整列機とは?

部品供給方法、部品供給装置のいろいろ

ウエステックで使うバキューム源

2017-07-20 10:18:10 | 効率アップ
ウエステックには、バキューム式の整列機という
機種が有ります。吸引するエアによって、
整列率を上げたり、整列時間を短縮する、
というものです。

整列時以外にも、並べた部品を吸着して移し替えたり
するのにバキュームを使っています。

ところで、バキュームには大きく分けて2種類あります。

密閉してエアの漏れを無くし、真空圧を上げて
吸引力を生み出す方法と、掃除機のように大量のエアを
吸い込み、風の力で対象物を吸引する方法です。

前者では真空ポンプが使われ、後者ではブロワポンプが
使われるのが一般的です。

ウエステックで多用されるバキューム源は、
後者のブロワポンプ式です。

理由はいくつかあります。まず真空タイプですと、
吸着穴が対象物(部品)で密封されていないといけません。

しかし、並べる部品との吸着穴の間にパッキンのような
物を入れないと、密封は出来ません。並べる部品の形状が
複雑だと、パッキンの形も複雑になり、構造上、
それでもエアが漏れる形状というのも有り得ます。

また、吸い付ける部品の形状に沿って、
パッキンを1個1個作るのも大変ですし高価です。

また、吸着を切った時、吸い上げた部品の材質によっては、
パッキンに貼り付いて落ちて来なくなる物もあります。

市販の吸着パッドを使うという方法も有りますが、
小さい部品ですと、サイズが1mm以下という物も多いため、
現実的ではありません。

すると、多少のエア漏れが有っても、吸引力が出せる
ブロワポンプ、という事になります。

整列時に吸引する場合でも同じです。
整列穴から部品を吸い込んで呼び込みますので、
その時点ではエアはダダ漏れ状態です。
掃除機のように、周りのエアごと吸い込む
必要があります。

ところで、ブロワポンプの場合、重要になって来るのが、
配管径です。大量のエアを吸い込む必要がありますので、
まさに掃除機のような太いダクトホースが必要です。





エアチューブでは細過ぎて、流量を確保できません。

しかし、太いダクトホースを使うとなると、
取り回しが大変になります。

ホース自体が太くて邪魔ですし、
曲げ半径も大きくしておかなければなりません。

曲げ半径を小さくして使っていますと、
長く使っている内にホースに亀裂が生じます。

また、吸引をON/OFFする度に、このホースが
暴れますので、ホースの近くには物を置かない様に
する必要があります。

もちろん、吸引する部品が小さく軽い場合は、
エアチューブでも大丈夫な場合がありますが、
小さい部品ですと、数百個から数千個並べる
場合が多いため、吸着穴の数もそれだけ多くなり、
トータルでのエア漏れが多くなる事から、
結局ブロワポンプを使わざるを得ない、
というケースが多いです。

ブロワポンプを使う場合、更に2つ注意点が
あります。まず整列時に吸引を使う時ですが、
最初は並んでいる部品が少ないため、
エアが大量に漏れています。

部品が徐々に並び始めると、吸引穴も次々と
ふさがれて行きますので、エア漏れが少なくなり、
吸引力が上がって行きます。

吸引力の最大値と最小値をよく考えて、
ブロワポンプを選定し、治具の吸着穴径も
設計する必要があります。

2つ目は、ホースを必要以上に長くしない事です。
ホース自体に柔軟性がある上に、ホース内の体積が
それなりに大きいため、吸着のバルブを入れてから、
実際に吸引力が上がるまで、タイムラグがあります。

吸着を素早く切り換える必要がある場合は、
注意が必要です。

弊社に全て設計を任せて戴ければ、実績にもとづき、
効率の良いバキューム式整列機と整列治具を
製作いたします。

全てがうまくマッチすると、エンドユーザーが
特許を申請したくなるような、画期的な整列方法が
実現する事もあります。


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