『Welcomeのぶ・ろ・ぐ』A recluse in Manila

隠遁オヤジは今日もまた桜散る散る日本と陽はまた昇るマニラにて世の無常を嘆きつつ、後は野となれ山となれ。

つぶやく小生であった

2005年10月20日 | 趣味(高校野球観戦)
きょうはこれまで書かなかったことを書いてみよう。
小生は中京の試合が終わった後、あるいは練習試合であれば途中の休憩時間などに、小生が疑問に思ったことやその日の感想、あるいは選手個人の調子を小嶋先生に直接お尋ねしてきた。さぞや先生にとっては迷惑な話であったったことだろう

 先生が小生のくだらない質問にも嫌がらずにお答えくださること自体が小生にとっては大変うれしいことであった。
練習試合では先生は大変厳しいし、きつい言葉も飛ぶ。緩慢なプレーにはもちろん容赦はない。しかしこれは全国の強豪校では当たり前の話であるし、部活動においては、厳しい指導は野球に限ったことではない。怒鳴られ叱られているうちが花。

 当時のバッテリーは2年生の梶田君と、1年生の高森君という若いバッテリーだったので、特にこの二人には配球面で厳しい指導という印象だった。
小生は小嶋先生が梶田君に厳しい注意をしてから自分の近くにおみえになったので「先生、きょうの梶田君はどうですか?以前よりは少しいいような気がしますが。」と聞いてみた。すると、
「はい、確かに先月よりもかなりよくなっているんですよ(笑)。前の回あたりからね、ほら、今のボール(梶田君の投球を指差しながら)なんか、外の低めでいいボールでしょ。あそこに決まりだせばそうは打たれないんですよ。ああやって思い切って投げればやれるんですよ、あの子は。」という言葉が返ってきた。
「高森君は1年生ですが、いきなり正捕手として座るのは負担じゃないでしょうか?」と聞いたら、「僕もびっくりしたんですが、彼はね、驚くほど理解力が高い子なんですよ。通常ならもう少し時間をかけるようなことでも吸収力が高いのですぐに自分のものに出来る子なんですよ。」バッテリーを厳しく注意した後、小生にとっては意外な先生の言葉だった。
てっきりボロクソの答えが返ってくるのかと思っていたがそうではなかった。

じつは、その後のいろいろな質問にも先生は今のような感じで答えてくれたのである。小生が外部の人間ということもあったかもしれないが、一貫していたことは、子供達を批判する言葉はひとつも聞かれなかったということだ。
 そうなると小意地の悪い小生はエラーした選手のことや、打たれた投手のことや、まったく打てない選手のことを先生に聞いてみたくなった。
そこでも答えは一貫していた。
覚えているだけもたくさんあるので書ききれないが、たとえば山川君が今夏の本戦でさっぱり打てなくなってしまった。どこが悪いとかではなく、いわゆる超スランプだ。負けた後の彼は痛々しいほどであった。小嶋先生も負けて悔しいのは顔を見ればわかる。とても言葉をかける状況ではない、が!そんなときに小生は無遠慮にも話しかけてしまう。(すいません!)
「山川君が責任を感じてしまっているようですね。でもぼくは彼は一生懸命やったと思うんですが・・・?」と小生が言ったところ、何度も小さくうなずいて
「彼がいたからこのチームはよくまとまったんです。3回戦の試合の途中からね、、責任を感じていたんでしょう、かわいそうだった」というようなことを言われ、口元をぐっ引締めるようにした。これは監督流の独特の言い方であるが、言い方を変えると「ほんとうによくやってくれたんですよ。あいつがいたからここまでこれたんです。ぼくがもっとなんとかしてやればよかったのに・・」という意味なのだ。
・・・・・・・・・・・・・・
「あのね、この腕の(実際に投げる動作をしながら)この振り方がすごく柔らかいんですよ。これはプロの使い方に近いんです。さらに伸びますよ。」

「あの子はね、腕を振り切るようになってから球に力が出るようになってきたんです。見ててください、来年はもっと伸びますよ。」

「本来のコーナーワークが備わってくるとね、ちょっと高校生では打てないですよ。まだ2年生ですから、もう一皮向けたらいいんですけどね。」
この会話は春季東海大会の名電戦の前に先生とお話をする時間があってお聞きしたときのものだ。小生が今の2年生の投手陣のことを聞こうと思って「○○君は実際のところ今どうですか?前よりも・・・という印象を受けますが」という質問をしたときの先生の答えである。

・・・・・・・・・・

「うーん、○○はね、打つほうは今ちょっと調子が落ちているんですが、守りのほうでは本塁打1本か2本分の働きをしていますからね。全部完璧にはねぇぇ(笑)」
これは某君が打撃面でさっぱり打てなかったときのことを聞いたときの先生の言葉である。
・・・・・・・・・・・
「ただ野球だけ、というのではなく、なんとかね、野球以外の部分をしっかり教えていかないとね。それが僕自身の勉強でもありますけどね。」
これは「子供達は野球を好きなだけやれていいですね」と小生が言ったときの先生の言葉だ。
 
 怪我をして出られない子供に早く治って戻ってきてもらいという気持ちをぽろっと会話の中で言われたこともある。
ほかにもあるが、書ききれない。

おそらく子供達は「何やってんだバカヤロウ!やめちまえ!」などと怒鳴られたりしているから、まさか先生と小生がこんな話をしているとは夢にも思っていないだろう。
実は上に書いたようなことを話していたんだよ。

 批判することはいくらでもできる。しかし現実に一人の指導者がたくさんの子供を教え指導していくのはそりゃ大変なことだ。ひとつひとついわないだけの話で、こちらからはわからない指導者の苦労は山ほどあるに違いない。

 小学生の頃から好きな野球が出来て、ここで野球をやろうと決めた高校に進学して、怒鳴られ、叱られ、教えられながら野球が出来て、それ以上の幸せがあろうか。それでも不足か?それ以上に何を求める?しっかりせい!・・・・
などと小生はいろいろ思い出しながら独り言をつぶやいている。



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6 コメント

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お久しぶりです (toby)
2005-10-20 18:36:51
welcomeさん、お久しぶりです。

とてもいいお話ですね・・・

どこの監督さんも生徒たちには普段、厳しい言葉の嵐だと思いますが

心の中では温かい眼差しなんだと思います。

中京ではトラブルがあり

ゴタついてるようなことを掲示板で見ましたが

どこの学校でもありそうなことだと思います。

強豪ゆえ、自他ともに厳しさが多いのではないでしょうか?



早く立ち直って、強い中京の戦いを見せて欲しいものですね。



先々週の3連休、各務原市民球場で各務原高VS可児高の練習試合があり、観戦しました。

共に県大会は早期敗退となったわけですが

お互いにハツラツとプレ-していて

見ていて気持ちが良かったです。

野球校ではない普通高なので

選手は小粒ですが、元気だけは強豪高にも負けていないようでした~
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幸せ (春一番)
2005-10-20 22:18:26
叱られ、怒鳴られ、子供らは幸せですよ。中にいるとそういうことがわからないんでしょうね。やがて時がたってからやっとわかる。
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こんにちは (welcome)
2005-10-21 10:38:54
tobyさん&春一番さん

指導者という立場も大変ですね。

小生は厳しさのない指導者はダメだと思うし、思いやりのない指導者もダメだとは思いますが、後者はなかなか相手にわかってもらえない場合がありますからね。



「ウチの子を使ってもらえない」とか「指導が悪い」などと親が現場に口出しするのが一番悪いです。
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あとから (春一番)
2005-10-21 21:16:36
情がわかるのは後年になってからかも。人を使うようになってからわかる人もいる。でも、わからないまま今だに文句しか言えない奴もいるようだ。使ってもらえないのは理由があるはず。突き詰めれば自分の能\力不足が原因。それを指導者のせいにする奴がおる。概してそういう奴は野球に限らずできない理由を他人のせいにしたがる。
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表現が (緑の野球ファン)
2005-10-22 00:42:10
Welcomさん申し訳ありません。ちょっと誤解を招くような投稿をしてしまったようです。

折角の素晴らしいブログなのに、掲示板のような状況にしてしまったような気がして・・・



私の希望はは、一言で表現するとするならば「指導方法に個性や違いはあっても、選手に対しては愛情を持った厳しさで接してほしい」という感じです。



私は高校野球は未経験の素人なので、春一番さんのレベルまでには到達していないようです。

自分の子供が現役だった頃は「試合で使ってもらいたいなぁ」と思って応援していました。
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問題ないですよ (welcome)
2005-10-22 11:29:50
緑の野球ファンさん>まったく問題ないですよ。ご依頼のとおり削除はできますが、発言自体は何も問題ないです。

①~④はどこの親さんも同じように思っておられるでしょう。

春一番さんは親さんより子供に向けられているかもしれません。



小生は親さんは、ファンさんがいわれるような願いを持ちながらも、ひとたび指導者に子供を預けたら、「よろしくいお願いします」ということであって、指導方法や、選手起用に口出しはしないほうがよいと考えています。

ましてや子供が指導者を親と一緒に評価するなど何様かと思います。
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