残した物で、別に大昔のSFアニメのようにイオリアの脳や人格を移植したとかではなく、あくまで目的(これ重要)と現在判明してしる手段(ガンダムの概念や太陽炉の基礎理論等)を与え、後は老いる事のないコンピュータであるヴェーダに研鑽し続けさせたというニュアンスで受け取っています。

※ガンダムエースに掲載されている外伝『機動戦士ガンダム00F』にて、ヴェーダには善悪も感情もないただにデータの集合、あるのはイオリアの計画をより良い方向へ進めるための選択史のみであると判明しました。

メンバーは直接的ではないものの、ヴェーダ=イオリアの理想の体現と見なしているからこそ、その理想に共感し従っているといったところでしょうか。
勿論、その理想が方便である可能性も物語上、十分に残されていると思います。


※※ヴェーダは200年間進化を続けていて、ハード、ソフト共に最新技術が投入され進化を続けてきた。但し、根幹であるイオリアの思想が改変されることを防ぐために自己進化のシステム作りは慎重に進められている。

更にヴェーダは集めた情報や世界情勢で目標到達までの道筋を臨機応変に対応させている。ヴェーダにとって最も避けなければならない事態は人類の滅亡で、裏切り者が出るであろう事も予測の範疇で、ヴェーダには時間的な感覚が乏しいので、裏切りによってもたらされる結果が遠回りであっても目的にたどり着けるなら容認する事をいとわない。

『WORLD REPORT』に記された千葉、寺岡両氏のコメントを要約するとこんな感じですかね。
後半の記述は、元々の計画には存在していなかったスローネの承認やアレハンドロの起こした裏切りも結果として物事を進めるのに有益ならば取り入れると言う、ある意味“神”の目線を持ったヴェーダならではの特徴なのでしょう。



(2)ヴェーダはどこに

これは、人革連のコロニー付近にいたプトレマイオスがヴェーダからの指示を受け取れなかった事及び、ティエリアがプトレマイオスにある“赤い部屋”をターミナル(端末)ユニットと呼んでいる事から、ヴェーダ本体がプトレマイオスとは別の場所にある事は容易に想像できます。

プトレマイオスが人革連コロニーから地球へ向けて近づいてきた際に、ヴェーダからの報告が届いた事からも、どこかに本体というべき存在があるのでしょう。
今のところの推測では、もし失われていなければ外伝『機動戦士ガンダム00P』の舞台となっているソレスタルビーイング所有のコロニー『クルンテープ』が有力ですかね。

月から最も遠くそれゆえに他のコロニーは存在していないラグランジュ3に存在するクルンテープ(天使宮の意)。
他にも、プトレマイオスの整備を行っていた秘密ドックのような場所が存在している可能性もありますね。

※第20話『変革の刃』にてヴェーダの本体は月のクレーターの地下に存在する事が判明しました。



◆謎その2 ガンダムマイスターとは

これも頻繁に登場する言葉ですが、意外とその概念は分かっていません。“ガンダムの操縦者”もちろんその意味もあるでしょうが、では何故彼等が選ばれたのか?その理由もいまいち分かりません。
モビルスーツの操縦に長けた者という選択肢だけなら、グラハムでも、セルゲイでも、ソーマでも、アリーでも誰でも良かった訳ですし、軍事関係者の方がむしろ現状のマイスターより適任な気もします(笑)

テロを憎み、戦争の無い平和な世界を望んでいるといった心情的な理由も勿論でしょうが、もっと具体的な理由があるようにも思えます。


(1)ガンダムとの相性

これはまったく推測でしかないのですが、マイスターの感情の高ぶりとシンクロするようにGNドライブの出力が向上するといった描写が作品中に何度かありました。

単なる演出若しくはスロットル全開!かも知れませんが、第1話冒頭に登場した『O(オー)ガンダム』及び旧OPのエクシアがまるで不死鳥の羽のようにGN粒子による翼を展開していたにも関わらず、第3世代ガンダムでは今だそのような描写はありません。

そして、そのOガンダムに搭載されていたGNドライブは、現在引き抜かれて使いまわされている(ガンダム00F)事から、GNドライブそのものは何ら他と比べて特別ではないとしたら、Oガンダムの放出した“光の翼”は、むしろパイロットの方が特別なのではないか?そう思えます。

無論、あれがOガンダム固有の機体能力である可能性もありますが、ガンダムマイスターの条件(ティエリアがよく口にする覚悟とか思想とは別に)とは、いかにGNドライブの能力を引出す事ができるかという相性若しくは能力に起因しているのではないかと…

それがどのような性質若しくは能力に起因しているかは分かりませんが、とすれば、いかにも表面上不完全である刹那やアレルヤ、そして外伝では重犯罪者や16歳のワークローダーの操縦しか経験の無い少女があえてマイスターに選ばれた理由にもなるし、ティエリアはそれを人為的に付加された存在なのかなと思えたりします。

とすれば、Oガンダムのパイロットとは誰だったのか?マイスターの成長が光の翼を引き出すのか?興味は尽きません。


※※この部分については、第1期では明確にはなりませんでしたが、ヴェーダが掌握された後にGNドライブに残されたトランザムシステムをガンダムマイスターに託す等、イオリアのガンダムマイスターに対する信頼の深さが感じられます。


(2)ガンダムマイスターの本名

ガンダムマイスターだけでなく、ソレスタルビーイングのメンバーは全員偽名のようですが、すでに判明しているのは以下の通り。

刹那・F・セイエイ:子供の頃、手に掛けた母親(宮野クンのインタビューより)がソランと呼んでいた事から本名若しくはその愛称でないかと思われる。

※第19話『絆』にて刹那の本名はソラン・イブラヒムである事、また外伝『ガンダム00F』にて、マイスターの情報はヴェーダの中でも最も上位にあるレベル7に該当する事が判明しました。

ロックオン・ストラトス:トレミーのオペレーターを務めるフェルトに自ら語ったニール・ディランディが本名と思われる。故郷の墓に訪れていた彼そっくりの人物については謎のまま。

※※ロックオンの最後のセリフから、彼そっくりの人物はライル・ディランディであろう事が推察されます。

アレルヤ・ハプティズム:回想シーンでは幼少の頃からアレルヤと呼ばれている。あえて言えばE-0057という超人機関でのコードネームがありますが…
脳神経系の強化によりハレルヤという人格を生んだとされているが詳細は謎のまま。

※※何かと因縁のあったソーマ・ピーリスは、彼らの過去に深く関係するマリーという人物である事が判明しました。

ティエリア・アーデ:本名も何も、その存在自体が全て謎(笑)ティエリアについては後編で。



◆謎その3 ソレスタルビーイングの真の目的

これは第17話でユニオンのエイフマン教授の口から出た「やはりイオリア・シュヘンベルグの真の目的は戦争根絶ではなく―」で浮き彫りにされた「武力による戦争の根絶」の裏側、若しくはその先に存在するであろうイオリアの真の目的。

そもそも「武力による戦争の根絶」という目的も大きな矛盾を抱えていて、とても短期間で実現可能なプランには思えないのですが、トレミーのクルーがどこまで真の目的なるものに精通しているのかが気になります。

これまでの流れを見る限りは、スメラギさん、イアン・バスティ、王留美、アレハンドロはかなり意味深な発言をしており、このブログでもアレハンドロの「世界中の悪意がソレスタルビーイングに向けられるまで(武力介入を行う)」及びスメラギさんの「ソレスタルビーイングは世界が変革する為に伴う痛み」という発言(2話)を受け、世界中がソレスタルビーイングを唯一の敵と見なして、反スレスタルビーイングの旗の下にまとまる事こそが目的なのではないかという考えの基に進めてきましたが、どうやらその先が存在するようにも思えます。

17話での演出は、イオリアの目的が武力による世界征服ではないのかと連想させるものでしたが、世界征服という発想は生人の欲望とか野望から発生する目的に思えて、すでに故人であるイオリアが世界征服を真の目的に掲げているとは思えません(勿論、色々な見方があって然りですが)。

エイフマンの過去の言動からは、イオリア及びソレスタルビーイングを絶対悪とみなしていたとは思えず、「紛争の火種を抱えたまま宇宙へと進出する人類への警告。そうワシは見ているがな」(11話)という発言から、イオリアの真の目的はやがて宇宙へと生活圏を移すであろう人類が、国家という垣根を取り払い、一つの集団(端的に言えば地球連邦のような組織?)を形成する事こそが真の目的のように思えます。

ソレスタルビーイングの存在はそこへ人類を導くためへの捨石とすれば、スメラギさん、アレハンドロ、エイフマン教授の発言が繋がるように感じます。
そうであれば、3つの大国が共同でガンダムを対象とした作戦を行うことは、目的実現の一歩なのかも知れません。

「こうも早く世界が動くとは……ヴェーダにも予測できない人のうねりというのがあるのか」(14話)
ティエリアのセリフからも、何となくそのことが伺える気がします。

もっとも、地球連邦の実現が人類の恒久的平和とするには、内紛等の可能性も残り、もう一つ何かが足りない気がしますけどね(汗)

※第20話『変革の刃』にて、ユニオン・AEU・人革連の参加による国連軍が結成。その様子を見ていたマリナ・イスマイールとシーリンの会話から、ソレスタルビーイングも目的とも符合している事が判明しました。
但し、イオリアの真の目的が人類の宇宙への進出かどうかは今現在明らかになっていません。

※※第1期の最後に地球連邦及び平和維持軍が発足しました。
但しイオリアの最終的な目標はもっと先の人類の進化であるとか変革ではないかと今現在は推測しています。


◆謎その4 GNドライブとは

太陽炉とも呼ばれ、ガンダムがガンダムたる所以にもなっているGNドライブ。
謎のカタマリのようなこのGNドライブ及びそれが生み出すGN粒子の情報を挙げていきます。

・無限に近いエネルギーを発生する半永久機関である
・ガンダムの推進力及び1G下での飛行能力を生む
・ビーム兵器の使用を可能にする
・実体兵器(GNソード、GNブレイド等)にコーティングすることで破壊力を上げる事ができる
・レーダー、通信、電子機器へ多大な影響を及ぼす
・フィールドとして展開する事でバリア効果を生む
・上記の特性を利用して特殊装備なしで単独の大気圏突入能力を持つ
・機体の質量を軽減する効果がある(HGヴェーチェより)
・視覚的な迷彩効果を発生させる事が可能
・X線等を遮断し、外部からのスキャニングを防止する
・現存するGNドライブは5つ(トレミーに4つ、フェレシュテに1つ)
・τ(タウ)という擬似GNドライブも最低4機存在する

※※τ(タウ)型の疑似GNドライブは後に30機がアレハンドロから国連軍に譲渡された。又、その技術を解析した結果、4年後には地球連邦でも疑似ドライブと同等のGNドライブが開発されている模様。

※※正規のGNドライブには一定時間スペックの3倍の出力を得るトランザムシステムを搭載。国連軍との最終決戦で壊滅的な被害を受けた各ガンダムからはGNドライブは回収され、フェレシュテ所有の1機も合わせてソレスタルビーイングの残党は現在5機全てのGNドライブを保有しているものと思われる。


現在判明しているのはこんなところでしょうか。
とんでもない万能粒子及び発生機関ですが、このGN粒子及びGNドライブによって、ガンダムは世界中のあらゆる場所へ神出鬼没に現れ、他陣営に対して圧倒的な戦力差を有する根本にもなっています。

エイフマン教授によってその正体の解明が行われてきましたが“知りすぎた”としてエイフマンは殺害されてしまったので、今後はビリーがその役を引き継ぐのでしょうか。

エイフマン及びビリーの会話から判明しているのは、トロポジカル・ディフェクト(トポロジカル崩壊?)を利用している事、その製造には多くの時間と木星圏の環境が必要な事、GN粒子の発光現象はフォトンの崩壊現象によるもの、生み出されるGN粒子は多様性変異フォトンである事が明らかになりました。

またτ(タウ)と呼ばれるトリニティが持つGNドライブとの違いは、TDブランケットという装置の有無によるもので、それによりτ(タウ)は活動時間に限りのある疑似太陽炉であると判明しました。


今まで示された断片からは、GNドライブは核融合炉(に準じた物)であろうと想像できます。
地上の太陽に例えられる核融合炉(核分裂炉、高速増殖炉とはまったく別物)は、内部で軽い核種同士が融合してより重い核種になる原子核融合を利用して膨大なエレルギーを生む機関で、太陽に代表される恒星と同じ仕組みです。

ブランケットとは核融合炉の内壁を構成する装置のひとつで、冷却、燃料生産、遮蔽の3つの機能を担う事が想定されており、τ(タウ)がこのブランケットを持たないデメリットは燃料生産の部分で劣っているのだろうと推測できます。

※※疑似太陽炉は電気を供給する事でGN粒子を発生する機関である事、また発生する粒子は人体に悪影響のある物(正規のGN粒子は無害)が判明しました。


冷却については、GNドライブ及びGN粒子が熱を発していない事から、何か特別な謎が潜んでいると思われます。核融合炉は現在の技術においては非常に高温又は高圧にならざるを得ないようです。

遮蔽については、宇宙世紀ではミノフスキー粒子により実現していた部分で、ここにも特別な謎が存在すると思われます。
個人的な想像ですが、太陽が自身の持つ重力にて安定した核融合が行われている事から、GNドライブにおけるプラズマの遮蔽には重力が使われていて、これがG(Gravity)の持つ意味かなと思っています。ニワトリが先か卵が先かという話にもなってしまいますが、ガンダムがフワっと浮き上がり、フワっと着地するのは何らかの重力制御を行っているように思います。

ついでなので、GNドライブのNの方は、ジャアさんも自身のブログで書かれていましたが、太陽が核融合で生み出す物質の一つであるニュートリノ(Neutrino)がその語源になっているかと思われます。
トリニティの使う疑似GNドライブの名称τ(タウ)はニュートリノの種類の一つ(電子、ミュー粒子、タウ粒子)と同じ事からも関連性が疑えます。

木星圏の環境が必要な理由としては、やや使い古された感はあるものの、やはりヘリウム3がその燃料として使われているという事でしょうか。


但し、やはり一番の謎はGNドライブが核融合炉に近い物であったとしても、ドライブ及び発生する粒子が熱を発していない事にあります。
熱を発していない事はいくつかの出版物に書かれていますし、ガンダムを索敵する際にわざわざ双方向受信システムなんかを使っている事でも伺えます。
そして、GN粒子についても前記の理由に加えて、直下に浴びそうなポジションにいた王留美や紅龍が涼しい顔していた事からも明らかです。

攻撃に関してはガンダムのビームを熱源として捉えている事から、攻撃に転用する際には熱エネルギーとして放出しているようで、この相反する性質にGNドライブの一番の謎が潜んでいるように感じます。

※※終盤の展開で、正規のGNドライブには、蓄積されたGN粒子を一気に放出する事で一定時間スペックの3倍もの力を得るトランザムシステムが内包されていた事が判明しました。


以下、後編へと続きます。

機動戦士ガンダム00 ♯18 悪意の矛先

2008-02-10 12:24:41 | 機動戦士ガンダムOO
昨日は名古屋にも今年初の本格的な雪が降りました。
そのせいもあってか、久しぶりにリアルタイムで視聴する事ができたのですが、何とも重い内容で筆の進みも遅いです…


アバンではAEUイタリアの基地に攻撃を仕掛けるトリニティの様子。
彼等にとっては、旧式のヘリオンなどは物の数ではないようで、一方的に蹂躙していきます。

「あ、悪魔だ……」
炎の中にそびえ立つツヴァイ(予告はこれでしたね)を見上げながら呟く兵士は爆煙の中に消え、その様子を上空から見下ろし高笑いを上げる末妹ネーナ。

「奴等の武力介入はこれで7度目。あれこれ構わず軍の基地ばかりを攻撃…しかも殲滅するまで叩いてやがる…アレルヤじゃないが、世界の悪意が聞こえるようだぜ」

トリニティの行動について困惑する刹那とロックオン。
彼等の行動によってトレミー側の予定は崩れ、今は待機するしかないようです。

「あれが、ガンダムのする事なのか……」
ガンダムという存在に対して兵器以上の感情を持っている刹那にとっては、トリニティの行動は理解しがたいもの。
しかしながら、第三者から見ればヴェーダの意向に沿っているから正しいという理由も無く、どちらも圧倒的な戦闘力で蹂躙していく同じ存在に見えている事でしょう。


3国の首脳にとっては、ガンダムにあと一歩という所まで迫りながら、突如として現れた新戦力トリニティに成す術も持たないようで、世界は対ソレスタルビーイングでまとまりつつあるようです。
合同演習の際も、表向き協力しながらもその裏ではより多くの機体を確保したいと画策していた各国が、今後国家という垣根を越えて協力していくとなれば、それこそがイオリアが描いていた目標に近づいているようにも感じます。
皮肉にもトリニティの出現によって……


「新型のガンダムをご存知ない?!監視者である貴方もですか?」
「私はヴェーダの設定したアクセスレベルにある情報しか知らんよ。彼等のチーム名はトリニティ、操るモビルスーツはガンダムスローネ。分かっているのはこの程度だ。個人的な見解だが作戦行動がやや行き過ぎているとは思うがね」

トリニティの出現についてアレハンドロのもとを訪れた王留美。
アレハンドロの言葉に真意を量りかねているようです。

「貴方は、トリニティの存在も本計画の一部だとお思いですか?」
「そう考えるのが妥当ではないかな。何しろ彼等はガンダムという機体を有しているのだから」

アレハンドロについては憶測の域を出ないのですが、少なくとも計画の一部に自らが進言して承認させた以上、見方を変えれば“ガンダム”さえ有していればイオリアの意に沿うものだとすり替えているようにも聞こえます。


一方、宇宙ではイアンとフェルトによりスローネの解析が行われています。
装甲やシステムは同じだが、GNドライブは違う。機能的には同じだが炉心部にTDブランケットが使用されておらず、ドライブ自体の活動時間は有限である擬似太陽炉だという事が判明しました。

GNドライブの特徴であるほぼ無限の活動時間という部分が劣っているとなれば、本家に比べてかなり劣っているのでしょうが、だからこそ3号機ドライには高濃度圧縮GN粒子の貯蔵量が高く(機体各所のコンデンサーに備蓄している)、他機への粒子転送を可能にしているとすれば納得の行く話です。

ここへ来て、GNドライブの正体というべき物もかなり見えてきましたね。
恐らくGNドライブは核融合炉若しくはそれに準ずる物で間違いないでしょう。
ガンダムファンにはお馴染みの核融合炉ですが(SEEDでは核分裂炉)、太陽光発電と並んで将来期待されるクリーン(核分裂と比べて)エネルギーの一つで、00の世界観にも合っている気もします。
但し、ガンダムファンとしては目新しさに少し欠ける印象も否めません。

ブランケットとは冷却、燃料生産、遮蔽の3つの機能を担う核融合炉の内壁を構成する装置のひとつで、TDの部分が何を示しているかまだ分かりませんが、Tは三重水素(トリチウム)Dは重水素だとすれば、それらを燃料としたD-T型の核融合炉に近い物かも知れません。

またGNドライブの製造には木星圏の環境が欠かせないといったエイフマン教授の発言からは、木星圏で採取されるヘリウム3と重水素による核融合炉という可能性もありますが、これらはそう遠くない未来に実現が見込まれている技術で、GN粒子を放出する訳でもないので、これらを組み合わせた未来型の核融合炉というのが妥当なところでしょうね。

核融合炉は、地上の太陽若しくは小型の太陽とも言われていて、GNドライブが太陽で起こっている陽子-陽子連鎖反応を実現する装置であれば太陽炉という名称も頷けます。
この陽子-陽子連鎖反応の中にはヘリウム3とヘリウム3との融合も含まれるようなので、木星との関連付けもできますね。

但し、これらを繋ぎ合わせてもGN粒子の多様性は説明できませんし、GNドライブ及びGN粒子が熱を発生していない説明にもなりません。
私自身はこれらの方面に明るい訳でもなく、示される単語をただ検索してこじつけているだけなので、詳細は公式発表を待つのが一番ですが、改めて別の記事としてやってみたいですね。
ここでやると、また記事が長く……

虎の子であるGNドライブが、不完全とはいえ他で製造されていた事で、ヴェーダへのハッキングを疑うクルーたち。
もし仮にそうであっても、太陽炉の製造には時間が掛かる事から、相当以前に行われていたと見て間違いないでしょう。

ターミナルユニットでヴェーダに潜るティエリア。レベル7という領域にデータの改ざんを発見し、それ以上の追求を拒否された事で相当ショックを受けています。
そして、意味深にリボンズのカットへ…

このカット割りからは、リボンズの関与した可能性が示唆されていますが、前回ヴェーダにアクセスしていたネーナも相当怪しく、改ざんされたデータ領域の内容が気になります。

世間がトリニティに注視している今、動けば同列に見なされるという事で、スメラギさんはミッションを休止しトリニティの動向を見守る決定をします。
この判断は一見妥当な気もしますが、ではソレスタルビーイングは、いやスメラギさんは一体何がしたいの?という疑問も浮かびます。自分たちの基準で考える悪人退治でしょうか?
悪い奴を消していけば、いずれ世の中は良くなる…おとといTVで見た某映画を思い出します。


「お嬢様、プトレマイオスから送られてきたトリニティの生体データですが、一致する者(物?)は発見できませんでした」
ここで紅龍が言うところの一致するモノの指している意味がよく分かりませんでした。
全人類のデータ(!)から彼らの出生を洗っているのか、彼らの生体データの中から、ある特有の者が持つ特徴は発見できませんでしたなのか。
恐らく前者でしょうが、簡単に見えて凄い事です。
ヴェーダの中には膨大な生体データが収められていて、そこから彼らの適正が見出されてソレスタルビーイングにスカウトされたとすれば、トリニティは一般的な出生記録を持つ者ではないですよという布石ですかね。

「トリニティのやり方は確かに無謀だわ…しかし、これで世界が変わるというのなら……」
トレミーのクルーより、ややドライな王留美のスタンスがこの言葉から伺えます。

前々から思っている事ですが、ソレスタルビーイングの持つ武力で世界を制圧する事ができたとしても、その後の世界を導く指導者はソレスタルビーイングの中にはいません。
武力による戦争根絶が真の目的でなくその過程ならば、戦争を根絶した後の世界で何をしたいのかがイオリアの掲げた真の目的なのでしょう。
全員が武器を持っている中で、一人武器を置く事は難しいですが、強制であれ全員が一斉に武器を置いた後に何ができるのか…という。

それをヒトが行うのはいかにも傲慢でエゴイズムな気がしますが、それゆえのcelestialbeingなのでしょう。事を成した後、彼らが天上人に納まるとは思えないので、歴史の中に消えていく存在として、エイフマンは捉えていたのかも知れません。


ハワード・メイスンの墓標の前でグラハムの過去がダリルから語られます。
グラハムがフラッグの次期主力モビルスーツのトライアルにテストパイロットとして参加していた事、そしてその性能実験中の模擬戦において上官が死亡した事、以前ジョシュアが言っていた上官殺しにまつわる話ですね。

「ならばハワード・メイスンに宣誓しよう。私グラハム・エーカーはフラッグを駆ってガンダムを倒す事を」
フラッグ好きの私としても、グラハムが他の機体に乗り換える事なくフラッグに乗り続けてくれる事は大歓迎です。
どこまでそのチューンが進むのかも楽しみです。


池田特派員経由で接触を図ったユニオン兵士と絹江がバーで密談中。
この兵士は、偶然スローネドライを目撃し、そのパイロット(ネーナ)が発した『ラグナ』という言葉を絹江に伝えます。

「ラグナに報告…ラグナ…何かの名前?暗号?調べてみる価値はありそうね」
亡くなった沙慈と絹江の父もジャーナリストだったのでしょうか、亡き父に真実へ迫る誓いを立てる絹江ですが、絹江と別れた兵士が暗殺されたという事は、絹江にも相応のマークが付いていると思われます。
兵士が発見した事実を本当に軍に報告していないならば、絹江側から足が付いた可能性が高いでしょう。

そして、ここへきて新たに登場した『ラグナ』という言葉。
雰囲気からは『ヴェーダ』と同じコンピュータである可能性が高いと思われますが、今のところ判断できる材料に乏しく断定はできません。
いずれにしても、トリニティがこの『ラグナ』なる存在に従って動いているのは確かなようです。


華やかな結婚式場から沙慈へTV電話を掛けるルイス。突然通信が遮断された理由は、上空を飛行するスローネのGN粒子の影響。

「ラグナから次のミッションが入った。目標ポイントに向かう」
過密スケジュールに渋る弟妹たちに対して、ヨハンは一応戦争根絶という目的意識を持って行動しているようです。
まぁ弟妹たちもそれなりに目的意識は持っているのかも知れませんが、それよりも先に個人的な感情や欲求が先に来るタイプなのでしょう。
分別の付かない子供に銃やナイフを持たせているようなものです。

その最たる存在であるネーナは、地上で行われている結婚式を発見し、そして幼稚で残忍な感情のままにライフルを一閃―


突如としてもたらされた地獄絵図に、両親の下へと駆け寄るルイスの背後に更に一撃を加えるネーナ。

「ごめーん、スイッチ間違えちゃって」
「作戦続きで疲れているんだろ」
「勝手な行動は慎め」

人が死ぬと分かっていて引鉄を引き、スイッチを押し間違えたと言ってのける妹。その大事な妹の疲労を心配する次兄。妹を諌めながらも足元の惨劇に目を向けない長兄。

刹那たちが行っている武力介入は決して正義ではありません。彼らもまた己の信じる理想のためと引いた引き金で一般人が巻き添えになった事もあるでしょう。
被害を受けた人間から見れば、それは同じく一方的な暴力でしかありません。
但し、少なくとも彼ら双方を見通せる神の目線を持った視聴者の受ける印象は180度違ったものでしょう。

世界を変えるためとして、悪行と分かっていながら行動する刹那たちに対して、自分の感情だけを理由に一般人へ向けて発砲したネーナ。
どちらも悪ですが、我々視聴者に理性でなく、感情的に悪と決定付ける衝撃のシーンでした。


トリニティによる一般人への攻撃の知らせを受けたトレミークルー。
ヴェーダにあるトリニティのミッションデータに記載されていない行動だった(これはこれでだったらいいのかという感情は残りますが…)という事で、クルーのトリニティに対する疑問が更に深まります。

ヴェーダとトリニティ、そしてラグナという存在の関係性がややこしくて分かりづらいですね…

ヴェーダはトリニティという存在を容認していて、外伝を見る限りは彼らに指示も出している。
ロックオンの言う彼らによって起こされた7つの武力介入の中にヴェーダの指示によるものはあるのか、全てラグナによる指示なのか?
だとすれば、ヴェーダにとって自分の指示以外で、軍事施設であれ攻撃を仕掛けるのは戦争行為ではないのか?
ヴェーダとラグナの関係は…?
ティエリアの言うレベル7でのデータ改ざんに関係あるのか?
監視者の拒否権はトリニティにも有効なのか?
材料が少なすぎて分かりません(汗)

刹那は自分の心酔する“ガンダム”という存在が一般市民へ向けて攻撃した事で激しい憤りを感じているようです。


ルイスが登校しない事を心配した沙慈は初めてルイスの身に起こった事故を知ります。
そしてそれがガンダムによって起こされた事も。


スローネの襲撃でMSWAD基地を失い、イリノイ基地へと移動したオーバーフラッグス。格納庫では包帯にギブス姿のビリーが工具片手にフラッグの整備を行っています。

「君に譲れないものがあるように、僕にも譲れないものがある」
無理をするなというグラハムに向けたビリーの決意が伝わってきます。それにしても自らスパナを握ってというのは、少し意外ですが…

「僕はね、こう思っているんだ。オーバーフラッグスの本部をガンダムが襲った本当の狙いはエイフマン教授なんじゃないかって」
教授がガンダムの謎に迫りつつあった事で消された可能性から、軍に内通者がいると判断する2人。
口封じのため消されたユニオン兵といい、影で暗躍している人間がいるのは確かなようです。
気になるのは、前回アレハンドロにリボンズが見せていた報告書と思われる書類ですかね。

2人のもとに、アイリス社(フラッグのリニアライフルとかを作っている民間兵器会社)がガンダムに襲撃されたという知らせが届き、グラハムは単機で先行します。
「単独出撃なんて無茶だ」
「そんな道理、私の無理でこじ開ける!」

ゲームのように涼しい顔で施設を破壊するヨハン。
「やはり新型か!どれ程の性能差であろうと!」
リニアで牽制し、空中変形でプラズマソードを構え斬りつけるフラッグ。

「今日の私は、阿修羅すら凌駕する存在だ!!」
「何っ?!」
ここでプラズマソード二刀で斬りかかり、スローネのビームサーベルを弾くと、すぐさま持っていたプラズマソードを捨て、奪ったビームサーベルを一閃、スローネの腕を切り落とします。
この一連の動きの思い切りの良さ等、惚れ惚れする位カッコイイです。
自分の中での主役メカはこのカスタム(オーバー)フラッグですね。特にオーバーになってからの新型リニアライフルが、ステルス機の機首を連想させてくれます。

「一矢は報いたぞ…ハワード…」
ガンダムに対して過去最大級のダメージを与えた代償として、吐血してしまうグラハム。こういう描写が、いかにガンダムに対抗するためにパイロットに負担が掛かっているかという事が伝わりますね。
今のフラッグの延長線で、チューンを重ねていくならば、グラハムは今後自分の体との戦いも強いられそうです。


「ヴェーダ…本計画の生命線ともいえる量子型演算処理システム…もし何者かにそのヴェーダがハックされているとしたら、私たちはヴェーダ抜きで計画を実行していかなければならない……そんなの不可能よ」

量子コンピュータとは、現在のスーパーコンピュータが数千年掛かるという計算を、数十秒でこなす事のできると言われている、現在では基礎概念のみの存在ですが、ヴェーダの特異性が00世界において唯一の量子コンピュータだからなのかは不明です。

無論、どんなに計算が速くても演算処理機である以上、人間以上のモノとは言い切れないと思いますが、あらゆる可能性の検証等、ヴェーダなしでは立ち行かなくなる事も多いのでしょう。
擬似GNドライブの情報の出処が、80年前の木星の施設だったとしても、ヴェーダにデータ改ざんの跡が見られる以上、何らかの外部干渉を受けたのは事実のようです。

一番信頼していたものが信頼できなくなる…ソレスタルビーイング(トレミー組)にとって屋台骨が揺るぎかねない事態という事は間違いないでしょう。
そして、ここでスメラギさんはガンダムによる攻撃で、エイフマン教授が亡くなった事と、恐らく刹那が無断出撃をした事を知ります。


そして、スペインにいるルイスの下に駆けつけた沙慈に突きつけられた事実。
ルイスの身に起こった事実は、ある意味SEED DESTINY冒頭のシーンより衝撃的でした。
何話にも渡って描かれてきた彼らの他愛のない日常が崩れ、傍観者ではなく当事者としてこれからも物語に深く関わっていくであろう事実が痛いです。
彼らが今後どうやって世界に関わっていくのか、そして沙慈にとっては、もう一つ絹江の今後も突きつけられる事も考えられます。

インタビューで監督の言っていた、平和に近づいていく主人公と、傍観者から当事者となっていき、やがて交わるもう一人の主人公という言葉。
沙慈がこれからどう変わっていくのかが、大きな軸として描かれるのでしょうが、今はただ重く痛いです。


「エクシア目標捕捉。3機のガンダムスローネを紛争幇助対象と断定し、武力介入を開始する。エクシア目標を駆逐する!」
自分の信念から独断でスローネを駆逐対象と断定した刹那。
彼の行動は、ヴェーダにとってはスローネと同じかも知れませんが、ここで動かなきゃ主人公じゃない!ってね。

来週も目が離せません。


復習すべき相手は己のすぐ傍にいた
その事実を知ったロックオン・ストラトスは激情と共に銃を手にする
次回『絆』
狙い打つ相手、それは―


予告を見る限り、ロックオンが刹那に銃口を向けています。彼の復讐の相手といえば、故郷を襲ったテロリストが思い浮かびますが、刹那がそれに関わっていたと思うのは早計かも知れません。

彼は確かに少年兵でしたが、祖国を救う聖戦と教え込まれて戦っていた訳で、アイルランドで起きたテロに関わっていたのかどうか?
クルジス消滅後、アリーと共に各地を転々としていた可能性はありますが…
さて、真相はいかに…

機動戦士ガンダム00 ♯17 スローネ強襲 その2

2008-02-03 09:30:37 | 機動戦士ガンダムOO
毎度申し訳ないですが、先にその1の方をご覧下さい。



CM明け
クリスとの記念写真を残し去っていったトリニティ(笑)
スメラギさんの指示でスローネを探っていたおやっさん。
スメラギさんは、ヴェーダに対して疑念を持ったのか、若しくはヴェーダを通す=彼等と情報を共有するという事で、極秘裏に調査した事を隠蔽するための措置でしょうか。

「ニイサン…ニイサン」
窓から見送るハロが切ないぜ!


トリニティには次のミッションが与えられますが、このミッションの出処が非常に大きな問題。

アレハンドロから直接出たミッションとすれば、ヴェーダから見れば彼等も戦争を引き起こす対象になるでしょうし、ヴェーダからだとすれば、このミッションは紛争への介入目的ではなく、事情を知り過ぎた者の抹殺が目的なので、彼等の動く理由に自分たちの正体に迫る者への抹殺という項目が加わる事になります。

これまでも、ガンダムを鹵獲しようとする勢力とは、状況に応じてミッションを度外視して戦ってきたソレスタルビーイングですが、機密に迫った一個人を殺害するためにアメリカの軍施設に直接攻撃を仕掛けるというのは、かなり今までのイメージから逸脱しています。

このタイミングで登場のアレハンドロ。
「貴重な情報をありがとう、リボンズ。私は君に逢った事を神に感謝しているよ」
「この為に、貴方は僕を拾ってくれたのでしょ?」
「いいや、あの出会いは運命だった。そう…私がソレスタルビーイングの監視者となった事も」
「世界をどうします?」
「何もしやしない。私は監視者だ…ただ、世界の変革を見つめているだけの存在だ」

最後のセリフの真意は定かではありませんが、リボンズがただの従者ではない事が明らかになってきました。
世界をどうするのか?という質問は、世界をどうこうできる力を持った人にしかしません。このやりとりからは、アレハンドロがリボンズと出会った事により、世界をどうこうできる力を持ったという事が伺えます。

冒頭のシーンにアレハンドロがいたとするならば、彼の言う運命的な出会いというのも、あの木星付近でと思われます。
生存者がいるような状況では無かったことから、リボンズの存在もまた多くの謎に包まれていますが、彼がティエリア同様に赤い目をしているのが非常に気に掛かります。


沙慈くんは、どうやらルイス嬢へのプレゼントのためにアルバイトを頑張っている様子。当の本人は気付いていないようですが(笑)

「あぁ、ごめん。私ちょっとスペインに戻ってくる。いとこの結婚式があるの」
ピコーンこれは何か不幸なフラグが立ちましたね。
次回予告を見る限り、現実のものになるようです。


取材に行き詰っている絹江には、後輩から新たなガンダムの情報がもたらされます。世間の認識ではソレスタルビーイングの隠し玉という事のようですが、絹江もまた深入りすると標的になるのでしょうか……


洋上のグラハムのセリフから、ジョシュアを含む3人のフラッグファイターの死亡が確定しました。
ガンダムと同等の機体があればと嘆くダリルに向けたハワード・メイスンの言葉…
「ダリル、俺たちはフラッグファイターだ。矜持を見せろよ」
あまり聞きなれない言い回しですが、Kichiさんにコメントいただき訂正しました。矜持=プライドという事のようです。
思えばこれもフラグだったとは……

緊急通信に驚くグラハム。大気圏を突入してくる機体の降下予測ポイントは、何と自分たちの本拠地であるMSWAD基地でした。


「私の仮説通り、ガンダムのエネルギー発生機関がトロポジカル?ディフェクトを利用しているならば、全ての辻褄が合う。ガンダムの機体数が少ない理由も、200年以上もの時間を必要としたことも。あのエネルギー機関を造れる環境は木星……」

ここで何か重要な事に思い当たった様子の教授。ちなみに、何階聞いてもトロボジカルに聞こえるのですが、トポロジカルであれば位相幾何学(いそうきかがく)という実在の学問。

トポロジカルディフェクト、すなわちトポロジカル欠陥を用いた研究は、超伝導、流体力学、電荷密度波、量子渦、ニュートリノ、そして宇宙の創生からブラックホールまで様々な分野で行われているようで、興味のある方は“トポロジカル欠陥”で検索すると様々な物理の勉強ができます。
自分も興味のある論文をいくつか保存しましたので、後でじっくり読みたいと思います。
とはいえ、その方面の知識は全く無いので物凄い高い壁が立ちはだかっていますが(汗)

無論、トロポジカルディフェクトという00世界での造語の可能性もありますが、内容から見てこの方面で間違いないでしょう。ここで重要なのはGNドライブを造れる環境は、冒頭に登場した木星であるという事ですかね。

「120年前にあった有人木星探査計画?!あの開発がガンダムの開発に関わっておったのか……だとしたら、やはりイオリア・シュヘンベルグの真の目的は戦争根絶ではなく――」

ここでPCのモニターに表示されたのは『You have witnessed too much...』“あなたは知りすぎた…”のメッセージ。
教授の動向が監視下にあったのか、有人木星探査計画のやばいページにアクセスしたのか、兎も角スパイ映画さながらの展開です(汗)

そして、教授の口から発せられたイオリアの戦争根絶ではない真の目的とは…
次回予告にあった「理念に隠された野望が鎌首を擡げる」というフレーズが思い起こされます。

もしもソレスタルビーイングの真の目的が、武力による世界制服なのだ!とかだったらもうガッカリです(汗)
そんなものは強大な力を持った悪者が誰もが考え付く愚行ですから……もうショッカーと同レベル。

“武力による世界制服”と“武力による戦争根絶”は似ているようで全く違います。勿論後者の方が困難なのは間違いないでしょう。
それを結果は同じと履き違えたトリニティと刹那たちトレミー組との対立という図式になれば面白いと思うのですが…

教授の散り際からは、イオリア=悪のイメージの演出がされていますが、教授が“やはり”と言った部分に着目すると、以前から教授はソレスタルビーイング及びイオリアに悲観的若しくは愚かな印象は持っていたものの、悪のイメージはさほど持っていなかったように感じます。

「悲しいな…どんな華やかな勝利を得ようと、ソレスタルビーイングは世界から除外される運命にある」
ソレスタルビーイングは滅びの道を歩んでいるのかというグラハムの問いには―
「まるでそれを求めているような行動じゃ。少なくともワシにはそう見える」(7話)

イオリアが何故戦争根絶などという夢みたいな事を始めたのかというビリーの問いには―
「紛争の火種を抱えたまま宇宙へと進出する人類への警告。そうワシは見ているがな」(11話)

その教授の言う“やはり”が単純に悪のイメージなのか否か。
イオリア・シュヘンベルグの真の目的は戦争根絶ではなく――
に続く言葉は、人類の宇宙への巣立ち…というのはカッコ良すぎですかね(笑)

あの演出は視聴者を欺くトラップという事で、予想のナナメ上を行く展開を期待しましょう…期待していいですよね……ね?


そう考えれば、リボンズがアレハンドロに提供した情報の中身とか、このエイフマン教授を狙った襲撃の首謀者も知れるといったところですが、大胆予想は一旦この辺にしてストーリーに戻ります。


「目標ポイントに到達した。ネーナ、ドッキングしてくれ。一気に殲滅させる!」
「りょ~かい♪」
ドッキングといっても、GN粒子を転送するコードをアインに差し込み、グリップを握っただけで、Zにおけるメタスやハイザック、ゲルググと同じ役目のようです。
ドライは機体各所にGN粒子を蓄積するコンデンサーを持っていて、このアインへのGN粒子供給も重要な役目のようです。
ちなみに2機連結状態はGNメガランチャー、3機連結だとGNハイメガランチャーと呼ぶとか呼ばないとか(笑)

「GN粒子転送完了♪」
「了解、GNメガランチャー撃つ」
手持ちのライフルに連結させ、基地の主要施設をなぎ払いエイフマン教授のいる塔を破壊しても尚止まらないそのビームの勢いは、MSWAD基地を根こそぎ焼き払うかのようです。

「来たぜ、雑魚がわんさか!」
ようやく到着したオーバーフラッグスは、予備機を編成したのか再び12機編隊に。教授の訃報をビリーから聞き逆上するグラハム。

「堪忍袋の緒が切れた!許さんぞガンダム!!」
堪忍袋の緒が切れたとは英語で何て言うんでしょ…
ツヴァイのGNファングを「それがどうした」とヒラリとかわしてレールガンを直撃させる腕前は、流石エースパイロット。
ミハエルが機体の性能差から油断しまくりな事を差し引いても、やはりグラハムの操縦技術は際立っているようです。

そして、ハワードも戦闘中の空中変形という一流のフラッグファイターの技を見せながらプラズマソードを構えて突貫。もうスローネの100倍はカッコイイぜ!フラッグ!!というのは、個人の感想という事で聞き流して下さい。

「これがフラッグの力だ!」
「このままではやられる……わけねぇだろ!!」
フラッグ最高!というナイスガイのアメリカ人ハワードと、どこまでも邪悪なミハエルとの戦いは、サーベル状に変形したGNファングで滅多突きにされて決着……

「ハワード・メイスン!!」
最後までフラッグを愛したナイスガイは、公式HPに載ることもなく帰らぬ人に…
ちょっと扱い酷くないすか?せめて公式HPには載せてあげて欲しかったです。

「プロフェッサー…ハワード……くっ、私の顔に何度泥を塗れば気が済むのだ…ガンダム!」


スメラギさんの話によると、MSWAD基地への襲撃はヴェーダにも知らされていないトリニティによる独断との事。
これがヴェーダの二枚舌でないとすれば、先程のトリニティにミッションを発令したのが誰かは明白で、ヴェーダも彼等の独断先行をいつまでも放置しておくにはいかなくなりそうです。
ソレスタルビーイングにとってヴェーダはプラン遂行の根幹を成すシステムなので、ヴェーダの指示及び承認無く武力介入を行うのは、戦争を引き起こす存在と同義です。

「マイスターなのか?奴等は本当にガンダムマイスターなのか?」
という刹那の問いかけも、ガンダムマイスター=ガンダムの操縦者いう意味以外を含んでいるのでしょう。
奴等は本当にヴェーダに従う者なのか?という…


最後はルイスの「ヂュウしで」で締め。濃い内容だった割にはチュウネタ満載の回でした。これぞガンダム00(笑)


信念や理念があろうとも、戦場で散り逝くは人の命である
今日もまた、誰かの涙が零れゆく
次回『悪意の矛先』
刹那、ガンダムを否定する


病室のベッドの上にいるのは、どうやらルイスのようです。スペインはAEU領の筈ですが、来週もフラッグが活躍しそうな雰囲気です。
炎の中に立っている機体はなんですかね??
そして意味深な指輪……