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自分の自分による自分のためのブログ。
だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

『明日の記憶』

2006年05月27日 20時42分14秒 | Weblog
号泣でした。
海猿以上に。
泣きすぎて「ヒクッヒクッ」
って声が出そうでした。

渡辺謙が若年性アルツハイマー病にかかり、
どんどん物事を忘れていくという物語です。
彼は広告会社で働いているという設定でした。
しかしどんどん物忘れが激しくなり、
打ち合わせの時間や取引先の会社の場所まで忘れる始末。
結局は会社をやめることになります。
妻の樋口可南子もそんな夫を支え、
友人のツテで陶器屋さんで働き始めますが、
そのうち新店舗の店長を任せられるようになり、
なかなか帰宅できないという日々へと変わりました。
娘の吹石一恵(かわいい!)は、
坂口憲二と結婚する一人娘役です。

この映画、随所に泣けるシーンが散りばめられています。
医者である及川光博が渡辺謙を説得するシーン、
アルツハイマーと知った渡辺謙が、
ショックで妻といっしょに泣くシーン。
でも僕が一番感動し、見所だと思ったのが、
会社に辞表を出した日、
部下が自分たちのことを忘れないようにと、
名前入りの顔写真を渡したところです。
愛されている上司だなと思いました。
最後に妻の顔を忘れてしまうところでは、
とても寂しい気持ちになりました。

それにしても渡辺謙の演技はすごいです。
アルツハイマーと知って取り乱すところ、
妻に「いつもいつも迷惑をかけてごめんな」
と大泣きするところ、
自分も仕事で疲れているのに絡んでくる夫に嫌気がさして、
突っかかる妻に手を上げてしまい、
大騒ぎするところなど、
大きな病についていけない自分をうまく表現しています。
妻役の樋口可南子も夫に一生いっしょにいますと言ったものの、
やはり仕事の疲れに加えて夫の負担は大きく、
ところどころ嫌気指したようなそぶりは見せますが、
でも常に夫の身を案じ、懸命に支えている姿が、
とても心に響きます。
どんなに愛していても、パートナーのどちらかが
大きなハンディキャップを背負ってしまったとき、
あなたならどうするでしょうか。
僕は、今の段階では、一生支える気にはなれません。
でも樋口可南子は支えていました。
それは、物語の冒頭でわかります。

記憶喪失は失ったものが戻ってくるという希望を持てますが、
アルツハイマーはどんどん失っていくという絶望しかありません。
人の記憶というのは、その人の文化であり、
財産でもあると思います。
それがどんどん失われていく苦しみ、怖さというのが、
この映画で身にしみて感じました。
だからこそ、最愛の妻を忘れてしまったシーンは、
怖さに似た寂しさを感じたんです。

いろいろ考えさせられる映画です。よかった。

実はこの映画が始まる前、
蒼井ゆうが出ているショートフィルムが上映されました。
『澤口家の夏』というものです。
おばあちゃんの認知症啓発がテーマだったのですが、
この時点で僕はすでに泣いていました。
最後のおばあちゃんの言葉が、泣けます……。


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