【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:9/120
ストーリー:★★★★★
キャラクター:★★★★★
映像:★★★★★
音楽:★★★★☆
映画館で観るべき:☆☆☆☆☆(配信のみ)
【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ファンタジー
アドベンチャー
アニメ
ディズニー
ピクサー
友情
海
魚人
トライアスロン
【あらすじ】
海の世界に住むシー・モンスターの少年ルカは、
未知なる人間の世界への憧れを抑えきれず、
友人のアルベルトと共に、
本当の姿を隠して港町ポルトロッソにやってきた。
彼らは水に濡れるとシー・モンスターの姿になり、
乾くと人間の姿になるという特異な性質を持っているため、
この秘密を人間に知られる恐怖を抱きながらも、
目の前に広がる人間の世界に興味津々。
ひょんなことから知り合ったジュリアと
イタリア流トライアスロンレースに参加することになるが……。
【感想】
ピクサー長編作品第24作品目。
コロナ禍の影響で劇場公開が断念され、
ディズニープラスのみでの配信となったけれど、
今年公開(配信)の映画の中では一番泣いた。・゜・(ノД`)・゜・。
いや、もう何となくオチは想像できるぐらいシンプルだし、
いかにもディズニーらしい映画なんだけど、
それでも実際に観ると泣いちゃうぐらいの感動を届けてくれる。
ピクサーやディズニーの作品は多くの場合がそうだけど、
子供はまさに好奇心の象徴。
今回もそれは顕著に出てる。
抑えきれない人間界への興味を胸に、
親からきつく言われていてもそれを無視して、
危険を顧みずに人間の住む町まで行っちゃうから。
もちろん、子供であるがゆえに、
起こるべきリスクを想定しうるだけの
知識や経験がないというのはそう。
でも、きっとそういうことを知ってても彼らは行くだろう。
だって行きたいから。
海の底に沈む人間の落とし物を見つけては
外の世界に憧れるっていうのは、
『リトル・マーメイド』のアリエルを彷彿とさせるけど(笑)
自分たちのやりたいことや欲しいものに、
ただただ素直に忠実な彼らは、
わっかりやすい悪役のエンリコの妨害や、
初めて乗る自転車、
初めて食べるパスタの早食いにも負けることなく、
まっすぐに進んで行く。
このシンプルなストーリーラインと、
テンポよく進む展開は、
ディズニーやピクサーならでは。
途中、ルカとアルベルトに訪れる対立も、
小さい頃に同じような経験をした人は少なくないかもしれない。
最初はアルベルトが率先していたのに、
だんだんルカが自立するようになってくると、
アルベルトがちょっと苛立ってきたり。
2人いつまでもいっしょだと思っていたアルベルトからしたら、
ルカとジュリアが仲良くしているのが、
ちょっと居心地悪かったり。
最初に変化へ誘ったのはアルベルトの方だったけど、
いつの間にかルカの方がもっと大きな変化を求めるようになって、
アルベルトの思惑とズレてくる。
そこに対する違和感が爆発して、
仲違いするってのは、
まあ大人になってもあるだろうねー。
でも、本当の友人なら、
何があっても自分の背中を押してくれる。
自分よりも自分のことをわかってくれる友人ができたとき、
新しい可能性が開けるのだ。
この映画でも、
ルカとアルベルトの関係性は、
まさかの展開も織り交ぜながら、
友人のために一肌脱げる漢気と優しさを感じられて
涙が止まらなかった。
本作の監督は宮崎駿の影響を受けて
水彩画を取り入れるほどの徹底ぶり。
そのためか、舞台となった港町の風景や
青い空、白い雲、広い海はとても綺麗なので、
この季節に観るにはもってこいの映画でした。
あと、メチャクチャパスタが食べたくなる(笑)