Blog of 俺 by 俺 for 俺

自分の自分による自分のためのブログ。
だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

身も心も図太いジジイたちがキュートな『カムバック・トゥ・ハリウッド!!』

2021年06月05日 19時35分35秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:52/104
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ヒューマンドラマ
コメディ
アクション
西部劇
映画製作

【あらすじ】
舞台は1970年代のハリウッド。
B級映画プロデューサーのマックス(ロバート・デ・ニーロ)は、
ギャングのレジー(モーガン・フリーマン)からの
借金が返せずに大ピンチに陥っていたが、
起死回生の秘策を思いつく。
危険なスタント撮影で死亡事故が起きれば、
保険金がガッポリ入って大儲けができるのだ!

早速ボツにしていたサイテーの脚本を引っ張り出し、
老人ホームから往年のスター、
デューク(トミー・リー・ジョーンズ)を担ぎ出して、
西部劇の撮影を開始する。

ただし、真の目的は、
映画を絶対に完成させないこと。
そして、撮影中にデュークに死んでもらうこと。
ところが、デュークは思いのほかしぶとくて、
撮影は順調に進んでしまう。

さあ、どうするマックス!?

【感想】
『映画大好きポンポさん』とは一味違った映画製作の舞台裏。

この前観た『グランパ・ウォーズ』に引き続き、
ロバート・デ・ニーロがまたお茶目な役なのが笑える。

大金を得るために多額の保険金を賭けた俳優を
事故と見せかけて殺そうとするも、
なかなか死なないどころか、
むしろ映画として素晴らしい画が撮れていくというコメディ。

昔、『世にも奇妙な物語』にあった
エピソードに通ずる笑いがあるかなー。
あれは売れない作家が、
自殺したいのにできなくて、
それを小説にしたらヒットしてしまったという話だったような。

マックスは自分の命がかかってるから、
どんな手を使ってでも
デュークを死に追いやることに必死なのだけど、
やることなすこと、
すべてが空振りするところがおかしい(笑)
ただ、オチが読める分、
インパクトはだんだん薄くなっていく部分は
確かにあるんだよね。

だからこそ、目を引く役者が必要だと思うんだけど、
ロバート・デ・ニーロにトミー・リー・ジョーンズ、
モーガン・フリーマンという顔ぶれだから観ていて飽きない。

これまで幅広い役を演じてきた彼らが見せる、
バカなんだけど大真面目で、
冷酷なんだけど必死になる顔は面白い。

特に、トミー・リー・ジョーンズなんか、
最近はBOSSのCMでしか観てなかったから、
「あ、この人ハリウッドスターだったわ」
と再確認するほど(笑)

『ポンポさん』もそうだけど、
映画のプロデューサーも監督も、
パラメータをひとつに振り切って、
他全部ゼロにするぐらいじゃないと
務まらないよなって思った(笑)

映画『カムバック・トゥ・ハリウッド!!』公式サイト

ロバート・デ・ニーロ、トミー・リー・ジョーンズ、モーガン・フリーマン共演!このジジイたち、殺しても死なない!? 6/4全国ロードショー

映画『カムバック・トゥ・ハリウッド!!』公式サイト

 

映画好きの映画好きによる映画好きのための『映画大好きポンポさん』

2021年06月05日 18時44分33秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:1/103👑
   ストーリー:★★★★★★★★★★
  キャラクター:★★★★★
      映像:★★★★★
      音楽:★★★★★
映画館で観るべき:★★★★★

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ヒューマンドラマ
コメディ
アニメ
映画製作
映画好き

【あらすじ】
敏腕映画プロデューサー・ポンポさんのもとで
製作アシスタントをしているジーン。
映画に心を奪われた彼は、
観た映画をすべて記憶している映画通だ。

映画を撮ることにも憧れていたが、
自分には無理だと卑屈になる毎日。
だが、ポンポさんに15秒CMの制作を任され、
映画づくりに没頭する楽しさを知るのだった。

ある日、ジーンはポンポさんから
次に制作する映画『MEISTER』の脚本を渡される。
伝説の俳優の復帰作にして、
頭がしびれるほど興奮する内容。
大ヒットを確信するが……
なんと、監督に指名されたのは
CMが評価されたジーンだった!

ポンポさんの目利きにかなった新人女優をヒロインに迎え、
波瀾万丈の撮影が始まろうとしていた。

【感想】
映画が好きなすべての人へ。
映画に救われたすべての人へ。

こんなにゆるっとしたキャラクターと
ゆるっとしたタイトルなのに、
中身がとんでもなく面白い!

いわば映画製作を舞台にしたアニメで、
同名タイトルの漫画が原作。
スピンオフはあるものの、
『映画大好きポンポさん』
というタイトルでは3巻まで出ており、
すぐに読めるのでそちらもオススメ。

今作は原作の1巻で、
ポンポさんが書いた
『MEISTER』という脚本を映画化する話。
映画のタイトルにはポンポさんの名前が入っているけれど、
彼女はプロデューサーとして一歩引いた立場。
実質の主人公はジーンで、
映画以外何もない彼が、
いきなり監督という大役を任される。

映画製作の苦労に身を削られながらも、
持ち前のセンスと映画愛を注ぎ込み、
多くのキャストやスタッフと協力して、
作品を形作っていく過程は、
映画好きにはたまらない内容だった。

しかも、漫画にはないオリジナルな展開がすごくよくて。
最初は漫画のトレースかなと思ってたんだけど、
途中から大幅な追加要素が足されていた。

作中劇の『MEISTER』において、
作品をよくするための脚本にないシーンの撮影の数々。
どれもが素晴らしい映像なのに、
限られた尺に収めるため、
どこを切ってどうつなげたらいい作品になるのかという苦悩。
編集の段階で気づいた「追加シーン」の必要性。
それを実現するべく手足を動かすポンポさん。
そして、映画オリジナルのキャラクター、
銀行マン・アランの融資エピソード。

それらをテンポよく、
かつ興奮と感動で包み込んだこの映画は、
僕の中で今年一番面白かったなー。

また、映画はただの娯楽ではなく、
人生を投影したり、
人生そのものを豊かにしてくれるものだというのを
明示してくれたのもよかった。

その映画を観て、
観客に何を一番感じてもらいたいのかを考えたり、
作品の中に自分の経験や記憶とのリンクポイントがあることで、
より編集作業に磨きがかかったり、
映画は人の内面と密接につながっているんだということもよくわかる。

さらに、アニメならではの演出もかっこいい。
編集作業において、
フィルムを剣で斬り、
魔法のようにつなげる表現は、
中二心をくすぐられる(笑)

あとはやっぱり、ポンポさんのこのセリフがたまらん。
「満たされた人間っていうのは満たされているが故に
 モノの考え方が浅くなるわ。
 だって深く考えなくても今幸せだから。
 幸福は想像の敵。
 彼等にクリエイターとしての資質無し」
グサリと来る。

映画を作っている人や
映画を観るのが好きな人はもちろんのこと、
例えば友達の結婚式のビデオや何やらで
編集作業を一度でも経験したことのある人なら、
共感できる部分はあるだろう。

もちろん、実際の現場はこのように
スムーズに進むものではないことも多いだろうけど、
映画愛の詰まった今作は映画好きにはオススメしたい。

ちなみに、原作漫画ではすべての登場人物に
好きな映画が3本ずつあるのだけど、
僕が観たことないものばかりで、
かなりマニアックなのも注目したいところ(笑)

劇場アニメ『映画大好きポンポさん』公式サイト

劇場アニメ『映画大好きポンポさん』2021年6月4日公開決定。pixivで65万ビューを超えた話題作が遂に劇場アニメ化!幸福は創造の敵——

劇場アニメ『映画大好きポンポさん』公式サイト