「ジャーナリスト同盟」通信
本澤二郎の「日本の風景」
<「ムサシ」が遂に英文記事>
ネット掲示板にいいニュースが載っていた。「ムサシ」の不正選挙事件が英文記事になったというのだ。日本では既に日刊ゲンダイが報じた。英文記事は「ニュークリア・ニュース」。記事の内容は「全有権者のたったの14%の得票で自民党が過半数をはるかに超える議席を占めた」「最新式の電子投票機が怪しい」「一つの企業がカウントから広告まで選挙全体にかかわっていた。この企業は原子力産業の関連企業でもある」などとポイントを突いている。欧米のメディアに即伝わっているだろう。
「日本の民主選挙」の実態が世界に配信されたことになる。安倍内閣の正当性に赤ランプがついたことになる。この記事は1月17日付けである。グローバル社会はネット情報が先行する。活字映像メディアは後追いしている。
<日刊ゲンダイに次ぐ快挙>
日本の新聞テレビは報道しない。正しくは日刊ゲンダイを除いてだ。小さな日本語圏と英語圏に伝染した政治的効果は大きいだろう。そのうちに中国語圏やイスラム圏へと波及すれば、日本の怪しげな権力構造を世界が共有することになろう。
もっとも、英語は世界語としての地位を占めている。その波及効果は絶大であろう。「ムサシ」は国際的にも知れ渡っていることにもなる。快挙である。
<総務省は逃げる>
日刊ゲンダイの取材に選挙担当の霞が関・総務省は「本省は関知していない。地方の選挙管理委員会に委ねている」と巧妙にも逃げた。
問題は地方の選管にある、といいたげなのだ。その通りで、独占選挙屋の標的は地方の選管だ。地方選管を買収してしまっている「ムサシ」を印象付けている。疑惑は深まるばかりだ。
<選挙事務を独占>
選挙の投開票から管理・運搬を一手に握るという「ムサシ」は、どうみても不可解な存在だ。それが40年も通用してきた。従来は自民党の牙城がくずれるという場面は少なかった。不正は少なくてすんできた、というのだろうか。
選挙は民主政治の根幹である。ここに正当性がないかもしれない、というような構造的欠陥を抱えていること自体に問題がある。問題どころの話ではない。
選挙システムそのものに制度的欠陥がある。直ちに止めるべきだろう。たとえ不正が無いとしても?
このルールを即座に廃止する責任と義務が、この国の司法立法行政の3権に課せられている。この重大な事案を放置するマスコミも悪質だ。同じ狢なのか。違うというのであれば、公正なルールに改める正論を主張すべきだ。
<ムサシと選管からの内部告発>
多くの日本人が、この選挙事務に関与している。数人ではない。「おかしい」と感じる関係者はいるに違いない。
国民に奉仕する人間を自負する者がいるだろう。内部告発すれば、3権も動くだろう。そうしないと、日本人は余りにも悲劇である。情けない国民である。日ごろは選挙の行われていない国や市民を批判してきている右翼メディアは、このことに真正面から向き合うべきではないだろうか。
<選挙ルールが重大欠陥>
筆者にも不正を証言する人たちがいる。不正があれば、それは国家的重罪である。この疑惑を明らかにする責任は日本人にある。
しかし、その前に1民間企業に選挙の一切を委ねている独占システムに、問題の全てがある。不正有無の問題以前なのだ。これくらいのことが、なぜわからないのか。恐ろしい国と国民であろうか。
<政府は必ず嘘をつく?>
もう一ついい報道がネットに載った。これは愛知放送という地方のテレビ局のことだ。「政府は必ず嘘をつく?」という当たり前だが、それでも画期的な放送を流した。9・11や3・11の嘘を、実にわかりやすく解説した番組だ。本来、NHKが率先して扱う内容である。
悲しいことにNHKは嘘をつくメディアの先頭を走っている。国民の金で国民を裏切っている。これほどひどいメディアもないだろう。そんなNHKに金を払う日本人がいる?
多くの日本人も政府の嘘を知るようになってきている。3・11の教訓である。愛知テレビがそれらを堂々と報じた意味は絶大だろう。疑問符の?マークをとれば、もっと良かったろう。
大阪からは、相変わらず怪しげな政治集団が国民を騙し続けているが、名古屋のマスコミはまともだ。そういえば、東京新聞を肩代わりした中日新聞の本陣が愛知ではなかったか。
愛知放送は俄然注目を集めている。財閥の圧力に屈するな、と声援を送りたい気分だ。
<がんばれTBS>
石原は石原でもTBSの石原社長も、ネット掲示板に登場、彼が社員全員にゲキを飛ばした、と報じられている。「真実の報道、まともな番組で市民の支持を得よ」とハッパをかけているらしい。
その意味がわかる。いまのテレビに見たい番組など無い。レベルが低すぎる。1億総白痴化のために存在しているからだ。最近は若者も見ていないほどだ。いっそのこと各国の映画を流した方が視聴率は上がるだろう。韓国の現代映画は食傷気味だ。ひどすぎる。行き過ぎである。
TBSの土曜日番組「報道特集」は、たまに見ることがあるが、テレビ局の中では一番まともである。国民に奉仕するという原則をほぼ貫いている。対してフジテレビには、いつもながらあきれてしまった。昨日の午後の番組で、アルジェリア人質事件を取り上げながら「自衛隊の活用拡大」、軍拡をわめいていた。お粗末な番組の典型だ。日本テレビも同様かもしれない。
過去を知らない、憲法9条を読んでいない人間が、やたらとフジや日本テレビに多い。軍拡をわめく輩は、自分の子弟を真っ先に自衛隊に送り込むことだ。自分は手を汚そうとしないで、自衛隊員に泥をかぶせようとする。自分の息子が自衛隊員として、戦火の人質救出作戦に引きずり出されることを考えろ、といいたい。
余談だが、このTBSの石原社長が先頃、テレビに姿を見せた。髭を生やしていた横顔だったが、確か自民党大平派を担当していた時の石原君である。当時から彼は反骨の片燐を見せていた。TBSにはジャーナリズムが少し残っているのも、彼のせいかもしれない。もっとも、報道特集番組くらいだが。
<石原環境大臣が雲隠れ>
石原慎太郎のセガレの環境大臣は、正月早々不可解な行動をみせて記者団の怒りを買っている。この石原も元TBS記者だ。父親の政治力で押し込んだものだろう。
ジャーナリストとして使いものにならなかった、しかたなく政治屋にしたのだろうと、永田町で受け取られている。作家で通用しない父親も、同じレールに乗っているという。親子の共通点は宗教にかぶれる、ということらしい。
もちろん、信教の自由は憲法が保障しているため、非難されるものではない。
1月15日の定例記者会見で石原事件が発覚した、というのだ。それというのも、正月4日の大臣日程が当人の雲がくれで消えていた、というのだ。
閣僚は公人である。姿を消すことは許されない。公人失格である。罷免の対象である。日刊ゲンダイがこれを書いて指摘した。さすが日刊ゲンダイである。
姿を消した理由は新興宗教の集まりに出ていた、ということらしい。「崇教真光」という教団を知らないが、石原はここの熱心な信者だという。父親は霊友会という教団が、選挙の支持母体で知られる。
<教員の駆け込み退職>
大阪では教員の体罰が刑事事件になって大騒ぎしている。体罰は許されない。旧日本軍を思い出す。父親の戦争時の話には、決まって上官から棒で殴られる日々があった。
天皇の軍隊は体罰で成り立っていた。こんな軍隊も世界的に珍しいのではないか。それが学校でも通用している。体罰教師は首にするしかないだろう。
新たな問題は、教職員が卒業式を待たずに退職金をどっさりもらって逃亡している、という事件だ。これも悲しい出来事である。直ぐに辞めると退職金が140万円も多くなるからだという。
もう20年以上前に北海道で政局講演した時に、案内役の自民党員が「こちらでの富裕層は元教員。みな立派な家に住んで優雅な生活をしている」という話に驚いたものだ。
そのころの中国では、山間部の教員に給料もなかったものだ。教職は聖職ではないだろうが、金のために児童生徒を捨ててしまう?政治の貧困なのであろうか?悲しい日本の現状であろう。
<福島原発放射能が海水・地下水に>
福島東電原発の近くの海の魚から、基準値の2540倍のセシウム汚染が見つかったという報道にも驚かされた。科学者であれば、この値がどれほどのものかわかるだろう。
東電は放射性物質でも半減期30年というもっとも軽いものをばかりを追い掛けている。プルトニウムやストロンチウムなどの猛毒を調べていない。調べても公表しない、と人々は疑っている。
政府・東電とも嘘をついている。ここから素人でもわかることは、海水と地下水が放射能に汚染されている。したがって、この海域や地下水脈のある地域で、人間も生き物も住めない、生きられない。除染して帰宅させるという政府自治体は嘘をついている。不可能なのだ。
福島県のかなりの地域は、地図から事実上、抹消されてしまっているのであろう。こんなに無残なことも珍しい。人間は核と共存できない。半島や大陸の人民も、この事実を体得するしかないだろう。
こんな重罪を犯した東電は、それでもこれまで通り存続する、柏崎原発を稼働させる、そのために新たに10兆円の血税をよこせ、とほざいている。
この薄汚い日本の再生は、なかなか厳しい。
2013年1月24日8時30分記