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役所広司の演技が凄まじい『すばらしき世界』

2021年02月12日 19時05分46秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:7/23
   ストーリー:★★★★★
  キャラクター:★★★★★
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★★☆

【以下の要素が好きなら楽しめるかも】
ヒューマンドラマ
ヤクザ
極道
ヤメ暴

【あらすじ】
殺人を犯し、13年の刑期を終えた三上(役所広司)。
彼は、目まぐるしく変化する社会からすっかり取り残され、
身元引受人の弁護士・庄司(橋爪功)らの助けを借りながら自立を目指していた。

そんなある日、生き別れた母を探す三上に、
若手テレビディレクターの津乃田(仲野太賀)と
やり手のプロデューサーの吉澤(長澤まさみ)が近づいてくる。

彼らは、社会に適応しようとあがきながら、
生き別れた母親を捜す三上の姿を
感動ドキュメンタリーに仕立て上げようとしていた。

肩身の狭い社会に翻弄されながらも、
懸命に生きる三上に降りかかる運命とは……。

【感想】
元ヤクザが“普通”を得るために、
もがき苦しみながら社会に適応しようとしていく映画で、
『ヤクザと家族 The Family』と近しい設定ではある。

しかし、こちらの方がより生活に密着した作りになっていて、
元ヤクザが普通の生活を送るために
どれだけの苦労があるのかが伝わってくる内容だった。

仕事もないし、世間の目も冷たいし、
それでいて瞬間湯沸かし器のような性格だから、
何かと問題を起こしてしまう三上。
とはいえ、根っからの悪人というわけではなく、
まっすぐな性格ゆえの行動だから、
憎めないばかりか好感度は高い。

そんな役を演じきる役所広司の演技が、
この映画の一番の見どころ。
極道に身を置いただけのことはある
ドスの効いた声と怖い表情を見せたかと思えば、
本当に元ヤクザなのかと疑いたくなるぐらいの
親しみやすい笑顔も見せてくれて、
改めて彼の演技は素晴らしいなと思う。
僕は、三上の感情が爆発して、
カップラーメンをぶちまけてしまうシーンが一番好きだった。

ただ、母親を探すくだりが弱く、
なぜそこまで母親に固執するのかの深掘りがなされてなかったから、
そこはもう少し知りたいなと感じたかなー。

あと、注目したいのが田村健太郎っていう役者さん。
いろんなドラマや映画に出てて、
今回も終盤で障害を持つ役どころで出演してるんだけど、
この人もいつも幅広い役を演じていて、
しかも、どの役もピッタリハマってるんだよね。

そういえば、『ヤクザと家族 The Family』で
ヤクザを演じていた北村有起哉が、
今回ケースワーカー役で出演しているのがなんかウケる。
今度はそっちかーいってw

英語のタイトルは“Under The Open Sky”。
劇中でキムラ緑子演じる極道の妻が、
「シャバは肩身は狭いけど、空は広いって言いますよ」
というセリフに準拠してるんだろうなー。

とにかく、役所広司の演技だけで観る価値がある映画でした。

映画『すばらしき世界』大ヒット上映中

名優:役所広司×監督:西川美和 映画『すばらしき世界』大ヒット上映中!実在した男をモデルに「社会」と「人間」をえぐる問題作

ワーナー・ブラザース映画

 


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