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母親とハリウッドに殺された女優『ジュディ 虹の彼方に』

2020年03月07日 21時45分51秒 | 映画


鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:23/46
⠀ 感動😭:★★★☆☆
悲しみ😢:★★★☆☆
⠀ ⠀ 歌🎤:★★★★★

Somewhere over the rainbow way up high.
There’s a land that I heard of once in a lullaby.

伝説のミュージカル女優であるジュディ・ガーランドの晩年を描いた伝記映画。

ラストで号泣。
なんだけど、そのラストシーンのためだけにすべてがあるような構成で、
世間的な評価はものすごく高いものの、
個人的にはちょっと期待しすぎた感は否めない。

とはいえ、歌しかない彼女が、愛する子供たちとも引き離され、
歌を唄うこともままならない状況に陥りながらも、
必死に舞台に立ち続けようとする姿が胸に響くし、
レネー・ゼルウィガーの歌声に魂を揺さぶられる。

本作の歌は吹き替えなしですべて彼女本人が歌っており、
歌手が本業じゃないにも関わらずあの歌唱力なので、
それだけでも観る価値はあるだろう。

また、この映画は女性や母親の方が感動しやすいかもしれない。
子供たちとのやり取り、僕は特別何も感じなかったけれど、
他のお客さんで泣いている人がけっこういたので。
(決して僕の心が冷たいわけではありません。
 単にそのシーンの共感度が低かっただけですw)

僕にとってこの映画が「ちょっと期待しすぎてしまった」
と言うのには2つの理由がある。

ひとつは、予告のせい。
『ボヘミアン・ラプソディ』や『ロケットマン』と並べているテロップがあったのだけれど、
その2つとは性質が異なるので、想定していたものと少し違った印象を受けた。

もうひとつは、ジュディ・ガーランドについて予備知識を持ちすぎてしまったこと。
波乱万丈な彼女の人生をある程度知っているがゆえに、
この映画に物足りなさを感じてしまった気もする。

ジュディ・ガーランドはまさに“母親とハリウッドに殺された女優”
と言っても過言ではないような人なのだ。

そもそも、彼女の名前を聞いてパッとわかる人は、
映画好きじゃなければほとんどいないだろう。

1939年『オズの魔法使』のドロシー役で人気を博し、
以降も1954年『スタア誕生』などで抜群の歌声を披露して人々を魅了した女優。
(なお、『スタア誕生』は2018年にレディー・ガガが出たやつの大元の作品をリメイクしたもの)

しかし、若い頃から薬物に悩まされ、47歳で人生を終えるまで、それは治らなかった。
あの純粋で優しいドロシーも裏ではあんなことになっていたと思うと心が痛い。

映画では描かれないけれど、
ジュディがそうなってしまったのには
母親であるエセル・ミルンの影響が大きかったらしい。

母親は貧しい幼少期を過ごしたためか、
とにかくお金に対して執着があった様子。
自身もピアノで生計を立てていた流れで、
歌手のフランク・ガムと結婚(しかし彼はゲイ)。

ジュディが生まれた後は、
彼女が2歳の頃から2人の姉といっしょに舞台に立たせ、
稼がせるために仕事をさせまくった。

ジュディはハリウッドの汚い大人たちに翻弄され、
思春期ゆえのふくよかさでさえも「デブ」と罵られ、
痩せるために13歳からアンフェタミンを服用。
(ここは映画にもあるけど、食べたいものを食べることができず、
 何かと「元気が出る薬」を飲まされていた)

母親はそんな彼女を守ろうとはせず、
むしろショービズ界で成功するには必要なことだと捉えていたようだ。

そこからジュディは薬漬けの人生となり、
自殺未遂を起こしたり、
複数の結婚や離婚を繰り返したりと、
私生活はボロボロになっていった。

さらに、ジュディの娘であるライザ・ミネリもまた、
アルコールと薬物に悩まされたそう。

もし母親がジュディを守っていたら、
もしハリウッドにジュディを思いやる人がずっといてくれたら
(実際にはいたそうだが、引き離されてしまったらしい)、
彼女はもっと楽しく女優業をこなし、もっと長く生きていたかもしれない。

映画『ジュディ 虹の彼方に』公式サイト

47歳で散った伝説のミュージカル女優ジュディ・ガーランド 『オズの魔法使』で始まった波乱の人生。ラスト7分――魂の「オーバー・ザ・レインボー...

映画『ジュディ 虹の彼方に』公式サイト

 


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2 コメント

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見て気づいたこと・・・  (もののはじめのiina)
2020-06-06 09:21:25
ライザ・ミネリは、ジュディ・ガーランドの娘だったのですね。ライバルかと思ってました。(^_^;)

ジュディ・ガーランドの名は、巷に通っているの知っていますが、1970年代の歌手と勘違いしてました。

映画を観て、小学校に連れられて見た「オズの魔法使い」の娘さんなのでした。
たしかに子供受けする映画でしたが、先日に放送したので見たところ、凄い豪華版スタジオを力いっぱい撮影した一本でした。

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Unknown (ブログ主)
2020-06-18 23:36:27
コメントありがとうございます。

この映画だけだとちょっと人物の関係がわかりづらいですよねw
僕はウィキペディアとかでちょっと知識を仕入れてから観に行きましたw
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