【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:8/30
ストーリー:★★★★★
キャラクター:★★★★★
映像:★★★☆☆
音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★★☆
【以下の要素が好きなら楽しめるかも】
ドキュメンタリー
教育
モンテッソーリ
【あらすじ】
世界中で実践されている教育メソッド
「モンテッソーリ教育」の魅力と子どもたちの成長をつづったドキュメンタリー。
20世紀初頭にイタリア出身のマリア・モンテッソーリが考案し、
世界中に普及したモンテッソーリ教育。
ルーベにあるフランス最古のモンテッソーリ学校の幼児クラスを2年3カ月にわたって取材し、
2歳半~6歳の子どもたちがユニークな教具で自由に学ぶ姿、
そして彼らが成長していく中でふと訪れる魔法のような瞬間を映し出す。
【感想】
子持ちの親御さん必見のドキュメンタリー。
これはものすごく興味深い内容で、
むしろ子どもたちの特性に共感しまくりだった。
世界の名だたる人々が受けたモンテッソーリ教育だけど、
実際の現場を見ると、
子どもの可能性や自主性に寄り添った教育の素晴らしさに気づく。
ひとりの人間としてあらゆる可能性を引き上げてくれる環境はうらやましい。
人はいつから子どもたちのような自由さを失うのか。
これを観ると、小学校以上の教育法や職場環境の在り方の多くは、
人の可能性を潰してしまうのではないかとさえ思ってしまう。
子どもの好きにさせるのがいいのか、
親が代わりに考えるのがいいのか、
迷うときはこの映画を観るといいかもしれない。
以下、映画で言われていたことの雑多なメモ。
・大人は物事のやり方がわかった時点でやめるか他の人に任せるが、
子どもは目の前にあることを飽きるまで繰り返す。
そうすることで能力を磨いている。
この学校では子どものすることは"お仕事"と呼んでいるが、
そういう仕事への自然な欲求が人間の本質であると捉えている。
・子どもにとっては"できた"ということが出発点で、
その後何度も繰り返すことで"やりたい"という欲求を満たしている。
・子どもは言葉だけの世界では飽きやすいが、手を動かすと集中する。
・子どもたち同士は基本的に助け合うことはしない。
それは「自分でやりたい」という欲求をお互いに尊重しているから。
・子どもは嫉妬しない。
できないことに対する恥じらいもなく、
大きくなったら自分もできるようになるとわかっているから。
・子どもを尊重したいなら、自主性に任せること。
ひとりでやらせて自分の能力をわからせる。
・4歳になると言語に興味を持つが、これを"言語の敏感性"と呼び、
"吸収する精神"で大した苦労もなく、どんどん言語を習得していく。
大人はこの時期を見極め、
自然と湧き出るやる気を阻害してはならない。
また、"吸収の精神"は7歳を過ぎると失われていく。
・モンテッソーリ教育の本質は"集中力の獲得"にあるが、
体を動かすと子供は集中しやすい。
また、細かい作業になるほど子どもは集中するが、
これを"集中現象"と呼び、
いわゆる"天才"と呼ばれる人たちと同等の集中力となる。
・整理整頓された環境が子どもの好奇心を刺激する。
物がありすぎると気が散ってしまう。
・この学校では、子どもに対して褒めたり、罰を科したりはしない。
仮に褒めてしまうと、自分で気づく楽しさを失ってしまう。
・ある生徒が他の子の絵を下手だと言ったとき、
先生はやみくもに叱るのではなく、
「かわいいかどうかはその子が決めることだから、あなたが言うことではないんだ」
と悟らせる。
・子どもは注目されたいし、 愛されたいと思っている。
だから、新しいことを教えるとき、
先生はその子に付きっきりとなり、
他の子が話しかけても
「今、この子にすべてを捧げているから、他の人に聞いてごらん」と、
決して中断することはしない。
・子どもが間違っていても先生は指摘しないこともある。
大事なのは正解を当てることではなく、子どもの能力を伸ばすことだから。
・教育者の成功とは、まるで自分がいないかのようだと思えるかどうか。
・大事なのは、自分がやりたいことをやらせ、
誰もそれに口出しをしないこと。
・人生で最も重要な時期は、生まれてからの6年間。
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